このセクションでは、リモートインストールを行う場合の、最も一般的なインストールシナリオについて説明します。それぞれのシナリオについて、前提条件のリストを注意深くチェックし、シナリオで説明されている手順に従ってください。特定のステップについての詳細な説明が必要な場合には、用意されているリンクを参照してください。
重要: X Window Systemの設定は、リモートインストールプロセスの一部ではありません。インストールが完了したら、ターゲットシステムにrootとしてログインして、telinit 3を入力し、SaX2を起動してグラフィックハードウェアを設定してください。
このタイプのインストールでは、インストール時のブートのため、ターゲットシステムにある程度物理的にアクセスすることが必要となります。インストール自体は、VNCを使用してインストールプログラムに接続することにより、リモートのワークステーションによって完全に制御されます。セクション 6.0, YaSTによるインストール;で説明されている手動インストールの場合と同様に、ユーザ操作も必要です。
このタイプのインストールでは、以下の必要条件を満たしていることを確認してください。
リモートインストールソース:NFS、HTTP、FTP、またはSMBと作業用ネットワーク接続.
ターゲットシステムでネットワーク接続が動作していること
動作しているネットワーク接続による制御システムおよびVNCビューアソフトウェアまたはJava対応のブラウザ(Firefox、Konqueror、Internet Explorer、またはOpera)
ターゲットシステムのブートのための物理ブートメディア(CD、またはDVD)
インストールソースおよび制御システムに有効な静的IPアドレスがすでに割り当てられていること
ターゲットシステムに割り当てる有効な静的IPアドレス
このタイプのインストールを実行するには、以下の手順に従います。
セクション 14.2, インストールソースを保持するサーバのセットアップで説明されている方法でインストールソースをセットアップします。NFS、HTTP、またはFTPのネットワークサーバを選択します。SMBのインストールソースの場合は、セクション 14.2.5, SMBインストールソースの管理を参照してください。
SUSE Linux Enterprise Serverメディアキットの最初のCDまたはDVDを使って、ターゲットシステムをブートします。
ターゲットシステムのブート画面が表示されたら、ブートオプションプロンプトで、適切なVNCオプションと、インストールソースのアドレスを設定します。この詳細は、セクション 14.4, ターゲットシステムをインストールのためにブートするで説明しています。
ターゲットシステムはテキストベースの環境でブートします。VNCビューアアプリケーションまたはブラウザで使用するための、グラフィックインストール環境用のネットワークアドレスとディスプレイ番号が表示されます。VNCインストールのアナウンス自体はOpenSLPによって行われ、Konquerorのservice:/またはslp:/モードで表示できます(ファイアウォールの設定で許容される場合)。
制御用のワークステーションで、VNC表示アプリケーションまたはWebブラウザを開き、セクション 14.5.1, VNCによるインストールに説明されている方法でターゲットシステムに接続します。
セクション 6.0, YaSTによるインストール;に説明されている方法でインストールを実行します。再起動後、ターゲットシステムに再接続して、インストールの最終作業を行います。
インストールを完了します。
このタイプのインストールでは、インストール時のブートのため、ターゲットシステムにある程度物理的にアクセスすることが必要となります。ネットワーク設定はDHCPによって行われます。インストール自体は、VNCを使用してインストーラに接続することにより、リモートのワークステーションによって完全に制御されます。しかし、実際の設定のためにユーザ操作も必要です。
このタイプのインストールでは、以下の必要条件を満たしていることを確認してください。
リモートインストールソース:NFS、HTTP、FTP、またはSMBと作業用ネットワーク接続.
