27.1 クイックスタート

このセクションでは、Apacheを迅速に設定し、起動します。Apacheは、rootとしてインストールし、設定する必要があります。

27.1.1 要件

Apache Webサーバをセットアップする前に、次の必要条件を満たしていることを確認してください。

  1. マシンのネットワークが適切に設定されているか。この項目の詳細については、セクション 17.0, ネットワークの基礎を参照してください。

  2. マシンの正確なシステム時間は、タイムサーバとの同期により維持されます。これは、HTTPプロトコルの一部が正確な時間に依存するために必要です。この項目の詳細については、セクション 20.0, NTPによる時刻の同期を参照してください。

  3. 最新のセキュリティアップデートがインストールされています。不明な場合は、YaSTオンラインアップデートを実行します。

  4. ファイアウォールで、デフォルトのWebサーバポート(ポート80)が開いています。ポートを開くには、SUSEFirewall2を設定して外部ゾーンでHTTP サーバサービスを実行できるようにします。これは、YaSTを使用して行います。詳細については、8.4.1項 「Configuring the Firewall with YaST」を参照してください。

27.1.2 インストール

SUSE Linux Enterprise Server上のApacheは、デフォルトではインストールされません。このアプリケーションをインストールするには、YaSTを起動し、[ソフトウェア] > [ソフトウェアの管理]の順に選択します。次に、[フィルタ] > [パターン]の順に選択し、[Server Functions]の下の[WebおよびLAMPサーバ]を選択します。依存関係のあるパッケージのインストールを確認して、インストールプロセスを完了します。

Apacheは、そのまま実行できるように事前定義された標準設定でインストールされます。このインストールには、マルチプロセシングモジュールのapache2-preforkおよびPHP5モジュールが含まれています。モジュールの詳細については、セクション 27.4, モジュールのインストール、有効化および設定を参照してください。

27.1.3 開始

システムのブート時に自動的にapacheが起動されるようにするには、YaSTを起動し、[システム] > [システムサービス(ランレベル)]の順に選択します。サービスの[apache2]および[有効]を検索します。Webサーバがすぐに起動します。[完了]を選択して変更を保存することにより、システムのブート時にランレベル 3と 5でApacheが自動的に起動するように設定されます。SUSE Linux Enterprise Serverでのランレベルの詳細、およびYaSTランレベルエディタについては、セクション 7.2.3, YaSTでのシステムサービス(ランレベル)の設定;を参照してください。

シェルを使用してApacheを起動するには、rcapache2 startを実行します。システムのブート時にランレベル3と5でApacheが自動的に起動されるようにするには、chkconfig -a apache2を使用します。

Apacheの起動時にエラーメッセージが表示されない場合、Webサーバは現在動作しています。ブラウザを起動し、http://localhost/を開きます。次のメッセージを含むApacheテストページが表示されます: It works!このページが表示されない場合は、セクション 27.8, トラブルシューティングを参照してください。

Webサーバの起動後は、ドキュメントを追加、必要に応じて設定を調整、およびモジュールをインストールして機能を追加することができます。