11.5 イメージングデバイス

ZENworks Configuration Managementには、オペレーティングシステムが起動される前に、デバイスでタスクを実行できるプレブートサービスが含まれています。Preboot Servicesを使用して、起動時に自動または手動で次の操作をデバイスに対して実行できます。

これらのタスクのいくつかを自動的に実行するには、単にPXE (Preboot Execution Environment)をデバイスで有効にするだけです。その後でプレブート可能なタスクをZENworksコントロールセンターで設定し、デバイスに割り当てます。 これにより、デバイスが起動する際にこれらのタスクを自動的に実装できます。

タスクを手動で実装するには、起動中にユーザによる介入が必要であるようにデバイスを設定できます。

ZENworksコントロールセンターを使用して、tftpディレクトリ変更をプライマリサーバから他のイメージングサーバ(イメージング役割を持つ、プライマリサーバまたはサテライトデバイス)に複製することもできます。

11.5.1 Preboot Servicesの設定

Preboot Servicesを使用するには、次のセクションのタスクを完了する必要があります。

デバイスでのPXEの有効化

Preboot Servicesでは、イメージを取得または適用するすべての管理対象デバイスでPXE (Preboot Execution Environment)を有効化しておく必要があります。

PXEがデバイスで有効になっているかどうかを確認するには、デバイスを再起動して、ブートオプション(大部分のデバイスでは<F12>キー)を選択します。ネットワークのブートオプションが表示されている場合はPXEが有効になっています。

デバイスでPXEが有効になっていない場合は、デバイスのBIOSを編集してPXEを有効にします。デバイスが起動するたびにPXE環境を確実に使用できるようにするには、ブート順を変更して、NIC (Network Interface Card)オプションが他のブートオプションより前に表示されるようにします。

イメージングサーバの設定

イメージングサーバとは、デバイスのPXEエンジンが接続するPXEサーバです。ZENworksサーバをイメージングサーバとして機能させるには、ZENworksサーバでNovell Proxy DHCP Serviceを起動させるだけです。サービスを開始するときには、スタートアップタイプを手動から自動に変更して、サーバが再起動したときに必ず開始するように設定する必要があります。

サードパーティのイメージング設定の設定

サードパーティのイメージングソリューションを使用する場合は、ZENworksコントロールセンターでサードパーティのイメージング設定を行う必要があります。ZENworksは、次のサードパーティのイメージングツールをサポートします。

  • WIMイメージファイル形式および配布にWINPEを使用するMicrosoft ImageX

  • GHOSTイメージファイル形式および配布にWINPEを使用するSymantec GHOS

ZENworksのサードパーティのイメージングでは、ブート方式にPXEのみをサポートします。

サードパーティのイメージングを設定するには、次の手順に従います。

  1. ZENworksコントロールセンターを実行しているデバイス上にMicrosoft Windows Automated Installationキット1.0/1.1 (WAIK) がインストールされていることを確認します。

    WAIKは、MicrosoftのダウンロードセンターWebサイトから自由にダウンロードできます。

  2. (オプション) 64ビットデバイスでZENworksコントロールセンターを実行する場合、WAIK_installation_path\Windows AIK\Tools\x86Path Windowsシステム環境変数に追加します。

  3. ZENworksコントロールセンターでのサードパーティのイメージングの設定.

    1. ZENworksコントロールセンターで、[環境設定]タブをクリックします。

    2. 管理ゾーンの設定]パネルで、[デバイス管理]>[Preboot Services]>[サードパーティイメージング設定]パネルの順にクリックします。

    3. WinPE基本配布のアップロード(Windows Automation Installationキットが必要)]オプションで、 参照アイコ ン をクリックして、WIMイメージングファイルをアップロードします。[WIMイメージングファイルのアップロード]ダイアログボックスで、次の操作を実行します。

      1. 参照]をクリックし、winpe.wimを参照して選択します。

        デフォルトでは、winpe.wim\waik\tools\petools\x86にインストールされます。

        メモ:Novell File Upload拡張機能をこのデバイスにインストールしていない場合は、インストールするディレクトリを参照してアップロードする前にインストールする必要があります。

