次の節で、ZENworks Handheld Managementの主な特長と利点について説明します。
ZENworks Handheld Managementは、キューメッセージング、圧縮、およびチェックポイント/再開ストラテジを使用することで、低帯域幅の、信頼できない通信チャネルに対して最適化されます。ZENworks Handheld Managementを使用すると、モバイルユーザは、LANに対して特別な接続を実行する必要がなくなります。
Palm OSおよびWindows CEデバイスの場合、ZENworks Handheld Managementは、ユーザの標準の接続メカニズム(TCP/IP接続、またはPalm HotSync*やMicrosoft* ActiveSync*などの同期ソフトウェア)を使用して、ZENworks Handheld Management Access Pointとハンドヘルドデバイス間のデータ転送を実行します。
BlackBerryデバイスの場合は、BlackBerry無線電子メールプラットフォームを使用して、ZENworks Handheld Management Access Pointとハンドヘルドデバイス間のデータ転送を実行します。
ZENworks Handheld Managementで、ポリシーとは、ハンドヘルドデバイスの設定および管理方法を定義するルールセットを指します。具体的には、セキュリティオプション、アプリケーションの可用性、ファイルの取得などを定義します。ポリシーはポリシーパッケージ内に含まれ、ポリシーパッケージ内で管理およびカスタマイズされます。
ZENworks Handheld Managementには、ユーザベースポリシーとハンドヘルドベースポリシーの2種類のポリシーが用意されています。ZENworks Handheld Managementに新たに導入されたユーザベースポリシーを使用すると、eDirectoryに保存されたアカウント情報に基づいてハンドヘルドデバイスを管理することができます。ハンドヘルドベースポリシーは以前のバージョンのZENworks Handheld Managementでも提供されており、このポリシーを使用すると、ユーザ認証なしでハンドヘルドデバイスを管理することができます。
ConsoleOneを使用して、ポリシーの作成、設定、および関連付けを実行することにより、次に示す項目を実現できます。
ハンドヘルドデバイスには機密扱いのビジネス情報(会議のメモ、アドレス帳など)が保存されるので、会社のガイドラインにより、すべてのハンドヘルドデバイスのパスワードによる保護が求められる場合があります。セキュリティポリシーを使用して、各エンタプライズデバイスに確実にパスワードを設定することができます。ハンドヘルドデバイスにパスワードが設定されていない場合、そのユーザにはパスワードの設定を促す画面が表示されます。Palm OSおよびWindows CEデバイスの場合は、高度なパスワード設定を指定することもできます。
Palm OSデバイスにインストールすることが許可されたソフトウェアプログラムの一覧を指定することができます。Palm環境設定ポリシーを使用することにより、会社で使用する各Palm OSデバイスに対して、許可されたソフトウェアプログラムだけをインストールすることができます。ユーザが、許可されていないプログラムをインストールすると、そのアプリケーションは、ポリシースケジュールに従って自動的に削除されるか、ユーザがデバイスの同期を実行したときに自動的に削除されます。WinCE環境設定ポリシーを使用すると、[スタート]メニュー(Pocket PCの場合)やデスクトップ(ハンドヘルドPCの場合)に含まれるプログラムを指定できます。
Palm OSおよびWindows CEデバイスの実際のハンドヘルドデバイス上にあるボタンには、デフォルトで特定のアプリケーションが割り当てられています。会社で、いくつかのアプリケーションを頻繁に使用する場合があります。環境設定ポリシーを使用することにより、こうしたボタンにさまざまなアプリケーションを関連付けて、アプリケーションに容易にアクセスできるようにし、ユーザの生産性を高めることができます。
会社で使用する各Palm OSデバイスに対し、確実に同じ一般設定を実行できます。Palm環境設定ポリシーにより、会社で使用されるすべてのエンタープライズハンドヘルドデバイスに対して確実に同じ設定を実行し、ヘルプデスクに要するコストを削減することができます。
会社で使用する各Windows CEデバイスに対し、確実に同じ電源設定を実行できます。WinCE設定ポリシーを使用することにより、Windows CEデバイスが使えなくなるバッテリ切れの発生を防ぎ、ユーザの生産性を高めることができます。
ハンドヘルドデバイスからのミッションクリティカルな情報の取得とネットワークへの保存を確実に実行することができます。指定したファイルを、ファイル取得ポリシーを使ってデバイスから取得し、特定のネットワーク上の場所にコピーします。通常のネットワークバックアッププロセスで、こうしたファイルのバックアップを実行できます。
ハンドヘルドデバイスを更新するのに、デバイスを中央の場所で利用できるケースはほとんどありません。したがって、モバイルユーザがバグフィックス、アプリケーションアップデートなどの最新のアプリケーションを常時導入できるよう、ハンドヘルドデバイスにファイルを配布するメカニズムが必要になります。
ZENworks Handheld Managementでは、アプリケーションの配布とリモートハンドヘルドデバイスへのインストールをいつでも実行できる仕組みを提供することにより、このメカニズムを実現しています。
アプリケーションのコンポーネントが変更されたときにハンドヘルドデバイスを最新ファイルでアップデートするよう、再配布のスケジュールを設定することもできます。
NOTE: BlackBerryデバイスの場合、ZENworks Handheld Managementは、クレードルを使って同期を実行する場合に限りこのデバイスへのソフトウェア配布をサポートします。無線同期を使用する場合、ソフトウェア配布をサポートしません。
ZENworks Handheld Managementは、ハンドヘルドデバイスで実行するソフトウェア配布のスケジュール設定について包括的なメカニズムを提供します。ソフトウェア配布およびソフトウェアクライアントのスケジュール設定と管理はConsoleOneから実行します。
ZENworks Handheld Managementにより、次の利点がもたらされます。
ソフトウェアアセットとハードウェアアセットを管理することは重要です。常に最新のインベントリを保持することにより、ZENworks Handheld Managementを使って、次の項目を実行することができます。
ZENworks Handheld Managementは、ハンドヘルドデバイスの数と、デバイスにインストールされたアプリケーションのコピー数を識別します。したがって、内部レコードに対してライセンス数を容易に検証できます。
特定のアプリケーションバージョンへのアップデートを決定した場合、または新しいアプリケーションを導入するのに特定のRAM容量が必要になることが判明した場合、ZENworks Handheld Managementを使って、どのハンドヘルドデバイスをアップグレードする必要があるのか、およびいくつのコンポーネントをオーダーする必要があるのかを容易に識別できます。