ツリーにインポートし、NDSTMオブジェクトとして管理するには、ワークステーションをNDSに登録する必要があります。
ワークステーション登録プログラムを実行すると、ワークステーションから登録時刻、ネットワークアドレス、最後のサーバ、最後のユーザといった情報がNDSに対して送信され、コンテナの[ワークステーションの登録]ページにワークステーションエントリが追加されます。
ワークステーションの登録方法は、次の3通りあります。
Application Launcherの使用 Application Launcherを使って、プラットフォーム固有のワークステーション登録プログラムを起動できます。ZENworksTMをインストールすると、WSREG32.EXEとWSREG16.EXE用にアプリケーションオブジェクトが自動的に作成されます。
スケジューラの使用 ワークステーション管理機能を使用し、かつセットアップしているワークステーションがWindows* 95、Windows 98、またはWindows NT*であれば、.EXEファイルを使う必要はありません。ワークステーション管理によって自動的にWSREG32.DLLが実行し、同等の作業が行われます。ただし、ワークステーション管理を有効にしておく必要があります(デフォルトで有効)。
ログインスクリプトの使用 Application Launcherまたはワークステーション管理機能のどちらも使用しない場合、実行ファイル(WSREG32.EXEまたはWSREG16.EXE)を起動するためのコマンドをログインスクリプトに入れることができます。ログインスクリプトが実行されると、ワークステーションがNDSに登録されます。
次は、16ビットと32ビットのプラットフォームで実行ファイルを起動するためのサンプルログインスクリプトの一部です。このサンプルでは、スクリプト内の別の箇所で、ZENworksファイルがあるサーバ上のSYS:\PUBLICにサーチドライブがマップ済みであることを前提にしています。
IF "%PLATFORM"="WNT" THEN begin
write "Windows NTワークステーションの登録"
#wsreg32.exe
end
IF "%PLATFORM"="W95" THEN begin
write "Windows 95ワークステーションの登録"
#wsreg32.exe
end
IF "%PLATFORM"="WIN" THEN begin
write "Windows 3,1ワークステーションの登録"
#wsreg16.exe
end
IF "%PLATFORM"="DOS" THEN begin
write "DOSワークステーションの登録"
#wsreg16.exe
end
ワークステーションが登録されたら、ツリー内にオブジェクトを作成する前にそれをインポートする必要があります。ワークステーションのインポート後に、ワークステーション登録プログラムを再度実行し、次の作業を完了します。
ワークステーションとNDSが同期化されると、このワークステーション上でワークステーション登録プログラムを実行するたびに、ワークステーションオブジェクトが更新されます。
次の各セクションを参照してください。
ZENworksワークステーション自動登録では、ワークステーションを登録し、NDSとの同期を保つために、NDS内の直近のペアレントコンテナに登録要求を書き込む権利がユーザに必要です。
ZENworksのインストール中、WM:Registered Workstation属性が組織(O)クラスと部門(OU)クラスに追加されます。インストールによってこの属性に対する書き込み権が自動的にユーザに与えられます。または手動でこの権利を与えます。
コンテナに対してスーパバイザ権を持つユーザや、コンテナの[すべてのプロパティ](属性)に対する書き込み権([このオブジェクトのトラスティ]で設定)を持つユーザは、暗黙的にWM:Registered Workstation属性に対する書き込み権が与えられます。
これらの権利をコンテキスト内のすべてのユーザに与えるには、そのコンテキストを入力する必要があります。
ワークステーション登録では、次の5つの作業が伴います。
ワークステーションは、ユーザのコンテナに登録します。そのためには、ユーザのワークステーションを登録できるようにNDSコンテナを準備する必要があります。
登録用のコンテナを準備するには、管理者は次の2つのうちいずれかを実行します。
インポート用にワークステーションを登録する場合、次の3種類のうちいずれかの方法を選択できます。