      2. OK]をクリックします。

        これは、サーバからZENworksコントロールセンターを実行するデバイスにイメージングファイルをダウンロードし、さらに、そのデバイスからサーバにファイルをアップロードします。ファイルのダウンロードおよびアップロードの進行状況は[ステータス]フィールドに表示されます。

    4. WIMイメージングをサポートするためのImageXファイルのアップロード(ImageX.EXE)]オプションで、 参照アイコ をクリックして、ZENworksコントロールセンターを実行しているデバイスにインストールされているMicrosoftイメージングエンジン(imagex.exe)を参照し、選択します。デフォルトでは、\waik\tools\x86imagex.exeがインストールされています。

    5. Ghostイメージング(Ghost32.exe)をサポートするためにGhost 11.5.以降のファイルをアップロード]オプションで、 ブラウズアイ ン をクリックして、ネットワーク内の任意のデバイス上にGhostとともにインストールされているSymantec GhostTエンジン(gho t32.exe)を参照し、選択します。

    6. サードパーティのイメージング設定を行った後、[適用]をクリックします。

    7. 管理ゾーンに含まれるすべてのプライマリサーバにおけるコンテンツの複製ステータスを表示するには、[ステータス]をクリックします。ステータスが[使用可能]の場合にのみイメージング操作を開始できます。

      重要:ステータスが[使用可能]の場合にのみイメージング操作を開始できます。

  4. デバイスのPXEを有効にします。

  5. イメージングサーバまたは別のネットワークサーバに標準のDHCPサーバが配置してあることを確認してください。

サードパーティNTFSドライバ設定の構成

最新の高性能NTFSドライバをダウンロードしてシステムに保存することができます。管理ゾーンに含まれるすべてのプライマリサーバにおけるコンテンツの複製ステータスを表示できます。ステータスが[使用可能]である場合、イメージング操作を開始できます。

これらの設定を行うには、左側のペインで[環境設定]をクリックして、[環境設定]タブを表示します。このタブが展開されない場合は、[管理ゾーンの設定]をクリックし、[デバイス管理]>[起動前サービス]の順にクリックして、[起動前サービス]ページを表示します。

11.5.2 イメージの取得

  1. ZENworksコントロールセンターで、[デバイス]タブをクリックします。

  2. イメージを取得したいデバイスが見つかるまで[サーバ]または[ワークステーション]フォルダを移動します。

  3. デバイスをクリックして詳細を表示します。

  4. 左ナビゲーションパネルにあるタスクリストで、[イメージの取得]をクリックして、イメージの取得ウィザードを起動します。

  5. [ファイル情報]ページで、次のフィールドに入力し、[次へ]をクリックします。

    イメージ形式: デバイス用に取得されるイメージの形式を選択します。

    サーバおよびファイルパス: 参照アイコン をクリックして、[サーバとパス情報]ダイアログボックスを表示します。次のオプションを設定します。

    • サーバオブジェクト/IP/DNS: [参照]アイコン アイコンをクリックして、イメージングサーバの役割に昇格するオブジェクト、IPアドレス、またはプライマリサーバまたはデバイスのDNS名を参照して選択します。

    • サーバ上のファイルパス: 参照アイコン アイコンをクリックして、イメージファイルを参照して選択します。イメージファイルには、.zmgという、有効なZENworksのイメージファイルであることを示す拡張子が含まれる必要があります。

      メモ:Linux用にDHCPを使用する複数の検索ドメインが設定されており、サーバがWindowsで動作している場合は、指定したファイルシステムを参照できません。

    イメージファイル用の共有ネットワークパス: 共有ネットワークパスを指定します。wimまたは.ghoファイルを保存する共有ネットワークパスを指定します。ディレクトリは、Windows共有またはLinux SMBまたはCIFS共有にしてください。

    Novell File Upload拡張機能をこのデバイスにインストールしていない場合は、インストールするディレクトリを参照してアップロードする前にインストールする必要があります。

    イメージファイル名: 次のファイルを保存するファイル名を指定します .wimまたは.ghoファイルを保存するファイル名を指定します。このオプションは、Windowsイメージングフォーマットでのみ表示されます (.wim)およびGhostイメージングフォーマット(.gho)

