一般的なインストールシナリオ

次のシナリオは、Identity Managerの使用環境の例です。各シナリオに対して、実装に役立つガイドラインをいくつか示します。


Identity Managerの新しいインストール


新しいインストール

NsureTM Identity Managerは、識別ボールトを利用して、アプリケーション、データベース、およびディレクトリ全体で情報を自動的に同期化、変換、配布するデータ共有ソリューションです。

Identity Managerソリューションには次のコンポーネントが含まれます。


Identity Managerの識別ボールトツリー

識別ボールトツリーには、接続された他のシステムと共有または同期化するユーザデータやオブジェクトデータが格納されます。Identity Managerを独自のツリーにインストールし、これを識別ボールトとして使用することをお勧めします。


iManagerサーバとIdentity Managerプラグイン

Identity Managerソリューションを管理するには、Novell(R) iManagerとIdentity Managerプラグインを使用します。


接続システム

接続システムには、識別ボールトとデータを共有または同期化する他のアプリケーション、ディレクトリ、およびデータベースなどを含めることができます。識別ボールトから接続システムへの接続を確立するには、接続システムに適切なドライバをインストールします。詳細な手順については、ドライバ実装に関するガイドを参照してください。


Identity Managerの一般的なタスク


同一環境でのIdentity ManagerとDirXML 1.1aの使用


Identity ManagerとDirXML 1.1Iaの同時インストール

Identity ManagerとDirXML(R) 1.1aの両方を同じ環境で実行する場合は、次の点に注意してください。


識別ボールトの作成


管理ツール


後方互換性


パスワードの管理


Starter PackからIdentity Managerへのアップグレード


Starter PackからIdentity Managerへのアップグレード

その他のNovell製品に付属するDirXML Starter Packソリューションでは、NTドメイン、Active Directory、およびeDirectoryに格納されている情報のライセンス同期が提供されています。さらに、PeopleSoft*、GroupWise(R)、Lotus Notes*などのシステムについては評価版ドライバが付属しており、システムのデータ同期化を調査できます。

また、このソリューションには、ユーザパスワードを同期化する機能も用意されています。PasswordSyncでは、1つのパスワードを覚えておけばどのシステムにもログインできます。管理者はどのシステムからでもパスワードを管理できます。いずれかの環境でパスワードを変更すると、すべての環境でそのパスワードが更新されます。

NetWare 6.5およびNterprise Linux Services 1.0に付属していたDirXML Starter Packは、DirXML 1.1aテクノロジに基づいています。Starter PackをIdentity Managerの最新バージョンにアップグレードする場合は、次の点に注意してください。


管理ツール


後方互換性


パスワードの管理


アクティベーション


Password Synchronization 1.0からIdentity Managerパスワード同期へのアップグレード


Password Synchronization 1.0からIdentity Managerパスワード同期へのアップグレード

Identity Managerパスワード同期には、双方向パスワード同期、追加プラットフォーム、パスワードの同期に失敗した場合の電子メール通知など、多くの機能が用意されています。

Active DirectoryまたはNTドメインでPassword Synchronization 1.0を使用する場合、新しいドライバシムをインストールする前にアップグレード手順を確認することが非常に重要です。

Identity Managerパスワード同期の一般的な情報については、接続システム間のパスワード同期を参照してください。新旧機能の比較、前提条件、各接続システムでサポートされている機能のリスト、既存のドライバにサポートを追加する手順、新機能を使用する方法を示したいくつかのシナリオなどの概念が記載されています。

この節では、次の項目について説明します。


ADまたはNT用のパスワード同期のアップグレード

新しいパスワード同期機能は、別個のエージェントではなくドライバポリシーによって実行されます。つまり、ドライバ設定をアップグレードせずに新しいドライバシムをインストールした場合、Password Synchronization 1.0は既存のユーザに対してのみ動作します。ドライバ設定のアップグレードを完了するまで、新しいユーザ、移動したユーザ、または名前変更されたユーザはパスワード同期に参加しません。

次の一般的な手順に従ってアップグレードしてください。

  1. ユニバーサルパスワードをサポートするように現在の環境をアップグレードします。Novell Clientを使用している場合は、そのアップグレードも行います。
  2. Identity Managerドライバシムをインストールして、ADまたはNT用のDirXML 1.xドライバシムを置換します。
  3. 新しいポリシーをドライバ設定に追加して、ただちにPassword Synchronization 1.0との後方互換性を設定します。

    この手順によって、Identity Managerパスワード同期に切り替えるまで、Password Synchronization 1.0を引き続き正常に機能させることができます。

  4. ドライバポリシーを使用して、新しいIdentity Managerパスワード同期のサポートを追加します。
  5. 新しいパスワード同期のフィルタをインストールして設定します。
  6. 必要に応じてSSLを設定します。
  7. 必要に応じて、Password Policy (パスワードポリシー)を使用してユニバーサルパスワードをオンにします。
  8. 使用するIdentity Managerパスワード同期のシナリオを設定します。

    Novell Nsure Identity Manager 2管理ガイド』の「パスワード同期の実装」を参照してください。

  9. Password Synchronization 1.0を削除します。

Active DirectoryおよびNTドメイン用DirXMLドライバの詳細な手順については、ドライバ実装に関するガイドを参照してください。


eDirectory用のパスワード同期のアップグレード

eDirectoryのアップグレードは簡単です。ドライバシムと設定に最新のパッチが適用されていれば、新しいドライバシムは、変更なしに既存のドライバ設定で動作します。アップグレード方法については、『DirXML Driver for eDirectory Implementation Guide (eDirectoryのDirXMLドライバ実装ガイド)』を参照してください。


その他の接続システムのドライバのアップグレード

Identity Managerパスワード同期は、Password Synchronization 1.0よりも多くの接続システムをサポートします。

その他のシステムについてサポートされている機能のリストは、パスワード同期をサポートする接続システムを参照してください。

以前にサポートされていなかった接続システムに対しては、既存のドライバに双方向パスワード同期機能を追加するのに役立つドライバポリシー「オーバレイ」が用意されています。Identity Managerパスワード同期をサポートするための、既存のドライバ設定のアップグレードを参照してください。


機密情報の処理

ユニバーサルパスワードは、eDirectory内では4層の暗号化によって保護されているため、非常に安全です。双方向パスワード同期を使用してユニバーサルパスワードを配布パスワードと同期化する場合は、eDirectoryのパスワードを抽出して他の接続システムに送信することになります。パスワードの転送と同期先の接続システムをセキュリティで保護する必要があります。機密情報の処理を参照してください。