ワークステーション登録エージェントは、WSREG.DLLとWSREG16.EXEの2形式で提供されます。WSREG.DLLは、WIN32プラットフォーム用のワークステーション登録エージェントです。WSREG.DLLは、Workstation Managerのスケジューラで実行するか、ログインスクリプトにWSREG32.EXEを記述して実行するか、またはNALを使って実行することができます。このDLLファイルにはWSREG32R.DLLというリソースDLLがあり、リソース文字列の各国対応に使われます。WSREG.DLLがこのリソースDLLを見つけることができないと、WSREG32.LOGファイルは空白になります。
WSREG.DLLは、それ自身(ワークステーション登録エージェント)が実行されているディレクトリでWSREG32R.DLLを探します。WSREG32R.DLLがこのディレクトリにないと、WSREG.DLLは<WSREG.DLLディレクトリ>\NLS\<LANGUAGE>ディレクトリを探します。WSREG.DLLディレクトリ>\NLS\<LANGUAGE>ディレクトリで見つからないと、最後に環境パス設定を検索します。
ワークステーション登録エージェントを実行すると、ワークステーションの最初のローカルドライブ(一般にC:)のルートディレクトリに、WSREG32.LOGファイルが作成されます。このファイルには、ワークステーション登録エージェントの実行内容が記録されます。エラーや問題が発生したときにWSREG32.LOGファイルを調べると、ワークステーションが登録されなかった原因や、ワークステーションオブジェクト属性の一部が正しく更新されなかった原因を判断できます。
ワークステーション登録エージェントの2番目の形式は、WSREG16.EXEです。WSREG16.EXEは、DOSワークステーションまたはWindows 3.1ワークステーションで実行できます。WSREG16.EXEは、最初に見つかったドライブにWSREG16.LOGという名前のログファイルを書き出します。WSREG16.LOGの内容は、WSREG32.LOGと同じです。
DOSでは、WSREG16R.MSGというリソースファイルがWSREG16.EXEと共に使われます。WSREG32R.DLLと同じく、このファイルは各国対応の文字列を含み、WSREG16.LOGファイルの画面へのメッセージ出力に必要です。WSREG16.EXEは、WSREG.DLLがWSREG32R.DLLを探すときと同じサーチメカニズムを使ってWSREG16R.MSGファイルを探します。
Windows 3.1では、DOSで実行した場合と同様にWSREG16.EXEによってWSREG16.LOGファイルが作成されますが、リソースファイル名はWSREG16R.DLLです。WSREG16R.DLLは、前に説明した2つのリソースファイル(WSREG32R.DLLとWSREG16R.MSG)と同じ動作をします。
ワークステーション登録エージェントの実行順序は次のとおりです。まず、インポート用にワークステーションを登録します(NDSツリーにワークステーションオブジェクトを作成)。ワークステーションのインポート後、物理ワークステーションをツリーのワークステーションオブジェクトに関連付けます。次に、ネットワークアドレス、ユーザ履歴、最後のユーザ、最後のサーバ、および前回の登録時刻といったワークステーションオブジェクト情報を更新します。ワークステーション登録エージェントがツリー内にそのワークステーションを見つけることができない場合、そのワークステーションは移動またはリネームされたものと判断します。
Windows NTとWindows 95/98では、ワークステーションオブジェクトのDNはレジストリに書き出されます。このレジストリには、登録用のcookieがあります。この場所は、レジストリのHKEY_LOCAL_MACHINE\Software\Novell\Workstation Manager\Identificationです。ここには、ワークステーション登録エージェントが使用する5つの値があります。
1:BrianD,01010480:00c04fd8eee2,137.65.61.85,
BrianD.NS.Novell.com,BriansWorkstation,PRV-FLY,WINNT,PENTIUM
最初のフィールドは、ログイン中で登録しているユーザの名前です。2番目のフィールドはIPXTMアドレスで、次にIPアドレスが続きます。4番目のフィールドはユーザのNDS名で、コンピュータ名、OSの種類、およびワークステーションに搭載されたCPUの種類が続きます。これらのフィールドのうちワークステーション登録エージェントが認識できなかったフィールドについては空白になります。登録用cookieの情報は、実際にワークステーションをインポートし、名前付けするための値として使われます。
ツリーにワークステーションをインポートする前に、ワークステーションインポートポリシーを作成し、ユーザに関連付ける必要があります。
ワークステーションは、ユーザオブジェクトのあるコンテナに登録され、有効なワークステーションインポートポリシーで指定された場所にインポートされるまでNDSオブジェクトになりません。
