4.1 ZENworks 10 Configuration Management SP3 ApplianceからZENworks Virtual Appliance 11 SP2へのアップグレード

ZENworks 10 Configuration Management SP3 ApplianceからZENworks Virtual Appliance 11 SP2にアップグレードするには、まず、ZENworks Virtual Appliance 11 SP2を展開する必要があります。ZENworks 10 Configuration Management SP3 ApplianceからZENworks Virtual Appliance 11 SP2へのアップグレードには、直接的な方法はありません。この展開は、ZENworks 10 Configuration Management SP3 Applianceをホストしている同じESXサーバで実行できます。初めてZENworks Virtual Appliance 11 SP2をブートすると、環境設定ウィザードが起動されます。そのウィザードで、ZENworks Virtual Appliance 11 SP2の必要なネットワーク識別情報(IPアドレスとDNS名)を指定する必要があります。ZENworks Virtual Appliance 11 SP2のIPアドレスまたはDNS名は、アップグレードのために一時的に使用されますが、その後は不要になります。

ZENworks Virtual Appliance 11 SP2のマイグレーションウィザードは、ZENworks 10 Configuration Management SP3 ApplianceからZENworks Virtual Appliance 11 SP2へのアップグレードと、ZENworks 10 Configuration Management SP3 ApplianceからZENworks Virtual Appliance 11 SP2へのデータと設定のマイグレーションを同時に実行します。マイグレーションの完了までの時間は、ネットワークの速度、帯域幅、および移行するデータ量によって左右されます。

重要:ZENworks Virtual Appliance 11 SP2は、ZENworks 10 Configuration Management SP3 Applianceのネットワーク識別情報を取得します。ZENworks 10 Configuration Management SP3 ApplianceからZENworks Virtual Appliance 11 SP2へのアップグレード後、ZENworks 10 Configuration Management SP3 Applianceは電源オフになるので、このアプライアンスを管理ゾーンで使用しないようにしてください。

次の各セクションでは、ZENworks 10 Configuration Management SP3 ApplianceからZENworks Virtual Appliance 11 SP2にアップグレードする方法について説明します。

4.1.1 アップグレード前のタスク

ZENworks 10 Configuration Management SP3 ApplianceからZENworks Virtual Appliance 11 SP2へのアップグレードを開始する前に、次のタスクを実行します。

  • セクション 2.0, ZENworks 11 SP2へのプライマリサーバのアップグレードのタスクを必ず実行しておくようにします。

  • ZENworks 10 Configuration Management SP3 Applianceとそのデータベースのスナップショットを撮ります。

  • ZENworks 10 Configuration Management SP3 Applianceから、パーソナルデータ、環境設定、および自動化スクリプトをバックアップします。

  • ZENworksプライマリサーバのバックアップを取ります。エラーが発生した場合、ZENworksプライマリサーバを復元できます。

    バックアップの作成方法の詳細については、「ZENworksサーバおよび認証局のバックアップと復元」(『ZENworks 11 SP2システム管理リファレンス』)を参照してください。

    (条件付き) ZENworks Reporting Serverがインストールされている場合は、zmanレポートコマンドを使用して、レポートの信頼性の高いバックアップを取ります。

    zmanレポートコマンドの詳細については、サーバ上でzmanマニュアルページを表示するか(man zman)、「zman(1)」(『ZENworks 11 SP2コマンドラインユーティリティリファレンス』)を参照してください。

