G.5 LANドライバの追加または更新

LANカードのメーカーは、新しいLANアダプタを開発およびリリースすると、通常は新規または更新されたドライバもリリースします。新しいLANカードが旧ドライバで適切に動作する場合もあれば、旧ドライバでは新しいLANカードが認識されず、ロードされない場合もあります。また、旧ドライバではロードはされるものの、LANカードで深刻なパフォーマンス上の問題が発生する場合もあります。新しいLANカードのパフォーマンス機能を完全に使用できるようにするには、新しいドライバを使用する必要があります。

次の各セクションでは、ドライバを取得またはコンパイルする方法について説明します。

特定のパラメータでドライバをロードする必要がある場合は、セクション G.5.3, パラメータによるドライバのロードを参照してください。

G.5.1 ドライバの取得

新しいLANドライバは、メーカーから取得する必要があります。大部分のLANカードメーカーでは、Webサイトからドライバを無料でダウンロードできるようになっています。一部のドライバは、www.scyld.com/networkから入手できます。Broadcom* BCM5700ドライバのソースは、http://www.broadcom.com/drivers/downloaddrivers.phpからダウンロードできます。

メーカーがZENworksで使用されるカーネルバージョン用に特別にバイナリドライバをコンパイルしている場合は、そのドライバを取得し、いずれかの更新方法を使用してドライバを追加できます。ZENworks 10は、SLES 10 SP1、カーネルバージョン2.6.16.46-0.12に基づいています。ドライバがこの特別なバージョン用でない場合、ソースを取得して、このバージョン用にコンパイルする必要があります。詳細については、セクション G.5.2, ドライバの構築を参照してください。

G.5.2 ドライバの構築

ほぼすべてのLinuxドライバは、ソースコード形式で配布され、使用前にコンパイルする必要があります。新しいドライバに付属のメーカーの指示に従って、ドライバモジュールを構築してください。多くのドライバは、カーネルそのものに組み込む方法で構築できます。ただし、LANドライバは外部カーネルモジュールとして構築することをお勧めします。

LANドライバを構築する場合は、構築用マシンでイメージング環境と同じカーネルを使用していることを確認してください。イメージング環境にロードされないLANドライバがある場合、通常はビルド環境とイメージング環境が一致していないことを意味します。

Linux環境の現在のカーネルバージョンを確認するには、次のコマンドを使用します。

uname -r

ドライバを構築する

Linuxソースコードツリーの取得

モジュールをコンパイルするには、ZENworksカーネルと一致する設定が含まれているLinuxソースコードツリーが必要です。

Linuxソースコードツリーを使用するには、次の手順に従います。

  1. 必要なソースコードを入手するために、linux-2.6.16.46-0.12-pulsar.tgz Linuxソースコードツリーファイルをダウンロードします。

  2. tarファイルを圧縮解除し、ソースコードツリーーを/usr/srcディレクトリにインストールします。

    たとえば、tarファイルでは次のディレクトリが作成されます。

    /usr/src/linux-2.6.16.46-0.12
    /usr/src/linux-2.6.46-0.12-obj
    
  3. ソースツリーへのリンクを作成するには、次のようにします。

    1. /usr/srcディレクトリに移動するには、次のように入力します。

      cd /usr/src
      
    2. ディレクトリ内にLinuxソフトリンクがある場合は削除します。

    3. 次のような新しいLinuxソフトリンクを作成します。

      ln -s linux-2.6.16.46-0.12 linux
      

モジュールをコンパイルするためのLinuxカーネルソースツリーおよびソフトリンクの準備ができたら、モジュールのコンパイルを続行します。

モジュールのコンパイル

モジュールを手動でコンパイルするには、次の手順に従います。

  1. ソースをインストールします。

    メーカーの指示に従いソースをインストールします。

    通常は、モジュールソースは/usr/srcの下位のディレクトリにあります。通常、モジュールソースファイルはgzipped tarファイル形式(.tar.gzまたは.tgz)で提供されます。ファイルはbzippedファイル(.bz2)である場合もあります。

  2. ソースをコンパイルするために、ディレクトリをソースに変更します。

  3. ZENworks用にモジュールをコンパイルした場合は、生成された.koモジュールファイルを取得し(適切なモジュール名を選択します。動作中の.koファイルは選択しないでください)、ドライバ更新方法を使用してインストールするか、initrdファイルシステム内に保存します。

G.5.3 パラメータによるドライバのロード

linuxrc処理時間中にロードしたいモジュールがあるとき、linuxrcがロード対象を認識しない場合や、ロードパラメータを指定したい場合は、linuxrc.configまたは/infoファイル内に行を入力します。次に、このファイルをinitrdファイルシステム内で更新します。

特定のパラメータを使用して、LANドライバモジュールをロードする必要がある場合があります。それには次のような行を使用します。

insmod="moduleName parm=xxx"

このタイプの行は、特定のパラメータ(全二重、特定の速度など)でLANドライバをロードするために最もよく使用されます。