4.3 リソースの管理

4.3.1 許可

フォルダおよびリソースの許可により、ユーザが参照できるリポジトリ内の項目と、ユーザが実行できるアクションが決まります。次の表では、一連の許可が定義されています。

許可

リポジトリフォルダおよびリソースで許可されるアクション

No Access (アクセス不可)

ユーザは、フォルダまたはリソースを表示したり、これらにアクセスしたりできません。

すべての非管理者ユーザの場合、ルートのデフォルト許可は「No Access (アクセス不可)」で、許可はすべて明示的に定義する必要があります。

Execute Only (実行専用)

ユーザはリポジトリ内のフォルダまたはリソースを表示することはできませんが、ユーザ自身が実行するレポートまたはダッシュボードにはアクセスできます。

読み込み専用

  • フォルダまたはリソースを表示する。

  • フォルダまたはリソースのプロパティを表示する。

  • フォルダおよびその読み込み可能なコンテンツのすべてをコピーする。

  • リソースをコピーする。

  • レポートまたはダッシュボードを表示(実行)する。

  • レポートをバックグラウンドで実行する。

  • 後で実行するようにレポートをスケジュールする。

読み込み+削除

  • フォルダおよびそのコンテンツすべてを切り取り、移動、または削除する。

  • リソースを切り取り、移動、または削除する。

読み込み+書き込み+削除

  • サブフォルダを追加する。

  • コピーするか切り取ってフォルダに貼り付ける。

  • 新しいアドホックビュー、レポート、またはダッシュボードをフォルダに保存する。

  • スケジュールされたレポートの出力をフォルダに保存する。

  • フォルダまたはリソースの名前を変更して、その説明文字列を変更する。

  • アドホックエディタでアドホックビューを開くか、デザイナでダッシュボードを開く。

  • 既存のアドホックビュー、レポート、またはダッシュボードを変更および上書きする。

  • ZENworks Reportリソースをリポジトリに追加する(JRXMLをアップロードする)。

  • リポジトリ内のZENworks Reportリソースの定義を編集する(JRXMを置き換える)。

管理

フォルダまたはリソースに(役割別およびユーザ別に)許可を設定します。これにより、特定のリポジトリ管理タスクを効果的に委任します。

許可は、リポジトリを参照または検索するときに適用されます。また、フォルダを参照してレポートを保存するときなど、リポジトリにアクセスするダイアログを使用するときにも適用されます。次のことに注意してください。

  • コピー時にオブジェクトの許可を保持することはできません。ユーザは、読み込み専用オブジェクトをコピーして、読み込み/書き込みフォルダに貼り付けて、オブジェクトを編集できます。

  • アクションのコピーと切り取り(移動)は、ユーザがオブジェクトの貼り付け先フォルダへの読み込み+書き込み+削除アクセス権を持っている場合にのみ実行できます。詳細については、セクション 4.3.6, フォルダの移動を参照してください。

  • フォルダの切り取り、削除、および許可の設定は、ユーザがフォルダのすべてのコンテンツに対して同じ許可を持っている場合にのみ許可されます。リソースの一括切り取りおよび削除は、ユーザが、選択したすべてのリソースに対して少なくとも読み込み+削除許可を持っている場合にのみ許可されます。

  • リソースまたはフォルダのコンテンツの削除は、他のリソースがそれらに依存していない場合にのみ許可されます。

許可の設定

管理者は、リポジトリ全体の任意のフォルダまたはリソースにアクセスするための許可をユーザに割り当てます。フォルダの管理許可を持つユーザは、そのフォルダに対する許可と、その許可を継承するコンテンツに対する許可を割り当てることができます。リソースの管理許可を持つユーザは、その特定のリソースに対する許可のみを設定できます。

  1. 管理者特権を持つユーザとしてZENworks Reportingにログインします。

  2. リポジトリで、フォルダまたはリソースを参照または検索します。

  3. オブジェクトを右クリックして、許可...を選択します。

    [許可]パネルに、選択したオブジェクトの許可が表示されます。デフォルトでは、役割に付与されている許可が表示されます。オブジェクトの親から継承された許可は、アスタリスク(*)で示されます。

