インベントリ情報のカスタマイズ

この節では、インベントリ情報をカスタマイズする方法について説明します。


インベントリ対象ワークステーションのハードウェアインベントリスキャンのカスタマイズ

ZENworks for Desktops 4.xを使って、デフォルトのハードウェアインベントリに含まれていない情報をインベントリ対象ワークステーションから収集することができます。

デフォルトのインベントリに含まれていない情報をインベントリ対象ワークステーションから収集するには、インベントリクラスに対して属性およびそれに対応する値を定義する必要があります。各インベントリクラスにはデフォルトで、標準属性と呼ばれる独自の属性と、標準属性値と呼ばれる標準属性に対応する値が設定されています。Inventory Scannerは、クラスの標準属性の値に加えて、ユーザ定義属性(カスタム属性と呼ばれる)およびそれに対応する値をインベントリデータベースに保存します。このプロセスは、カスタムハードウェアインベントリスキャンと呼ばれます。

たとえば、Rateという名前のカスタム属性をProcessorテーブルに追加することができます。Inventory Scannerは、プロセッサの種類などの標準属性値のスキャンを実行し、インベントリデータベースにRateおよびProcessor Typeの値を保存します。

次の表は、インベントリクラスおよび標準属性のリストを示しています。

注:  次の表で*が記載されている項目は、値をバイト単位で指定する必要があることを示しています。+が記載されている項目は、その属性に対して列挙値を指定する必要があることを示しています。列挙値の詳細については、ZENworks for Desktopsインベントリ属性の理解を参照してください。

[Custom Attribute Editor]ダイアログボックスに表示されるインベントリクラス名 インベントリデータベースにおけるインベントリクラス名 標準属性

Asset

Zenworks.SystemInfo

Description、Caption、Tag、Model、SerialNumber、SystemIdentifier、ManagementTechnology +

MAC Address

CIM.LANEndpoint

MAC Address

IP Address

CIM.IPProtocolEndpoint

Address、SubnetMask

IPX Address

CIM.IPXProtocolEndpoint

Address

Modem

Zenworks.ZENPOTSModem

Description、Name、ProviderName、DeviceID

Network Adapter

Zenworks.ZENNetworkAdapter

MaxSpeed*、Name、PermanentAddress、AdapterType、ProviderName、MACAddress

Network Adapter Driver

Zenworks.NetworkAdapterDriver

Description、Name、Version

NetWare Client

Zenworks.NetwareClient

Version

Processor

CIM.Processor

stepping、DeviceID、Family+、OtherFamilyDescription、MaxClockSpeed*、CurrentClockSpeed*、Role+、UpgradeMethod+、Description、Name

BIOS

Zenworks.BIOS

Manufacturer、InstallDate、BIOSIDBytes、Caption、SerialNumber、Version、PrimaryBios+、size*

Bus

Zenworks.Bus

BusType+、Name、Description、Version、DeviceID

IRQ

CIM.IRQ

IRQNumber、Availability+、TriggerType+、Shareable+

KeyBoard

Zenworks.ZENKeyboard

Layout、SubType、Description、NumberOfFunctionKeys、Delay*、TypeMaticRate*

Display Adapter

Zenworks.VideoAdapter

NumberOfColorPlanes、CurrentHorizontalResolution、CurrentVerticalResolution、VideoArchitecture+、VideoMemoryType+、MaxMemorySupported*、CurrentBitsPerPixel、Description、MaxRefreshRate*、MinRefreshRate*、DACType、ChipSet、ProviderName

Display Driver

CIM.VideoBIOSElement

Manufacturer、Version、InstallDate、IsShadowed+

Parallel Port

Zenworks.ParallelPort

Name、DMASupport+、Address

Serial Port

Zenworks.SerialPort

Name、Address

Diskette Drive

Zenworks.ExtendedDisketteDrive

DisketteDeviceID、DisketteManufacture、DisketteDescription、DiskettePhysicalCylinders、DiskettePhysicalHeads、DisketteSectorsPerTrack、DisketteCapacity*

