[ツリーの結合]オプションを使用すると、単一サーバソースツリーのTreeオブジェクトを、ターゲットツリーにある指定のコンテナに結合できます。結合が完了すると、ソースツリーのツリー名は、ターゲットツリーのツリー名になります。
結合操作中に、DSMergeによってソースツリーのTreeオブジェクトのオブジェクトクラスがドメインに変更され、新しいパーティションを作成します。新しいドメインオブジェクトは、新しいパーティションのパーティションルートになります。ソースツリーのTreeオブジェクトの下位オブジェクトはすべて、ドメインオブジェクトの下に置かれます。
ターゲットツリーの管理者は、作成されたツリーのルートコンテナの権利を持つため、ソースツリーの結合されたルートの権利を持つことになります。
注: 権利継承が再計算されて有効になるには、数時間かかる可能性があります。この時間は、ツリーの複雑さ、サイズ、パーティション数によって変化します。
ソースツリーの管理者は、新しく作成されたドメインオブジェクト内でのみ権利を所有します。
図 35と図 36に、ツリーを特定のコンテナに結合した場合の変化を示します。
図 35このセクションでは、次の情報について説明します。
ソースツリーをターゲットツリーのコンテナに結合すると、ソースツリー内にあるオブジェクトの識別名の後ろに、ソースツリー名と、ソースツリーをマージしたターゲットツリーコンテナの識別名がこの順で追加されます。相対識別名は変わりません。
たとえば、区切り文字としてドットを使用している場合、ソースツリーPreconfigured_tree内にあるオブジェクトAdminのタイプ付きの名前は次のようになります。
CN=Admin.OU=IS.T=Preconfigured_tree
Preconfigured_treeをOak_treeのNew Devicesコンテナにマージした後は、Adminのタイプ付きの名前は次のようになります。
CN=Admin.OU=IS.DC=Preconfigured_tree.OU=Newdevices.
OU=Engineering.O=Sanjose.T=Oak_tree.
注: 識別名の最大長は256文字です。この制限は、1つのツリーのルートをターゲットツリーの下端近くにあるコンテナに結合する場合に特に重要です。
Oak_treeの後にある最後のドット(Oak_tree.)は、この識別名を構成する最後の要素がツリー名であることを示しています。このドットを省略する場合は、ツリー名も省略します。
結合操作を開始する前に、その結合操作の影響を受けるすべてのサーバが安定した状態であることを確認する必要があります。次の表では、結合前のソースツリーとターゲットツリーの準備に関する前提条件について説明します。
前提条件 | 必要な措置 |
---|---|
ソースツリーまたはターゲットツリーのツリーパーティションのレプリカを保持しているすべてのサーバ上でWANMANがオフになっている。 |
WANMANポリシーを調べて、WAN通信の制約によるマージ操作への支障がないことを確認します。必要があれば、マージ操作を開始する前にWANMANをオフにします。 |
ソースツリー内のサーバが1つである。 |
ソースツリーから、1つだけ残してすべてのサーバを削除します。 |
ソースツリーのツリーオブジェクトに別名またはリーフオブジェクトが存在しない。 |
ソースツリーのTreeオブジェクトに存在する別名またはリーフオブジェクトを削除します。 |
結合コンテナ内に同じ名前がない。 |
同じ名前がある場合は、ターゲットツリーの結合コンテナ内のオブジェクトまたはソースツリー内のオブジェクト名を変更します。 オブジェクト名を変更したくない場合は、コンテナの1つから同じツリー内の別のコンテナにオブジェクトを移動し、空になったコンテナをDSMerge実行前に削除します。詳細については、「オブジェクトの管理」を参照してください。 同じペアレントオブジェクトの直下でないコンテナオブジェクトの場合は、両ツリーに同じコンテナオブジェクトがあってもかまいません。オブジェクトは、直接のコンテナオブジェクトによって識別されます。 |
ソースツリーおよびターゲットツリーのeDirectoryバージョンが8.51 SP2a以降である。 |
DSMergeは、eDirectoryの適切なバージョンを検索します。許容できるバージョンが検出されない場合、DSMergeはエラーを返します。eDirectoryの最新バージョンは、Novell Downloadページから取得できます。 |
ターゲットツリーを結合するコンテナがレプリカを持たないパーティション(単一サーバパーティション)にある。 |
ターゲットコンテナに複数のレプリカがある場合は、次のうち1つを実行します。
結合が完了した後は、パーティションの関連付けを再構築できます。 |
ターゲットコンテナを保持するサーバがルートパーティションのレプリカも保持している。 |
サーバがルートのレプリカを保持していない場合、ディレクトリはターゲットツリーの管理権を確認できないので、結合は失敗し、エラー「-672 アクセス権なし」が表示されます。 iManagerを使用してルートのレプリカを追加します。詳細については、「レプリカを追加する」を参照してください。 |
ソースツリーおよびターゲットツリーのスキーマが同じである。 |
DSMergeで[結合]オプションを実行します。出力されるレポートからスキーマに問題があることがわかった場合は、ターゲットツリー上でDSRepairを実行してソースツリーからスキーマをインポートします。 結合操作によって、自動的にスキーマがターゲットツリーからソースツリーにインポートされます。 DSMergeを再実行します。 |
単一のツリーだけが、ツリーのルートの下位にセキュリティコンテナを保持できる。 |
ソースツリーおよびターゲットツリーの両方がセキュリティコンテナを保持している場合、NMASの注意事項で説明されている手順に従って、一方のコンテナを削除します。 |
ソースツリーのタイムリファレンスが再設定されている。 |
ソースツリーは、ターゲットツリーのサーバからタイムソースを取得するように、セカンダリサーバとして設定される必要があります。 Timesyncを再設定するには、『Network Time Management管理ガイド』の「Configuring Timesync on Servers」を参照してください。 |
ソースツリーをターゲットツリーのコンテナに結合するには、ターゲットツリーのコンテナでソースツリーの受け入れ準備を整えておく必要があります。ターゲットツリーのコンテナは、クラスドメインのオブジェクトを包含できなければなりません。包含に問題があると、結合操作中に「-611 不正な包含ルールです」というエラーが発生します。
次の表の情報を使用して、DSRepairを実行して包含リストを変更する必要があるかどうかを判断します。
包含要件が満たされていない場合は、DSRepairを実行してスキーマを修正します。
前提条件を満たしていることを確認し、DSMergeを使用して結合を実行します。
Novell iManagerで、[役割およびタスク]ボタンをクリックします。
[eDirectoryの保守]>[ツリーの結合]の順にクリックします。
ソースツリーとして結合を実行するサーバを指定し、[次へ]をクリックします。
サーバへの認証を行ってから、[次へ]をクリックします。
ソースツリーの管理者名とパスワード、ターゲットツリー名、およびターゲットツリーの管理者名とパスワードを指定します。
[開始]をクリックします。
ツリーの結合ウィザードのステータスウィンドウが表示され、結合の進行状況が表示されます。結合処理から戻された情報とともに、最後に「完了」メッセージが最後に表示されます。
[閉じる]をクリックして終了します。