2.6 インストールの制御

インストールの制御には、複数の方法のうちのいずれかを使用します。最も多く使用される方法は、 SUSE® Linux Enterprise Serverをコンピュータのコンソールからインストールすることです。他のオプションは、異なる状況で使用できます。使用可能なインストール方法の詳細については、 セクション 5.0, 導入計画を参照してください。

2.6.1 コンピュータコンソール上でのインストール

最も単純な方法は、コンピュータコンソールを使用してSUSE Linux Enterprise Serverをインストールすることです。この方法では、グラフィカルなインストールプログラムによって、インストールの処理手順が示されます。このインストール方法の詳細については、 セクション 6.0, YaSTによるインストール;を参照してください。

グラフィックモードにしないで、コンソール上でインストールを実行することもできます。テキストベースのインストールプログラムは、グラフィカルバージョンと同じ機能を提供します。このモードでの操作の詳細ついては、 3.1項 「モジュールでのナビゲーション」を参照してください。

2.6.2 シリアルコンソールによるインストール

このインストール方法では、SUSE Linux Enterprise Serverをインストールするコンピュータにヌルモデムケーブルで接続された2番目のコンピュータが必要です。ハードウェアによっては、コンピュータのファームウェアまたはBIOSが、シリアルコンソールにすでにアクセス可能な場合があります。すでにアクセス可能な場合は、この方法を使用してインストール全体を実行できます。シリアルコンソールを使用したインストールを有効にするには、ブートプロセスが完了して、インストールシステムが起動される前に、ブートプロンプトに対して、追加パラメータ console=ttyS0 を指定します。

ほとんどのコンピュータ上には、2つのシリアルインターフェイス、ttyS0およびttyS1があります。インストールを行うには、minicomや画面などのターミナルプログラムが必要です。シリアル接続を初期化するには、次のコマンドを入力して、ローカルコンソール上で画面プログラムを起動します。

screen /dev/ttyS0 9600

このコマンドを実行すると、画面は9600ボーレートの最初のシリアルポートをリスンします。この時点から、テキストベースのインストールと同様に、インストールがこのターミナル上で進行します。

2.6.3 SSHによるインストール

コンピュータハードウェアに直接アクセスできず、たとえば、インストールを管理コンソールから開始する必要がある場合は、ネットワークを通じて、インストールプロセス全体を制御します。この作業を行うには、ブートプロンプトで、UseSSH=1およびSSHPassword=<secret>パラメータを入力します。SSHデーモンがシステムで起動され、パスワードとしてsecretを指定して、rootユーザとしてシステムにログインできるようになります。接続するには、ssh-X root@<ipaddr>コマンドを使用します。

ローカルネットワーク内でdhcpサーバを使用できない場合は、手動でIPアドレスをインストールシステムに割り当てます。この作業を行うには、ブートプロンプトで、HostIP=<ipaddr>オプションを入力します。

インストールシステムにログインしたら、テキストベースのインストールの場合は yast コマンド、グラフィカルなインストールの場合は yast2 コマンドを使用して、すぐに実際のインストールを開始します。その後、指示に従ってインストール手順を実行します。この処理手順の詳細については、 セクション 14.1.5, SSH経由のシンプルリモートインストール—動的なネットワーク設定を参照してください。

2.6.4 VNCを介したインストール

システムに直接アクセスできず、それでもグラフィカルなインストールを行う場合は、VNCを介してSUSE Linux Enterprise Serverをインストールします。この方法の詳細については、 セクション 14.5.1, VNCによるインストールを参照してください。

Microsoft WindowsやMacOSなどの他のオペレーティングシステムに適したVNCクライアントも使用できるので、それらのオペレーティングシステムを実行しているコンピュータからインストールを制御することもできます。

2.6.5 AutoYaSTによるインストール

同じようなハードウェアを持つ多くのコンピュータ上にSUSE Linux Enterprise Serverをインストールする必要がある場合は、AutoYaSTを活用してインストールを実行することをお勧めします。この場合は、はじめに、1つのSUSE Linux Enterprise Serverをインストールし、これを使用して、必要なAutoYaST設定ファイルを作成します。

AutoYaSTの詳細なドキュメントは、 セクション 21.0, 自動インストールを参照してください。