次のセクションでは、プレブートサービスを設定、展開、および管理する方法、および同じサーバ上で標準のDHCPとを設定する方法について説明します。
プレブートサービスの使用については、セクション 3.0, イメージングの使用を参照してください。
このセクションではプレブートサービスをインストールした後でその環境設定を確認する方法についての情報を提供します。
プレブートサービスの一部として、次のコンポーネントがインストールされます。
表 2-1 プレブートサービスコンポーネント
Novell-proxydhcpは、手動で起動する必要があります。これは、すべてのイメージングサーバで実行する必要はありません。イメージを取得する間、ZENworksイメージが保存されているサーバ上でnovell-pbservサービスが実行されている必要があります。イメージを復元する間、ZENworksイメージが保存されているサーバ上でnovell-pbservサービスが実行されている必要があります。
他の3つのサービスは、Configuration Managementのインストール時に自動的に開始されるか、またはサーバのリブート時に必ず開始されます。これらは、すべてのイメージングサーバで実行する必要があります。
詳細については、セクション E.8, イメージングサーバを参照してください。
プレブートサービスコンポーネントをインストールしたら、次をサーバにインストールして実行する必要があります。これらの方法を使用して、ステータスを確認することができます。
表 2-2 プレブートサービスまたはデーモン
これらのサービスのデフォルト設定を変更する必要はありません。
プレブートサービスコンポーネントがインストールされたサーバがDHCPサーバでもある場合は、プレブートサービス用のLAN環境の設定を参照してください。
このセクションで説明するネットワーク展開戦略を実装するには、TCP/IPネットワークプロトコルの完全な理解と、TCP/IPルーティングおよびDHCP検出プロセスに関する特別な知識が必要です。
プレブートサービス(PXEあり)を1つのネットワークセグメントに展開するプロセスは比較的簡単です。しかし、マルチセグメントネットワークでプレブートサービスを展開するのは、プレブートサービスのサービス、およびサーバとPXEワークステーション間にあるネットワークスイッチとルータを設定する必要があるため、ローカルエリアネットワークに比べかなり複雑になります。
プレブートサービスのネットワークトラフィックを正しく転送するようにルータまたはスイッチを構成するには、DHCPプロトコル、DHCPリレーエージェント、およびIP転送を完全に理解している必要があります。スイッチまたはルータの実際の設定は、ハードウェアに関する詳しい知識を持つユーザが行う必要があります。
最初に単一のセグメントでプレブートサービスをセットアップし、サーバが正しく設定され動作していることを確認することを強くお勧めします。
このセクションでは、次の情報を紹介します。
プレブートサービス用のサーバを設定する場合、次に示す3つの重要なポイントがあります。
DHCPサーバ: プレブートサービス環境では、標準のDHCPサーバが必要です。標準DHCPサーバをインストールするかどうかは任意です。
プレブートサービスまたはデーモン: Configuration Managementのインストール時に、4つのプレブートサービスのサービス(novell-Pbserv、novell-tftp、novell-proxydhcp、およびnovell-zmgprebootpolicy)すべてがイメージングサーバにインストールされます。これらのサービスは同じサーバで実行する必要があります。
イメージングサーバ: プレブートサービスのサービスは、DHCPと同じサーバまたはDHCPとは異なるサーバにインストールして実行できます。
これらのサービスに関する一般的な情報については、次のセクションを参照してください。
これらのサービスのデフォルト設定を変更する必要はほとんどありません。設定情報の詳細が必要な場合はイメージング/プレブートサービスサーバの設定を参照してください。
標準DHCPサーバは、PXEデバイスにIPアドレスを割り当てるアクティブなスコープを使用して設定する必要があります。スコープオプションでは、PXEデバイスで使用するゲートウェイまたはルータも指定します。
プレブートサービス(特にnovell-proxydhcp)がDHCPサーバと同じサーバにインストールされている場合、特別なオプションタグを使用してDHCPサーバを設定する必要があります。詳細については、プレブートサービス用のLAN環境の設定を参照してください。
イメージングサービスをデバイスに提供します。
これには、イメージファイルの送受信、割り当てられたイメージングバンドルの検出、マルチキャストイメージングのセッションマスタとしての機能などがあります。
プレブートサービスプロキシDHCPサーバは、標準DHCPサーバと共に動作して、TFTPサーバのIPアドレス、novell-zmgprebootpolicyが動作しているサーバのIPアドレス、およびネットワークブートストラッププログラム(nvlnbp.sys)の名前をPXEデバイスに通知します。