    ネットワーク資格情報: 参照アイコン をクリックして、.wimファイルを持つデバイスにアクセスするために使用されるネットワーク資格情報を参照して選択します。このオプションは、Windowsイメージ形式(.wim)およびGHOSTイメージ形式(.gho)でのみ表示されます。

    圧縮の使用: 圧縮が必要です。次のうちのいずれかを選択してください:

    • バランス: 再イメージングのスピードの平均とイメージファイルが利用できるディスク領域の間で自動的に圧縮をバランスします。このオプションは、ZENworksイメージ形式でのみ表示されます

    • なし: このオプションは、Windowsイメージ形式およびGHOSTイメージ形式にのみ表示されます。

    • スピード重視: 再イメージング時間が最短になるように圧縮を最適化します。CPU速度が問題になっている場合は、このオプションを使用します。

    • 容量重視: ディスク領域を節約するようにイメージファイルのサイズを最小化するように圧縮を最適化します。このオプションを選択すると、再イメージング処理が長くなる可能性があります。

    バランス]はZENworksイメージ形式のデフォルトオプションです。そして[スピード重視]はWindowsイメージ形式とGHOSTイメージ形式のデフォルトオプションです。

    イメージバンドルの作成: このフィールドは選択解除したままにしてください。

  6. [イメージファイルサマリ]ページの情報を確認し、[終了]をクリックし、次に[OK]をクリックします。

    イメージングタスクはPreboot Servicesによって完了されるため、デバイスのイメージはデバイスが次に再起動されたときに取得されます。[イメージングワーク]パネルはデバイスの[サマリ]ページにあり、ワークがスケジュールされていることを示します。ワークが完了すると、このパネルからタスクが削除されます。

  7. デバイスを直ちに再起動してイメージングワークを開始するには、左ナビゲーションパネルの[ワークステーションの再起動/シャットダウン] (または[サーバの再起動/シャットダウン])をクリックします。

    イメージの取得に必要な時間は、デバイスのドライブのサイズに依存します。

11.5.3 イメージの適用

イメージをデバイスに適用するには、新しいバンドルの作成 ウィザードを使用してイメージングバンドルを作成します。バンドルには適用したいイメージが含まれます。バンドルの作成の手助けに加えて、ウィザードでは、デバイスへの割り当てを行うことができます。イメージングバンドルを作成した後に、イメージングワークを開始します。

ZENworksイメージバンドルの作成

ZENworksイメージをデバイスに復元するには、ZENworksイメージバンドルを作成する必要があります。

  1. ZENworksコントロールセンターで、[バンドル]タブをクリックします。

  2. [バンドル]パネルで、[新規作成]>[バンドル]の順にクリックして新しいバンドルの作成ウィザードを起動します。

  3. [バンドルタイプの選択]ページで、[イメージングバンドル]を選択して、[次へ]をクリックします。

  4. [バンドルカテゴリの選択]ページで、[ZENworksイメージ]を選択して、[次へ]をクリックします。

  5. 次の表からの情報を使用してフィールドに入力し、ウィザードを完了します。

    [ウィザード]ページ

    詳細

    詳細の定義ページ

    タスクの名前を指定します。名前には次の無効な文字を使用することはできません。/ \ * ? : " ' < > | ` % ~

    ZENworksイメージファイルの選択ページ

    イメージファイルを選択するには、次の手順に従います。

    1. 参照アイコン をクリックして、[サーバとパス情報]ダイアログボックスを表示します。

    2. 次のフィールドに入力します。

      デバイスオブジェクト、IP、またはDNS: イメージを保存したZENworksサーバを選択します。

      サーバ上のファイルパス: イメージファイルを参照して選択します。イメージファイルの標準保存ディレクトリは、\Novell\ZENworks\work\content-repo\imagesです。

