次の節を参照してください。
Distributionを作成する場合、それを必要とする適切なSubscriberサーバに向けて、適切な時間に配布する必要があります(Distributionを作成するにはDistributionオブジェクトを作成して設定します)。そのためには、配布プロセスをスケジュール設定する必要があります。
配布プロセスの基本的な流れは次のとおりです。
この配布プロセスにスケジュール設定が必要な理由は、次のとおりです。
配布プロセスの統制: Distributionを適切な時間に配布して使用するために、あるプロセスから別のプロセスへのDistributionの流れを統制する必要があります。
スケジュール設定が競合すると、Distributionがプロセスを通過しないか、配布と使用が遅れる場合があります。
ネットワークトラフィックの最小化: スケジュール設定により、ネットワーク帯域幅の使用を柔軟に制御できます。たとえば、ネットワークのトラフィックが最も少ないときに大きなDistributionを送信するようにスケジュールを設定できます。
サーバの負荷の軽減: スケジュール設定により、Distributionの構築、送信、および抽出に伴う関連サーバの負荷を軽減できます。たとえば、大きなDistributionの構築と抽出をピーク時や週末を避けてスケジュール設定することができます。
スケジュール設定はDistributionによって使用されるネットワークリソース全体には影響しません。リソースの使用時期だけに影響します。
一部のポリシーは、スケジュール設定をした後で適用する必要があります。
ポリシーを有効にしてもスケジュール設定をしないと、デフォルトパッケージスケジュールに現在指定されているスケジュールに従って実行されます。デフォルトパッケージスケジュールは、ポリシーのデフォルトスケジュールを提供します。デフォルトスケジュールは、システム起動時に実行されます。
複数の異なるサーバポリシーで同じスケジュールを使用すると、ポリシーの適用順序が保証されません。ポリシーの適用順序を確保するには、ポリシーのスケジュールに時間差が必要です。
ポリシーのスケジュール設定の詳細については、スケジュール設定とサーバポリシーを参照してください。
ポリシーの詳細については、Server Policies (サーバポリシー)を参照してください。
ポリシーは現地時間に従ってスケジュール設定されます。Tiered Electronic Distributionオブジェクトは、グリニッジ標準時(GMT)からのオフセットに従ってスケジュール設定されます。
サーバポリシーの例: ユタ州に居住していてポリシーをユタ時間の午後5時に実行するように設定すると、ユタ州に存在するサーバに対してユタ時間の午後5時にポリシーが実行されます。カリフォルニア州では、カリフォルニア時間の午後5時にポリシーが実行されます。つまり、ポリシーの実行時間を午後5時に設定すると、サーバの場所に関係なしに現地時間の午後5時にポリシーが実行されます。
Tiered Electronic Distributionの例: ユタ州に居住していてTiered Electronic Distributionオブジェクトのスケジュールを夏時間の午後5時に設定すると、ユタ時間の午後5時にポリシーが実行されます。カリフォルニア州では、州内のサーバに対してカリフォルニア時間の午後4時(ユタ時間の午後5時)にポリシーが実行されます。つまり、Tiered Electronic DistributionのスケジュールはGMTのオフセットに相対的となり、Tiered Electronic Distributionのスケジュールは世界中で同時に実行されます。
Distributionに利用できる日中の時間帯として、スケジュールのアクションを実行する開始時刻と終了時刻を定義することができます。通常、配布スケジュールはピーク時を避けて設定します。一部のネットワークでは、スケジュールを設定できる時間帯が狭く限られる場合があります。ピーク時を避けた時間は、ネットワークの他のシステムによる処理(バックアップなど)に使用される場合もあります。
配布に利用できる時間帯が制限される場合があるため、使用するリソースに関係なしに、いかに配布時間を短縮できるかが重要な条件になります。時間とリソースの最善の関係を確認するために多少の試行錯誤が必要になる場合があります。
[Schedule]タブで、(SLPのプロパティパッケージの)Tiered Electronic Distributionポリシーに対してスケジュールを設定すると、このスケジュールがポリシー適用先のすべてのDistributorおよびSubscriberのデフォルトになります。ただし、ConsoleOneでTiered Electronic Distributionオブジェクトに個別にスケジュールを設定した場合を除きます。つまり、DistributorおよびSubscriberのスケジュールを個別に変更すると、その変更は自動的にTiered Electronic Distributionポリシーのスケジュールよりも優先されます。
DistributorのスケジュールとSubscriberのスケジュールは異なります。Distributorの更新スケジュールとSubscriberの抽出スケジュールには異なる[Schedule]タブが用意されています。
デフォルトでは、Tiered Electronic Distributionポリシーにスケジュールを設定すると、すべてのDistributorおよびSubscriberに対して[General]タブと[Schedule]タブの両方に[Use Policy]チェックボックスが表示されます。さらに、スケジュールを変更していないDistributorオブジェクトおよびSubscriberオブジェクトに対しては、このチェックボックスが自動的に選択されます。スケジュールを変更したオブジェクトに対しては、このボックスが選択解除されます。
特定のDistributorオブジェクトまたはSubscriberオブジェクトのプロパティで[Use Policy]チェックボックスを選択解除すると、そのオブジェクトに対するTiered Electronic Distributionポリシーのデフォルトスケジュールを無効にすることができます。デフォルトスケジュールの変わりに個別のスケジュールを使用する場合は、オブジェクトのプロパティで新しいスケジュールを定義します。
DistributorまたはSubscriberの個別のスケジュールを無効にする場合は、オブジェクトのプロパティで[Use Policy]チェックボックスを選択します。そのDistributorまたはSubscriberに対して、Tiered Electronic Distributionポリシーのスケジュールが適用されます。
Tiered Electronic Distributionポリシーの作成、設定、およびスケジュール設定の方法については、Tiered Electronic Distributionを参照してください。