サーバの負荷計算の重みを調整する

ZENTCASサービスは、DeFrameサーバの負荷を計算するために、メモリ、CPU使用率、ユーザ、ページファイル、および仮想メモリの5つのサーバリソースを使用します。サーバから取得した情報を基にして、これらの各リソースに対する負荷が自動的に計算されます。次に、これら個々のリソースの負荷に割り当てられた重みが負荷計算に使用され、サーバ全体の負荷が計算されます。

各リソースのデフォルトの重みを使用するか、またはさまざまなパフォーマンスレベルを得るためにサーバごとに重みを変更できます。リソースの重みは、他のリソースの負荷に関するサーバ負荷スコアに対して、あるリソースの負荷が及ぼす影響の大きさを示します。たとえば、メモリの重みを100、CPU使用率の重みを100、残りのリソースの重みを0に設定すると、メモリの負荷とCPU使用率の負荷は、サーバ負荷スコアでは同じ影響の大きさ(50%)を持つことになり、他のリソースの負荷は無視されます。5つすべてのリソースの重みを100に設定すると、それぞれのリソースの負荷は、サーバ負荷スコアでは同じ影響の大きさ(20%)になります。

サーバ負荷スコアの計算に関する詳細については、サーバ負荷計算を参照してください。

リソースに割り当てられた重みを調整するには、次の手順に従ってください。

  1. ConsoleOneで、DeFrameサーバオブジェクトを右クリックし、[Properties]をクリックして、DeFrameサーバオブジェクトのプロパティページを表示します。


    DeFrameサーバオブジェクトの[Associated Applications]ページ

  2. [Server Load Configuration]タブをクリックして[Load Config]ページを表示します。


    DeFrameサーバオブジェクトの[Load Config]ページ

  3. 次のように設定を変更します。

    [Memory]、[CPU Usage]、[Users]、[Page File]、[Virtual Memory]: 各リソースの負荷に適用する重みを選択します。他のリソースよりも大きい重みを選択すると、サーバ負荷スコアの計算時にそのリソースの重要性が他のリソースよりも高くなります。たとえば、サーバにたくさんのメモリが搭載されている場合に、メモリに高い重みを設定するとします。この場合、サーバのメモリのほとんどが使用可能な状態であるため(サーバのメモリ負荷が小さいため)、サーバ負荷スコアは低くなります。サーバ負荷スコアが低いと、サーバがアプリケーションの優先サーバになる可能性が高くなります。

    [Maximum Number of Users]: すべてのリソースの負荷は、サーバから取得した情報に基づいて計算されます。ただし、ユーザ負荷は例外です。ユーザ負荷は、現在ログインしているユーザの数(サーバから取得)を、この設定で指定した最大ユーザ数で割ることによって計算します。この数は、ターミナルサーバで処理できる同時セッションの最大数と同じ値に設定します。

    [Log File Duration]: ZENTCASサービスがログファイルの情報を削除するまでの日数を選択します。zentcaslog.txtというログファイルが、サーバのc:\winnt\system32\deframeディレクトリに格納されています。デフォルトは3日です。つまり、3日ごとにログファイルの情報が削除されます。

    [Load Refresh Rate]: この設定は、DeFrameサーバがWatchdogのプライマリサーバとして動作している場合のみ適用されます。ZENTCASサービスが他のDeFrameサーバからの負荷情報を要求する頻度を選択します。デフォルトは4秒ごとです。

  4. すべての設定をデフォルト設定にリセットする場合は、[Defaults]をクリックします。

    デフォルト設定は、eDirectoryツリーのルートにあるDEFAULT_REGオブジェクトに保存されます。デフォルト設定は変更できます。この変更内容は、デフォルト設定を使用しているすべてのターミナルサーバに反映されます。

  5. [OK]をクリックして変更内容を保存します。

リソースの新しい重みは、30秒後に使用できるようになります。新しい重みをすぐに使用する場合は、ZENTCASサービスを再起動してください。


サーバ負荷計算

サーバ負荷スコアを計算するために、ZENTCASサービスは次の計算式を使用します。

サーバ負荷スコア = (リソース1の負荷スコア) + ...+ (リソース5の負荷スコア)

「リソース1の負荷スコア」から「リソース5の負荷スコア」は、メモリ、CPU使用率、ユーザ、ページファイル、および仮想メモリに対して計算された負荷スコアを示します。リソースの負荷スコアを計算するには次の計算式が使用されます。

リソース負荷スコア = (100)(調整された重み)(使用されているリソース/リソース合計)

「(使用されているリソース/リソース合計)」の比率は、サーバから取得された値を使用して計算されます。ただし、ユーザリソースの比率は例外です(ログインしているユーザ数/許可されている最大ユーザ数)。この場合、許可されている最大ユーザ数の値は、[Load Configuration]ページの[Maximum Number of Users]設定によって決まります。

リソースの調整された重みは、次の計算式で計算されます。

調整された重み = (リソースの重み) / (すべてのリソースの重みの合計)

各リソースには0から100%までの重みが割り当てられるため、重みを調整する必要があります。重みを調整しないと、5つすべてのリソースの重みの合計が100%を超えてしまいます。したがって、各リソースの重みの値を内部的に調整して、リソースの重みの合計が100%になるようにします。たとえば、デフォルトの重みを計算式に代入すると、次の調整された重みが得られます(合計は100%)。

メモリ:20 / (20+80+20+5+5) = .154 (15.4%) 
CPU使用率:80 / (20+80+20+5+5) = .614 (61.4%)
ユーザ:20 / (20+80+20+5+5) = .154 (15.4%)
ページファイル:5 / (20+80+20+5+5) = .038 (3.8%)
仮想メモリ: 5 / (20+80+20+5+5) = .038 (3.8%)

これらの調整された重みと「(使用されているリソース/リソース合計)」の比率のサンプル値を使用すると、次のリソース負荷スコアが得られます。

メモリ負荷スコア:(100)(.154)(.75) = 11.55 
CPU使用率負荷スコア:(100)(.614)(.27)= 16.58
ユーザ負荷スコア:(100)(.154)(.4) = 6.16
ページファイル負荷スコア:(100)(.038(.72)= 2.74
仮想メモリ負荷スコア: (100)(.038)(.2)= .76

これらのリソース負荷スコアをサーバ負荷スコアの計算式に代入すると、次の結果が得られます。

11.55 + 16.58 + 6.16 + 2.74 + .76 = 37.79

サーバ負荷スコアが100未満の場合は、サーバが負荷分散の対象となります。また、アプリケーションをホストしている他のサーバよりもサーバ負荷スコアが低いサーバは、アプリケーションの優先サーバになります。サーバ負荷スコアが100以上の場合は、サーバ負荷スコアが100未満になるまでサーバが負荷分散の対象から除外されます。