7.10 新規デバイスのスキャン(再起動なし)

ご使用のシステムがマルチパス処理用に設定されており、後からSANにストレージを追加する必要がある場合は、rescan-scsi-bus.shスクリプトを使用して新しいデバイスをスキャンすることができます。デフォルトでは、このスクリプトは典型的なLUN範囲ですべてのHBAをスキャンします。

構文

rescan-scsi-bus.sh [options] [host [host ...]]

コマンドラインでホストを指定するか(廃止予定)、--hosts=LISTオプション(推奨)を使用することができます。

オプション

ほとんどのストレージサブシステムでは、このスクリプトはオプションを指定しなくても正常に実行されます。ただし、特殊な場合はrescan-scsi-bus.shスクリプトに対して、次のいずれかのパラメータを使用する必要があります。

オプション

説明

-l

LUN 0~7のスキャンを起動。[デフォルト: 0]

-L NUM

LUN 0~NUMのスキャンを起動。[デフォルト: 0]

-w

ターゲットデバイスIDが0~15をスキャンします。[デフォルト: 0~7]

-c

チャネル0または1のスキャンを有効にします。[デフォルト: 0]

-r
--remove

デバイスの削除を有効にします。[デフォルト:無効]

-i
--issueLip

ファイバチャネルLIPのリセットを発行します。[デフォルト:無効]

--forcerescan

既存デバイスを再度スキャンします。

--forceremove

各デバイスを削除し、再度追加します。

警告: このオプションは危険なので、注意して使用してください。

--nooptscan

0が検出できない場合は、LUNの検索を中止しないでください。

--color

色付きのプレフィクス、OLD/NEW/DELを使用します。

--hosts=LIST

LIST内のホストだけをスキャンします。ここでLISTは、単一の値と範囲をカンマで区切ったリストです。スペースは使用できません。

--hosts=A[-B][,C[-D]]
--channels=LIST

LIST内のチャネルだけをスキャンします。ここでLISTは、単一の値と範囲をカンマで区切ったリストです。スペースは使用できません。 

--channels=A[-B][,C[-D]]
--ids=LIST

LIST内のターゲットIDだけをスキャンします。ここでLISTは、単一の値と範囲をカンマで区切ったリストです。スペースは使用できません。 

--ids=A[-B][,C[-D]]
--luns=LIST

LIST内のLUNだけをスキャンします。ここでLISTは、単一の値と範囲をカンマで区切ったリストです。スペースは使用できません。

--luns=A[-B][,C[-D]]

手順

次のプロシージャを使用して、システムを再起動せずに、デバイスをスキャンして、マルチパス処理に使用できるようにします。

  1. ストレージサブシステムで、ベンダのツールを使用してデバイスを割り当て、そのアクセス制御設定を更新して、Linuxシステムが新しいストレージをアクセスできるようにします。詳細については、ベンダのマニュアルを参照してください。

  2. すべてのターゲットをスキャンしてホストの有無を調べ、LinuxカーネルのSCSIサブシステムのミドルレイヤに新しいデバイスを認識させます。端末コンソールのプロンプトで、次のように入力します。

    rescan-scsi-bus.sh [options]
    
  3. システムログ/var/log/messagesファイル)をチェックしてスキャニングの進行状況を調べます。端末コンソールのプロンプトで、次のように入力します。

    tail -30 /var/log/messages
    

    このコマンドは、ログの最後の30行を表示します。次に例を示します。

    # tail -30 /var/log/messages
    . . .
    Feb 14 01:03 kernel: SCSI device sde: 81920000
    Feb 14 01:03 kernel: SCSI device sdf: 81920000
    Feb 14 01:03 multipathd: sde: path checker registered
    Feb 14 01:03 multipathd: sdf: path checker registered
    Feb 14 01:03 multipathd: mpath4: event checker started
    Feb 14 01:03 multipathd: mpath5: event checker started
    Feb 14 01:03:multipathd: mpath4: remaining active paths: 1
    Feb 14 01:03 multipathd: mpath5: remaining active paths: 1
    
  4. ステップ 2」から「ステップ 3」まで繰り返し、新しいデバイスに接続しているLinuxシステム上の他のHBAアダプタを介して、パスを追加します。

  5. multipathコマンドを実行して、DM-MPIO設定用のデバイスを認識します。端末コンソールのプロンプトで、次のように入力します。

    multipath
    

    これで、新しいデバイスをマルチパス処理用に設定できます。