PXEデバイスによって、イメージングタスクの実行に必要なファイルを要求する場合に使用されます。TFTPサーバは、これらのファイルの中央リポジトリも提供します。
PXEデバイスは、これらのサーバのいずれかを使用して、ネットワークブートストラッププログラム(nvlnbp.sys)をダウンロードします。
PXEデバイスは、novell-zmgprebootpolicyを使用して、デバイスで実行する必要があるイメージングアクションがあるかどうかを確認します。このデーモンは、PXEデバイスの代わりにnovell-pbservに要求を転送します。
Intel AMTを使用している場合、このサポートがnovell-zmgprebootpolicy.confで有効にされている必要があります。このファイルは次の場所にあります。
Windows: %ZENWORKS_HOME%\conf\preboot\
Linux: /etc/opt/novell/zenworks/preboot/
ネットワークでプレブートサービスを実行するために必要な設定は、ネットワークの設定によって異なります。プレブートサービスのサービスが動作しているサーバにPXEデバイスが効果的に接続できるように、ネットワークを設計してください。ネットワーク上にインストールするPXEデバイスの数、およびデバイスのサービスに使用できる帯域幅を必ず検討してください。リブートサービスプロセスでのデバイスとサーバのやり取りのしくみについては、セクション 1.4, プレブートサービスプロセスを参照してください。
プレブートサービスおよびDHCPが同じサーバで実行されている場合、またはLANとWAN/VLANの両方の環境で異なるサーバで実行されている場合、プレブートサービスを設定できます。
PXEデバイスがLAN内のイメージングサービスにアクセスできるようにイメージングサーバをインストールしてください。適切に設計すると、クライアントが低速のWANリンク経由でイメージングサービスに接続する必要はなくなります。
イメージングサーバはいくつでも使用できますが、通常、DHCPサーバのスコープごとに1つのプロキシDHCPサーバのみを有効にしてください。
WANでは、通常、PXEデバイスは1つまたは複数のルータによってプロキシDHCPおよびDHCPサーバから切り離されています。PXEデバイスはDHCP情報をブロードキャストで照会しますが、デフォルトではルータはサーバにブロードキャストを転送しないため、プレブートサービスセッションは失敗します。
VLAN (仮想LAN)環境では、PXEデバイスはスイッチによってプロキシDHCPサーバおよびDHCPサーバから論理的に切り離されています。IPレベルでは、この設定は従来のWAN (ルーティングされた)環境によく似ているように見えます。
通常のVLAN環境では、ネットワークはスイッチ上に仮想LANを設定することによって複数のサブネットに分割されています。各仮想LAN内のデバイスは、通常、中央のDHCPサーバからIPアドレス情報を取得します。このシステムが動作するには、各ゲートウェイにBootpまたはIPヘルパを設定する必要があります。これらのヘルパは、DHCP要求を各サブネット内のデバイスからDHCPサーバに転送するため、DHCPサーバはそのサブネット内のデバイスに応答できます。
次の図は、プレブートサービスをDHCPと同じサーバにインストールした場合と別のサーバにインストールした場合のLAN設定の違いを示しています。この場合、LANのPXEデバイスだけが、イメージング/プレブートサービスサーバに接続します。
表 2-3 同じサーバおよび異なるサーバでのLAN設定の違い
情報 |
同じサーバでの手順 |
異なるサーバでの手順 |
---|---|---|
設定 |
プレブートサービスとDHCPを同じサーバ上で実行する必要があるため、DHCPサーバでオプションタグ60を設定します。 このタグの設定方法については、プレブートサービス用のLAN環境の設定を参照してください。 |
必要なし。 |
長所 |
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短所 |
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次の図は、プレブートサービスをDHCPと同じサーバにインストールした場合と別のサーバにインストールした場合のWAN/LAN設定の違いを示しています。この場合、WAN/LAN全体のすべてのPXEデバイスが、イメージング/プレブートサービスサーバに接続します。
表 2-4 同じサーバおよび異なるサーバでのWAN/LAN設定の違い
情報 |
同じサーバでの手順 |
異なるサーバでの手順 |
---|---|---|
設定 |
ルータ/スイッチは、ネットワークトラフィックをDHCPサーバに転送するためにIPヘルパを使用して設定されています。 プレブートサービスとDHCPを同じサーバ上で実行するため、DHCPサーバでオプションタグ60を設定します。 このタグの設定方法については、プレブートサービスとDHCPを同じサーバ上で実行しているWAN/VLAN環境の設定を参照してください。 |
