既存のソフトウェアRAIDデバイスのサイズ変更には、各コンポーネントパーティションが提供するスペースの増減が必要です。
mdadm(8)ツールは、ソフトウェアRAIDレベル1、4、5、および6に対してだけサイズ変更をサポートします。これらのRAIDレベルには耐障害性があるので、一度に1つづつ、サイズ変更するコンポーネントパーティションを削除できます。原則として、RAIDパーティションのホットリサイズが可能ですが、その場合は、データの保全に特に注意する必要があります。
デバイス上の使用可能スペースで変更内容を利用するために、RAIDに常駐するファイルシステムもサイズ変更できる必要があります。SUSE® Linux Enterprise Server 11では、Ext2、Ext3、およびReiserFSに関して、ファイルシステムのサイズ変更用ユーティリティを使用できます。このユーティリティは、次のようにサイズの増減をサポートします。
表 11-1 ファイルシステムサイズ変更のサポート
ファイルシステム |
ユーティリティ |
サイズを増加 |
サイズを減少 |
---|---|---|---|
Ext2またはExt3 |
resize2fs |
はい(ただし、オフラインのみ) |
はい(ただし、オフラインのみ) |
ReiserFS |
resize_reiserfs |
はい(オンラインまたはオフライン) |
はい(ただし、オフラインのみ) |
パーティションまたはファイルシステムのサイズ変更には、データを失う可能性をはらむリスクが伴います。
警告: データの喪失を避けるには、データをバックアップしてから、サイズ変更タスクを開始します。
RAIDのサイズ変更には、次のようなタスクがあります。タスクの実行順序は、サイズを増加するか、減少するかによって異なります。
表 11-2 RAIDのサイズ変更に必要なタスク