ワークステーションは、インポート後に[ワークステーションの登録]ページからなくなり、NDSツリーに表示されます。ワークステーションを最初に登録してから、それ以降登録するたびに、登録時刻、ネットワークアドレス、最後のサーバ、最後のユーザなど、対応するワークステーションオブジェクトの情報が更新されます。
ワークステーションのインポートはApplication Launcherやスケジューラを使って自動で実行するように設定するか、または[ツール]メニューやコマンドラインから手動で実行することができます。また、コンテナ単位で(サブコンテナの情報を含めるか、または含めず)指定したワークステーションをインポートすることも、選択したワークステーションだけをインポートすることもできます。
次に、登録済みワークステーションをインポートするときに使用できるさまざまな方法を示します。
手動で選択したワークステーションをインポートする コンテナの[ワークステーションの登録]ページでワークステーションエントリを選択することにより、特定のワークステーションをインポートできます。
Application Launcherを使って自動インポートスケジュールを設定する アプリケーションオブジェクトを作成してWSIMPORT.EXEを起動することができます。
スケジューラを使って自動インポートスケジュールを設定する WSIMPORT.EXEの実行スケジュールを作成し、このスケジュールに従ってインポート処理を実行できます。
[ツール]メニューから手動でワークステーショングループをインポートする [ワークステーションのインポート]オプションを使って、コンテナに含まれるすべてのワークステーションをインポートすることができます。
コマンドラインから手動でワークステーショングループをインポートする ワークステーションをインポートするためのコマンドを入力できます。たとえば、次のように入力します。
Z:\PUBLIC\WSIMPORT.EXE "users.org" /s-
上記のいずれかの方法による作業を実行した後、ワークステーション登録エージェントを再度実行して登録処理を完了し、ワークステーションとNDSを同期化する必要があります。
WSIMPORT.EXEは、SYS:\PUBLIC\WIN32ディレクトリにあります。これはスタンドアロンの実行可能ファイルで、コマンドラインから実行します。NetWareアドミニストレータでこの実行可能ファイルは、ZENworksApplication Launcherのオブジェクトとして実行するか、またはポリシーパッケージのアクションとして追加することができます。
WSIMPORT.EXEは、選択したコンテキストにおいて次の目的で使うことができます。
次の構文は、コマンドラインとNetWareアドミニストレータの両方で使用できます。
WSIMPORT.EXE <コンテキスト> /T <ツリー名> /S[-] /H /C /R <日数> /?
構文の説明:
|
<コンテキスト> |
= |
WSIMPORT.EXEによるアクションの実行先コンテキストを指定できます。 |
|
T |
= |
ツリー名(このパラメータに名前を指定する必要があります。) |
|
S |
= |
Sによってサブコンテナを含めます(デフォルト)。S-で、サブコンテナを含めません。 |
|
H |
= |
非表示。フィードバックは表示されません。 |
|
C |
= |
ワークステーション登録の消去 |
|
R |
= |
ワークステーションを削除するまでの経過日数(数字を指定する必要があります。) |
|
? |
= |
ヘルプ(これらのパラメータの説明を表示します。) |
WSIMPORT.EXEは、次のログファイルを作成します。
ユーザインタフェース、フィードバック、およびログファイル付きでワークステーションをインポートするには
WSIMPORT "admin.orm.novell" /T NOVELL_INC
フィードバックなし、ログファイル付きでワークステーションをインポートするには
WSIMPORT "admin.orm.novell" /T NOVELL_INC /H
フィードバックなしで、30日間登録されていないワークステーションを削除するには
WSIMPORT "admin.orm.novell" /T NOVELL_INC /R 30 /
フィードバックなしで、ワークステーション登録を消去するには
WSIMPORT "admin.orm.novell" /T NOVELL_INC /C /H
ワークステーションをツリーのワークステーションオブジェクトに関連付けるには、識別名をレジストリ(WIN32クライアント)またはファイル(WIN16/DOSクライアント)のワークステーションオブジェクトフィールドに書き込む必要があります。ワークステーションオブジェクトフィールドの完全識別名を使って、ZENworksプログラムは更新または変更すべきワークステーションオブジェクトを識別します。
