Novell GroupWiseやMicrosoft Officeなどの複雑なアプリケーションでは、多くのファイルをワークステーションにインストールし、ワークステーションの多くの環境設定を変更する必要があります。
アプリケーションのファイルをネットワークディレクトリにコピーするのは、(単純なアプリケーションの場合と同じように)簡単にできるかもしれませんが、アプリケーションオブジェクトを設定して、アプリケーションファイルをインストールするワークステーション上のターゲットディレクトリを指定するには多くの時間がかかります。正しい情報を使用してアプリケーションオブジェクトを設定するために変更する必要のあるワークステーション設定(レジストリ設定、INI設定など)を見つけるには、さらに多くの時間がかかります。
Microsoft Officeなどの一部のアプリケーションでは、アプリケーションをワークステーションにインストールするためにWindows Installerが必要とするファイルと環境設定を含むMSI (Microsft Windows Installer)パッケージが用意されています。Application Launcherは、MSIパッケージの使用による、これらのアプリケーションの配布をサポートしています。MSIパッケージは、Application Launcherがアクセスできるネットワークサーバ(NetWareまたはWindows)上に置く必要があります。
MSI (Windows Installer)パッケージが用意されていないNovell GroupWiseなどのアプリケーションの場合には、ZENworks snAppShotTMユーティリティを使用して、配布するファイルと環境設定を含むsnAppShotパッケージを作成することができます。Windows Installerパッケージと同じように、snAppShotパッケージは、Application Launcherがアクセス可能なNetWareまたはWindowsサーバ上に置く必要があります。
次の節では、Windows InstallerパッケージおよびsnAppShotパッケージを理解し、作成するのに役立つ情報について説明します。
ZENworks 6.5には、作成されたWindows InstallerおよびsnAppShotパッケージを管理できるInstallShield AdminStudio ZENworks Editionが含まれます。AdminStudio ZENworks Editionの使用の詳細については、高度な配布:AOT/AXTおよびMSIアプリケーションパッケージの管理を参照してください。
Microsoft Windows Installerは、Windows 2000およびWindows XPオペレーティングシステムの一部として同梱されているインストールおよび設定サービスで、Windows 98ではサービスパックとして提供されています。Microsoft Office 2000などの多くのアプリケーションが、Windows Installerを使用してインストールできるように設計されています。
Microsoft Windows Installerは.msiファイルとさまざまなサポートファイルで構成されたファイルパッケージから、アプリケーションをワークステーションにインストールします。MSIアプリケーションを配布すると、Application LauncherはWindows Installerを呼び出して、ワークステーションへのインストールを実行します。
Application LauncherによってMSIアプリケーションを配布すると、Windows Installerによるインストールの利点(オンデマンドインストール、変換、ソースの復元など)を利用しながら、アプリケーションにアクセスするユーザを制御できます。
Windows Installerパッケージを使用するには
管理オプションを使用してアプリケーションのセットアッププログラムを実行し、NetWareまたはWindowsサーバ上にパッケージを展開します。詳細については、アプリケーションのインストールマニュアルを参照してください。
または
アプリケーションが設定済みのパッケージを含んでいる場合は、パッケージ(.msiファイルとサポートファイル)をNetWareまたはWindowsサーバにコピーします。
正しく配布するためには、ファイルパッケージの置かれたNetWareまたはWindowsサーバがApplication Launcherで使用可能である必要があります。Application Launcherがネットワークリソースにアクセスするための要件について詳細は、Novell Application Launcher:認証とファイルシステムへのアクセス権の管理を参照してください。
ZENworks 6.5には、Windows Installerパッケージを管理できるAdminStudio ZENworks Edition が含まれます。たとえば、使用している特定の環境のパッケージをカスタマイズしたり、同じベースパッケージを使用して複数のカスタマイズを作成したりすることもできます。また、AdminStudio ZENworks Editionを使用して、さまざまなソース場所にパッケージを展開したり、ネットワークサーバに管理インストールを作成したりできます。
AdminStudio ZENworks Editionの使用の詳細については、高度な配布:AOT/AXTおよびMSIアプリケーションパッケージの管理を参照してください。
ZENworks snAppShotユーティリティは、Microsoft Windows Installerパッケージ(.msiファイル)がない複雑なアプリケーションのファイルパッケージとアプリケーションオブジェクトを作成するプロセスを自動化します。
snAppShotは、アプリケーションがインストールされていないワークステーションで実行します。snAppShotは、アプリケーションのインストール前と後にワークステーションの状態(ファイルおよび環境設定)を記録します。この情報を使用して、アプリケーションのファイルパッケージ(.filファイル)とアプリケーションオブジェクトのテンプレートファイル(.aotファイルまたは.axtファイル)を作成します。
AOTには、ファイルのコピー先になるワークステーション上の場所と変更が必要なワークステーションの設定に関する情報が含まれています。eDirectoryでアプリケーションオブジェクトを作成すると、AOTの情報は自動的にアプリケーションオブジェクトに転送されるので、手動でこの情報を定義する必要はありません。Application Launcherは、アプリケーションをワークステーションに配布するときに、アクセスできるNetWareまたはWindowsサーバにある.filファイルと、アプリケーションオブジェクトに保存されている環境設定情報(レジストリの変更、INIファイルの変更など)を使用します。
snAppShotを使用してファイルパッケージとアプリケーションオブジェクトのテンプレートファイルを作成するには
「クリーンな」ワークステーションをセットアップします。
アプリケーションがインストールされていないワークステーションを使用する必要があります。
snAppShot (snapshot.exe)を、ZENworks Server上のsys:\public\snapshotディレクトリから実行します。
画面の指示に従って、パッケージを作成します。snAppShotの詳細については、リファレンス:snAppShotを参照してください。
snAppShotパッケージ(.filファイルおよび.aot/.axtファイル)を作成するNetWareまたはWindowsサーバがApplication Launcherで使用可能であることを確認します。Application Launcherがネットワークリソースにアクセスするための要件について詳細は、Novell Application Launcher:認証とファイルシステムへのアクセス権の管理を参照してください。
ZENworks 6.5にはAdminStudio ZENworks Editionが含まれます。AdminStudio ZENworks Editionを使用して、snAppShotパッケージをWindows Installerパッケージに変換し、変換したWindows Installerパッケージを管理できます。
AdminStudio ZENworks Editionの使用の詳細については、高度な配布:AOT/AXTおよびMSIアプリケーションパッケージの管理を参照してください。