PXEデバイスが属するサブネットをサポートするルータ/スイッチに、DHCPリレーエージェントまたはIPヘルパを設定します。ヘルパは、サブネット内で検出されるすべてのDHCPブロードキャストをDHCP/プロキシDHCPサーバに転送するように設定します。 これには通常、2つのヘルパが必要となります。1つ目のヘルパは、DHCPブロードキャストをDHCPサーバに転送するように設定し、2つ目のヘルパは、DHCPブロードキャストをプロキシDHCPサーバに転送するように設定します。 |
長所 |
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短所 |
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プレブートサービスとDHCPが別のサーバで動作している場合、ネットワーク設定は必要ありません。
プレブートサービスとDHCPを同じサーバ上で実行している場合は、DHCPサーバでオプションタグ60を設定する必要があります。サーバのプラットフォームに応じて、次のことを実行します。
Linux DHCPサーバ 同じLinuxサーバで標準DHCPとプロキシDHCPサービスをセットアップするには、次の手順に従います。
LinuxイメージングサーバのDHCPサービスを停止します。
このサーバで、エディタを使用してDHCP設定ファイルである/etc/dhcpd.confを開きます。
このファイルに次の行を挿入します。
option vendor-class-identifier "PXEClient";
ファイルを保存します。
DHCPサービスを再起動します。
Windows 2000 Advanced DHCP Server 同じWindows 2000 Advancedサーバで標準DHCPとプロキシDHCPサービスをセットアップするには、次の手順に従います。
コマンドプロンプトで、「netsh」と入力します。
netshプロンプトで、「dhcp server」と入力します。
dhcpサーバプロンプトで、次のように入力します。
add optiondef 60 ClassID STRING 0 PXEClient
DHCPセットアップメニューで定義の種類を追加します。
Configuration Management (プレブートサービスを含む)は、DHCPがインストールされて動作しているサーバと同じサーバにインストールできます。ただし、次の操作を行う必要があります。
novell-proxydhcpで使用できるようにオプションタグ60をDHCPサーバで設定します。前のセクションの手順(プレブートサービス用のLAN環境の設定)を参照してください。
サーバで、/novell-proxydhcp.confファイルを編集して次のように変更します。
LocalDHCPFlag = 0
to
LocalDHCPFlag = 1
ファイルは次の場所にあります。
Windows: %ZENWORKS_HOME%\conf\preboot\
Linux: /etc/opt/novell/
続いて、次に示すコマンドをサーバで入力して、変更が認識されるようにサービスを再起動します。
Windows: [サービス]ダイアログボックスで、[
]を右クリックして[ ]を選択します。Linux: /etc/init.d/novell-proxydhcp restart
重要:スイッチがファイアウォールとして機能し、ネットワークのトラフィックタイプを制限している場合、novell-tftpおよびnovell-zmgprebootpolicyがファイアウォールまたはネットワークフィルタの影響を受けるので注意してください。これらのサービスまたはデーモンは、ファイアウォールを介して実行しないでください。プレブート操作をファイアウォールに通過させる必要がある場合、すべてのプレブートサービス作業がファイアウォールの外側にあり、ファイアウォールの内側のWebサービスだけを参照する必要があります。
Configuration Management (プレブートサービスを含む)は、DHCPがインストールされて動作しているサーバとは別のサーバにインストールできます。ただし、プレブートサービスネットワークトラフィックが正しく転送されるように、ネットワーク機器を設定する必要があります。
重要:スイッチがファイアウォールとして機能し、ネットワークのトラフィックタイプを制限している場合、novell-tftpおよびnovell-zmgprebootpolicyがファイアウォールまたはネットワークフィルタの影響を受けるので注意してください。これらのサービスまたはデーモンは、ファイアウォールを介して実行しないでください。プレブート操作をファイアウォールに通過させる必要がある場合、すべてのプレブートサービス作業がファイアウォールの外側にあり、ファイアウォールの内側のWebサービスだけを参照する必要があります。
展開例は、プレブートサービスとDHCPを同じサーバ上で実行しているWAN/VLAN環境での一例です。次のセクションでは、プレブートサービスのネットワークトラフィックが正しく転送されるように、ネットワーク機器を設定するために必要な詳細な手順について説明します。
この例では、ファームウェアバージョン2.0.1を実行しているBay Networks* Accel 1200スイッチに3つのVLANが設定されています。1つ目のVLANはプロキシDHCPサーバを、2つ目のVLANはDHCPサーバを、3つ目のVLANはPXEをそれぞれホストしています。PXEデバイスのDHCPブロードキャストは、スイッチによってプロキシDHCPサーバとDHCPサーバの両方に転送されます。両サーバからの応答は、PXEデバイスに正しくルーティングされて返され、PXEデバイスはプレブートサービスセッションを正常に開始します。
