次のセクションでは、プレブートサービスプロセスの動作方法について説明します。
一般的なプレブートサービスの動作の流れを次に示します。
イメージングバンドルは、ZENworksコントロールセンター内に作成されてPXEが使用可能なデバイスに割り当てられます。
PXEが使用可能なデバイスがブートを開始します。
デバイスはDHCP検出要求を送信してイメージング/プレブートサービスサーバのIPアドレスを特定します。
DHCPサーバはデバイスが使用するIPアドレスで応答します。
Novell-proxydhcpはTFTPサーバのIPアドレスおよびプレブートサービスブートストラッププログラムのファイル名を使用して応答します( nvlnbp.sys)。
PXEデバイスは、novell-tftpを使用してプレブートサービスブートストラッププログラムをダウンロードします。
プレブートサービスブートストラッププログラムがダウンロードされて実行されたら、デバイスはnovell-zmgprebootpolicyをチェックして実行するイメージングワークがあるかどうかを確認します。
実行する必要のあるイメージングワークがある(デバイスに割り当てられているイメージングバンドルとして含まれる)場合は、デバイスによって次のタスクが実行されます。
ZENworksイメージング: Linuxに対して起動できるように、Configuration Managementのイメージング環境をサーバからダウンロードします。
サードパーティのイメージング: WinPE環境をサーバからダウンロードします。
イメージングバンドルに含まれているイメージングタスクはすべて実行されます。
実行するイメージング処理がない場合は、これらのファイルはダウンロードされず、デバイスはそのオペレーティングシステムでのブートを続行します。
自動化のためにPXEを使用するだけでなく、プレブート作業を次のいずれか1つの方法を使用して手作業で実行することもできます。
詳細については、セクション 3.1.2, ZENworks イメージングでのコマンドラインの使用を参照してください。
次の図は、プレブートサービス(PXE)デバイスとプレブートサービスのイメージングサーバ間のやり取りを示しています。このやり取りは、PXEデバイスの電源がオンになってブートが始まると開始され、そのデバイスでイメージング処理が始まると終了します。
次の例では、デバイスとイメージングサーバが同じネットワークセグメントにあることを前提としています。
novell-proxydhcpが標準のDHCPサーバと同じサーバに設定されているか、異なるサーバに設定されているかによって、イメージングプロセスの開始方法が異なります。次のセクションでは、それぞれの設定でプロセスが開始される方法を図示していますが、次のフェーズ2から8: プロセスの続行に図示されているフェーズは同じです。
この例では、DHCPサーバとイメージング/プレブートサービスサーバは、ネットワーク上の異なる2つのサーバです。
図 1-1 異なるサーバにおけるDHCP設定
プロセス:
デバイスがブートすると、PXE BIOSはPXE拡張子のDHCP要求を発行します。要求はポート67のブロードキャストです。
DHCPサーバはポート 68でIP設定情報を使用して応答し、プロキシDHCPサーバは、ポート 68でブートストラッププログラムの名前(nvlnbp.sys)とその所在を示すTFTPサービスまたはデーモンのIPアドレスを使用して応答します。
フェーズ2から8: プロセスの続行に進みます。
この例では、DHCPサーバとイメージング/プレブートサービスサーバは、ネットワーク上の同じサーバに設定されています。この例の2番目のパートについては、同じサーバに設定された標準のDHCPとNovellプロキシDHCP: パートBを参照してください。
図 1-2 同じサーバ上のDHCP設定、パートA
プロセス:
デバイスがブートすると、PXE BIOSはPXE拡張子のDHCP要求を発行します。要求はポート67のブロードキャストです。
DHCPサーバは、novell-proxydhcpが同じサーバ上で実行していることを示すPXEClientのタグ60を含め、ポート68のIP設定情報を使用して応答します。
図 1-3 同じサーバ上のDHCP設定、パートB
プロセス:
デバイスがDHCP応答内でタグ60を見つけた場合、PXE BIOSはDHCP要求をポート4011で再発行します。
プロキシDHCPサーバは、ブートストラッププログラム(nvlnbp.sys)の名前とその所在を示すTFTPサービスまたはデーモンのIPアドレスを使用してポート68で応答します。
