Selectorの理解

Selectorは、インベントリ対象ワークステーションからスキャンデータを受信するサーバ上のJavaコンポーネントです。サーバは、リーフサーバ、データベースが接続されているリーフサーバ、データベースとインベントリ対象ワークステーションが接続されている中間サーバ、インベントリ対象ワークステーションが接続されている中間サーバ、インベントリ対象ワークステーションが接続されているルートサーバ、およびスタンドアロンサーバのいずれかです。インベントリサーバ上のインベントリコンポーネントの概要のサーバコンポーネント早見表を参照してください。

Selectorは次の処理を実行します。

  1. インベントリ対象ワークステーションのスキャン中に、Scannerは、インベントリ対象ワークステーションで実行される各スキャンについて、サーバのスキャンディレクトリ(\scandir)にスキャンデータファイル(.str)を作成します。\scandirの場所はInventory Serviceオブジェクトから取得します。Selectorは、Scannerが\scandirディレクトリに保存した.strファイルを処理します。

    ZENworks for Desktops 3 SP1またはZENworks for Desktops 3.2のScannerにより作成された.strファイルを検出し、Str Converterがこれらのファイルを処理できるように、.strファイルを\scandir\convディレクトリに移動します。

    Selectorは、次の種類の.strファイルを処理します。

  2. Selectorは、次の条件をチェックして、Scannerによって作成された.strファイルが有効であることを確認します。

    Selectorは有効な.strファイルのみを処理します。ディレクトリに無効なファイルがある場合、Selectorはそのファイルを削除します。

  3. サーバの役割に基づいて、Selectorは\scandirディレクトリからdbdir\entmergedirディレクトリに.strファイルをコピーします。

    次の表は、Selectorがファイルをコピーするか、ファイル名を変更するディレクトリの一覧です。

    サーバ データベースディレクトリ(dbdir)に.strファイルをコピー データベースディレクトリ(dbdir)の.strファイルの名前を変更 エンタープライズマージディレクトリ(entmergedir)の.strファイルの名前を変更

    データベースが接続されているリーフサーバ

    はい

    --

    はい

    リーフサーバ

    --

    --

    はい

    データベースとインベントリ対象ワークステーションが接続されている中間サーバ

    はい

    --

    はい

    スタンドアロンサーバ

    --

    はい

    --

    インベントリ対象ワークステーションが接続されているルートサーバ

    --

    はい

    --

  4. Selectorは、eDirectory内の有効な.strファイルのシーケンス番号を更新します。

    Selectorは、.strファイルのシーケンス番号のスキャンが不適切な場合、強制的にフルスキャンを実行するかどうかを判断します。.strファイルが無効な場合または.strファイルのシーケンス番号に矛盾がある場合、Selectorは強制的にフルスキャンを実行します。

  5. Selectorは、ステータス情報をサーバログに記録します。詳細については、ステータスログを使ったWorkstation Inventoryの監視を参照してください。

    Selectorは、\scandirディレクトリにある既存の.strファイルを削除します。