Novell eDirectoryでは、ネットワークリソースを、容易に、強力に、またフレキシブルに管理できます。eDirectoryは、グループウェアやその他アプリケーションのユーザ情報のリポジトリとしても機能します。これらのアプリケーションは、業界標準のLDAP(Lightweight Directory Access Protocol)を使用して、ディレクトリにアクセスします。
eDirectoryの便利な管理機能には、強力なツリー構造、統合管理ユーティリティ、およびシングルログインと認証機能があります。
Novell iManagerでは、Webブラウザやさまざまな携帯用デバイスから、ディレクトリやユーザ、ディレクトリ内のアクセス権やネットワークリソースを管理できます。iManagerへのeDirectoryプラグインによって、基本的なディレクトリ管理タスクや、DSRepair、DSMerge、バックアップおよび復元などの、以前は eDirectoryサーバで実行する必要のあったeDirectory管理ユーティリティにアクセスすることができます。
詳細については、『Novell iManager 2.5管理ガイド』を参照してください。
Novell eDirectoryでは、ツリー構造内にオブジェクトが編成されます。最上部のTreeオブジェクトには、ツリー名が付けられます。
eDirectoryサーバで動作するオペレーティングシステムがNetWare、Linux、UNIX、Windowsのどれであっても、すべてのリソースを同じツリー内に保管できます。オブジェクトの作成や、権利の付与、パスワードの変更、アプリケーションの管理のために、それぞれのサーバやドメインに個別にアクセスする必要はありません。
ツリーの階層構造によって、極めて柔軟で強力な管理が可能になっています。このような管理機能は、主に次の2つの機能で実現できます。
コンテナオブジェクトを利用することによって、オブジェクトを個々に扱うのではなく、オブジェクトのまとまりとして扱うことができます。図 2に示すように、コンテナオブジェクトには、3つの共通クラスがあります。
図 2Treeオブジェクトは、ツリー内の最上部のコンテナオブジェクトです。通常、このコンテナには、その会社の組織オブジェクトが格納されます。
組織は通常、Treeオブジェクトの直下に位置するコンテナクラスです。一般に、組織オブジェクトには会社名に基づく名前が付けられます。小規模な会社の場合は、管理を容易化するために、他のオブジェクトをすべて組織オブジェクトの直下に配置します。
組織の下に部門オブジェクトを作成し、異なった地区、ネットワークキャンパス、または個々の部署を表すことができます。部門の下にさらに部門を作成して、ツリーを細分化することもできます。
その他、コンテナオブジェクトには、カントリクラスと地域クラスがあります。これらのクラスは通常、複数の国にまたがるネットワークでのみ使用されます。
ドメインオブジェクトは、Treeオブジェクトの下、または組織、部門、カントリ、および地域オブジェクトの下に作成されます。
コンテナ内のすべてのオブジェクトに対してなんらかの処理を行う場合、コンテナオブジェクトに処理を行えば1回の実行で済みます。たとえば、Accountingコンテナ内のすべてのオブジェクトに対する管理制御権を、Amyという名前のユーザに与えるとします。(図 3を参照してください)。
図 3この場合、Accountingオブジェクトを右クリックして[オブジェクトのトラスティ]を選択し、Amyをトラスティとして追加します。次に、Amyに与える権利を選択して[OK]をクリックします。これでAmyに、Databaseアプリケーション、Bookkeepersグループ、LaserPrinterプリンタ、およびAmy、Bill、Bobのユーザオブジェクトを管理する権利が与えられました。
eDirectoryのもう1つの強力な機能は、権利の継承です。継承とは、ツリー内の上位層のコンテナの権利が、それぞれの下位層のすべてのコンテナに受け継がれることを意味します。この機能によって、権利の割り当て回数を少なくすることができます。たとえば、図 4に示すオブジェクトに対する管理権を与えるとします。
図 4次の割り当てのいずれかを行うことができます。
権利の割り当ての詳細については、eDirectoryでの権利を参照してください。
Novell iManagerはブラウザベースのツールで、eDirectoryオブジェクトを運用、管理、設定するために使用します。iManagerを使用すると、ユーザに特定のタスクや責任を割り当てたり、それらのタスクを実行するために必要なツールおよびそれに伴う権利だけを付与したりすることができます。
iManagerを実行するには、Microsoft Internet Explorer 6.0 SP1以降(推奨)、Mozilla 1.7以降、またはMozilla Firefox 0.9.2を搭載したワークステーションが必要です。
重要: これら以外のWebブラウザでもiManagerにアクセスできる場合がありますが、完全な機能は保証されません。
iManagerを使用すると、次のようなスーパバイザの作業を実行できます。
その他にも、iManagerにロードされたプラグインに基づいた管理機能を実行できます。iManager 2.5でインストールされるのは、次のeDirectoryプラグインです。
iManagerのインストール、設定、および実行についての詳細は、『Novell iManager 2.5管理ガイド』を参照してください。
eDirectoryでは、ユーザはグローバルディレクトリにログインするため、ユーザごとに複数のサーバやドメインを管理する必要はありません。また、ドメイン間の信頼関係や通過時の認証を管理する必要もありません。
ディレクトリのセキュリティ機能の1つは、ユーザの認証です。ユーザがログインするためには、あらかじめユーザオブジェクトがディレクトリ内に作成されている必要があります。ユーザオブジェクトには、名前やパスワードといった、特定のプロパティがあります。
ユーザがログインすると、eDirectoryは入力されたパスワードとディレクトリに格納されているそのユーザのパスワードを照合し、一致した場合にアクセスを許可します。