MIBの設定とMIBツールのセットアップ

この節では、MIBの設定手順について説明するほか、個別のノードに対してSNMP処理用のコミュニティ文字列をセットアップする手順について説明します。これらの手順を完了したら、MIBツールを使ってSNMP処理を実行できます。

この節では、次のトピックについて説明します。


Novell ZENworks Server Managementと統合するためのサードパーティMIBの注釈付け

SNMPトラップ(アラーム)が定義されたMIBをコンパイルすると、こうしたトラップに関する情報がNovell ZENworks Server Managementアラームデータベースに追加されます。この情報は、Novell ConsoleOneで表示することができます。

Novell ConsoleOneに詳しいアラーム情報を表示できるよう、すべてのNovell MIBには注釈が付けられます。このアラーム情報には、アラーム、アラームの重要度、および影響を受けるノードの状態を示す概要が含まれます。サードパーティMIBファイルの場合、同じ情報が含まれるとは限りません。したがって、Novell ConsoleOneに表示されるサードパーティMIBのトラップ情報が、Novell MIBの場合と比べて見劣りすることがあります。

サードパーティMIBファイルに注釈を追加してトラップを定義することにより、そのままの状態でMIBをコンパイルした場合に比べて、より多くのアラーム情報をNovell ZENworks Server Managementに表示することができます。サードパーティMIBの注釈はすべて、トラップ定義へのコメントとして追加されます。この処理により、こうしたMIBを依然としてサードパーティMIBコンパイラを使ってコンパイルすることができます。

サードパーティMIBのトラップに注釈を付けない場合、Novell ZENworks Server Managementはアラームを表示します。MIB Compilerは、見あたらない注釈について、ステータスディスプレイに警告を表示します。

サードパーティMIBに注釈を追加するには

  1. テキストエディタでMIBを開きます。

  2. トラップ注釈のキーワードで示されるいずれかの注釈を、次のルールに従って追加します。

    • 注釈は、DESCRIPTION句と"::="句の間にのみ入力します。
    • 各注釈が個別の行になるよう設定する必要があります。
    • 注釈は、トラップ注釈のキーワードに示される順序で設定する必要があります。
    • 各注釈をコメントとして埋め込みます。各注釈の先頭には、2つのハイフンの後にシャープマーク(#)を付けます。

      例: --#Type "type_description"

      完全な例については、トラップ定義の例を参照してください。

  3. トラップ定義に対する注釈の追加を完了したら、変更を保存して、テキストファイルを閉じます。

    SNMP対応ノードのMIBのコンパイルで示されているとおり、MIBをコンパイルします。

Novell ConsoleOneアラーム処理テーブルを使用して、SNMP MIBのデフォルト値からアラームの重要度レベルおよびアラームの状態に関する値を表示します。MIBのコンパイル後にアラームの重要度レベルまたは状態に関する値を変更した場合、これらの変更を有効にするにはMIBを再コンパイルして、アラーム処理テーブルで実行した変更を上書きする必要があります。


SNMP対応ノードのMIBのコンパイル

MIB Compilerを使用すると、MIB Server Poolの管理に加えて、MIB Server Poolに含まれるMIBファイルのコンパイルを実行することができます。コンパイルされたファイルの情報は、Novell ZENworks Server Managementサーバのデータベースに保存されます。このデータベースはMIB BrowserとSNMPプロトコルデコーダによって使用されます。

MIB Compilerは、Novell ZENworks Server Managementのアラーム管理システムが使用できるよう、トラップの定義をアラームテンプレートデータベースに追加したり、更新したりすることもできます。

MIB Server Poolには、MIBファイルの一覧が含まれています。MIBファイルをMIB Server Poolに追加したり、MIB Server Poolから削除したりすることができます。

MIBをコンパイルするには

  1. Novell ConsoleOneで、Novell ZENworks Server Managementサーバノードをクリックします。

  2. ノードを右クリックし、[Properties]、[MIB Pool]タブの順にクリックします。

    最新のMIB Poolには、データベース内に存在するコンパイル済みMIBファイルの一覧が示されます。

  3. オプションを選択します。

    • MIBを追加するには、[Add]をクリックして.MIBファイルを特定し、[MIB Pool]リストに.MIBファイルを追加します。

      追加されたMIBは、隣のリストボックスに表示されます。

      MIBを追加する際、そのトラップ情報を統合するか、除外するかをMIBのコンパイル中に選択します。トラップをMIBに統合しない場合、MIBのコンパイルが完了した時点でMIB情報だけがデータベースに保存されます。トラップ情報をMIBに統合するには、[Advanced]をクリックして[Trap Integration]チェックボックスを選択します。

    • [MIB Pool]リストからファイルを削除するには、リストのMIBを選択して、[Remove]をクリックします。
    • ASN.1構文に厳格に準拠していないMIBをコンパイルするには、[Advanced]をクリックして、[ASN.1 Syntax Relaxation]オプションを選択します。
  4. [Compile]をクリックします。

    MIB Compilerは、[MIB Pool]リスト内の.MIB拡張子を持つすべてのファイルをコンパイルして、データベースを更新します。コンパイルプロセスは、[Results]ダイアログボックスを起動することにより開始されます。このダイアログボックスには、コンパイルに成功したMIB、コンパイルされなかったMIBと対応するエラーメッセージ、MIBコンパイル情報によるデータベース更新のステータス、アラームデータベース更新のステータスなど、MIBに関するステータス情報が表示されます。

    重要:  コンパイル中に[Results]ダイアログボックスを閉じることはできません。コンパイル中は、[Results]ダイアログボックスの[Close]ボタンを使用することができません。このダイアログボックスは、コンパイルが成功するか、失敗しないと閉じることができません。

  5. [Close]をクリックします。

重要:  SNMP MIBが正しく設定されていない場合、インポートされたRFC(Request for Comments)がMIBのコンパイル中に利用できない場合、または他の.MIBファイルが利用できない場合、[MIB Compiler]ウィンドウにエラーメッセージが表示されます。必要なRFCまたは依存するMIBを追加してからコンパイルを実行します。