サイトリストのセットアップ

サイトリストを使用して、あるサイト(サイト1)のアプリケーションを別のサイト(サイト2)のアプリケーションにリンクすることができます。ソースインストールパッケージが異なるサイトにあるサーバに保存されているアプリケーションをリンクすることによって、ユーザに最も近いサーバからアプリケーションを配布することができます。

たとえば、2つの異なるサイト、サイト1およびサイト2があるとします。両方のサイトの従業員が、同じスプレッドシートプログラムを使用しています。サイト1にはサイト1のサーバからスプレッドシートプログラムを配布するためのアプリケーションオブジェクト(App1)があり、サイト2にはサイト2のサーバからこのプログラムを配布するためのアプリケーションオブジェクト(App2)があります。App1をApp2にリンクした場合、サイト1の従業員がサイト2に移動してApp1を起動すると、サイト2のサーバからApp2がインストールされます。同様に、サイト2の従業員がサイト1に移動してApp2を起動すると、サイト1のサーバからApp2がインストールされます。

サイトリストは、配布およびキャッシュされていないアプリケーションにのみ適用される配布機能です。アプリケーションがユーザのワークステーションにすでに配布またはキャッシュされている場合は、サイトリストには関係なく、そのアプリケーションが使用されます。


Novell ClientとZENworks Middle Tier Server

ユーザがNovell ClientTMではなくZENworks Middle Tier Serverを介してNovell eDirectoryTMにログインしている場合、サイトリストの機能はやや異なります。ユーザの場所を決定するためにNovell Clientが使用されるのとは異なり、Middle Tier Serverで場所が決定されます。つまり、ZfD Middle Tier Serverに最も近いアプリケーションが使用されます。これは、ユーザに最も近いアプリケーションが必ずしも該当するわけではありません。先の例では、サイト1のユーザはサイト2のサーバからではなく、引き続きサイト1のサーバからアプリケーションを配布されます。


サイトリストの作成方法

一度に1つのアプリケーションオブジェクトにリンクすることしかできません。ただし、最初にリンクしたアプリケーションオブジェクトは、2番目にリンクしたアプリケーションオブジェクトのリンク先のアプリケーションオブジェクトに自動的にリンクされます。たとえば、3つの同一アプリケーションオブジェクトが(App 1、App 2、App 3)、それぞれ異なるサイトにあるとします。App 1をApp2にリンクすると、各アプリケーションオブジェクトに対して次のようなサイトリストが作成されます。

App1リスト App2リスト App3リスト

App2

App1

(なし)

アプリケーションオブジェクトは、他のアプリケーションオブジェクト1つにしかリンクできないため、App3をApp1またはApp2のいずれか一方にリンクする必要があります。すると、各アプリケーションオブジェクトに対して次のようなサイトリストが作成されます。

App1リスト App2リスト App3リスト

App2

App1

App1

App3

App3

App2


アプリケーションオブジェクトのGUIDの同期

各アプリケーションオブジェクトには、GUIDと呼ばれるグローバルで一意な識別子が割り当てられます。アプリケーションがワークステーションに配布されると、そのGUIDがWindowsレジストリに追加されます。この処理により、Application Launcherは、このアプリケーションがワークステーションに配布されたことを認識します。

サイトリストを使用する場合、同一サイトリストに属するすべてのアプリケーションオブジェクトに同じGUIDを設定する必要があります。同じGUIDが設定されていない場合、Application Launcherは、アプリケーションの配布およびアンインストールを正しく処理することができなくなります。たとえば、次のように入力します。

前の2つの問題は、各サイトリストの両方のアプリケーションに同じGUIDを設定することで解決できます。GUIDの同期に関する詳細については、配布GUIDを管理するを参照してください。


アプリケーションのサイトリストの作成

  1. ConsoleOneで、サイトリストに含まれるすべてのアプリケーションに同じGUIDが設定されていることを確認します。GUIDの同期に関する詳細については、配布GUIDを管理するを参照してください。

  2. サイトリストを作成するアプリケーションオブジェクトを右クリックし、[プロパティ]をクリックしてアプリケーションオブジェクトのプロパティページを表示します。

  3. [障害対策]タブ>[サイトリスト]の順にクリックして、[サイトリスト]ページを表示します。


    アプリケーションオブジェクトの[サイトリスト]ページ
  4. アプリケーションオブジェクトを[アプリケーションサイトリスト]に追加するには、[リンク]をクリックし、リンク先のアプリケーションオブジェクトを参照して選択し、[OK]をクリックします。

    追加したアプリケーションオブジェクトが他のアプリケーションオブジェクトにもリンクされている場合、それらのアプリケーションオブジェクトもリストに追加されます。

  5. ここまでの手順を繰り返して、別のアプリケーションオブジェクトにリンクします。

  6. 操作が終了したら[OK]をクリックします。


ZENworks Server Managementとの統合

ZENworks Server Managementを使用して、アプリケーションのソースファイルを他のサーバに配布し、そのアプリケーションオブジェクトをeDirectoryツリー内の別の場所に複製することができます。この配布プロセスの一部として、サイトリストを自動的に生成することができます。詳細については、『Novell ZENworks 6.5 Server Management管理ガイド』の「"Policy and Distribution Services"」の「"Desktop Application Distribution"」を参照してください。