フェーズ2から8: プロセスの続行に進みます。
次のセクションでは、フェーズ1の後でプレブートサービスプロセスを続行する方法について説明します。
図 1-4 プレブートサービスプロセスのフェーズ2
プロセス:
PXE BIOSは、TFTPサーバにnvlnbp.sysを要求します。
TFTPサーバは、PXEデバイスにnvlnbp.sysを送信します。
PXEデバイスは、nvlnbp.sysをメモリにロードします。
図 1-5 プレブートサービスプロセスのフェーズ3
プロセス:
ハードウェアの検出は、nvlnbp.sysによって実行され、イメージセーフデータを読み込みます。
Nvlnbp.sysがnovell-zmgprebootpolicy経由でデータモデルにNovellプレブートサービスメニューの設定を要求します。
Novell-zmgprebootpolicyがNovellプレブートサービスメニューの設定を返します。この場合、ユーザがホットキーを押すと、pxemenu.txtに説明されているメニューが表示されます。
図 1-6 プレブートサービスプロセスのフェーズ4
プロセス:
イメージングメニューを表示しないと想定された場合、デバイスは作業が割り当てられているかどうかをデータモデル(novell-zmgprebootpolicy経由)に問い合わせます。
作業が割り当てられていると想定された場合は、novell-zmgprebootpolicyはプレブートワークを実行する際に使用する設定ファイルの名前(上記の図に表示されている、ZENworksイメージング用のz_auto.cfgおよびZENworkのサードパーティのイメージング用のwinpe.cfg)で応答します。
図 1-7 プレブートサービスプロセスのフェーズ 5
プロセス:
PXEデバイスはTFTPサーバにpxelinux.0を要求します。
TFTPサーバは、デバイスにpxelinux.0を送信します。
図 1-8 プレブートサービスプロセスのフェーズ 6
プロセス:
メモリで、pxelinux.0がnvlnbp.sysに置き換わり、TFTPサーバから(上記の図に示すように)ZENworksイメージング用にz_auto.cfgを要求し、ZENworksのサードパーティのイメージング用にwinpe.cfgを要求します。
TFTPサーバは、ZENworksイメージングにz_auto.cfgファイルを送信し、ZENworksサードパーティのイメージングにwinpe.cfgを送信します。
図 1-9 プレブートサービスプロセスのフェーズ7
ZENworksイメージング用のプロセス(上記の図に表示):
Pxelinux.0は、TFTPサーバに/boot/kernelを要求して受け取ります。
Pxelinux.0がTFTPサーバに/boot/initrdを要求して受け取ります。
Pxelinux.0がTFTPサーバに/boot/rootを要求して受け取ります。
Pxelinux.0TFTPサーバに/boot/updateDrivers.tgzを要求して受け取りますが、ファイルがないため拒否されました(これは、リリース後のソフトウェアを更新する場合に使用されます)。
ZENworksサードパーティのイメージング用のプロセス:
Pxelinux.0は、TFTPサーバに/boot/preboot.0を要求して受け取ります。
Pxeboot.0は、TFTPサーバに/boot/bootMgr.exeを要求して受け取ります。
ブートマネージャが/boot/bcdをロードします。
ブートマネージャが最終的に/boot/boot.sdiおよび/boot/winpe.wimを受け取り、ロードします。
図 1-10 ZENworksイメージングのプレブートサービスプロセスのフェーズ8
ZENworksイメージング用のプロセス:
SUSE® Linux Enterprise Server (SLES)はロードされ、デバイス上で実行されています。
ZENworksイメージングエンジン(img)は、割り当てられたプレブートサービスの作業詳細を要求して作業を実行します。
イメージはデバイスに配置されて、自動的にリブートします。
図 1-11 ZENworksサードパーティのイメージングのプレブートサービスプロセスのフェーズ 8
ZENworksサードパーティのイメージング用のプロセス:
WinPEの配布パッケージがロードされ、デバイス上で実行されます。
Novell ZENworksのサードパーティのイメージングユーティリティは、割り当てられたプレブートサービスワークの詳細を要求し、ワークを実行します。
イメージはデバイスに配置されて、自動的にリブートします。