必要なデータベースの数の決定

データベースはNetWareサーバとWindowsサーバの両方にインストールできます。

インストールプログラムは、Sybaseエンジンのバージョンを確認した後、エンジンを更新します。Sybaseエンジンが存在しない場合やバージョンが古い場合は、Sybaseソフトウェアがインストールされます。

重要:  [Subscriber/Policies]オプションをインストールしているデータベースのサーバを選択していることを確認します。ZENworks Server Managementポリシー(Distributed Server Package)の[Purge Database]オプションが機能するのは、Policy/Package Agentソフトウェアとzfslog.dbファイルが同じサーバ上にある場合だけです。

インストールプログラムでは、インストールされているデータベースのインスタンスごとに、データベースオブジェクトが自動的に作成されます。インストール時にそのオブジェクトのデータベースを選択できます。インストールプログラムを実行するたびに、データベースのインスタンスを1つだけインストールできます。データベースオブジェクトは、データベースファイルzfslog.dbもインストールされているサーバのサーバオブジェクトと同じeDirectoryコンテナにインストールされます。

複数のデータベースファイルを使用するかどうかについては、次の節を参照してください。


データベースのログの記録とTiered Electronic Distributionのレポーティング

Policy and Distribution Servicesは、Server Managementデータベースを使用しなくても正常に機能します。これは、レポート用の情報を記録するためにのみzfslog.dbファイルを使用するからです。Policy and Distribution Servicesのzfslog.dbには、環境設定情報は含まれていません。Distributionのステータス情報を取得するには、Novell iManagerのZENworks Server Managementの役割で、[Tiered Distribution]ビューおよび[Remote Web Console]のオプションを使用します。(データベースファイルに書き込まれている)ポリシー情報は、Novell ConsoleOne(R)の[Tools]メニューから利用できる標準のレポートを介して取得できます。

Distributor Agentは、その配布のステータス情報(構築、受信、抽出)およびServer Software Packageのインストール情報をデータベースファイル(zfslog.db)に書き込みます。Policy/Package Agentは、ポリシー適用の成功と失敗をこのデータベースファイルに書き込みます。このデータベースは、Policy and Distribution Servicesのレポートで使用されます。

書き込み先とするデータベースをエージェントが識別するためには、エージェントに対してポリシーを作成する必要があります。インストール時に設定されていない場合、ZENworks Databaseポリシーで(SLPのプロパティパッケージを使用して)関連付けることで、Distributor Agentは書き込み先を認識できます。ZENworksデータベースポリシーは、Policy/Package Agentが書き込み先を識別できるように、Distributed Server Packageを使用してSubscriberに配布されます。

Policy and Distribution Servicesには、Server Policiesコンポーネント用に6つの定義済みレポートと、Tiered Electronic Distributionコンポーネント用に4つのレポートが用意されています。レポート情報は、データベースファイルのログに記録された情報から取得されます。次のようなレポートを利用できます。

Server Policiesレポート Tiered Electronic Distributionレポート

[Discovered Policies]

[Distribution Detail]

[Server Down Policy]

[Revision History]

[Packages]

[Revision History Failure]

[Failed Policies]

[Subscriber Detail]

[Successful Policies]

 

[Unenforceable Policies]

 

選択したレポートには、現在データベースに記録されている、該当するServer PoliciesまたはTiered Electronic Distributionの情報がすべて表示されます。指定できるレポートの条件には、日付の範囲、特定のDistribution、Distributionのバージョンなどがあります。

特殊なレポートでは、複数のデータベースが必要になる場合があります。詳細については、利点を参照してください。

レポーティングについては、レポート機能を参照してください。


複数のデータベース

Policy and Distribution Servicesでは、ツリーごとに、Server Managementデータベースの複数のインスタンスがサポートされています。ただし、ツリーごとに、データベースのインスタンスを1つだけインストールすることをお勧めします。次の節を参照してください。


利点

データベースを1つだけ使用することの利点は、すべてのDistributor AgentとPolicy/Package Agentによって提供されるDistribution情報を1つのレポートに表示できることです。

たとえば、単一のレポートを使用すると、次のようなソフトウェアパッケージ情報を1つのレポートに含めることができます。

  • Software Package Distributionの構築と送信に関するDistributor Agentの情報
  • ソフトウェアパッケージの抽出とインストールに関するPolicy/Package Agentの情報