CDROM

Zenworks.ExtendedCDROMDrive

CDROMDeviceID、CDROMManufacturer、CDROMDescription、CDROMCaption

Physical Disk Drive

Zenworks.ExtendedDiskDrive

DiskRemovable+、DiskManufacturer、DiskDescription、DiskPhysicalCylinders、DiskPhysicalHeads、DiskSectorsPerTrack、DiskCapacity*

Logical Disk Drive

CIM.LocalFileSystem

Name、FileSystemType、FileSystemSize*、AvailableSpace*

Windows Operating System

Zenworks.WinOperatingSystem

OSType+、Version、CodePage、InstallDate、SizeStoredInPagingFiles*、Caption、OtherTypeDescription、TotalVirtualMemorySize*、TotalVisibleMemorySize*(バイト単位で値を指定)、Role+

Multimedia Card

Zenworks.SoundAdapter

Description、Name、ProviderName

Cache Memory

Zenworks.ExtendedCacheMemory

CacheMemoryLevel+、CacheMemoryWritePolicy+、CacheMemoryErrorMethodology、CacheMemoryCacheType+、CacheMemoryLineSize*、CacheMemoryReplacementPolicy+、CacheMemoryReadPolicy+、CacheMemoryAssociativity+、CacheMemorySpeed*、CacheMemoryCapacity*

Mother Board

Zenworks.MotherBoard

Version、Description、NumberOfSlots、Manufacturer

Battery

CIM.Battery

Name、Chemistry+、DesignCapacity*、DesignVoltage*、SmartBatteryVersion

Power Supply

CIM.PowerSupply

Description、TotalOutputPower*

DMA

CIM.DMA

DMAChannel、Description、Availability+、BurstMode+

Computer System Information

CIM.UnitaryComputerSystem

Name、PrimaryOwnerContactID、PrimaryOwnerName

Pointing Device

CIM.PointingDevice

PointingType+、Name、NumberOfButtons

Pointing Device Driver

Zenworks.PointingDeviceDeviceDriver

Name、Version

Slot

Zenworks.ExtendedSlot

SlotDescription、SlotMaxDataWidth、SlotThermalRating*

カスタムスキャンの実行に必要な作業に関する詳細については、次の節を参照してください。


カスタム属性の追加

インベントリクラスにカスタム属性を追加する:

  1. [Workstation Inventory Policy]の[Hardware Scan]タブをクリックします。

  2. [Enable Custom Scanning]を選択します。

  3. [Custom Attribute Editor]をクリックします。

  4. [Custom Attribute Editor]ダイアログボックスの[追加]をクリックします。

  5. [Class Name]ドロップダウンリストから、カスタム属性を追加するクラスを選択します。例:Processor

  6. [Attribute Name]フィールドにカスタム属性名を入力します。例:Rate

  7. [OK]をクリックします。

    1つのクラスに対して複数のカスタム属性を追加することができます。

  8. [OK]>[Apply]>[OK]の順にクリックします。


custom.iniファイルを使ったカスタム属性値の追加

カスタム属性に値を追加するには、custom.iniファイルを作成する必要があります。管理者は、カスタム属性を追加できるインベントリクラスのリストを通知する必要があります。Inventory Scannerはcustom.iniファイルを使用して、カスタム属性およびそれに対応する値に関する情報を取得します。

custom.iniファイルの内容は次のとおりです。

[START_CIM_OBJECT]
Class = Inventory_Class_Name_as_displayed_in_the_Custom_Attribute_Editor_dialogbox or Inventory_Class_Name_in_Inventory_database
RegularAttrs = regular_attribute_name1, regular_attribute_name2, ..., regular_attribute_nameN
RegularVals = regular_attribute_value1, regular_attribute_value2, ..., regular_attribute_valueN
Action = A/D
custom_attribute = custom_attribute_value
custom_attribute = custom_attribute_value
...
....
custom_attribute = custom_attribute_value
[END_CIM_OBJECT]

Classは、定義済みのインベントリクラス名です(定義済みのインベントリクラス名のリストについては、インベントリクラス名および標準属性に関する表を参照してください)。RegularAttrsは標準属性名のリストを示します。RegularValsは、標準属性に対応する値です。Actionの値Aは、指定したカスタム属性がデータベーステーブルに追加されることを示します。Actionの値Dは、指定したカスタム属性がデータベーステーブルから削除されることを示します。

