F.5 セッションモード(マルチキャストイメージセット)
-session (マルチキャストイメージセット)モードコマンドは、あるデバイスのイメージを作成して、そのイメージを、1度の操作で、ネットワークを介して他の複数のデバイスに同時に復元する場合に使用します。
重要:マルチキャストを正しく機能させるには、ネットワーク上のルータおよびスイッチでマルチキャスト機能を設定する必要があります。この設定を怠ると、マルチキャストパケットが正しくルーティングされない場合があります。
マルチキャストを実行するためには、各参加デバイスをイメージングブートメディアからブートし、次の説明に従いこのモードでZENworksイメージングエンジンを実行する必要があります。イメージの取得元となるデバイスはマスタ、イメージを受信するデバイスはクライアントと呼ばれます。
マルチキャストセッションは、イメージングサーバから開始できます(ZENworksイメージングサーバからのマルチキャストセッションの開始を参照してください)。この方法でマルチキャストセッションを開始する場合は、セッションマスタとしてデバイスではなくマルチキャストの対象となるイメージファイルを指定します。また、クライアントデバイスからセッションを開始する場合、セッションクライアントのいずれかをセッションマスタとして指定できます。この場合、セッションマスタのハードドライブのイメージは、セッションクライアントに送信されます。詳細については、各クライアントからのマルチキャストセッションの開始を参照してください。
ヘルプモードを使用する
F.5.1 ZENworksイメージングエンジンメニューを使用したマルチキャスト
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ZENworksイメージングエンジンメニューを表示するために、次のように入力します。
img
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[]>[]の順にクリックします。
マルチキャストウィザードが表示されます。
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次のフィールドに必要事項を入力します。
参加者のいずれかをマスタにする必要があります。セッションを開始するのはマスタです。
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[]をクリックします。
ZENworksイメージングエンジンメニューが[]オプションと共に表示されます。セッションを実行するにはマスタが必要になるため、このオプションを選択してマルチキャストセッションを中止すると、セッションのキューに入っているクライアントのイメージは一切マルチキャストされません。
ステップ 3でセッションを有効にした場合は、クライアント数またはタイムアウト値に達すると、セッションが開始されます。
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ステップ 3でセッションを有効にしていない場合は、[]をクリックすれば有効にできます。
F.5.2 イメージング保守モードプロンプトを使用したマルチキャスト
次の例は、イメージング保守モードプロンプトを使用した場合に、-sessionモードコマンドと一緒に使用できる構文や利用可能なパラメータについて説明します。
img -session name -master [-clients=count] [-timeout=minutes] [-throttle=time] [-comp=comp_level]
または
img -session name -client
[...]括弧は、オプションのコマンドを示します。
-sessionは、-s、-masterは-mのようにそれぞれ省略できます。
詳細については、次のセクションを参照してください。
コマンドの詳細
表 F-10 セッションモードのコマンドとパラメータ
名前
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マルチキャストセッション名。セッションに参加する各デバイスで、このパラメータに同じ値を使用します。
重要:この名前は同時に実行されるマルチキャストセッションとは別の特有のものにする必要があります。マルチキャストセッション用のクラスDのIPアドレスを生成するうえで、ZENworksイメージングエンジンによりハッシュされます。トラブルシューティング(ワイヤスニフィング)を簡単に行えるように、すべてのConfiguration Managementイメージングマルチキャストアドレスは231から始まります。たとえば、セッション名mcast01のマルチキャストアドレスは231.139.79.72になります。
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‑masterまたは‑client |
このデバイスがセッションマスタまたはセッションクライアントになるように指定します。セッションで指定できるマスタは1つだけです。
これらのパラメータを省略した場合、ZENworksイメージングエンジンは、いずれかのデバイスのユーザが<m>キーを押して、そのデバイスをマスタとして指定するまで待機します。続いて、マスタデバイスで<s>キーを押して、セッションを開始する必要があります。 |
‑clients=count |
イメージングを開始するまでに、マスタのほかに登録する必要がある参加デバイスの数。このオプションは、(‑mパラメータを使用して)セッションマスタとして指定したデバイスにのみ適用されます。
イメージングセッションは、a)最後のクライアントが登録された場合、b)すべてのデバイスが登録されるまで待たずに、マスタデバイスで<s>キーを押した場合、またはc)最後のクライアントが登録されてから5分経過した場合に開始されます。
このパラメータを省略した場合、ZENworksイメージングエンジンは、ユーザがマスタデバイスで<s>キーを押して、イメージングセッションを開始するまで待機します。以降は、セッションへの登録を試みたデバイスはすべて拒否され、次回のマルチキャストセッションのキューに入れられます。 |
‑timeout=minutes |
イメージング処理を開始する前に、最後のクライアントが登録されてからマスタデバイスが待機する分数(必要な登録済みクライアントに達しない場合)。このオプションは、(‑mパラメータを使用して)セッションマスタとして指定したデバイスにのみ適用されます。
このパラメータを省略した場合、タイムアウトはデフォルトの5分になります。
イメージング処理は、a)クライアントの値に達するか、b)タイムアウト値が発生するか、またはc)マスタデバイスで<s>キーを押すまで開始されません。この後、クライアントが登録しようとしても拒否され、次回のマルチキャストセッションに送られます。 |
‑throttle=time |
マスタがパケットを送信する間隔のミリ秒数。これはネットワークトラフィックを抑える場合に便利です。 |
-comp=comp_level |
イメージの作成時に使用する圧縮量。0~9のいずれかの番号を指定します。0を指定した場合は、圧縮されません。1は[]と同じで、このパラメータを指定しなかった場合にデフォルトで使用されます。6は[]と同様です。9は[]と同じで、パフォーマンスは最も低くなります。 |
例
表 F-11 セッションモードの例
img ‑session mcast01
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マルチキャストセッションmcast01を開始します。イメージングの開始前に順次このコマンドを発行した各デバイスが、セッションに参加します。
イメージングは、いずれかのデバイスで<m>キーを押してそのデバイス自体をマスタとして指定し、<s>キーを押すまで開始されません。 |
img ‑session mcast01 ‑m
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マルチキャストセッションmcast01を開始し、そのデバイスをマスタとして指定します。イメージングの開始前に順次img -session mcast01を発行した各デバイスが、クライアントとしてmcast01セッションに参加します。
イメージングは、マスタデバイスで<s>キーを押すまで開始されません。 |
img ‑session mcast01 ‑master ‑clients=5
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マルチキャストセッションmcast01を開始します。イメージングの開始前に順次img -session mcast01を発行した各デバイスが、クライアントとしてmcast01セッションに参加します。セッションを開始するには、他の5つのデバイスがクライアントとして登録されるか、または最後のクライアントが登録されてから5分経過する必要があります。ただし、<s>キーを押せば、すべてのデバイスが登録されるまで待たずに、マスタデバイスからセッションを開始することができます。 |
img ‑session mcast01 ‑master ‑clients=5 ‑timeout=20
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マルチキャストセッションmcast01を開始します。イメージングの開始前に順次img -session mcast01を発行した各デバイスが、セッションに参加します。他の5つのデバイスがクライアントとして登録されるか、または最後のクライアントが登録されてから20分経過すると、セッションが開始されます。また、<s>キーを押すと、いつでも手動でセッションを開始することができます。 |