ターゲットシステムでネットワーク接続が動作していること
動作しているネットワーク接続およびVNCビューアソフトウェアまたはJava対応のブラウザ(Firefox、Konqueror、Internet Explorer、またはOpera)を備えた制御システム
ターゲットシステムのブートのための物理ブートメディア(CD、DVD、またはカスタムのブートディスク)
IPアドレスを提供するDHCPサーバが動作していること
このタイプのインストールを実行するには、以下の手順に従います。
セクション 14.2, インストールソースを保持するサーバのセットアップで説明されている方法でインストールソースをセットアップします。NFS、HTTP、またはFTPのネットワークサーバを選択します。SMBのインストールソースの場合は、セクション 14.2.5, SMBインストールソースの管理を参照してください。
SUSE Linux Enterprise Serverメディアキットの最初のCDまたはDVDを使って、ターゲットシステムをブートします。
ターゲットシステムのブート画面が表示されたら、ブートオプションプロンプトで、適切なVNCオプションと、インストールソースのアドレスを設定します。この詳細は、セクション 14.4, ターゲットシステムをインストールのためにブートするで説明しています。
ターゲットシステムはテキストベースの環境でブートします。VNCビューアアプリケーションまたはブラウザで使用するための、グラフィックインストール環境用のネットワークアドレスとディスプレイ番号が表示されます。VNCインストールのアナウンス自体はOpenSLPによって行われ、Konquerorのservice:/またはslp:/モードで表示できます(ファイアウォールの設定で許容される場合)。
制御用のワークステーションで、VNC表示アプリケーションまたはWebブラウザを開き、セクション 14.5.1, VNCによるインストールに説明されている方法でターゲットシステムに接続します。
セクション 6.0, YaSTによるインストール;に説明されている方法でインストールを実行します。再起動後、ターゲットシステムに再接続して、インストールの最終作業を行います。
インストールを完了します。
このタイプのインストールは、完全に無人で行えます。ターゲットマシンは、リモートで起動され、ブートされます。ユーザ操作は、実際のインストールで必要となるだけです。このアプローチは、遠隔サイト間での導入に適しています。
このタイプのインストールでは、以下の必要条件を満たしていることを確認してください。
リモートインストールソース:NFS、HTTP、FTP、またはSMBと作業用ネットワーク接続.
TFTPサーバ
ネットワークでDHCPサーバが動作していること
ターゲットシステムにPXEブート、ネットワーク、およびWake on LANの機能があり、プラグインとしてインストールされ、ネットワークに接続されていること
動作しているネットワーク接続による制御システムおよびVNCビューアソフトウェアまたはJava対応のブラウザ(Firefox、Konqueror、Internet Explorer、またはOpera)
このタイプのインストールを実行するには、以下の手順に従います。
セクション 14.2, インストールソースを保持するサーバのセットアップで説明されている方法でインストールソースをセットアップします。NFS、HTTP、またはFTPのネットワークサーバを選択するか、セクション 14.2.5, SMBインストールソースの管理で説明されている方法でSMBのインストールソースを設定します。
ターゲットシステムから取得するためのブートイメージを保持するTFTPサーバをセットアップします。これはセクション 14.3.2, TFTPサーバのセットアップで説明されています。
すべてのマシンにIPアドレスを提供し、ターゲットシステムにTFTPサーバの場所を知らせるためのDHCPサーバをセットアップします。これはセクション 14.3.1, DHCPサーバのセットアップで説明されています。
ターゲットシステムでPXEブートの準備をします。この詳細は、セクション 14.3.5, ターゲットシステムでPXEブートの準備をするで説明しています。
Wake on LAN機能を使って、ターゲットシステムでブートプロセスを開始します。これはセクション 14.3.7, Wake on LANで説明されています。
制御用のワークステーションで、VNC表示アプリケーションまたはWebブラウザを開き、セクション 14.5.1, VNCによるインストールに説明されている方法でターゲットシステムに接続します。
セクション 6.0, YaSTによるインストール;に説明されている方法でインストールを実行します。再起動後、ターゲットシステムに再接続して、インストールの最終作業を行います。
インストールを完了します。
このタイプのインストールでは、インストール時のブートと、インストールターゲットのIPアドレスの決定のため、ターゲットシステムにある程度物理的にアクセスすることが必要となります。インストール自体は、SSHを使用してインストーラに接続することにより、リモートのワークステーションによって完全に制御されます。セクション 6.0, YaSTによるインストール;で説明されている通常のインストールの場合と同様に、ユーザ操作も必要です。
このタイプのインストールでは、以下の必要条件を満たしていることを確認してください。
リモートインストールソース:NFS、HTTP、FTP、またはSMBと作業用ネットワーク接続.
ターゲットシステムでネットワーク接続が動作していること
ネットワーク接続が動作しており、現在使用中のSSHクライアントソフトウェアがある制御システム
ターゲットシステムのブートのための物理ブートメディア(CD、DVD、またはカスタムのブートディスク)
インストールソースおよび制御システムに有効な静的IPアドレスがすでに割り当てられていること
ターゲットシステムに割り当てる有効な静的IPアドレス
このタイプのインストールを実行するには、以下の手順に従います。
セクション 14.2, インストールソースを保持するサーバのセットアップで説明されている方法でインストールソースをセットアップします。NFS、HTTP、またはFTPのネットワークサーバを選択します。SMBのインストールソースの場合は、セクション 14.2.5, SMBインストールソースの管理を参照してください。
SUSE Linux Enterprise Serverメディアキットの最初のCDまたはDVDを使って、ターゲットシステムをブートします。
ターゲットシステムのブート画面が表示されたら、ブートオプションプロンプトで、ネットワーク接続、インストールソースのアドレス、SSHの有効化のための適切なパラメータを設定します。この詳細は、セクション 14.4.2, カスタムのブートオプションを使用するで説明しています。
ターゲットシステムはテキストベースの環境でブートします。SSHクライアントで使用するための、グラフィックインストール環境用のネットワークアドレスが表示されます。
制御用のワークステーションで、ターミナルウィンドウを開いて、インストールプログラムへの接続で説明されている方法でターゲットシステムに接続します。
セクション 6.0, YaSTによるインストール;に説明されている方法でインストールを実行します。再起動後、ターゲットシステムに再接続して、インストールの最終作業を行います。
インストールを完了します。
このタイプのインストールでは、インストール時のブートと、インストールターゲットのIPアドレスの決定のため、ターゲットシステムにある程度物理的にアクセスすることが必要となります。インストール自体は、VNCを使用してインストーラに接続することにより、リモートのワークステーションによって完全に制御されます。しかし、実際の設定のためにユーザ操作も必要です。
このタイプのインストールでは、以下の必要条件を満たしていることを確認してください。
リモートインストールソース:NFS、HTTP、FTP、またはSMBと作業用ネットワーク接続.