ワークステーションの登録を完了し、物理ワークステーションをツリー内のワークステーションオブジェクトに関連付けるには、インポートの終了後に再度WSREG.DLL(Win32)またはWSREG16.EXE(Win3.1/DOS)を実行する必要があります。
ワークステーション登録エージェントは、次の2つの目的で使用されます。1)ツリー内にワークステーションを作成し、関連付けます。2)他のアプリケーションが動作するように、特定のワークステーションオブジェクト属性を更新します。
たとえば物理ワークステーションの場合、新しいネットワークカードに交換するとIPXアドレスが変わります。また、IPアドレスでさえ、DHCP(Dynamic Host Configuration Protocol: 動的ホスト構成プロトコル)を使っている環境では定期的に変更されます。リモートコントロールなど、一部のアプリケーションにとって、ワークステーションのネットワークアドレス情報を常に最新に保つことは不可欠です。このため、定期的にワークステーション登録エージェントを実行することが必要です。少なくとも毎回ログイン時に実行する必要がありますが、例外が1つあります。それは、Windows NTワークステーションスケジューラを実行している場合です。その場合、ワークステーションがツリー内のワークステーションオブジェクトに関連付けられると、スケジューラは2度とワークステーション登録エージェントを実行せず、スケジューラ自身がワークステーションのネットワークアドレスをはじめとする必要なワークステーション情報をすべて更新します。
Windows NTワークステーションスケジューラがワークステーション登録エージェントを実行するのは、ワークステーションオブジェクトを移動またはリネームしたときか、あるいはツリーからワークステーションオブジェクトを削除したときだけです。この場合を除いて、ワークステーション登録エージェントはログイン時に実行されるか、またはApplication Launcherで実行スケジュールが設定されます。
このほかにワークステーション登録エージェントによって更新される属性は、ユーザ履歴、サイトのユーザ、および登録時刻です。ユーザ履歴は、ワークステーション登録エージェントを実行してワークステーションオブジェクトを変更したユーザのリストです。たとえば最後のユーザは、前回ワークステーション登録エージェントを実行してワークステーションオブジェクトを変更したユーザです。前回の登録時刻は、ワークステーション登録エージェントが実行されるたびに更新されます。
ワークステーションの登録を解除し、登録し直すには、次の3つの方法があります。
Windows 95/98でUNREG32.EXEを実行すると、WSREG32.LOGとWORKSTAT.IDファイルが削除されるほか、レジストリのHKEY_LOCAL_MACHINE\Software\Novell\Workstation Manager\IdentificationにあるTree値を含むすべての設定が削除されます。Windows 95/98のWORKSTAT.IDファイルは特別なケースで、リモートコントロールでのみ使用されます。このファイルはHKEY_LOCAL_MACHINE\Software\Novell\Workstation Manager\Identificationにあるレジストリ情報のコピーであり、Windows 95/98で同様に扱われます。Windows 3.1では、WSREG16.LOGがWORKSTAT.IDファイルと共に削除されます。
ワークステーションの登録解除が済むと、そのワークステーションを再登録し、インポートする準備が整います。
ワークステーションオブジェクトがツリーから削除されると、ワークステーション登録エージェントは登録用cookieを新規に作成し、インポート用に再登録します。ワークステーション登録エージェントによるワークステーションの再登録は、そのワークステーションに、信頼するツリーまたはワークステーションの登録先ツリーへのDS認証済み接続がある場合に限り行われることに注意してください。ワークステーションが別のツリーにログインしていて、その信頼するツリーに対するDS認証済み接続がない場合、ワークステーション登録エージェントは登録を解除せず、引き続きその識別情報を保持します。
登録用cookieを削除すると、ワークステーション登録エージェントによって新たに登録用cookieが作成され、これをツリー内のユーザがいる位置に登録します。
情報システム部門の一員として自分の担当部署に存在するワークステーションを修理、設定した後、ユーザに返却する立場にある管理者は、インポート用に自分のコンテナを準備する必要があります。そのようにしないと登録は行われず、ユーザは未登録のワークステーションを受け取ることになります。