アラーム管理システムは、ネットワークの状態やイベントを警告します。この情報を使用、配布、および管理するツールとバックエンドサービスが用意されています。アラーム管理システムコンポーネントは、その他のNovell ZENworks Server Managementコンポーネントと完全に統合されています。役割ベースサービス(Role-based Services)コンポーネントによるアクセス制御と、レポート機能によるレポート生成が提供されています。ネットワーク全体のデバイスとシステムによって生成されるイベントとアラームの処理と表示を一元管理できます。
Novell ConsoleOneで、アラーム管理システムが受信したアクティブアラームと過去のアラームの統計データを表形式で表示できます。これにより、アラームを簡単に扱えるようになり、ネットワークイベントと繰り返し発生するアラームの状態を追跡することもできます。ネットワークで発生したアラームは、次のものによってリアルタイムに通知されます。
アラームの受信時にプログラムを自動で起動したり、イベントをリモートユーザに通知する電子メールメッセージを送信したりするアクションを割り当てることもできます。
アラーム管理システムは、アラームの処理、保存、および表示用の複数のコンポーネントで構成されています。アラーム管理システムが受信するすべてのアラームは、処理されてから、アラームに割り当てられているアプリケーションに送信されます。デフォルトでは、ConsoleOneがアラーム管理システムに割り当てられ、アラームの処理時に更新を受信します。HSN (Hierarchical Status Notification)もアラーム管理システムに割り当てられ、アトラスマップアイコンの色を状況に応じて変更します。
次の図は、アラーム管理システムコンポーネントを示しています。
アラーム管理システムを構成する主なコンポーネントを次に示します。
SNMP Trap Forwarderは、トラップの受信後にAlarm Manager Databaseを調べて、そのトラップにSNMPトラップ転送処理があるかどうかを判断します。トラップに転送処理がある場合、SNMP Trap Forwarderはトラップを転送します。それ以外の場合、SNMP Trap Forwarderはトラップを無視します。
Alarm injectorは、SNMP Trap Injectorおよびその他のアプリケーションからアラームを受信して、Inbound Processorにアラームを渡します。
アラームプロセッサでは、アラームの受信、アーカイブ作成、およびSubscriberへの送信のためのプロセスが実行されます。Inbound Processorは、受信したアラームにアラームテンプレートを適用します。Inbound Processorの処理が終了すると、アラームはArchive Processorに送信されます。ここで、処理済みのアラームのログが作成され、Alarm Manager Databaseに格納されます。Archive ProcessorはアラームをOutbound Processorに送信し、ここからアラームがサブスクリプションサーバと処理サーバに順に送信されます。
Alarm Manager Databaseには、アラーム情報のリポジトリとして、次のものが格納されます。
Alarm Manager Databaseに格納された処理済みのアラームデータは、Alarm Query Serverを通じてNovell ConsoleOneに供給されます。アラームデータは、アラーム、およびアラーム概要表示とレポート生成に使用されます。
テンプレートは、Inbound Processorが受信した各アラームに適用されます。アラームテンプレートは、MIBのSNMPトラップ定義、またはアラーム管理システムの管理基準および表示基準を処理するその他の独自の定義に基づいています。MIBをコンパイルすると、トラップ定義が使用され、アラームデータの表示方法と管理方法を提供するアラームテンプレートが作成されます。独自のアラームテンプレートは、独自の定義に基づいています。たとえば、ユーザが不正なパスワードでサーバにログインしようとすると、アラームが生成され、管理サーバに転送されます。管理サーバは、アラームを処理してトラップOID (オブジェクト識別子)を識別し、関連付けるアラームテンプレートを割り当てます。
デフォルトテンプレートは、OIDが認識されず、未定義のデバイスとして分類されたデバイスが送信するSNMPトラップに割り当てられています。トラップOIDがアラーム管理システムに認識されるようにするには、管理サーバでデバイスのMIBをMIB Poolにコンパイルする必要があります。詳細については、『Novell ZENworks 6.5 Server Managementインストールガイド』の「Management and Monitoring Servicesのインストール」を参照してください。
次の3つのアーカイバがAlarm Manager Databaseにデータを追加します。
Alarm Archiverは、アラーム統計とデータをアラームデータベースに格納します。デフォルトでは、すべてのアラームがアーカイブされます。アラームをアーカイブしない場合は、アラーム処理を編集してアラームのアーカイブ作成を無効にできます。詳細については、アラーム統計のアーカイブ作成を参照してください。
Novell ConsoleOneでは、[Active Alarm]ビュー、[Historical Alarm]ビュー、および[Alarm Summary]ビューの3つのビューでアラームデータを表示できます。
[Active Alarm]ビューには、ネットワークで発生したイベントの統計が表示されます。[Active Alarm]ビューに表示されるアラームは、ユーザを所有者にすることも、グループに割り当てることもできます。このビューからアラームに実行できるタスクは、役割ベースサービスで許可されているアクセス権によって異なります。[Active Alarm]ビューでは、受信したアラームがリストに継続して追加されるため、常に最新のアラームが表示されます。アラームは処理されると、[Active Alarm]リストから削除されます。
[Alarm History]ビューには、アラームの割り当てと所有権に関する情報が表示されます。このビューを使用すると、アラーム管理システムが受信したアラームを追跡し、処理ステータスを確認できます。
[Alarm Summary]ビューは、受信したすべてのアラームをグラフ形式で表示します。