7.2 レイターの使用

レイターとは、一定時間内のリソース(またはリソースの一部)の使用に対して、請求可能な使用料を割り当てるためのメトリックです。これにより、リソース使用状況データが通貨の値に変換されます。レイターには、次の3つのタイプがあります:

次の節を参照してください:

7.2.1 レイターのリソース

レイターは、リソースの最大使用率、または一定期間内の平均使用率に応じて料金を計算します。例外的に、料金が時間単位のデータに対して課金される場合、平均使用率のみを使用して計算されます。

表 7-1 レイターのリソース

リソース

説明

Uptime (Hours)

料金は、レポートの中で指定された期間中にPlateSpin Reconによって監視されたネットワークエンティティの時間に基づきます。

定額レイターおよび階層化レイターでは、[Measurement]および[Time Period]はグレー表示されます。割り当てレイターでは、[Method]もグレー表示されます。

VC_ProcessorTime (hour)

時間ごとの平均使用状況が計算され、レポートの中で指定された期間中の時間平均すべての合計が課金に使用されます。

Measurement]および[Time Period]はグレー表示されます。

Processor (MHz)

Memory Used (MB)

Network (MB/sec)

Disk (MB/sec)

Disk Space Used (GB)

Disk Writes (MB/sec)

Time Period]に対して「Hour」を選択すると、「Maximum」が選択されていても平均値が強制的に使用されます。

Total Processor (Count)

静的なカウンタ課金は静的な値に対して行われます。

Measurement]および[Time Period]はグレー表示されます。

Total Memory (MB)

静的なカウンタ課金は静的な値に対して行われます。

Measurement]および[Time Period]はグレー表示されます。

Total Disk (GB)

静的なカウンタ。課金は静的な値に対して行われます。

Measurement]および[Time Period]はグレー表示されます。

メモ:前のテーブルで説明されているVC_ProcessorTimeは別として、VC_specificカウンタは、チャージバックには不要で、役に立つこともありません。そのため、このカウンタはレイターの作成時には使用できません。必要に応じて、標準メモリカウンタ(使用メモリおよび合計メモリ)を使用します。

7.2.2 レイターの料金

定額レイターおよび階層化レイター: 料金は、使用状況のすべての測定に対して、マシンに割り当てられたコストの額を表します。たとえば、週あたり3GBのディスク領域が使用されるごとに、使用料金が適用されます。階層化レイターの場合、料金の値を階層ごとに入力する必要があります。

割り当てレイター: 料金は、仮想マシンサーバリソースの総コストを表します。たとえば、仮想マシンサーバのディスク容量に関して、1,000ドルの月額料金をレイターに含めることができます。レイターがアタッチされているすべての仮想マシンには、選択したリソースの使用状況に比例して、1,000ドルの中から一定の金額が割り当てられます。たとえば、前述のレイターに基づくと、仮想マシンサーバに、それぞれが50%、25%、および10%のディスク領域(仮想サーバの使用量または仮想サーバの容量のいずれか)を使用する3つの仮想マシンが含まれている場合、チャージバックコストとして、それぞれに月額500ドル、250ドル、および100ドルが割り当てられます。

重要:Solarisゾーンでチャージバックを使用する場合、割り当てレイターは、ゾーンにではなく、ホストに対する使用料金を次の式を使用して計算します:

  • 料金 = 単価 * (ゾーンの総リソース/ホストの総リソース)

ゾーンおよびホストに同数のリソース(CPU、ディスク、またはメモリ)が存在する場合は期待どおりの結果になりますが、これらの数が異なる場合、コスト割り当てレポート内に予期しない結果が表示される可能性があります。

たとえば、ホストにはCPUが2つあり、ゾーンにはCPUが1つしかない状況で、プロセッサリソースに対してレイター内の料金が1ドルに指定されている場合、料金は、前述の式を用いると0.50ドルという結果になります。

ゾーンと比較してかなり多数のリソースがホストに存在する場合、特に、メモリおよびディスクのリソースに目を向けると、結果的には料金が非常に少額になります。「チャージバックコスト割り当て」レポートは、小数点以下2桁までしか表示されないため、理論的には変換によってこれらの小さな値が失われてしまい、レポート上の料金がゼロと表示される可能性があります。

7.2.3 仮想サーバのレイター方式

仮想サーバのレイター方式は、レイターがアタッチされている仮想マシンに割り当てられるコストが、仮想マシンサーバのリソースの総使用量の割合、または仮想マシンサーバのリソースの総容量の割合のいずれに基づいて計算されるかを決定します。

たとえば、仮想マシンサーバが1,000GBのディスク容量を持つ状況で、実際に使用されているのが800GBの場合、200GBのディスク容量を使用する仮想サーバは、仮想サーバの容量の20%、または仮想サーバの使用量の25%を使用していることになります。料金が月額1,000ドルの場合、仮想マシンに課金されるのは、仮想サーバの容量を選択すると200ドルで、仮想サーバの使用量を選択すると250ドルになります。