  4. [許可]パネルで、ユーザをクリックして、特定のユーザに割り当てられている許可を表示します。ユーザ許可を表示中に役割をクリックすると、表示が元に戻ります。

  5. 各ユーザまたは役割に対して、ドロップダウンから新しい許可を選択できます。

    このフォルダに対するデフォルトのユーザ許可を示します。

  6. 適用をクリックして変更内容を保存します。ユーザ許可と役割許可を切り替える場合は、まず適用をクリックして、変更内容を保存する必要があります。

  7. [OK]をクリックして変更内容を保存します。

    異なるリソースまたはフォルダに対する複数の許可ダイアログを同時に開いたり、リポジトリを操作したりすることができます。これは、複数のフォルダまたは組織に一様に許可を設定する場合に役立ちます。

メモ:許可を設定する際には、次の2つの特別なケースがあります。

  • リソースが許可(読み込み専用など)を継承する場合、許可を同じ値に設定することはできません。少なくとも直接設定することはできません。親フォルダの許可レベルを一時的に変更して明示的に許可を設定してから、親フォルダの許可を元の値に設定し直す必要があります。

    この方法でリソースとその親フォルダを同じ許可に設定すると、その許可には、許可が継承されている場合と同様にアスタリスクが表示されます。ただし、後から親に別の許可(読み込み専用など)を付与した場合、リソースは、読み込み/書き込みを継承するのではなく、その明示的な読み込み専用許可を保持します。

  • その親フォルダから継承するように許可レベルをリセットするには、異なる許可レベルを選択して、適用をクリックし、アスタリスクの付いた許可を選択して適用をクリックします。

4.3.2 レポートの読み込み専用許可の設定

  1. 組織フォルダの直下にレポートまたはアドホックビューがないことを確認します。フォルダ構造の下位に許可を付与するために、読み込み専用許可を組織フォルダに与えます。このフォルダにあるすべてのファイルが許可を与えられたユーザに表示されますアクセスできないレポートまたはビューがある場合、エラーメッセージが表示されます。ユーザがエラーメッセージをキャンセルすると、該当のレポートを実行できるようになります。

