Sender-Receiverの理解
インベントリサーバ上のSenderとReceiverは、下位のインベントリサーバから上位のインベントリサーバにスキャンファイルを転送します。Sender-Receiverは、ZENworks Web Serverを使用してXML-RPC要求を処理します。詳細情報については、以下を参照してください。
次の図は、SenderとReceiverが実行するプロセスを示しています。
SenderとReceiverは次のプロセスを実行します。
- Service Managerが、Sender-Receiverコンポーネントを起動します。
- Roll-Up Schedulerが、指定されたロールアップ時刻にSenderをアクティブにします。
- Senderは、エンタープライズマージディレクトリ(entmergedir)からエンタープライズプッシュディレクトリ(entpushdir)にスキャンデータファイル(.str)を移動し、そのファイルを.zipファイルに圧縮します。
- 各.zipファイルと.prpファイルが再度.zipファイルに圧縮されます。.prpファイルは、その.zipファイルに関する情報を含む内部ファイルです。
- Senderは、\entpushdirディレクトリから次のレベルのインベントリサーバのReceiverに.zipファイルを送信します。
- Receiverは、\entpushdir\zipdirディレクトリに.zipファイルを保存します。
- Receiverは、.zipファイルを\entpushdirディレクトリにコピーし、\entpushdir\zipdirディレクトリからその.zipファイルを削除します。
- データベースがサーバに接続されている場合、Receiverは、.zipファイルをデータベースディレクトリ(dbdir)にコピーします。
- Sender-ReceiverはステータスをeDirectoryに記録します。
Senderの理解
Senderは、リーフサーバまたは中間サーバ上で実行されるJava*コンポーネントです。Service Managerによりロードされるサービスです。インベントリサーバ上のインベントリコンポーネントの概要のインベントリサーバコンポーネントのクイックリファレンスの表を参照してください。
インベントリ情報をロールアップする際のSenderからの情報の流れは次のとおりです。
- Service Managerが、インベントリサーバ上のSenderを起動します。Senderは、ロールアップスケジュールで指定されている時刻に、エンタープライズマージディレクトリ(entmergedir)からエンタープライズプッシュディレクトリ(entpushdir)にスキャンデータ(.str)を移動します。
Senderは、インベントリサーバの\entpushdirディレクトリにあるこの.strファイルを.zipファイルに圧縮した後、.strファイルを削除します。この.zipファイルは、.prpファイルと共に.zipファイルに再び圧縮されます。.prpファイルは、その.zipファイルに関する情報を含む内部ファイルです。詳細については、圧縮されたスキャンデータファイルの理解を参照してください。
- Senderは、eDirectoryのInventory ServiceオブジェクトのzeninvRollUpLog属性に、新しいレコードを作成します。このレコードには、Senderが.strファイルを圧縮したサーバおよび.zipファイルの名前とサイズなどの詳細情報が含まれます。
- ReceiverのInventory Serviceオブジェクトのプロパティの[Discard Scan Data Time]に基づいて、Senderは、指定されたスキャンデータ廃棄時刻より前に作成された.zipファイルを\entpushdirディレクトリから削除します。これにより、ロールアップで送信される不要なスキャン情報を削除できます。
- Senderは、圧縮した.zipファイルをReceiverに送信します。このとき、最も古い圧縮ファイルから送信します。
- .zipファイルの転送後、Senderは\entpushdirディレクトリ内の圧縮ファイルを削除します。
- 情報のロールアップ後、Senderは圧縮ファイルを作成したインベントリサーバのzeninvRollUpLog属性を更新します。更新する内容は、Senderがファイルを転送した送信元のインベントリサーバ、.zipファイル名、転送時刻、ファイルの転送に要した合計時間、送信先インベントリサーバなどの詳細情報です。
ツリー間でインベントリ情報をロールアップする場合、ロールアップステータスメッセージは、ツリー内で.zipファイルを受信する最初のインベントリサーバに記録されます。
Senderの全アクションのステータス情報は、ロールアップログとサーバステータスログに記録されます。詳細については、ステータスログによるServer Inventoryの監視を参照してください。
Senderは、Receiverに接続できない場合、10秒後に接続を再試行します。再試行の間隔は、係数を2として指数的に増加します。Receiverへの接続を14回再試行した後、再試行は中止されます。中止まで、Senderは約23時間再試行を継続します。接続が確立している間、他の情報は処理されません。
Receiverの理解
Receiverは、中間サーバまたはルートサーバ上で実行されるJavaコンポーネントであり、Service Managerによりロードされるサービスです。インベントリサーバ上のインベントリコンポーネントの概要のインベントリサーバコンポーネントのクイックリファレンスの表を参照してください。
Receiverは次の処理を実行します。
- Receiverは、Senderからスキャン.zipファイルを受信し、\entpushdir\zipdirディレクトリに保存します。
- Receiverは、.zipファイルを\entpushdirディレクトリにコピーし、\entpushdir\zipdirディレクトリからその.zipファイルを削除します。
中間サーバで、ファイルは\entpushdirに保存されます。データベースが接続されている中間サーバ、またはデータベースとインベントリ対象サーバが接続されている中間サーバで、ファイルは\entpushdirに保存されデータベースディレクトリ(dbdir)にコピーされます。