  • ZENworks診断センターを使用して、ZENworksデータベーススキーマを検証します。

    1. zdc_verifyDB_prerequisite.zipファイルをNovellダウンロードWebサイトからデバイス上の一時的な場所にダウンロードします。

    2. ダウンロードしたファイルをZENworks 10 Configuration Management SP3 Applianceにコピーします。

    3. ZIPファイルの内容を一時的に適当な場所に抽出します。

    4. コンソールから、抽出したZENworks診断センターのファイルを含むディレクトリに移動します。

    5. 次のコマンドを実行します。

      /bin/sh zdc_verifyDB

    6. ZENworks11SP2_Appliance-x86_64.ovaファイルをダウンロードするか、またはマルチパートのZENworks Appliance ZIPファイルをダウンロードして、OVAファイルを作成します。

      マルチパートのZENworks Appliance ZIPファイルをダウンロードするには、次の手順を実行します。

      • 次のファイルを一時的にデバイス上の適当なディレクトリにダウンロードします。

        ZENworks11SP2_Appliance-x86_64.zip.001

        ZENworks11SP2_Appliance-x86_64.zip.002

        ZENworks11SP2_Appliance-x86_64.zip.003

        ZENworks11SP2_Appliance-x86_64.zip.004

        ZENworks11SP2_Appliance-x86_64.zip.005

        ZENworks11SP2_Appliance-x86_64.zip.006

      • 次のユーティリティのいずれかを使用して、ZENworks11SP2_Appliance-x86_64.zip.001を展開します。

        • 7-Zipバージョン4.65以上

        • WinZip 9.x以上

          これによって、すべてのマルチパートZENworks Appliance ZIPファイルが自動的にマージされ、ZENworks11SP2_Appliance-x86_64.ovaファイルが作成されます。

      • ZENworks Appliance OVAファイルをインポートし、仮想インフラストラクチャに展開します。

    7. (推奨) ZENworks 10 Configuration Management SP3 Applianceと同じESXサーバにZENworks Virtual Appliance 11 SP2を展開します。

    8. (推奨) ZENworks Virtual Appliance 11.2へのアップグレードを開始する前に、ZENworks Virtual Appliance 10.3.xのスナップショットを取得します。

4.1.2 ZENworks 10 Configuration Management SP3 ApplianceからZENworks Virtual Appliance 11 SP2へのアップグレード

ZENworks Applianceイメージは、ZENworks 11 SP2の3つのエディション(Standard、Advanced、Enterprise)すべてにバンドルされています。

  1. ZENworks 11 SP2ダウンロードWebサイトからOVAファイルをダウンロードするか、マルチパートZENworks Appliance ZIPファイルをダウンロードしてOVAファイルを作成します。

    詳細については、ZENworks 11 SP2のダウンロードとインストールのページを参照してください。

  2. ZENworks Applianceのイメージをインポートすることによって、ZENworks Applianceが事前インストールされた新しい仮想マシンを作成します。

    ZENworks Applianceイメージは、オープン仮想アーカイブ形式(ZENworks11SP2_Appliance-x86_64.ova)で保存されており、VMware vSphere Clientアプリケーションを使用して、VMwareインフラストラクチャにインポートできます。

    1. VMware vSphere Clientアプリケーションを起動します。

    2. ファイル]>[OVFテンプレートの展開]の順にクリックして、[Deploy OVF Template(OVFテンプレートの展開)]ウィザードを起動します。

    3. [ソース]ページで、次のオプションの1つを選択して、[]をクリックします。

      • ファイルから選択]をクリックし、ZENworks Applianceイメージを含む.ovaファイルを参照して選択します。

      • URLから展開]をクリックして、Webサーバから.ovaファイルをダウンロードします。

    4. [次へ]をクリックします。

    5. プロンプトに従って、.ovaファイルの展開を完了します。

    6. 展開が完了したら、[完了]をクリックします。

  3. (オプション)ステップ 2で作成した仮想コンピュータのスナップショットを取ります。

  4. ZENworks Applianceイメージのインポート先にした仮想コンピュータの電源をオンにします。

    [環境設定]ウィザードが自動的に起動します。

  5. [環境設定]ウィザードの[使用言語]ページで、以後、ウィザードで使用したい言語を選択し、[]をクリックします。

  6. [使用許諾契約]ページで、エンドユーザ使用許諾契約とSUSE使用許諾契約に同意し、[]をクリックします。

  7. [キーボード]ページで、キーボードレイアウトを設定して、[]をクリックします。

  8. [ネットワーク]ページで、[ネットワークインタフェース]>[イーサネットネットワークカード]>[編集]の順にクリックして、次のZENworks Applianceのネットワーク情報を設定します。

    • ホスト名とサーバ名

      サーバには、静的なIPアドレスまたは永久にリースされるDHCPアドレスを持つ必要があります。

    • マシンのIPアドレス(スタティックIPアドレス用)