セミコロン(;)の後にコメントを入力できます。Scannerは、セミコロンの後にくるデータを無視します。

custom.iniファイルの[START_CIM_OBJECT]と[END_CIM_OBJECT]間に含まれる内容を「セクション」と呼びます。セクション内の最初の3行を照会と呼びます。

1つの標準属性に対して1つの値、1つのカスタム属性に対して1つの値が設定されたcustom.iniのサンプルファイルを次に示します。

[START_CIM_OBJECT]
Class = Computer System Information       ;インベントリクラス名
RegularAttrs = Name                  ;標準属性名
RegularVals =  John                   ;標準属性値
Action = A
Employee Number=BLR_5000234    ;カスタム属性およびその値
[END_CIM_OBJECT]

前に示した照会では、Name属性の値がJohnの場合、その従業員番号がCIM.UnitaryComputerSystemテーブルに追加されます。

次に示す方法のいずれかを使用して、custom.iniファイルを作成することができます。


custom.iniファイルの作成ガイドライン

custom.iniファイルを使って作業する場合、次のガイドラインに従います。


カスタム属性およびカスタム属性値の表示

すべてのインベントリ対象ワークステーションのカスタム属性およびその値をWorkstation Inventoryで表示できます。詳細については、インベントリ対象ワークステーションのWorkstation Inventoryの表示を参照してください。


カスタムインベントリスキャンの例


インベントリ対象ワークステーションのソフトウェアスキャンのカスタマイズ

インベントリ対象ワークステーションでスキャンの対象にするソフトウェアアプリケーションのリストをカスタマイズすることができます。[Workstation Inventory Policy]ページでソフトウェアスキャンの設定を指定します。指定したソフトウェアスキャンの設定はeDirectoryに保存されます。

デフォルトではScannerは、インベントリ対象ワークステーションに対してソフトウェアアプリケーションのスキャンを実行しません。[Workstation Inventory Policy]の[Software Scan]オプションを有効にする必要があります。詳細については、Workstation Inventoryポリシーの設定を参照してください。

スキャンの対象にするアプリケーションを指定するには、アプリケーションのリストを追加するか、アプリケーションのリストを含むファイルをインポートします。アプリケーションのリストをファイルとしてエクスポートし、そのファイルを編集することもできます。

指定するソフトウェアアプリケーションが多数存在する場合、この節で説明する手順に従ってCustom Scanファイルを作成した後、このファイルをインポートすることができます。

異なる場所で指定したソフトウェアスキャン設定を使用するには、その場所にあるファイルをエクスポートした後、リストを使用する場所にファイルをインポートします。

次の節では、ワークステーションのスキャンをカスタマイズするのに役立つ詳細情報について説明します。


スキャンの対象になる新しいアプリケーションの追加

新しいアプリケーションを追加するには、アプリケーションの詳細情報を入力する必要があります。

  1. ConsoleOneで、[Workstation Inventory Policy]を開きます。

    詳細については、Workstation Inventoryポリシーの設定を参照してください。

    [Enable Software Scan]オプションがオンであることを確認します。

  2. [Custom Scan Editor]ボタンをクリックします。

  3. [Add]をクリックして、アプリケーションの詳細情報を指定します。

  4. 次に示すアプリケーションの詳細情報をすべて入力します。

    ベンダ名、製品名、製品のバージョン、ファイル名、およびファイルサイズ(バイト単位)

  5. [OK]をクリックします。

  6. eDirectory内にアプリケーションエントリを保存するために、[Custom Scan Editor]ダイアログボックスの[OK]をクリックします。

アプリケーションエントリのリストを含むファイルをインポートして、Custom Scanテーブルにアプリケーションエントリを追加することもできます。このファイルは、Custom Scanファイルに関する形式の規則に従って作成します。詳細については、Custom Scanファイルの形式を参照してください。

新しいアプリケーションのリストを追加する:

