データベースからのレポートの作成

データベース照会を使用して、必要なイベント情報を含むレポートを作成できます。次の節では、イベント情報を格納するのに使用するデータベースのテーブルとフィールドについて説明し、使用可能なSQL照会のサンプルを示します。


データベースのテーブルおよびフィールド

データベースは次の3つのテーブルを含んでいます。

各データベーステーブルには17個の情報フィールドが含まれています。次の表に、フィールドとそのフィールドを含むデータベーステーブルを一覧表示します。すべてのフィールドのデータ型はvarchar(256)です。

フィールド テーブル 説明

zenEventType

T_Success
T_Failure
T_Info

発生したイベント。

  • 成功イベントタイプ(T_Success)は次のとおりです。

    Launch Success
    Distribute Success
    Uninstall Success
    Cache Success
    Process Terminated

  • 失敗イベントタイプ(T_Failure)は次のとおりです。

    Launch Failed
    Distribute Failed
    Uninstall Failed
    Cache Failed
    Filter Hide
    Filter Show

  • ローグプロセス管理イベントタイプ(T_Info)は次のとおりです。

    Process Terminated
    Process Ignored

zenDateTime

T_Success
T_Failure
T_Info

イベントが発生した日時。

zenUserTDN

T_Success
T_Failure
T_Info

イベントが発生した対象ユーザの識別名とツリー。

zenWSTDN

T_Success
T_Failure
T_Info

イベントが発生したワークステーションの識別名とツリー。ワークステーションがワークステーションオブジェクトとしてeDirectoryにインポートされていない場合は、このフィールドに「WORKSTATION NOT REGISTERED」が表示されます。

zenWSAddr

T_Success
T_Failure
T_Info

イベントが発生したワークステーションのIPXTMまたはIPアドレス。

zenAppTDN

T_Success
T_Failure
T_Info

イベントが発生した対象アプリケーションオブジェクトの識別名とツリー。

ローグプロセスはアプリケーションオブジェクトを持たないので、T_Infoテーブルでは常にこのフィールドは「ZEN Process Management」になります。

zenAppGUID

T_Success
T_Failure
T_Info

アプリケーションオブジェクトに割り当てられたGUID(Global Unique Identifier)。GUIDは、アプリケーションオブジェクトの[Options]ページ([Distribution Options]タブ)に表示されます。

ローグプロセスはアプリケーションオブジェクトを持たないので、T_Infoテーブルでは常にこのフィールドは空になります。

zenAppVer

T_Success
T_Failure
T_Info

アプリケーションオブジェクトに割り当てられたバージョン番号。0〜65535の範囲の番号です。バージョン番号は、アプリケーションオブジェクトの[Options]ページ([Distribution Options]タブ)に表示されます。