    • サブネットマスク (スタティックIPアドレス用)

    • デフォルトゲートウェイ(スタティックIPアドレス用)

    アップグレード先のアプライアンスサーバのIPアドレスまたはDNS名は、旧アプライアンスサーバのものとは異なる必要があります。ZENworks Virtual Appliance 11 SP2サーバのIPアドレスとDNS名が、アップグレード用に一時的に使用されます。

  9. [Timezone (タイムゾーン)]ページのシステムで使用するタイムゾーンと時計の設定は、ZENworks 10 Configuration Management SP3 Applianceの設定と一致する必要があります。[]をクリックします。

  10. [ルートパスワード]ページで、ルートパスワードを指定します。

  11. 完了]をクリックします。

    ZENworks 11 SP2ウィザードが表示されます。このウィザードの起動には、数秒かかることがあります。

  12. ZENworks 11 SP2ウィザードで、[既存アプライアンスの移行]オプションを選択して、[]をクリックします。

  13. IP/DNS]フィールドで、リモートアプライアンスサーバのIPアドレスまたはDNS名を指定します。

  14. [次へ]をクリックします。

  15. [ルートパスワード]ダイアログボックスで、ルートパスワードを指定し、[OK]をクリックします。

  16. [次へ]をクリックします。

    ゾーン管理者の資格情報を入力するように促されます。使用できる資格情報を使用して、管理ゾーンの認証を受けます。

  17. ゾーン内の最初のプライマリサーバをアップグレードする場合は、ステップ 17.aに進み、そうでない場合はステップ 18までスキップします。

    1. [製品のライセンス登録]ページで、製品のライセンスキーを指定して[]をクリックします。

    2. [ZENworks診断センター]ページで、[はい、ZDCを使用してデータベーススキーマを検証しました]チェックボックスを選択して[]をクリックします。

    3. [警告]ページで、[]をクリックします。

  18. [アップグレード前の概要]ページで、[インストール]をクリックします。

    アップグレードインストーラが、インストールメディアをZENworks 10 Configuration Management SP3 ApplianceからZENworks Virtual Appliance 11 SP2にコピーします。アップグレードの完了後、環境設定ファイル、コンテンツ、データベース(データベースが組み込みSybaseの場合)、およびネットワーク設定(ホスト名、IPアドレス、タイムゾーン情報、レポートなど)がZENworks Virtual Appliance 11 SP2にコピーされます。ZENworks 10 Configuration Management SP3 Applianceのネットワーク設定が無効になり、ZENworks 10 Configuration Management SP3 Applianceを搭載したデバイスの電源がオフになります。

    アップグレード処理を完了するには、最終的にZENworks Virtual Appliance 11 SP2を再起動する必要があります。

  19. (条件付き) ZENworks 10 Configuration Management SP3 ApplianceがZENworks Reporting Serverを使用するように設定した場合は、ZENworks Virtual Appliance 11 SP2に最初にログインする時にZENworks Reporting Serverのウィザードが自動的に起動されます。ZENworks Reporting Serverの設定が終了すると、レポートはZENworks 11 SP2 Reporting Serverにインポートされます。

    ZENworks Reporting Serverの設定方法の詳細については、「事前インストールしたZENworks Reporting Serverの設定」(『ZENworks Virtual Appliance 11 SP2展開および管理リファレンス』)を参照してください。

  20. 手動でZRSを起動するには、/var/adm/zenworks/launchZRS.shコマンドを実行します。

    ZENworks Reporting Serverウィザードを手動で起動し、ZENworks Reporting Serverを設定する方法の詳細については、「ZENworks Reporting Serverウィザードの手動起動」(『ZENworks Virtual Appliance 11 SP2展開および管理リファレンス』)を参照してください。

4.1.3 アップグレード後のタスク

ZENworks Virtual Appliance 11 SP2にアップグレードしたZENworks 10 Configuration Management SP3 Applianceが動的IPアドレスを使用するように設定されている場合は、新サーバのDHCP設定を手動で更新してから、このサーバの使用を開始する必要があります。