サテライトは、ZENworksプライマリサーバが通常実行する特定の役割を実行できる管理対象デバイスです。サテライトは、任意の管理対象デバイス(サーバまたはワークステーション)となることができます。サテライトを設定するとき、実行する役割を指定します(イメージング、コレクション、またはコンテンツ)。サテライトは、ZENworks 10 Configuration Management SP2 フレームワークのスナップインとなるサードパーティ製品によって追加される役割を実行することもできます。
詳細情報については、次のセクションを参照してください。
イメージングの役割は、イメージングサービスをインストールし、そのイメージングの役割をデバイスに追加します。イメージング役割を持つサテライトは、イメージングサテライトと呼ばれます。イメージングサテライトには、イメージング環境で実行されるためにプロキシDHCPとDNSサーバの両方が必要です。
イメージングの役割を使用して、次のことを実行できます。
デバイスをイメージングサーバとして使用することで、デバイス上ですべてのイメージング操作を実行します。この操作には、イメージの取得、およびユニキャストまたはマルチキャストイメージングを使用したサブネット内およびサブネット間におけるイメージの適用が含まれます。
プライマリサーバ向けの負荷分散を実現します。
アドオンイメージをサテライトに複製します。
サテライトは、イメージング操作のためにZENworksコントロールセンターを介して自動モードでプライマリサーバと通信します。
管理対象デバイス上では、イメージングモジュールは、管理対象デバイスがイメージングの役割を持つサテライトに昇格されるか、イメージングの役割が既存のサテライトに追加されるまで無効です。これにより、デバイス上でイメージングサービスが有効になり、イメージング操作を自動モードまたは保守モードで実行できます。
デバイス上にインストールされているイメージングコンピュータには、Novell ZENworks PXEクライアントファイル、Novell ZENworks PXE更新ファイル、およびNovell ZENworksマルチキャストアプリケーション(zmgmcast) が含まれます。デバイス上にインストールされているイメージングサービスには、Novell TFTP、ZENworksプレブートポリシー(zmgpbpolicy)、ZENworksプレブート(pbserv)、およびNovellプロキシDHCPが含まれます。プロキシDHCP以外のすべてのサービスが自動的に開始されます。プロキシDHCPサービスは、ZENworksコントロールセンターから手動で開始および停止することができます。
ZENworksコントロールセンターまたはzmanコマンドラインユーティリティを使用して、サテライトにイメージング役割を設定できます。
ZENworksコントロールセンターを使用してイメージング役割を設定するには、『ZENworks 10 Configuration Managementシステム管理リファレンス』の「サテライト」を参照してください。zmanコマンドラインユーティリティを使用してイメージング役割を設定する場合は、『ZENworks 10 Configuration Managementコマンドラインユーティリティリファレンス』の「サテライトのコマンド」を参照してください。
イメージングサテライトの典型的なプレブートサービスは、次のように行われます。
イメージングバンドルは、ZENworksコントロールセンター内に作成されてPXEが使用可能なデバイスに割り当てられます。
PXEが使用可能なデバイスがブートを開始します。
デバイスが、DHCP検出要求を送信してイメージングサテライトのIPアドレスを特定します。
DHCPサーバはデバイスが使用するIPアドレスで応答します。
Novell-proxydhcpはTFTPサーバのIPアドレスおよびプレブートサービスブートストラッププログラムのファイル名を使用して応答します( nvlnbp.sys)。
PXEデバイスが、イメージングサテライト上のnovell-tftpを使用して、プレブートサービスのブートストラッププログラムをダウンロードします。
プレブートサービスブートストラッププログラムがダウンロードされて実行されると、デバイスはイメージングサテライト上のnovell-zmgprebootpolicyをチェックし、実行するイメージングワークがあるかどうか確認します。
実行する必要のあるイメージングワークがある(デバイスに割り当てられているイメージングバンドルとして含まれる)場合は、デバイスがサーバからWinPE環境をダウンロードします。
イメージングバンドルに含まれているイメージングタスクはすべて実行されます。
実行するイメージング処理がない場合は、これらのファイルはダウンロードされず、デバイスはそのオペレーティングシステムでのブートを続行します。
割り当てられたイメージングタスク用のすべてのデータベーストランザクションは、イメージングサテライトからプライマリサーバへのWeb要求を通じて実行されます。
以降のセクションでは、イメージングサテライト上でPXEブート、ZENworksイメージング、およびサードパーティイメージングにプレブートサービスがどのように機能するか説明します。
次の例では、デバイスとイメージングサーバが同じネットワークセグメントにあることを前提としています。
図 2-1 イメージングサテライト上のPXEブート用プレブートサービスプロセス
プロセス:
デバイスがブートすると、PXE BIOSはPXE拡張子のDHCP要求を発行します。要求はポート67のブロードキャストです。
DHCPサーバはポート68でIP設定情報を使用して応答し、イメージングサテライト上のプロキシDHCPサーバは、ポート68でブートストラッププログラムの名前(nvlnbp.sys)とその所在を示すTFTPサービスまたはデーモンのIPアドレスを使用して応答します。
次の例では、デバイスとイメージングサーバが同じネットワークセグメントにあることを前提としています。
図 2-2 イメージングサテライト上のZENworksイメージング用プレブートサービスプロセス
プロセス:
SUSE Linux Enterprise Server (SLES)はロードされ、デバイス上で実行されています。
ZENworksイメージングエンジン(img)は、割り当てられたプレブートサービスの作業詳細を要求して作業を実行します。
イメージはデバイスに配置されて、自動的にリブートします。
ZENworksのサードパーティのイメージングには、プライマリサーバ上にサードパーティツールをアップロードする必要があります。詳細については、セクション D.2, ZENworksコントロールセンターを使用したZENworksのサードパーティのイメージングの実行を参照してください。これにより、プライマリサーバからイメージングサテライト上の対応するtftpディレクトリに、必要なイメージングの配布とツールが自動複製されます。イメージングサテライト上のイメージングプロセスは、プライマリサーバ上のプロセスとよく似ています。プライマリサーバにおけるイメージングプロセスの詳細については、セクション 1.4, プレブートサービスプロセスを参照してください。
次の例では、デバイスとイメージングサーバが同じネットワークセグメントにあることを前提としています。
図 2-3 イメージングサテライト上のサードパーティイメージング用プレブートサービスプロセス
プロセス:
WinPEがロードされ、デバイス上で実行されます。
ZENworks Work To Do (ZENworksのサードパーティのイメージング)アプリケーションが、割り当てられたプレブートサービスワークの詳細を要求し、作業を実行するために該当するサービスワークのイメージングエンジンを起動します。
イメージはデバイスに配置されて、自動的にリブートします。