    3. OK]をクリックします。

    [サマリ]ページ

    次へ]をクリックしてウィザードを続行し、バンドルを目的のデバイスに割り当てます。

    [バンドルグループ]ページ

    イメージバンドルはグループに割り当てないでください。[次へ]をクリックしてこのページをバイパスしてください。

    [割り当ての追加]ページ

    イメージを適用するデバイスを選択します。

    [スケジュール]ページ

    スケジュールをイメージバンドルに割り当てないでください。[次へ]をクリックしてこのページをバイパスしてください。

    [完了]ページ

    完了]をクリックして、バンドルを作成して選択したデバイスに割り当てます。

サードパーティのイメージバンドルの作成

サードパーティのイメージを復元するには、サードパーティのイメージバンドルを作成する必要があります。

  1. ZENworksコントロールセンターで、[バンドル]タブをクリックします。

  2. [バンドル]パネルで、[新規作成]>[バンドル]の順にクリックして新しいバンドルの作成ウィザードを起動します。

  3. [バンドルタイプの選択]ページで、[イメージングバンドル]を選択して、[次へ]をクリックします。

  4. [バンドルカテゴリの選択]ページで、[サードパーティのイメージ]を選択して、[次へ]をクリックします。

  5. 次の表からの情報を使用してフィールドに入力し、ウィザードを完了します。

    [ウィザード]ページ

    詳細

    詳細の定義ページ

    タスクの名前を指定します。名前には次の無効な文字を使用することはできません。/ \ * ? : " ' < > | ` % ~

    [サードパーティのイメージファイルの選択]ページ

    サードパーティのイメージファイルを選択するには、次の手順に従います。

    1. バンドルで使用されるイメージのタイプを選択します。

      ZENworks 11SP2 Configuration Managementでは、Windowsイメージ形式(.wim)とGHOSTイメージ形式(.gho)のみを使用できます。

    2. .wimまたは.ghoファイルを持つ共有ネットワークディレクトリを指定します。ディレクトリは、Windows共有またはLinux SMBまたはCIFS共有にしてください。

    3. 参照アイコン をクリックして、.wimまたは.ghoファイルを持つデバイスにアクセスするために使用するネットワーク資格情 を参照して選択します。

    4. WIMバンドルをアドオンイメージとして使用する場合は、[WIMをアドオンとして復元]を選択し、次のオプションを設定します。

      イメージ番号(WIMのみ): 復元するイメージのインデックス番号を選択します。

      アドオンイメージを復元するパス: アドオンイメージを復元するデバイスのロケーションを指定します。

    5. OK]をクリックします。

    [サマリ]ページ

    次へ]をクリックしてウィザードを続行し、バンドルを目的のデバイスに割り当てます。

    [バンドルグループ]ページ

    イメージバンドルはグループに割り当てないでください。[次へ]をクリックしてこのページをバイパスしてください。

    [割り当ての追加]ページ

    イメージを適用するデバイスを選択します。

    [スケジュール]ページ

    スケジュールをイメージバンドルに割り当てないでください。[次へ]をクリックしてこのページをバイパスしてください。

    [完了]ページ

    完了]をクリックして、バンドルを作成して選択したデバイスに割り当てます。

イメージングワークの開始

  1. ZENworksコントロールセンターで、[デバイス]タブをクリックします。

  2. イメージを適用するデバイスが見つかるまで[サーバ]または[ワークステーション]フォルダを移動します。

  3. デバイスをクリックして詳細を表示します。

  4. 左ナビゲーションパネルにあるタスクリストで、[割り当てられたイメージングバンドルの適用]をクリックして、ワークをスケジュールします。

    イメージングタスクはPreboot Servicesによって完了されるため、イメージはデバイスが次に再起動されたときにデバイスに適用されます。[イメージングワーク]パネルはデバイスの[サマリ]ページにあり、ワークがスケジュールされていることを示します。ワークが完了すると、このパネルからタスクが削除されます。

  5. デバイスを直ちに再起動してイメージングワークを開始するには、左ナビゲーションパネルの[ワークステーションの再起動/シャットダウン] (または[サーバの再起動/シャットダウン])をクリックします。

11.5.4 詳細の参照場所

イメージングおよびPreboot Servicesの詳細については、『ZENworks 11 SP2 Preboot Servicesおよびイメージングリファレンス』を参照してください。