レイターとは、一定時間内のリソース(またはリソースの一部)の使用に対して、請求可能な使用料を割り当てるためのメトリックです。これにより、リソース使用状況データが通貨の値に変換されます。レイターには、次の3つのタイプがあります:
割り当てレイター: これらのレイターは、仮想マシンにのみアタッチできます。これらのレイターは、仮想マシンサーバのリソースコストを収集し、リソースの使用状況に基づいたコストの適切な割合を、レイターがアタッチされているそれぞれの仮想マシンに割り当てます。
定額レイター: これらのレイターは、リソースに定額で料金を割り当てます。たとえば、使用されるディスク容量の定額レイター料金は、1GBあたり月額1ドルになる、といった具合です。
階層化レイター: これらのレイターは、異なる使用状況レベルに対して異なる定額が設定されたリソースに値を割り当てます。たとえば、使用メモリに関して、階層化レイターによる課金を行った場合、1日あたり0~512MBまでは0ドル、512MBを超える分は1MBごとに0.05ドル課金される、といった具合です。
次の節を参照してください:
レイターは、リソースの最大使用率、または一定期間内の平均使用率に応じて料金を計算します。例外的に、料金が時間単位のデータに対して課金される場合、平均使用率のみを使用して計算されます。
表 7-1 レイターのリソース
メモ:前のテーブルで説明されているVC_ProcessorTimeは別として、VC_specificカウンタは、チャージバックには不要で、役に立つこともありません。そのため、このカウンタはレイターの作成時には使用できません。必要に応じて、標準メモリカウンタ(使用メモリおよび合計メモリ)を使用します。
定額レイターおよび階層化レイター: 料金は、使用状況のすべての測定に対して、マシンに割り当てられたコストの額を表します。たとえば、週あたり3GBのディスク領域が使用されるごとに、使用料金が適用されます。階層化レイターの場合、料金の値を階層ごとに入力する必要があります。
割り当てレイター: 料金は、仮想マシンサーバリソースの総コストを表します。たとえば、仮想マシンサーバのディスク容量に関して、1,000ドルの月額料金をレイターに含めることができます。レイターがアタッチされているすべての仮想マシンには、選択したリソースの使用状況に比例して、1,000ドルの中から一定の金額が割り当てられます。たとえば、前述のレイターに基づくと、仮想マシンサーバに、それぞれが50%、25%、および10%のディスク領域(仮想サーバの使用量または仮想サーバの容量のいずれか)を使用する3つの仮想マシンが含まれている場合、チャージバックコストとして、それぞれに月額500ドル、250ドル、および100ドルが割り当てられます。
重要:Solarisゾーンでチャージバックを使用する場合、割り当てレイターは、ゾーンにではなく、ホストに対する使用料金を次の式を使用して計算します:
料金 = 単価 * (ゾーンの総リソース/ホストの総リソース)
ゾーンおよびホストに同数のリソース(CPU、ディスク、またはメモリ)が存在する場合は期待どおりの結果になりますが、これらの数が異なる場合、コスト割り当てレポート内に予期しない結果が表示される可能性があります。
たとえば、ホストにはCPUが2つあり、ゾーンにはCPUが1つしかない状況で、プロセッサリソースに対してレイター内の料金が1ドルに指定されている場合、料金は、前述の式を用いると0.50ドルという結果になります。
ゾーンと比較してかなり多数のリソースがホストに存在する場合、特に、メモリおよびディスクのリソースに目を向けると、結果的には料金が非常に少額になります。「チャージバックコスト割り当て」レポートは、小数点以下2桁までしか表示されないため、理論的には変換によってこれらの小さな値が失われてしまい、レポート上の料金がゼロと表示される可能性があります。
仮想サーバのレイター方式は、レイターがアタッチされている仮想マシンに割り当てられるコストが、仮想マシンサーバのリソースの総使用量の割合、または仮想マシンサーバのリソースの総容量の割合のいずれに基づいて計算されるかを決定します。
たとえば、仮想マシンサーバが1,000GBのディスク容量を持つ状況で、実際に使用されているのが800GBの場合、200GBのディスク容量を使用する仮想サーバは、仮想サーバの容量の20%、または仮想サーバの使用量の25%を使用していることになります。料金が月額1,000ドルの場合、仮想マシンに課金されるのは、仮想サーバの容量を選択すると200ドルで、仮想サーバの使用量を選択すると250ドルになります。