3つのVLANはすべて24ビットネットワークであり、サブネットマスクは255.255.255.0です。
最初のVLANゲートウェイは10.0.0.1です。このVLANは、10.0.0.2から10.0.0.128の範囲のIPアドレスが割り当てられているPXEデバイスをホストします。このVLANの名前はVLAN1です。
2つめのVLANゲートウェイは10.1.1.1です。このVLANは、IP 10.1.1.2のDHCPサーバをホストします。このVLANの名前はVLAN2です。
3つめのVLANゲートウェイは196.10.229.1です、このVLANは、novell-proxydhcpおよびnovell-zmgprebootpolicyを実行するサーバをホストします。サーバのIPは196.10.229.2です。このVLANの名前はVLAN3です。
すべてのVLAN間でルーティングが有効になっています。各VLANは、独自のスパンニングツリーグループに存在する必要があります。
グローバル環境設定モードに移動します。
「ip forward-protocol udp 67」と入力し、<Enter>キーを押します。
「ip forward-protocol udp 68」と入力し、<Enter>キーを押します。
PXEデバイスをサポートするLANインタフェースに移動します。
「ip helper-address 10.1.1.2」と入力し、<Enter>キーを押します。
「ip helper-address 196.10.229.2」と入力し、<Enter>キーを押します。
設定を保存します。
Site Managerを使用してルータに接続します。
IPがルーティング可能であることを確認します。
PXEデバイスサブネット/VLANの[
]チェックボックスを選択します。PXEデバイスの接続先インタフェースを選択します。
回路を編集します。
[
]をクリックします。[
]をクリックします。[
]チェックボックスが選択されていることを確認します。[
]をクリックします。[
]>[ ]>[ ]>[ ]の順にクリックします。Bootpが有効になっているインタフェースがリストに表示されます。
[
]をクリックします。[
]の値を[Bootp]および[DHCP]に変更します。リレーエージェントを次のようにセットアップします。
スイッチで次の手順を実行します。
次のコマンドラインを使用して、クライアントVLANのDHCPを有効にします。
# config vlan1 ip
# dhcp enable
次のコマンドラインを使用して、DHCP要求をデバイスのサブネットからTFTPサーバに転送するようにIPヘルパを設定します。
# config ip dhcp-relay
# create 10.0.0.1 10.1.1.2 mode dhcp state enable
# create 10.0.0.1 196.10.229.2 mode dhcp state enable
createコマンドの書式は、create agent server mode dhcp state enableです。agentには、 PXEデバイスをサポートするゲートウェイのIPアドレス、serverには、DHCPフレームの転送先になるサーバのIPアドレスをそれぞれ指定します。
設定を保存します。
一部のネットワークデバイスでは、デバイスを通過するネットワークトラフィックをフィルタします。プレブートサービスでは、さまざまな種類のトラフィックを利用します。これらのトラフィックがすべて、プレブートサービスセッションが成功するために、ルータまたはスイッチを無事通過できるようにする必要があります。プレブートサービスセッションでは、次の宛先ポートを使用します。
表 2-5 プレブートサービスの宛先ポート
コンポーネント |
ポート |
---|---|
DHCPおよびプロキシDHCPサーバ |
UDPポート67、68、および4011 |
TFTPサーバ |
UDPポート69 |
novell-zmgprebootpolicy |
UDPポート13331 |
重要:スイッチがファイアウォールとして機能し、ネットワークのトラフィックタイプを制限している場合、novell-tftpおよびnovell-zmgprebootpolicyがファイアウォールまたはネットワークフィルタの影響を受けるので注意してください。これらのサービスまたはデーモンは、ファイアウォールを介して実行しないでください。プレブート操作をファイアウォールに通過させる必要がある場合、すべてのプレブートサービス作業がファイアウォールの外側にあり、ファイアウォールの内側のWebサービスだけを参照する必要があります。
一部のスイッチで使用できるSTP (スパンツリープロトコル)は、ネットワーク内のループを検出するように設計されています。デバイス(通常はネットワークハブまたはデバイス)がスイッチのポートに接続されると、スイッチはリンクがアクティブであるデバイスを指し示しますが、スイッチはポートからネットワークの他の部分にフレームを転送するのではなく、ループがないかどうか各フレームをチェックしてフレームをドロップします。スイッチのこのリッスン状態は15~45秒間続きます。
