機密情報の処理

Identity Managerパスワード同期は、ユーザパスワードを簡素化し、ヘルプデスクのコストを削減できるように提供されています。その新機能の1つが双方向パスワード同期です。これにより、パスワード同期の実装のシナリオで説明されているように、eDirectoryと接続システムの間で、複数の方法でパスワードを共有できます。

接続システム間で情報を交換する場合は、交換のセキュリティを確保するために、予防措置をとる必要があります。特にパスワードにはセキュリティが必要です。

Identity Managerとパスワード同期を使用するための計画の一部として、次のセキュリティ上の推奨事項を確認することをお勧めします。


SSLの使用

SSLが使用できる場合は、すべての転送に対して有効にする必要があります。SSLは、DirXMLエンジンとリモートローダ(セキュリティで保護されたデータ転送の提供を参照)の間、DirXMLエンジンまたはリモートローダと接続システムの間で有効にする必要があります。

SSLを有効にしないと、パスワードなどの情報をクリアテキスト形式で送信することになります。


セキュリティで保護されたeDirectoryおよびIdentity Managerオブジェクトへのアクセス

物理的なセキュリティ - Novell eDirectoryがインストールされた物理的なサーバがある場所へのアクセスを保護します。

アクセス権 - Identity Managerオブジェクトの作成およびドライバの設定には、管理者権限が必要です。次を作成または変更する権限を持つユーザを監視および制御します。


パスワード管理機能のセキュリティ上の考慮事項の確認


強力なPassword Policy (パスワードポリシー)の作成

ユニバーサルパスワードとPassword Policy (パスワードポリシー)を使用することで、ユーザに対して強いパスワード要件を適用できます。[Password Policy]の[Advanced Password Rule]を使用して、パスワードに関する業界のベストプラクティスに従ってください。

たとえば、ユーザパスワードが次のようなルールに準拠するように要求できます。

ツリーの場所によってパスワード要件が異なる場合は、複数のPassword Policy (パスワードポリシー)を作成できます。Password Policy (パスワードポリシー)は、ツリー全体、パーティションルートコンテナ、コンテナ、または個々のユーザに割り当てることができます(管理を簡素化するために、Password Policy (パスワードポリシー)は、ツリーのできるだけ上位のレベルに割り当てることをお勧めします)。

さらに、不正侵入者ロックアウトも選択できます。通常どおり、eDirectoryのこの機能では、ログインに何回失敗したらアカウントをロックするかを指定できます。これは[Password Policy]の設定ではなく、親コンテナの設定です。『Novell eDirectory 8.7.3管理ガイド』の「ユーザアカウントの管理」を参照してください。


パスワード同期に参加する接続システムのセキュリティ保護

データを同期する先の接続システムは、そのデータを危険な方法で保存または転送することがあります。

パスワードを交換するシステムは、セキュリティで保護してください。たとえば、LDAP、NIS、およびWinsowsには、それぞれセキュリティの問題があり、これらのシステムとのパスワード同期を有効にする前に、これらの問題を考慮する必要があります。

多くのソフトウェアベンダは、製品について従う必要のある具体的なセキュリティガイドラインを提供しています。


セキュリティの業界ベストプラクティスへの準拠

サーバ上の未使用ポートをブロックするなど、セキュリティ対策に関する業界ベストプラクティスに従っていることを確認します。


Nsure Auditを使用した機密情報の変更の追跡

Nsure Auditを使用すると、セキュリティにとって重要と思われるイベントのログを記録できます。Nsure Auditの詳細については、Nsure Auditによるログとレポートを参照してください。

たとえば、特定のDirXMLドライバ(またはドライバセット)のパスワードの変更のログを記録するには、次の手順を実行します。

  1. ドライバ(またはドライバセット)のプロパティの[DirXML]タブで、[Log Level]をクリックします。


    ドライバのプロパティのページの[Log Level]タブ
  2. [Log Level]ページが表示されたら、[Log Specific Events]をクリックします。

    これは、ドライバに対して独自の設定を行うか、ドライバセットの設定を使用するかを指定するページです。


    [Log Level]ページ
  3. 具体的なイベントを選択するには、[log events]アイコンlog events iconをクリックします。

  4. [Events]ページが表示されたら、次のチェックボックスをオンにします。

    • [Operation Events]で、[Change Password]チェックボックスをオンにします。この項目は、NDSのパスワードの直接の変更を監視します。
    • [Transformation Events]で、[Password Set]および[Password Sync]の両方のチェックボックスをオンにします。これら2つの項目は、ユニバーサルパスワードおよび配布パスワードのイベントを監視します。

    [Events]ページでオンにするチェックボックス
  5. [Events]ページおよび[Log Level]ページの[OK]をクリックします。