1.4 Identity Managerのインストールプログラムおよびサービス

次のセクションでは、Identity Managerのインストールプログラムおよびサービスについて説明します。

1.4.1 インストールプログラム

Identity Managerには、7つのサービスをインストールして設定する3種類のインストールプログラムがあります。

図 1-3 Identity Managerが提供する7つのサービスの概要図

インストールプログラムと、各インストールプログラムで実行される内容のリストを次に示します。

メモ:Identity Managerコンポーネントをインストールする前に、eDirectory 8.7.3以降、iManager 2.5以降、およびNovell Audit 1.0.3 Starter Packなど、あらかじめ必要なソフトウェアをインストールする必要があります。必要なソフトウェアは、ノベル用ダウンロードWebサイトから入手できます。

Identity Managerメタディレクトリシステムのインストール

インストールプロセスでは、次の機能が実行されます。

  • Identity Manager製品のeDirectoryスキーマが全体に拡張されます。
  • メタディレクトリエンジンとシステムサービスがインストールされます。
  • iManagerのIdentity Managerプラグインがインストールされます。
  • メタディレクトリシステムとシステムリモートローダ(選択した場合)がインストールされます。
  • 接続されたシステムのドライバがインストールされます。(ドライバがインストールされますが、使用前に初期化されるまで休止状態になります)。
  • Identity Managerのレポートと、任意のメタディレクトリシステムのユーティリティおよびツールがインストールされます。

プロビジョニングを行うユーザアプリケーションおよびワークフローサービスのインストール

次のサービスがLinuxおよびWindowsにインストールされます。

  • JBossおよびMySQL (選択した場合)
  • 簡易なポータルソフトウェアおよびディレクトリ抽出化レイヤソフトウェア
  • ユーザアプリケーションポートレットと、ワークフローのエンドユーザタスクなどのサポートソフトウェア
  • ワークフローエンジン

Designerのインストール

Linux用のインストーラとWindows用のインストーラがあります。

  • Eclipseフレームワークがインストールされます。
  • 基盤となるプラグインがインストールされます。
  • メタディレクトリプラグインがインストールされます。

1.4.2 サービス

Identity Managerには、インストールおよび設定可能な7つのサービスが付属しています。運用環境では推奨されませんが、1つのコンピュータに7つのすべてのサービスをインストールして設定できます。または、各コンピュータに1つのサービスを展開したり、任意の数のサービスをインストールしたりすることができます。各サービスでサポートされるハードウェアおよびソフトウェアの必要条件は、セクション 1.5, Identity Managerのシステム要件で説明します。

図 1-4 メタディレクトリシステムサービス

  1. メタディレクトリシステムサービス。このシステムはアイデンティティボールトとして使用され、運用環境ではメタディレクトリエンジンのインスタンスが1つだけ必要になります。Identity Managerとこのサービスをインストールするには、セクション 4.0, Identity Managerのインストールを参照してください。

    図 1-5 Webベースの管理サービス

  2. Webベースの管理サービス。このサービスは、Identity ManagerとユーザアプリケーションプラグインがインストールされたiManager 2.5以上を使用する、eDirectoryおよびメタディレクトリシステムの管理用に使用します。Identity Managerプラグインは、Identity Managerをインストールするサーバ上のiManagerにインストールします。Identity Managerプラグインとこのサービスをインストールするには、セクション 4.0, Identity Managerのインストールを参照してください。

    図 1-6 セキュアログサービス

  3. セキュアログサービス。ログイベントのリポジトリです(Identity Managerソフトウェアはこのサーバにはインストールされませんが、セキュアログサービスは必須です)。これは、Identity Managerと、エンドユーザアプリケーションおよびワークフローサービスにより使用される中央サービスで、ノベル用ダウンロードWebサイトから個別にダウンロードされます。

    ダウンロードWebサイトの[製品または技術]プルダウンメニューから、[Novell Audit]を選択して[検索]をクリックします。次に、[Novell Nsure Audit 1.0.3 Starter Pack]をクリックします。Starter Packに含まれているインストール手順に従います。

    図 1-7 ユーザアプリケーションおよびワークフローベースのプロビジョニングサービス

  4. ユーザアプリケーションおよびワークフローベースのプロビジョニングサービス。このサービスをインストールするには、セクション 5.0, ユーザアプリケーションのインストールを参照してください。

    図 1-8 データベースサービス

  5. データベースサービス。セキュアログサービスとエンドユーザアプリケーション/ワークフローシステムには、どちらもデータベースが必要です。1つのデータベースを設定して両方のアプリケーションにサービスを提供するか、それぞれに独立したデータベースを設定することができます。

    セキュアログサービスには、特定のデータベースが含まれていません。ただし、ユーザアプリケーションおよびプロビジョニングに付属するMySQLデータベースを使用できます。JBoss Application Serverバージョン4.0.2およびMySQLバージョン4.1.12には、ユーザアプリケーションが付属しています。このサービスをインストールするには、セクション 5.2, インストールと環境設定を参照してください。

    図 1-9 Designerのワークステーションサービス

  6. ワークステーション。DesignerでIdentity Managerシステムを設計、展開、およびドキュメント化するため、および製品に含まれているユーティリティ、レポート、およびツールを実行するために使用されます。Designerをワークステーションにインストールするには、『Designer for Identity Manager 3: Administration Guide』の「Installing Designer」を参照してください。

    図 1-10 接続されたシステム

  7. 接続されたシステム。これは、ドライバがホストされる場所です。これらの接続されたシステムは、アプリケーション、データベース、サーバ、および他のサービスの可能性があります。接続されたアプリケーションの場合は、アプリケーション固有の知識と責任を持つユーザが必要です。ドライバの場合は、接続されたシステムが使用可能となっており、関連するAPIが提供されている必要があります。

    ドライバは、Identity Managerのインストールプロセスの一部としてインストールされます。Identity Managerとこのサービスをインストールするには、セクション 4.0, Identity Managerのインストールを参照してください。ドライバの設定の詳細については、Identity ManagerドライバのマニュアルWebサイトで、ドライバ固有のマニュアルを参照してください。