これは、PXEによって発行されたDHCP要求がスイッチによってドロップされ、プレブートサービスセッションが失敗する原因となります。
通常、スイッチのリンクライトでSTPの進捗状況を確認できます。デバイスが起動されていないときは、スイッチのリンクライトは当然点灯していません。デバイスが起動されるとリンクライトが黄色に変わり、時間が経つと普通の緑のインジケータに変わります。リンクライトが黄色の間は、STPが進行中です。
この問題は、Ethernetスイッチに直接接続されるPXEデバイスにのみ影響します。この問題を解決するには、次のいずれかを実行します。
スイッチ全体でSTPをオフにします。
PXEデバイスが接続されているネットワークスイッチのすべてのポートで、STPをPort Fastに設定します。
問題が解決すると、そのポートに接続するデバイスの起動後、ポートのリンクライトがほとんどすぐに緑に変わります。
STPおよびDHCPへの影響については、「Using PortFast and Other Commands to Fix End-Station Startup Connectivity Problems」を参照してください。
このセクションでは、プレブートサービスの管理および設定について説明します。
プレブートサービスでは、サービスまたはデーモンはスイッチを使用しません。その代わり、デフォルト以外の操作を行うようにサービスまたはデーモンを設定するには、設定ファイルを編集する必要があります。
設定ファイルは、サービスまたはデーモン起動時に読み込まれるサービスまたはだけなので、デーモンの実行中に編集できます。ファイルを編集したら、変更を有効にするために、サービスまたはデーモンを再起動する必要があります。
サービスまたはデーモン設定ファイルの詳細については、セクション E.8, イメージングサーバを参照してください。
次のセクションでは、次に示すZENworks イメージングサーバの設定方法について説明します。
TFTPサーバのデフォルトの設定値を変更する必要はほとんどありません。デフォルト値を変更する必要がある場合は、次の手順に従います。
次のファイルをエディタで開きます。
Windows: %ZENWORKS_HOME%\conf\preboot\novell-tftp.conf
Linux: /etc/opt/novell/novell-tftp.conf
ファイル内の指示に従って、設定を編集します。
変更内容を保存します。
コマンドラインで、次を入力します。
Windows: [サービス]ダイアログボックスで、[
]を右クリックして[ ]を選択します。Linux: /etc/init.d/novell-tftp restart
プロキシDHCPサーバは、PXEデバイスがプレブートサービスシステムに接続するために必要な情報をクライアントに提供します。
次の手順を使用して、novell-proxydhcpの設定を変更します。
次のファイルをエディタで開きます。
Windows: %ZENWORKS_HOME%\conf\preboot\novell-proxydhcp.conf
Linux: /etc/opt/novell/novell-proxydhcp.conf
ファイル内の指示に従って、設定を編集します。
変更内容を保存します。
コマンドラインで、次を入力します。
Windows: [サービス]ダイアログボックスで、[
]を右クリックして[ ]を選択します。Linux: /etc/init.d/novell-proxydhcp restart
設定ユーティリティの任意のIPアドレスフィールドを0.0.0.0に設定できます。サーバはこれらのエントリを、サーバに最初にインストールされたネットワークアダプタのIPアドレスに置き換えます。
novell-pbservは、イメージングサービスをデバイスに提供します。
次の手順を使用して、novell-pbservの設定を変更します。
次のファイルをエディタで開きます。
Windows: %ZENWORKS_HOME%\conf\preboot\novell-pbserv.conf
Linux: /etc/opt/novell/novell-pbserv.conf
ファイル内の指示に従って、設定を編集します。
変更内容を保存します。
コマンドラインで、次を入力します。
Windows: [サービス]ダイアログボックスで、[
]を右クリックして[ ]を選択します。Linux: /etc/init.d/novell-pbserv restart
novell-zmgprebootpolicyは、デバイスで実行する必要があるイメージングアクションがあるかどうかの確認に使用されます。このデーモンは、PXEデバイスの代わりにnovell-pbservに要求を転送します。
次の手順を使用して、novell-zmgprebootpolicyの設定を変更します。
次のファイルをエディタで開きます。
Windows: %ZENWORKS_HOME%\conf\preboot\novell-zmgprebootpolicy.conf
Linux: /etc/opt/novell/novell-zmgprebootpolicy.conf
