9.2 無干渉インストールの実行

レスポンスファイルを使用すると、ZENworks 2020の無干渉インストールを実行できます。デフォルトのレスポンスファイル( DVD_drive:\Disk1\InstData\silentinstall.properties )を編集するか、基本的なインストール情報を含むレスポンスファイルの独自バージョンを作成するためにインストールを実行し、必要に応じてそのファイルのコピーを編集します。

組み込みPostgreSQLデータベースの場合、無干渉インストールを実行するには、必ずレスポンスファイルを作成する必要があります。外部データベースを使用するサーバ用に生成されたレスポンスファイルを再利用することはできません。

次の手順を実行してレスポンスファイルを作成し、それを使用して無人インストールを実行します。

9.2.1 レスポンスファイルの作成

  1. 次のコマンドを使用して、サーバ上でZENworks 2020インストールの実行可能ファイルを実行します。

    DVD_drive:\setup.exe ‑s

    詳細については、セクション A.0, インストール実行可能引数を参照してください。

  2. はい、再起動を有効にしてレスポンスファイルを生成します。オプションがオンになっていることを確認し、サイレントインストールの完了後にサーバが自動的に再起動するようにします。

    サイレントインストールでは、インストールの進捗バーは表示されません。

  3. プロンプトが表示されたら、カスタムレスポンスファイルのパスを入力します。

    -s引数をそれだけで使用する場合、インストールプログラムによってレスポンスファイルへのパスがプロンプト表示されます。 デフォルトのファイル名はsilentinstall.propertiesです。これは後から変更できます(ステップ 4.gを参照)。

  4. 管理ゾーンと外部データベースのパスワードをカスタムレスポンスファイルに追加します。

    カスタムレスポンスファイルの作成時に入力した外部データベースパスワードはレスポンスファイルに保存されていないため、無人インストール時にレスポンスファイルが正しく提供されるようにするには、データベースと管理ゾーンのパスワードをレスポンスファイルの各コピーに追加する必要があります。

    オプションで、渡す環境変数を作成して無干渉インストールにパスワードを渡すこともできます。この手順はパスワード情報が保存されているレスポンスファイルに含まれています。

    レスポンスファイルを編集しているときに、無干渉インストール用のカスタマイズに必要なその他の変更を実行できます。レスポンスファイルにはさまざまなセクションの手順指示が含まれています。

    外部データベースおよび管理ゾーンのパスワードをレスポンスファイルに追加する

    1. レスポンスファイルをテキストエディタで開きます。

      カスタムレスポンスファイルは、ステップ 3で指定した場所にあります。

      デフォルトのレスポンスファイルを編集する場合、ファイルはDVD_drive:\Disk1\InstData\silentinstall.propertiesにあります。

    2. ADMINISTRATOR_PASSWORD= を検索してください。

    3. $lax.nl.env.ADMIN_PASSWORD$を実際のパスワードに置き換えます。

      たとえば、パスワードがnovellの場合、エントリは次のようになります。

      ADMINISTRATOR_PASSWORD=novell
    4. (条件付き)外部データベースを使用する場合は、DATABASE_ADMIN_PASSWORD=という行を検索して、$lax.nl.env.ADMIN_PASSWORD$を実際のパスワードに置き換えます。

    5. (条件付き)外部データベースを使用する場合は、DATABASE_ACCESS_PASSWORD=という行を検索して、$lax.nl.env.ADMIN_PASSWORD$を実際のパスワードに置き換えます。

    6. ファイルを保存して、エディタを終了します。

    7. さまざまなインストールシナリオ用に固有の名前のコピーをいくつでも作成し、各コピーを必要に応じて修正して、それを使用するサーバにコピーします。

      既存の管理ゾーンに別のプライマリサーバを追加するには、次の情報をレスポンスファイルに指定する必要があります。

      PRIMARY_SERVER_ADDRESS=$Primary_Server_IPaddress$
      PRIMARY_SERVER_PORT=$Primary_Server_port$
      PRIMARY_SERVER_CERT=-----BEGIN CERTIFICATE-----MIID9DCCLotsOfEncryptedCharactersSja+bY05Y=-----END CERTIFICATE-----

      ここで

      PRIMARY_SERVER_ADDRESSは、セカンダリサーバが既存の管理ゾーンにインストールされている場合の、親プライマリサーバのIPアドレスまたはDNS名です。

      PRIMARY_SERVER_PORTは、セカンダリサーバが既存の管理ゾーンにインストールされている場合の、親プライマリサーバで使用されるSSLポートです。デフォルトポートは443です。

      PRIMARY_SERVER_CERT=は、セカンダリサーバが既存の管理ゾーンにインストールされている場合の、親プライマリサーバで指定した証明書です。証明書はx509証明書のbase64エンコード文字列フォーマットで、証明書文字列は1行で指定する必要があります。これは単に証明書情報の一例です。

  5. カスタムレスポンスファイルの変更が完了したら、ステップ 3で指定したパスから、このファイルを無干渉インストールに使用する各サーバにファイルをコピーします。

  6. 更新されたレスポンスファイルを使用するには、インストールの実行に進みます。

    メモ:レスポンスファイルを使用する場合にMicrosoft .NETをインストールするときは、ファイル内の値をINSTALL_DOT_NET=1に手動で設定する必要があります。

9.2.2 インストールの実行

  1. 無人インストールを実行するWindowsサーバで、『Novell ZENworks 2020』インストールDVDを挿入します。

    言語を選択するインストールページが表示されたら、キャンセルをクリックしてGUIインストールを終了します。

  2. 無干渉インストールを開始するには、-fオプションをコマンドで使用します。

    DVD_drive:\setup.exe ‑s -f path_to_file

    path_to_fileには、レスポンスファイルの作成で作成したレスポンスファイルのフルパスか、またはsilentinstall.propertiesファイル(このファイル名を使用する必要がある)が含まれるディレクトリを指定します。

    更新されたレスポンスファイルの名前を変更した場合は、新しい名前にパスを含めます。

    ファイル名が指定されていない場合、あるいはパスまたはファイルが存在しない場合は、-fパラメータは無視され、デフォルトのインストールが無人インストールの代わりに実行されます。

  3. インストールが完了したら、インストールの検証に進みます。