NetWare上でのSLPのセットアップ

このセクションでは、NetWareサーバ上でSLPをセットアップする方法について説明します。


NetWare SLP Directory Agentをインストールする

NetWareにSLPを実装するソフトウェアは、サーバのインストール時にサーバにインストールされます。

SLPをセットアップするには、次を実行します。

  1. サーバコンソールで、「LOAD SLPDA」と入力します。

    プログラムはeDirectoryからSLPディレクトリエージェントを探します。エージェントが見つからないと、プログラムは、SLPディレクトリエージェントが設定されていないことを通知します。

  2. <Enter>を押し、デフォルトの環境設定を有効にします。

    スキーマが拡張され、server_name_SLPDAという名前のディレクトリエージェントオブジェクトとSLP_SCOPEという名前のスコープユニットが作成され、リンクされます。eDirectoryにより自分でSLPオブジェクトを作成する場合を除いて、この方法を推奨します。

    ConsoleOneを使用して、ディレクトリエージェントオブジェクト用に設定を調整します。


NetWare Directory Agentを手動でセットアップする

ConsoleOneを使用してSLPを設定するには、次を実行します。

  1. ConsoleOneを起動します。

  2. SLPDAの格納場所にするコンテナを選択します。

  3. [オブジェクト]>[作成]>[SLPディレクトリエージェント]>[OK]の順にクリックします。

  4. ディレクトリエージェントオブジェクト名を入力し、[作成後に詳細を設定]>[作成]の順にクリックします。

  5. ホストサーバを選択します。

  6. スコープユニットの格納場所にするコンテナを選択します。

  7. [オブジェクト]>[作成]>[SLPスコープユニット]>[OK]の順にクリックします。

  8. SLPスコープユニットの名前を入力します。

  9. SLPディレクトリエージェントオブジェクトをダブルクリックします。

  10. [SLPスコープユニット]ページ>[追加]の順にクリックします。

  11. このディレクトリエージェントが対象とするスコープユニットを選択します。


NetWare SLP Directory Agent用のコンソールコマンド

表 129」はSLPコマンドのリストです。


表 129. SLPコマンド

SLP OPEN filename.log

SLPトレースファイルは、ボリュームSYS:のルートに作成されます。

SLP CLOSE

このコマンドはSLPトレースファイルを閉じます。

DISPLAY SLP SERVICES

通常のNovell SLPサービス種別は次のとおりです。

MGW.NOVELL (互換モードのゲートウェイ/移行エージェント)

CMD.NOVELL (互換モードのサーバ/リレーエージェント)

NDAP.NOVELL (NDS)

BINDERY.NOVELL (NetWareサーバ)

SAPSRV.NOVELL (IPX CMDがロードされているNetWare 5サーバ)

RMS.NOVELL (NDPSのリソース管理サービス)

RCONSOLE.NOVELL (Java* RCONSOLE)

SRS.NOVELL (NDPSブローカ)

DIRECTORY-AGENT (ネットワーク上のディレクトリエージェントの再検出のためSLPマルチキャストパケットを送信)

 

SLPの制約は次のとおりです。

slp_attribute==value

他に使用できる演算子は<=および>=です。

 

DISPLAY SLP SERVICESコマンドの使用例を次に示します。

DISPLAY SLP SERVICES (既知のSLPサービスをすべて表示します)


DISPLAY SLP SERVICES BINDERY.NOVELL (bindery.novellサービスをすべて表示します)


DISPLAY SLP SERVICES BINDERY.NOVELL//(SVCNAME-WS==ABC*)/ (名前が「abc」で始まるbindery.novellサービスを表示します)


DISPLAY SLP SERVICES BINDERY.NOVELL/PROVO/(SVCNAME-WS==ABC*)/ (名前が「abc」で始まり、スコープ「provo」に属するbindery.novellサービスを表示します)


DISPLAY SLP SERVICES MBW.NOVELL//(CMD NETWORK==ABC12345)/
(CMDネットワーク番号ABC12345を対象としているすべての移行エージェントを表示します)

DISPLAY SLP ATTRIBUTES (SLP_URL)