複数のデータベースを使用することの利点は、次のとおりです。

  • 低速なWANリンク上のトラフィックの最小化

    たとえば、WANリンクのサーバ側でPolicy/Package Agentのログ用に別のデータベースを使用できます。

  • 特殊なレポーティング用に個別データベースを提供

    たとえば、Distributor Agent (配布)用にデータベースが1つあり、Policy/Package Agent (ポリシー)用にデータベースが1つある場合、Software PackageおよびPolicy PackageタイプのDistributionに関する構築および送信情報はデータベースの配布インスタンスに書き込まれ、ソフトウェアパッケージのインストールおよびポリシーの適用の情報はデータベースのポリシーインスタンスに書き込まれます。


Distributorオブジェクトのコンテキストと複数のデータベース

1つのzfslog.dbファイルで複数のDistributorからのログエントリを受信することができ、Distributorは1つのzfslog.dbファイルにログを記録できます。理由は次のとおりです。

  • Distributor Agentがデータベースファイルを検出するには、ZENworksデータベースポリシー(Service Location Package)がデータベースオブジェクト(ファイルの場所とそのプロパティを格納する)を指すDistributorのオブジェクトよりも上の階層のコンテキストに関連付けられている必要があります。Distributorは、関連付けによってポリシーを受信します。
  • 個別のデータベースを複数のDistributorサーバにインストールしている場合、各データベースにはデータベースを特定するための独自のZENworksデータベースポリシー(ファイルの場所を格納するデータベースのオブジェクトを指すポリシー)が必要です。
  • Distributorオブジェクトを保持しているコンテナなど、特定のコンテキストに関連付けることができるService Location Package (ZENworksデータベースポリシーを格納する)は1つだけです。
  • 特定のコンテキストに関連付けることができるService Location Packageは1つだけなので、複数のDistributorが個別のデータベースファイルに書き込むことができるようにするには、Distributorオブジェクトを異なるコンテキストにインストールする必要があります。各Distributorには、それぞれの親コンテナに関連付けられたデータベースの場所ポリシーがそれぞれ必要です。

    管理を容易にするために、通常すべてのDistributorオブジェクトを配置するコンテナの下に、各オブジェクト用の個別のコンテナを作成することによって、Distributorオブジェクトを近い場所にまとめておくことができます。これによって、異なるService Location Packageを適切なDistributorの一意の親コンテナに関連付けることができます。

  • すべてのDistributorが同じデータベースファイルに書き込むようにするには、それぞれのDistributorオブジェクトを、Service Location Packageを関連付けるコンテナの下の階層に配置します。すべてのDistributorは、同じデータベースの場所ポリシーを使用します。


複数のデータベースが必要であるかどうかの判断

ツリー内にいくつのデータベースが必要であるかを判断するには、次の点を検討します。

  • WANトラフィック: Tiered Electronic Distributionは大量のデータベースの更新を実行しないので、システムリソースに対する実際の影響は最小限です。最も大きな影響は、トランザクションの実行にかかる時間です。ただし、WAN接続が低速である場合、WANを介してデータベースのログの記録を実行しないことも可能です。

  • 複数のDistributor: ツリー内に複数のDistributorがある場合、それぞれに1つのデータベースを使用することも、1つ以上のデータベースを共有させることもできます。必要なDistributorのレポーティングのタイプによって、それぞれに個別のデータベースを使用するかどうかが決まります。たとえば、Distributorが、送信するDistributionのタイプ専用であるかどうかなどです。

  • 統合されたレポーティング: すべてのTiered Electronic Distribution情報についてレポートを1つだけ生成する場合は、WANトラフィックの注意事項に関係なく、データベースオブジェクトとファイルを1つだけインストールします。ZENworksデータベースポリシー(Service Location Package)を使用して、すべてのDistributorがそのデータベースファイルを使用するように指定します。

  • 特殊なレポーティング: サーバの特定の領域やグループに固有のレポートが必要になる場合があります。データベースオブジェクトとファイルをこのような各領域にインストールし、Distributorでその領域またはサーバグループのログをそのデータベースに記録することができます。個別のZENworksデータベースポリシー(Service Location Package)を使用して、各Distributorが適切なデータベースファイルを使用するように指定します。