ファイル内の指示に従って、設定を編集します。
変更内容を保存します。
コマンドラインで、次を入力します。
Windows: [サービス]ダイアログボックスで、[
]を右クリックして[ ]を選択します。Linux: /etc/init.d/novell-zmgprebootpolicy restart
プロキシDHCPおよびDHCPサーバを同じ物理サーバで実行する場合、DHCPサーバでは、DHCPタグにオプション60(10進数)が追加されている必要があります。このオプションは文字列タイプであり、PXEClientという文字列が含まれていることが必要です。
詳細については、プレブートサービス用のLAN環境の設定を参照してください。
このセクションでは、プレブートサービスで使用するネットワークポートについて説明します。このセクションの情報を使用すると、プレブートサービスによって生じるネットワークトラフィックを正しく転送するように、ルータを設定できます。ルータの設定方法の詳細については、セクション 2.4.2, ネットワーク環境でのプレブートサービスの展開を参照してください。
プレブートサービスでは、既知のIPポートと独自のIPポートの両方を使用します。
既知のIPポートは、次のとおりです。
67 (10進数): プロキシDHCPサーバは、PXEの情報要求に対してこのポートでリッスンします。これは、標準のDHCPサーバが使用するポートと同じポートです。
68 (10進数): DHCP/プロキシDHCPサーバは、このポートでクライアントの要求に応答します。これは、標準のDHCPサーバが使用するポートと同じポートです。
69 (10進数): TFTPサーバは、PXEデバイスからのファイル要求に対してこのポートでリッスンします。
4011 (10進数): DHCPサービスと同じサーバで実行している場合、プロキシDHCPサーバは、PXE情報要求をこのポートでリッスンします。
独自のIPポートは次のとおりです。
998 (10進数): Novell-pbservクライアント接続ポート。プレブートサービスデバイスからのすべての接続要求をこのポートで受信します。
13331 (10進数): Novell-zmgprebootpolicyクライアント接続ポート。PXEデバイスからのすべての接続要求をこのポートで受信します。
PXEデバイスは、上記のポートで、PXEデバイスが、novell-tftpおよびnovell-zmgprebootpolicyへの初期要求を行いますが、残りのトランザクションは使用可能な任意のポートで発生します。このため、イメージングサーバは、ファイアウォールによりクライアントと分けることはできません。
重要:novell-tftpおよびnovell-zmgprebootpolicyは、ファイアウォールまたはネットワークフィルタの影響を受けることがあります。これらのサービスまたはデーモンは、ファイアウォールを介して実行しないでください。プレブート操作をファイアウォールに通過させる必要がある場合、すべてのプレブートサービス作業がファイアウォールの外側にあり、ファイアウォールの内側のWebサービスだけを参照する必要があります。
PXEデバイスがブートプロセス中にNovellプレブートサービスメニューを表示できるかどうかは、ZENworksコントロールセンターのプレブートサービスの環境設定によって異なります。メニューには、次のオプションが含まれます。
メニューの使用方法の設定の詳細については、セクション 2.5.1, Novellプレブートサービスメニューオプションの設定を参照してください。
場合によっては、Novellプレブートサービスメニューのオプションを変更できます。これらのオプションをカスタマイズするには、イメージングサーバに含まれるテキストファイルを編集します。たとえば、次の処理が可能です。
メニューオプションを追加、削除、および変更する
サブメニュー項目を追加する
カラースキームを変更する
メニュータイトルおよび画面名を変更する
次の手順は、メニューをカスタマイズする各イメージングサーバで行ってください。
メニューを編集するには、次の手順に従います。
テキストエディタで、ZENworksプロキシDHCPサーバ(novell-proxydhcp)が実行されているイメージングサーバ上にある次のファイルを開きます。
Windows: %ZENWORKS_HOME%\share\tftp\pxemenu.txt
Linux: /srv/tftp/pxemenu.txt
重要:このメニューのデフォルトオプションを保存する場合、pxemenu_orig.txtなどpxemenu.txtのバックアップコピーを作成することをお勧めします。
デフォルトのメニューのpxemenu.txtファイルの内容を次に示します。
