ツリーのパーティション化のガイドライン

NDSのパーティション化では、データベースの各部分が複数のサーバに分割して格納されます。パーティション化によって、NDSデータ処理と保管の負荷がネットワーク内の複数のサーバに分散されるため、ネットワークの使用を最適化することができます。デフォルトでは、パーティションは1つだけ作成されます。パーティションの詳細については、パーティションを参照してください。パーティションの作成については、パーティションおよびレプリカの管理を参照してください。

次のガイドラインは、ほとんどのネットワークに適用できる一般的な規則です。特定の環境設定、ハードウェア、およびトラフィックの処理量など、それぞれのネットワークの運用条件に合わせて若干の調整が必要になる場合もあります。


ツリーの上位層におけるパーティションの決定

ツリーをピラミッド型に設計するのと同じように、パーティションもピラミッド型に構成します。パーティションの構造は、ツリーの最上位に小数のパーティションがあり、下位になるに従ってパーティションの数が増えていくようにします。このような設計では、下位層より上位層のほうがパーティション数が多いツリー構造に比べて、作成されるサブオーディネートリファレンスの数が少なくなります。

ツリーをピラミッド型に設計するには、常にリーフオブジェクト(特にユーザ)の比較的近くにパーティションを作成するようにします。(インストール時にツリーのルートに作成されるパーティションについては例外です。)

上位層のパーティションを設計するときには、次の点について考慮してください。

WANトラフィック管理の詳細については、WANトラフィックマネージャを参照してください。


ツリーの下位層におけるパーティションの決定

NDSツリーの下位層のパーティションを設計するときには、次の点について考慮してください。


パーティションサイズの決定

NDS eDirectoryでは、パーティションのサイズについて次の設計制限を推奨しています。


表 13.

パーティションのサイズ

無制限のオブジェクト

レプリカDIB(ディレクトリ情報ベース)はITBに制限

ツリー内のパーティションの総数

無制限

ペアレントパーティションごとのチャイルドパーティション数

150

パーティションごとのレプリカ数

50

レプリカDIBによる制限

レプリカサーバごとのレプリカ数

250

NDS 6および7からのこの設計ガイドラインの変更は、NDS 8におけるアーキテクチャの変更によるものです。これらの推奨値は、企業などの分散環境に適用されています。ただし、今後、e-businessやアプリケーションには適用されない可能性があります。

一般的なe-businessユーザはすべてのデータを単一のサーバに保管することを必要としますが、NDS eDirectory 8.5では、ツリー内のさまざまなエリアに属するオブジェクトや属性のサブセットを格納するフィルタ済みレプリカを作成することができます。この機能を利用することによって、1つのサーバに全データを保管しなくても、同じようにe-businessに対応することができます。フィルタ済みレプリカの詳細については、『DirXML管理ガイド』を参照してください。


ネットワーク変数についての考慮事項

パーティションの設計時には、次のネットワーク変数について考慮してください。