  1. テキストエディタを開きます。

  2. Custom Scanファイルの形式で指定している形式が設定されたファイルを作成します。

  3. 任意の拡張子を付けて、アプリケーションエントリをテキストファイルとして保存します。

  4. ConsoleOneで、[Workstation Inventory Policy]を開きます。

    詳細については、Workstation Inventoryポリシーの設定を参照してください。

    [Enable Software Scan]オプションがオンであることを確認します。

  5. [Custom Scan Editor]をクリックします。

  6. [Import]をクリックします。

    eDirectory内にアプリケーションエントリを保存するために、[Custom Scan Editor]ダイアログボックスの[OK]をクリックします。


Custom Scanファイルの形式

Custom Scanファイルの内容は次のとおりです。

total_number_of_application_entries_in_Custom_Scan_file; total_number_of_columns_in_the_application_entry

vendor_name;product_name;product_version;file_name;file_size (バイト単位)

vendor_name;product_name;product_version;file_name;file_size (バイト単位)

vendor_name;product_name;product_version;file_name;file_size (バイト単位)

Custom Scanファイルで作業する場合には、次のガイドラインに注意してください。

次にCustom Scanファイルのサンプルを示します。

2;5
Novell;GroupWise;5.5;grpwise.exe;4025856
Novell;client32nlm;3.03;client32.nlm;524168

スキャンの対象になるアプリケーションファイルのリストのエクスポート

Custom Scanファイルをエクスポートして、他の場所で使用することができます。ある場所に存在するCustom Scanファイルをエクスポートして、このファイルを他の場所にインポートします。

アプリケーションのリストをエクスポートする:

  1. ConsoleOneで、[Workstation Inventory Policy]を開きます。

    詳細については、Workstation Inventoryポリシーの設定を参照してください。

    [Enable Software Scan]オプションがオンであることを確認します。

  2. [Custom Scan Editor]をクリックします。

  3. [Export]をクリックします。

  4. テキストファイルの拡張子とファイル名を入力します。

    エクスポートされるファイルはテキストファイルです。

  5. [OK]をクリックします。

エクスポートされたファイルには、Custom Scanテーブルに表示されるアプリケーションのリストが含まれます。エクスポートする前にアプリケーションのリストを保存しなかった場合、エクスポートされるファイルのエントリと、eDirectoryに保存されるアプリケーションエントリとの間で差異が生じます。


カスタムアプリケーションに限定したスキャンの実行

インベントリ対象ワークステーションでスキャンの対象にするソフトウェアアプリケーションのリストを、Custom Scan Editorを使ってカスタマイズできます。Custom Scan Editorで選択したアプリケーションだけをスキャンするには、[Workstation Inventory Policy]で[Perform Only Custom Scanning]オプションを有効にする必要があります。詳細については、Workstation Inventoryポリシーの設定を参照してください。


IBMコンピュータモデルのスキャン

Scanner (winscan.exe)はIBMNAMESデータ([Workstation Inventory Policy]の[Configuration Editor]>[IBMNAMES]を使用して設定)を使用して、Windows 98を実行しているIBMインベントリ対象ワークステーションに関する情報を取得します。Scannerは、[Workstation Inventory Policy]の[Configuration Editor]オプションで指定されているコンピュータの種類およびモデル番号の情報を使用して、モデル名を読み取ります。

IBMNAMESデータを使用したスキャンはIBMコンピュータだけを対象としており、Scannerによって定義されたIBMインベントリ対象ワークステーションのモデル名のスキャンを実行します。[Configuration Editor]に一覧表示されていない新しいIBMインベントリ対象ワークステーションが存在する場合、このインベントリ対象ワークステーションのモデル番号はスキャンされません。新しいIBMインベントリ対象ワークステーションのコンピュータの種類、モデル番号、およびモデルに関する説明を追加するには、[Workstation Inventory Policy]の[Configuration Editor]でIBMNAMESデータを編集する必要があります。このエントリを追加することにより、Scannerは新しいモデル名を認識できるようになります。

IBMコンピュータモデルを追加する:

  1. [Workstation Inventory Policy]で、[Configuration Editor]タブをクリックします。

    詳細については、Workstation Inventoryポリシーの設定を参照してください。

  2. [IBMNAMES]サブオプションをクリックし、[Set Defaults]をクリックします。

    デフォルト値が表示されます。

    [Product Names]
    6260-???= IBM PC 140 
    6272-???= IBM PC 300GL 
    6282-???= IBM PC 300GL 
    6284-???= IBM PC 300GL 
    ...
  3. エントリを追加または変更します。