#This file describes a PXEMenu ScreenName = Novell Preboot Services Menu ScreenInfo = Version 2.0 July, 2007 MenuTitle = ZENworks Preboot Options FormatVersion = 2 #The screen colors determine the color of the main part of the menu screen ScreenColor = bright_white ScreenBackgroundColor = blue #The info colors determine the color of the screen information at the top #of the menu screen InfoColor = yellow InfoBackgroundColor = blue #The hint colors determine the color of the hint line at the bottom of the screen HintColor = lt_cyan HintBackgroundColor = blue #The menu colors determine the color of the menu box and menu title MenuColor = yellow MenuBackgroundColor = blue #The option colors determine the color of the menu option OptionColor = BRIGHT_WHITE OptionBackgroundColor = BLUE #The chosen colors determine the color of the high-lighted option ChosenColor = BRIGHT_WHITE ChosenBackgroundColor = RED #The 'forced option' is the option that will be automatically #executed without presenting a menu to the user. It MUST be an #option on the first ('Main' by default) menu. The following #example will force 'Start ZENworks Imaging Maintenance' #ForceOption=2 StartMenu = Main #Note: The original version of the pxemenu.txt file does not # require submenus, but example syntax is provided in # comments for demonstration purposes. [Main] MenuTitle = ZENworks Preboot Options option = execute ; "Start ZENworks Imaging" ; "ZENworks Imaging in Automated Mode" ; pxelinux.0 ; z_auto.cfg option = execute ; "Start ZENworks Imaging Maintenance" ; "ZENworks Imaging Linux Session in Interactive Mode" ; pxelinux.0 ; z_maint.cfg option = execute ; "Disable ZENworks Partition" ; "Disable Existing ZENworks partition" ;pxelinux.0 ; z_zpdis.cfg option = execute ; "Enable ZENworks Partition" ; "Re-enable Existing ZENworks partition" ;pxelinux.0 ; z_zpen.cfg #option = submenu ; "Sub Menu Options >>" ; "Submenu example with more options" ; SUBMenu option = exit ; "Exit" ; "Boot to local hard drive" #[SUBMenu] #MenuTitle = Sub Menu Options #option = execute ; "Sub Menu #1" ; "Description for sub menu #1" ; # pxelinux.0 ; submenu1.cfg #option = execute ; "Sub Menu #2" ; "Description for sub menu #2" ; # pxelinux.0 ; submenu2.cfg #option = return ; "Return" ; "Return to main menu" #option = exit ; "Exit" ; "Boot to local hard drive"
メニューの外観を変更するには、最初の7つのセクション(タイトルと色)を編集します。
色を変更するには、入力する設定を次から選択する必要があります。
メニューオプションを変更するには、[Main]にあるセクションを編集します。
メニューオプション、ヒントの説明、pxelinux.0実行可能ファイル、および設定ファイル(.cfg)は、 option =の行に記述されています。
終了したら、pxemenu.txtファイルを保存します。