  2. 使用する許可を与えるレポートのレポートの下にフォルダを作成します。

  3. レポートおよび関連するアドホックビューをこのフォルダに移動します。

  4. 次の手順を使用して許可を割り当て、ユーザアクセスをテストします。

    許可をユーザまたは役割に割り当てることができます(役割はユーザソースのグループです)。

許可の設定

  1. リポジトリを表示し、フォルダリストを開きます。

  2. 組織を右クリックし、許可を選択します。

    1. 許可を必要とするユーザ/役割を検索します。

    2. 許可を読み込み専用に設定します。

    3. 適用をクリックして、OKをクリックします。

  3. データソースを右クリックし、許可を選択します。

    1. 許可を必要とするユーザ/役割を検索します。

    2. 許可を実行のみに設定します。

    3. 適用をクリックして、OKをクリックします。

  4. ドメインを右クリックし、許可を選択します。

    1. 許可を必要とするユーザ/役割を検索します。

    2. 許可を読み込み専用に設定します。

    3. 適用をクリックして、OKをクリックします。

  5. 一時を右クリックし、許可を選択します。

    1. 許可を必要とするユーザ/役割を検索します。

    2. 許可を読み書き設定します。

    3. 適用をクリックして、OKをクリックします。

  6. (レポートがパブリックの下にある場合には任意)パブリックを右クリックし、許可を選択します。

    1. 許可を必要とするユーザ/役割を検索します。

    2. 許可を読み込み専用に設定します。

    3. 適用をクリックして、OKをクリックします。

  7. レポートを含むフォルダを右クリックし、許可を選択します。

    1. 許可を必要とするユーザ/役割を検索します。

    2. 許可を読み書き設定します。

    3. 適用をクリックして、OKをクリックします。

  8. ユーザがアドホックビューを削除できないようにするには、次の手順を実行します。フォルダのアドホックビューを右クリックし、許可を選択します。

    1. 許可を必要とするユーザ/役割を検索します。

    2. 許可を実行のみに設定します。

    3. 適用をクリックして、OKをクリックします。

  9. レポートをテストします。

    1. [Manage User (ユーザの管理)]をクリックします。

    2. ユーザをクリックし、右下のユーザとしてログインを選択します。

    3. ライブラリをクリックし、レポートをクリックします。

4.3.3 許可の割り当てによるアドホックビューの作成

アドホックビューを作成する許可を任意の役割またはユーザに割り当てることができます。

  1. ユーザ(非管理者)としてZENworks Reportingにログインします。

    ユーザまたは役割が許可に対して使用できるようになります。

  2. ZENworks Reportingからログアウトします。

  3. 管理者ユーザとしてZENworks Reportingにログインします。

  4. 表示]>[リポジトリの順にクリックします。

  5. フォルダパネルで、組織フォルダを右クリックして、許可をクリックします。

  6. 許可パネルで、役割またはユーザに対して読み込み専用を選択し、OKをクリックします。

  7. フォルダパネル >組織の順にクリックし、データソースを右クリックして、許可をクリックします。

  8. 許可パネルで、役割またはユーザに対してExecute Only (実行専用)を選択し、OKをクリックします。

  9. フォルダパネル >組織の順にクリックし、ドメインを右クリックして、許可をクリックします。

  10. 許可パネルで、役割またはユーザに対して読み込み専用を選択し、OKをクリックします。

  11. フォルダパネル >組織の順にクリックし、レポートを右クリックして、許可をクリックします。

  12. 許可パネルで、役割またはユーザに対して読み込み専用を選択し、OKをクリックします。

  13. フォルダパネル >組織]>[レポートの順にクリックし、フォルダを作成して、Read+Write+Delete (読み込み+書き込み+削除)許可をrole_userに提供します。詳細については、セクション 4.3.5, フォルダの作成を参照してください。

  14. フォルダパネル >組織の順にクリックし、Temp (一時)を右クリックして、許可をクリックします。

  15. 許可パネルで、役割またはユーザに対してRead+Write (読み込み+書き込み)を選択し、OKをクリックします。

4.3.4 事前定義されたレポートへの実行許可の割り当て

4.3.5 フォルダの作成

フォルダおよびリソースに対する書き込み許可がある場合は、フォルダを作成して権限を割り当てることができます。

フォルダを作成するには:

  1. ZENworks Reportingにログインします。

  2. 表示]>[リポジトリの順にクリックします。

  3. フォルダパネルで、フォルダを右クリックし、フォルダの追加をクリックします。

  4. フォルダの追加ダイアログボックスで、名前を指定して、追加をクリックします。

    ユーザまたは役割を使用して、作成したフォルダに許可を指定できます。

4.3.6 フォルダの移動

フォルダおよびリソースに対する読み込み権限がある場合、フォルダからコピーして、書き込み許可のある別の移動先フォルダに貼り付けることができます。切り取りオプションは、フォルダおよびリソースへの書き込み許可がある場合にのみ使用できます。

メモ:再配置されたオブジェクトは、移動先フォルダから許可を継承します。オブジェクトに対する許可を変更するには、許可を明示的に設定します。

フォルダおよびリソースを移動するには:

  1. 次の許可を持つユーザとしてZENworks Reportingにログインします。

    • 移動するフォルダまたはリソースに対する読み取り許可。

    • 移動先フォルダに対する書き込み許可。

  2. 表示]>[リポジトリの順にクリックします。

  3. フォルダパネルで、レポート]>[ZENworks>フォルダの追加の順にクリックします。

  4. フォルダの追加ダイアログボックスで、「ZENworks Reports」などの名前を入力します。

  5. 追加をクリックします。

    ZENworks ReportsフォルダがZENworksのサブフォルダとして表示され、親フォルダに対する管理者ユーザのデフォルトの許可(読み込み-書き込み-削除)を継承します。

  6. ZENworks Reportsフォルダは、より目立つ場所に作成した方が効果的です。そのため、1レベル上に移動します。

    1. フォルダで、[ZENworks Reports]を右クリックして、Cut (切り取り)をクリックします。

    2. Reportsを右クリックして、貼り付けを選択します。

      これで、ZENworks ReportsフォルダはZENworksと同じレベルのReports内に表示されるようになります。

メモ:許可に従って、リポジトリの任意の場所にフォルダを再配置できます。ただし、これには1つの例外があり、同じ場所にフォルダをコピーして貼り付ける操作はサーバではサポートされていません。移動先フォルダを右クリックしたときに貼り付けが無効になっている場合、そのフォルダに対する書き込み許可がありません。