3.3 Novell SecureLoginの展開環境設定パラメータの決定

図 2-1の展開シナリオで説明されている同期機能を提供するには、まず、Identity ManagerおよびSecureLogin環境に関連したすべてのビジネスプロセス情報を収集します。表 3-1, SecureLoginの資格情報プロビジョニングポリシーワークシートを印刷して、情報を記録するためのワークシートとして使用してください。

表 3-1 SecureLoginの資格情報プロビジョニングポリシーワークシート

必要な環境設定情報

情報

1) SecureLoginシングルサインオンのプロビジョニング用に設定するアプリケーション。

 

2) SecureLoginアプリケーションの定義が認証サーバであらかじめ設定されていて、その内容をこれらのシステムにプロビジョニングされる新規ユーザが継承可能であることを確認する。

 

3) SecureLoginリポジトリサーバのDNS名またはIPアドレス。

 

4) SecureLoginリポジトリサーバのSSL LDAPポート。

 

5) SecureLoginリポジトリサーバ管理者の完全修飾されたLDAP識別名。

 

6) SecureLoginリポジトリサーバの管理者のパスワード。

 

7) SecureLoginサーバからエクスポートされるSSL証明書へのフルパスおよび証明書名。証明書は、Identity Managerサーバのローカルに配置する必要があります。

 

8) 1つのSecureLoginリポジトリを複数のドライバで使用するか、または各ドライバで専用のリポジトリを使用するかを決定する。

 

9) SecureLoginアプリケーションごとのアプリケーションID。

 

10) 各アプリケーションに必要な認証キー(ユーザ名、パスワード、クライアント、言語など)をすべて一覧にする。これらはアプリケーションごとに異なる場合があります。

 

11) 認証キーの値をスタティックな値に設定するかどうかを決定する。

 

12) ユーザごとに異なる値である(または異なる値にできる)スタティックでない値の場合は、そのスタティックでない情報のソースを書き留める(イベント情報または識別ボールトの属性値)。

 

13) ターゲットアプリケーションへのパスワードも同期しているドライバにSecureLoginのプロビジョニングを実装する場合、SecureLoginのプロビジョニングを、ターゲットアプリケーションのサーバにパスワードが設定される前と後のどちらで開始するかを決定する。

 

14) リポジトリおよびアプリケーションのオブジェクトが格納されるドライバオブジェクトの名前(格納先ドライバは別々に指定可能)。

 

15) ターゲットアプリケーションのユーザオブジェクトのDNを決定する。

 

16) SecureLoginパスフレーズを実装する場合、パスフレーズの質問と回答を決定する。

質問: 回答:

3.3.1 プロビジョニング環境設定データの例

図 2-1のプロビジョニングシナリオを使用したサンプルデータを次に示します。ここでは、財務部のActive Directory認証ツリー内のユーザに、SAP財務サーバのSecureLogin資格情報をプロビジョニングします。

表 3-2 SecureLoginの資格情報プロビジョニングポリシーワークシートの例

必要な環境設定情報

情報

1) SecureLoginシングルサインオンのプロビジョニング用に設定するアプリケーション。

SAP Financeアプリケーション

2) SecureLoginアプリケーションの定義が認証サーバであらかじめ設定されていて、その内容をこれらのシステムにプロビジョニングされる新規ユーザが継承可能であることを確認する。

確認済み

3) SecureLoginリポジトリサーバのDNS名またはIPアドレス。

151.150.191.5

4) SecureLoginリポジトリサーバのSSL LDAPポート。

636

5) SecureLoginリポジトリサーバ管理者の完全修飾されたLDAP識別名。

cn=admin,ou=prod,dc=testco,dc=.com

6) SecureLoginリポジトリサーバの管理者のパスワード。

dixml

7) SecureLoginサーバからエクスポートされるSSL証明書へのフルパスおよび証明書名。証明書は、Identity Managerサーバのローカルに配置する必要があります。

c:\novell\nds\FinanceAD.cer

8) 1つのSecureLoginリポジトリを複数のドライバで使用するか、または各ドライバで専用のリポジトリを使用するかを決定する。

この例では、リポジトリは1つだけにします。

9) SecureLoginアプリケーションごとのアプリケーションID。

SAP - 151.150.191.27

10) 各アプリケーションに必要な認証キー(ユーザ名、パスワード、クライアント、言語など)をすべて一覧にする。これらはアプリケーションごとに異なる場合があります。

SAP Client 010ログインパラメータクライアント SAP Client 010ログインパラメータ言語 SAP Client 010ログインパラメータユーザ名 SAP Client 010ログインパラメータパスワード

11) 認証キーの値をスタティックな値に設定するかどうかを決定する。

SAP Client 010ログインパラメータクライアント: 「010」 SAP Client 010ログインパラメータ言語: 「EN」

12) ユーザごとに異なる値である(または異なる値にできる)スタティックでない値の場合は、そのスタティックでない情報のソースを書き留める(イベント情報または識別ボールトの属性値)。

SAP Client 010ログインパラメータユーザ名: 識別ボールト属性「sapUsername」 SAP Client 010ログインパラメータパスワード: イベント<password>

13) ターゲットアプリケーションへのパスワードも同期しているドライバにSecureLoginのプロビジョニングを実装する場合、SecureLoginのプロビジョニングを、ターゲットアプリケーションのサーバにパスワードが設定される前と後のどちらで開始するかを決定する。

After

14) リポジトリおよびアプリケーションのオブジェクトが格納されるドライバオブジェクトの名前(格納先ドライバは別々に指定可能)。

SAPドライバ

15) ターゲットアプリケーションのユーザオブジェクトのDNを決定する。

識別ボールト属性の「DirXML-ADContext」

16) SecureLoginパスフレーズをプロビジョニングする場合、パスフレーズの質問と回答を決定する。

質問: 「従業員コードは?」回答: 識別ボールト属性の「workforceID」

その他の環境設定情報:

  • 財務部のADツリーは、すべての財務アプリケーションのSecureLoginリポジトリとして動作します。

  • Finance部関連のプロビジョニングドライバは、すべて「Finance Drivers」という名前のドライバセット内に設定されます。

  • 識別ボールトの属性「employeeStatus」の値が「I」に設定された場合、SAPユーザアカウントを削除して、そのSAPユーザアカウントのSecureLogin資格情報もActive Directoryユーザから削除する必要があります。

すべての環境設定データを決定したら、セクション 3.4, Novell SecureLoginのリポジトリオブジェクトの作成に進んでください。