3.6 カスタムアクションの管理

PlateSpin Migrateでは、機能をバッチファイルやスクリプトなどのカスタムアクションを自動的に実行できます。

3.6.1 マイグレーション後のアクションの管理(WindowsおよびLinux)

ターゲット上の特定のマイグレーション後タスクを自動化するために、バッチファイル、シェルスクリプト、またはプログラムの実行可能ファイルをマイグレーションジョブに含めることができます。マイグレーションプロセスの終わりに、PlateSpin Migrateによって指定したアクションとその従属ファイルがターゲットにアップロードされ、アクションが実行されます。

マイグレーション後のカスタムアクションは、次のジョブタイプでサポートされています。

  • 一度のサーバ同期

  • ピアツーピアのワークロードマイグレーション

マイグレーションジョブの一部としてマイグレーション後のアクションを選択できるようにするには、まずアクションとその従属ファイルを専用のディレクトリに保存し、それをPlateSpin Migrate Serverのライブラリに追加する必要があります。ディレクトリの最大サイズは、64MBを超えないようにしてください。この制限値を増やすには、Section 2.2.5, PlateSpin Migrate Serverにアップロードされたマイグレーション後のアクションに対するサイズ制限の増加を参照してください。

PlateSpin Migrate Serverのカスタムアクションのライブラリにマイグレーション後のアクションを追加するには、次の手順を使用します。

  1. アクションを作成し、それをサンプルのワークロード上でテストし、PlateSpin Migrate Serverがアクセスできるディレクトリに、従属ファイルとともにそれを保存します。

    LinuxおよびSolarisのワークロードの場合、マイグレーション後のアクションを作成する際には、特別な注意が必要です。ファイル名に各種の文字を許可し、各種のACL (Access Control List)権限をサポートしています。これらのオペレーティングシステムでは、アクションのディレクトリ構造を1つのファイルにまとめます。

    ナレッジベースの記事7970214を参照してください。

  2. PlateSpin Migrate Clientで、[ツール]>[アクションの管理]の順にクリックします。

  3. [追加]をクリックします。

  4. [アクションの追加]ウィンドウで、カスタムアクションの名前を入力し、ターゲットのオペレーティングシステムの種類を選択し、必要なアクションとその従属ファイルを含むディレクトリを参照して選択します。

    PlateSpin Migrateによって、選択したフォルダの内容がリストに入力されます。

  5. [ファイル名]カラムで、必要な実行可能ファイルを選択し、[設定]をクリックします。

  6. [デフォルトオプション]セクションで、必要なコマンドライン引数および実行タイムアウトを指定し、[OK]をクリックします。

    PlateSpin Migrateは、ライブラリをパッケージ化しアップロードします。

これで、アクションがマイグレーションジョブで選択できるようになりました。詳細については、マイグレーションジョブにマイグレーション後のカスタムアクションを含める方法を参照してください。

3.6.2 Linuxシステムのスクリプト機能のFreezeとThaw

マイグレーション後のカスタムアクションに加えて、PlateSpin Migrateは、freeze(ブロックレベルのデータ転送の開始時に実行される)およびthaw(ブロックレベルのデータ転送の終了時に実行される)という、Linuxシステム用のスクリプト自動化機能を追加で提供します。

ユーザインタフェース経由で使用できる自動化されたデーモン制御機能を補足するために、この機能を使用することを考慮してください(ライブ転送中のソースのワークロードサービスまたはデーモンの処理(WindowsおよびLinux)を参照)。たとえば、ワークロードをライブ転送マイグレーション中により一貫した状態にするために、この機能を使用して、アプリケーションにディスクにデータをフラッシュさせる場合があります。

この機能を実装するには、マイグレーションジョブをセットアップする前に、次を実行します。

  1. 次のファイルを作成します。

    • platespin.freeze.shマイグレーションの最初に実行するシェルスクリプト。

    • platespin.thaw.shマイグレーションの最後に実行するシェルスクリプト。

    • platespin.confタイムアウト値とともに必要な引数を定義するテキストファイル。

      platespin.confファイルの内容に関して使用する必要のある構文は次のとおりです。

      [ServiceControl]

      (オプション)FreezeArguments=<arguments>

      (オプション)ThawArguments=<arguments>

      (オプション)TimeOut=<timeout>

      <引数>の部分を必要なコマンド引数で置き換え(スペース区切り)、<タイムアウト>の部分をタイムアウト値(秒)で置き換えます。指定しない場合、デフォルトのタイムアウト(60秒)が使用されます。

  2. Linuxソースワークロードの次のディレクトリに、.confファイルとともにスクリプトを保存します。

    /etc/platespin/