この節では次のトピックについて説明します。
イメージのマルチキャストとは、1つのコンピュータのイメージ(マスタ)を作成し、それをネットワークを介して複数のコンピュータ(参加コンピュータ)に即時送信し、これらのコンピュータに同時に適用することです。セッションマスタとしては、ワークステーションまたは以前に保存し、カスタマイズしたイメージファイルを指定することができます。
セッションマスタとしてワークステーションを指定した場合は、そのワークステーションのハードディスクおよびその他の記憶媒体(Jazドライブなど)のすべてのパーティションについてベースイメージが作成されます。
イメージを参加コンピュータに適用するにあたっては、事前にそれらのコンピュータのハードディスクおよび書き込み可能な記憶媒体から既存のすべてのパーティションが削除されます。
注: マルチキャストを正しく機能させるには、ネットワーク上のルータおよびスイッチでマルチキャスト機能を設定する必要があります。この設定を怠ると、マルチキャストパケットが正しくルーティングされない場合があります。
(履歴に関する注意:ZfD 3.2以前のZfDでは、Linuxワークステーションをマスタにする必要があったため、マルチキャストによるワークステーションの完全な「クローニング」が制限されていました。)
ZfD Workstation Imagingサービスでマルチキャストを使用すると、最小限の間接費で大量の再イメージングが可能になります。これは、クリーンなソフトウェア設定になっているコンピュータが1台のみの場合に、その内容を複数のコンピュータに複製する場合や、単一のイメージを複数のコンピュータにセットアップする場合に便利です。
マルチキャスティングの使用に必要なのは、モデムルータとスイッチを備えた物理的なネットワークのみです(各コンピュータを実際に操作しながらマルチキャストを設定する場合は、イメージングブートディスク、イメージングブートCD、またはPXEが有効にされているコンピュータも必要になります)。イメージを作成するコンピュータは物理的にネットワークに接続されている必要があります。これらは既存の各種オペレーティングシステムを備えたコンピュータでも、オペレーティングシステムがインストールされていない新しいコンピュータでも構いません。
ZfDソフトウェアをインストールせずにマルチキャストを使用する場合には重大な制限が1つあります。この場合には、一連のコンピュータのIPアドレス、コンピュータ(NETBIOS)名、ワークグループメンバーシップ、およびセキュリティID(Windows NT/2000/XPのみ)といったネットワークIDが同一になるため、変更せずにそのままネットワークで展開すると重複使用することになります。
対象コンピュータの数が限られている場合は問題にならないかもしれません。数が多い場合は、WindowsのコンピュータであればZfD Imaging Agentをインストールしてからマルチキャストを実行することをお勧めします(ワークステーションでの自動イメージング操作の有効化のステップ 4を参照してください)。マルチキャストセッションの開始前にImaging AgentによりコンピュータのネットワークID設定が保存され、セッション後にこれが復元されます。