- ルートサーバまたはインベントリ対象サーバが接続されているルートサーバ上のReceiverは、Senderから.zipファイルを受信し、\entpushdir\zipdirディレクトリに保存します。ファイルをインベントリサーバ上の\dbdirディレクトリにコピーします。
- Receiverは、ステータス情報をロールアップログに記録します。詳細については、ステータスログによるServer Inventoryの監視を参照してください。
圧縮されたスキャンデータファイルの理解
Senderはスキャンデータファイル(.str)を.zipファイルに圧縮します。この.zipファイルは、.prpファイルと共に.zipファイルに再び圧縮されます。.zipファイル(.zipファイルと.prpファイルを含む)は、次の命名規則に従って名前が付けられます。
scheduledtime_inventoryservername_treename_storedstatus.zip
scheduledtimeは.zipファイルが作成された日時、inventoryservernameは.zipファイルが圧縮されたインベントリサーバ、treename は.zipファイルが存在する一意のツリー名、storedstatusは.zipファイルの保存ステータス、ZIPは圧縮されたファイルのファイル拡張子を示します。
storedstatusは、0、1、または2によって示されます。0は、.zipファイルがまだ保存されていないことを示します。1は、.zipファイルが初めてインベントリサーバに保存されることを示します。2は、.zipファイルが一度保存されたことがあることを示します。
.zipファイル名は、データベースがインベントリサーバに接続されているかどうかによって異なります。
.zipファイルには、.zipファイルとプロパティファイルが含まれます。プロパティファイルは、次の命名規則に従って名前が付けられます。
scheduledtime_inventoryservername.prp
プロパティファイルには、スケジュール設定されている時間、インベントリサーバ名、および署名が含まれています。署名は.zipファイルの認証に役立ちます。
各.zipファイルには最大50個の.strファイルを含めることができます。
Sender-Receiverのディレクトリ
次の表は、Sender-Receiverが使用するディレクトリのクイックリファレンスです。
リーフサーバ、データベースが接続されているリーフサーバ |
このインベントリサーバ上で実行 |
-- |
Senderは、.strファイルを\entpushdirに移動します。 |
-- |
Senderは、.strファイルを.zipファイル形式に圧縮します。 Senderは.strファイルを削除します。 .zipファイルを次のレベルのインベントリサーバに送信します。 |
-- |
中間サーバ |
このインベントリサーバ上で実行 |
このインベントリサーバ上で実行 |
-- |
Receiverは、このディレクトリ内で、下位のインベントリサーバから.zipファイルを受信します。 |
Receiverは、このディレクトリ内で、下位のインベントリサーバから.zipファイルをコピーします。 Senderは、次のレベルのインベントリサーバに.zipファイルを送信します。 |
-- |
Intermediate Server with Inventoried Servers (インベントリ対象サーバが接続されている中間サーバ) |
このインベントリサーバ上で実行 |
このインベントリサーバ上で実行 |
Senderは、.strファイルを\entpushdirに移動します。 |
Receiverは、このディレクトリ内で、下位のインベントリサーバから.zipファイルを受信します。 |
Receiverは、\zipdirからこのディレクトリに.zipファイルをコピーします。 Senderは、次のレベルのインベントリサーバに.zipファイルを送信します。 Senderは、.strファイルを.zipファイル形式に圧縮します。 Senderは.strファイルを削除します。 |
-- |
データベースが接続されている中間サーバ |
このインベントリサーバ上で実行 |
このインベントリサーバ上で実行 |
-- |
Receiverは、このディレクトリ内で、下位のインベントリサーバから.zipファイルを受信します。 |
Receiverは、\zipdirからこのディレクトリに.zipファイルをコピーします。 Senderは、次のレベルのインベントリサーバに.zipファイルを送信します。 |
Receiverは、このディレクトリ内にファイルをコピーします。 |
Intermediate Server with Database and Inventoried Servers (データベースとインベントリ対象サーバが接続されている中間サーバ) |
このインベントリサーバ上で実行 |
このインベントリサーバ上で実行 |
Senderは、.strファイルを\entpushdirに移動します。 |
Receiverは、このディレクトリ内で、下位のインベントリサーバから.zipファイルを受信します。 |
Receiverは、\zipdirからこのディレクトリに.zipファイルをコピーします。 Senderは、.strファイルを.zipファイル形式に圧縮します。 Senderは.strファイルを削除します。 Senderは、次のレベルのインベントリサーバに.zipファイルを送信します。 |
Receiverは、このディレクトリ内にファイルをコピーします。 |
ルートサーバ、 Root Server with Inventoried Servers (インベントリ対象サーバが接続されているルートサーバ) |
-- |
このインベントリサーバ上で実行 |
-- |
Receiverは、このディレクトリ内で、下位のインベントリサーバから.zipファイルを受信します。 |
-- |
Receiverは、このディレクトリ内で、下位のインベントリサーバから.zipファイルをコピーします。 |
スタンドアロンサーバにはReceiverはロードされません。