ターゲットシステムでネットワーク接続が動作していること
ネットワーク接続が動作しており、現在使用中のSSHクライアントソフトウェアがある制御システム
ターゲットシステムのブートのための物理ブートメディア(CD、またはDVD)
IPアドレスを提供するDHCPサーバが動作していること.
このタイプのインストールを実行するには、以下の手順に従います。
セクション 14.2, インストールソースを保持するサーバのセットアップで説明されている方法でインストールソースをセットアップします。NFS、HTTP、またはFTPのネットワークサーバを選択します。SMBのインストールソースの場合は、セクション 14.2.5, SMBインストールソースの管理を参照してください。
SUSE Linux Enterprise Serverメディアキットの最初のCDまたはDVDを使って、ターゲットシステムをブートします。
ターゲットシステムのブート画面が表示されたら、ブートオプションプロンプトで、ネットワーク接続、インストールソースの場所、SSHの有効化のための適切なパラメータを設定します。これらのパラメータの使用方法についての詳細は、セクション 14.4.2, カスタムのブートオプションを使用するを参照してください。
ターゲットシステムはテキストベースの環境でブートします。SSHクライアントで使用するための、グラフィックインストール環境用のネットワークアドレスが表示されます。
制御用のワークステーションで、ターミナルウィンドウを開いて、インストールプログラムへの接続で説明されている方法でターゲットシステムに接続します。
セクション 6.0, YaSTによるインストール;に説明されている方法でインストールを実行します。再起動後、ターゲットシステムに再接続して、インストールの最終作業を行います。
インストールを完了します。
このタイプのインストールは、完全に無人で行えます。ターゲットマシンは、リモートで起動され、ブートされます。
このタイプのインストールでは、以下の必要条件を満たしていることを確認してください。
リモートインストールソース:NFS、HTTP、FTP、またはSMBと作業用ネットワーク接続.
TFTPサーバ
インストールを行うホストに静的IPアドレスを提供する、DHCPサーバがネットワークで動作していること
ターゲットシステムにPXEブート、ネットワーク、およびWake on LANの機能があり、ネットワークに配線されて接続していること
ネットワーク接続が動作しており、SSHクライアントソフトウェアがある、制御システム.
このタイプのインストールを実行するには、以下の手順に従います。
セクション 14.2, インストールソースを保持するサーバのセットアップで説明されている方法でインストールソースをセットアップします。NFS、HTTP、またはFTPのネットワークサーバを選択します。SMBのインストールソースの設定は、セクション 14.2.5, SMBインストールソースの管理を参照してください。
ターゲットシステムから取得するためのブートイメージを保持するTFTPサーバをセットアップします。これはセクション 14.3.2, TFTPサーバのセットアップで説明されています。
すべてのマシンにIPアドレスを提供し、ターゲットシステムにTFTPサーバの場所を知らせるためのDHCPサーバをセットアップします。これはセクション 14.3.1, DHCPサーバのセットアップで説明されています。
ターゲットシステムでPXEブートの準備をします。この詳細は、セクション 14.3.5, ターゲットシステムでPXEブートの準備をするで説明しています。
Wake on LAN機能を使って、ターゲットシステムでブートプロセスを開始します。これはセクション 14.3.7, Wake on LANで説明されています。
制御用のワークステーションで、SSHクライアントを起動して、セクション 14.5.2, SSHによるインストールで説明されている方法でターゲットシステムに接続します。
セクション 6.0, YaSTによるインストール;に説明されている方法でインストールを実行します。再起動後、ターゲットシステムに再接続して、インストールの最終作業を行います。
インストールを完了します。