次にDISPLAY SLP ATTRIBUTESコマンドの使用例を示します。

DISPLAY SLP ATTRIBUTES SERVICE:BINDERY.NOVELL:///SERVER1
(SERVER1 bindery.novell オブジェクトのすべてのSLP属性および値を表示します。)

DISPLAY SLP DA

(SLPディレクトリエージェントとその現在のステータスのリストを表示します。)


NetWare SLP Directory Agent用のSETコマンド


表 130. SLPディレクトリエージェント用のSETコマンド

SET SLP DA Discovery Options = value

value = 0〜8 (デフォルト値 = 3)


0x01 =ディレクトリエージェントの通知にマルチキャスト方式を使用


0x02 = DHCP検出を使用


0x04 = スタティックファイルSYS:ETC\SLP.CFGを使用


0x08 = スコープ必要

SET SLP TCP = value

value = ONまたはOFF(デフォルト値 = OFF)
これにより、SLPは可能な限りUDPパケットではなくTCPパケットを使用するように設定されます。

SET SLP DEBUG = value

value = 0〜4294967255 (デフォルト値 = 0)


0x01 = COMM


0x02 = TRAN


0x04 = API


0x08 = DA


0x010 = ERR


0x020 = SA


これらのビットはANDまたはORステートメントにより結合して、複数の値を示すことができます。たとえば、COMMとAPIのANDは0x05となります。

SET SLP Multicast Radius = value

value = 0〜32 (デフォルト値 = 32)

このパラメータはマルチキャストの範囲を示す整数です。

SET SLP Broadcast = value

value = ONまたはOFF (デフォルト値 = OFF)

このパラメータは、マルチキャストパケットではなくブロードキャストパケットの使用を指定します。

SET SLP MTU size= value

value = 0〜4294967255 (デフォルト値 = 1472)

このパラメータは、転送ユニットの最大サイズを示す整数です。

SET SLP Rediscover Inactive Directory Agents = value

value = 0〜4294967255 (デフォルト値 = 60)

このパラメータは、活動状態にないディレクトリエージェントを再検出するためのサービス要求を発行するまでに、SLPが待機する時間の最小値を秒数で指定します。

SET SLP Retry Count = value

value = 0〜128 (デフォルト値 = 3)

このパラメータは、再試行の最大回数を示す整数です。

SET SLP Scope List = value

valueの最大長は1023 (デフォルト値 = 1023)

このパラメータは、カンマ区切りのスコープポリシーのリストを指定します。

SET SLP SA Default Lifetime = value

value = 0〜4294967255 (デフォルト値 = 900)

このパラメータは、サービスレジスタのデフォルトのライフタイムを秒数で示す整数です。

SET SLP Event Timeout = value

value = 0〜4294967255 (デフォルト値 = 53)

このパラメータは、マルチキャストパケット要求がタイムアウトになるまでの待ち時間を秒数で示す整数です。

SET SLP DA Heart Beat Time = value

value = 0〜4294967255 (デフォルト値 = 10800)

このパラメータは、次のディレクトリエージェントheartbeatパケットを送信するまでの秒数を示す整数です。

SET SLP Close Idle TCP Connections Time = value

value = 0〜4294967255 (デフォルト値 = 300)

このパラメータは、アイドル状態のTCP接続が終了するまでの秒数を示す整数です。

SET SLP DA Event Timeout = value

value = 0〜429 (デフォルト値 = 5)

このパラメータは、ディレクトリエージェントパケット要求がタイムアウトになるまでの待ち時間を秒数で示す整数です。

SET SLP Maximum WTD = value

value = 1〜64 (デフォルト値 = 10)

このパラメータは、SLPが作業のために割り当てることのできるスレッドの最大数を指定します。

SET SLP Reset = value

value = ON/OFF

(ONに設定されても、次回にはOFFに戻ります)
このパラメータがONに設定されると、サービスエージェントはサービスレジスタを新たに送信し、そのサービスエージェントはディレクトリエージェントの通知パケットを送信します。

SET SLP Debug = value

value = 0〜65535 (デフォルト値 = 88)

0x01 = COMM

0x02 = TRAN

0x04 = API

0x08 = SA_DA

0x010 = ERR

0x020 = SA

0x040 = UA_DA

これらのビットはANDまたはORステートメントにより結合して、複数の値を示すことができます。たとえば、COMMとAPIのANDは0x05となります。