ローグプロセスはアプリケーションオブジェクトを持たないので、T_Infoテーブルでは常にこのフィールドは空になります。

zenMajor

T_Success
T_Failure
T_Info

成功イベント(T_Successテーブル)では、このフィールドは常に0になります。

失敗イベント(T_Failureテーブル)では、このフィールドには、Application Launcherによって生成されたエラーコードが表示されます。

ローグプロセスのイベント(T_Infoテーブル)では、このフィールドは空のままです。

zenMinor

T_Success
T_Failure
T_Info

成功イベント(T_Successテーブル)では、このフィールドは常に0になります。

失敗イベント(T_Failureテーブル)では、このフィールドには追加のエラーコード情報が表示されます。

ローグプロセスのイベント(T_Infoテーブル)では、このフィールドは空のままです。

zenEventString1

T_Failure
T_Info

失敗イベント(T_Failureテーブル)では、このフィールドに失敗の理由について記述する追加情報が表示される場合があります。

ローグプロセスイベント(T_Infoテーブル)では、このフィールドにはローグプロセスの実行可能ファイルへのパスが表示されます。

zenEventString2

T_Failure
T_Info

失敗イベント(T_Failureテーブル)では、このフィールドに失敗の理由について記述する追加情報が表示される場合があります。

ローグプロセスイベント(T_Infoテーブル)では、このフィールドにはプロセスの元のファイル名が表示されます。

zenEventString3

T_Failure
T_Info

失敗イベント(T_Failureテーブル)では、このフィールドに失敗の理由について記述する追加情報が表示される場合があります。

ローグプロセスイベント(T_Infoテーブル)では、このフィールドにはプロセスID (PID)が表示されます。

zenEventString4

T_Failure
T_Info

失敗イベント(T_Failureテーブル)では、このフィールドに失敗の理由について記述する追加情報が表示される場合があります。

ローグプロセスイベント(T_Infoテーブル)では、このフィールドには親プロセスID (親PID)が表示されます。

zenEventString5

T_Failure
T_Info

失敗イベント(T_Failureテーブル)では、このフィールドに失敗の理由について記述する追加情報が表示される場合があります。

ローグプロセスイベントでは、このフィールドにはイベントアクション「process ignored」または「process terminated successfully」が表示されます。

zenAppFlags

T_Success
T_Failure
T_Info

成功イベント(T_Successテーブル)と失敗イベント(T_Failureテーブル)では、このフィールドにはアプリケーションオブジェクトのビットマスクが表示されます。

ローグプロセスイベント(T_Infoテーブル)では、このフィールドは常に「0」になります。


カスタム照会

カスタムデータベース照会を作成して、特定の情報を検索できます。次のサンプルが使用可能なSQL照会です。


イベントのすべてのフィールド

次の照会は、データベースに格納された成功イベント、失敗イベント、またはローグプロセス管理イベントのすべての情報フィールドを返します。イベントは、データベースに入力された順にソートされます。

SELECT * FROM T_SUCCESS
SELECT * FROM T_FAILURE
SELECT * FROM T_INFO

イベントのすべてのフィールド(特定のフィールドでソート)

特定のフィールドでリストをソートするには、次の例のようにORDER BY field_nameを追加します。

SELECT * FROM T_SUCCESS ORDER BY zenWSTDN
SELECT * FROM T_FAILURE ORDER BY zenAppTDN
SELECT * FROM T_INFO ORDER BY zenUserTDN

特定のイベントタイプの全フィールド

あるイベント(成功、失敗など)の特定のイベントタイプ(起動、配布など)のみを含めるには、次の例のようにWHERE zenEventType="event_typeを追加します。

SELECT * FROM T_SUCCESS WHERE zenEventType="Launch Success"
SELECT * FROM T_FAILURE WHERE zenEventType="Launch Failure"
SELECT * FROM T_INFO WHERE zenEventType="Process Terminated"

有効なイベントタイプは、の表に一覧表示されています。


イベントの特定のフィールド

特定のフィールドのみを含めるには、次の例のように「*」をカンマで区切られたフィールドリストに置き換えます。

SELECT zenEventType,zenDateTime,zenUserTDN,zenAppTDN FROM T_SUCCESS WHERE zenEventType="Cache Success" ORDER BY zenUserTDN

定義済みの照会

以前のバージョンのZENworks for Desktops Application Managementには定義済みの照会が含まれていましたが、本バージョンのZfDには含まれていません。これらの照会を引き続き使用する場合は、次の表の情報を使用して、データベース照会ツールで照会を作成することができます。

照会 説明

SELECT * FROM T_SUCCESS ORDER BY zenWSTDN

成功イベントをワークステーション別にまとめて表示するレポートを作成します。

SELECT * FROM T_SUCCESS ORDER BY zenUserTDN

成功イベントをユーザ別にまとめて表示するレポートを作成します。

SELECT * FROM T_SUCCESS ORDER BY zenAppTDN

成功イベントをアプリケーション別にまとめて表示するレポートを作成します。

SELECT * FROM T_FAILURE ORDER BY zenWSTDN

失敗イベントをワークステーション別にまとめて表示するレポートを作成します。

SELECT * FROM T_FAILURE ORDER BY zenUserTDN

失敗イベントをユーザ別にまとめて表示するレポートを作成します。

SELECT * FROM T_FAILURE ORDER BY zenAppTDN

失敗イベントをアプリケーション別にまとめて表示するレポートを作成します。