    セクション内の各エントリの形式は、次のとおりです。

    4_bytes_machine_type-3_byte_model_number=model_description

    たとえば、モデルがIBM PC 140で、コンピュータの種類が6260の場合、モデルの説明としてIBM PC 140を指定します。ibmnames.iniのエントリは6260-79T = IBM PC 140になります。

    モデルの説明が同じ、特定の種類のコンピュータのすべてのIBMコンピュータモデルを、Scannerを使ってスキャンする場合、3_byte_model_numberにワイルドカード文字として3つの疑問符(???)を指定します。

    たとえば、モデルの説明が同じで、コンピュータの種類が6282であるすべてのモデルをスキャンする場合、エントリは次のようになります。

    6282-???=IBM PC 300GL

    コンピュータの種類およびモデル番号は、ラップトップの場合には背面、デスクトップワークステーションの場合には裏側に印刷されています。たとえば、760E Thinkpad*モデルには、次のラベルが貼り付けられています。TYPE 9546-A98.

    デバイスIDエントリに間違った値を指定すると、そのデバイスはインベントリウィンドウに表示されません。

  4. [OK]をクリックします。


Jaz、Zip、およびフロッピードライブのベンダのハードウェアスキャン情報のカスタマイズ

インベントリ対象ワークステーションでは、バックアップデバイスおよびフロッピーデバイスなどのデバイスベンダに関するスキャン情報は、通常利用できません。こうした情報が利用できる場合でも、ベンダ情報に詳細情報が含まれることはありません。[Workstation Inventory Policy]>[Configuration Editor]>[Zipped Names]の順に移動して、こうしたデバイスのベンダに関する情報をカスタマイズして更新することができます。Scannerは、これらのデバイスのハードウェアスキャンプロセスの実行中に、このデータを読み取ります。

表示用のベンダ情報をカスタマイズして更新する:

  1. [Workstation Inventory Policy]で、[Configuration Editor]タブをクリックします。

    詳細については、Workstation Inventoryポリシーの設定を参照してください。

  2. [ZIPPED NAMES]サブオプションをクリックし、[Set Defaults]をクリックします。

    デフォルト値が表示されます。

    [Identifier]
    iomega ZIP 100=Iomega 100MB Backup Device
    iomega jaz 1GB=Iomega 1GB Backup Device
    IOMEGA ZIP 100         D.13=Iomega Corporation
    IOMEGA ZIP 1GB         D.13=Iomega Corporation
    ...
  3. エントリを追加または変更します。

    セクション内の各エントリの形式は、次のとおりです。

    [Identifier]
    device_id=vendor_display_name_you_specify

    device_idには、インベントリ対象ワークステーションにデバイスをインストールするときにベンダによってレジストリ内に生成および更新される一意のIDが入ります。

    たとえば、このセクションの内容は次のようになります。

    [Identifier]
    iomega ZIP 100=Iomega 100MB Backup Device

    このエントリは、インベントリ対象ワークステーションにインストールされた100MBのZipドライブを示しています。

    デバイスIDエントリに間違った値を指定すると、そのデバイスはインベントリウィンドウに表示されません。

  4. [OK]をクリックします。


DMIを使ったベンダ固有の資産情報のスキャン

  1. [Workstation Inventory Policy]で、[Configuration Editor]タブをクリックします。

    詳細については、Workstation Inventoryポリシーの設定を参照してください。

  2. [Asset Information]サブオプションをクリックし、[Set Defaults]をクリックします。

    次のエントリが適用されます。

    [ASSETTAG]
    DMI1_CLASSNAME=
    DMI1_ATTRIBUTEID=
    DMI2_CLASSNAME=
    DMI2_ATTRIBUTEID=
    [SERIALNUMBER]
    DMI1_CLASSNAME=
    DMI1_ATTRIBUTEID=
    DMI2_CLASSNAME=
    DMI2_ATTRIBUTEID=
    [MODEL]
    DMI1_CLASSNAME=
    DMI1_ATTRIBUTEID=
    DMI2_CLASSNAME=
    DMI2_ATTRIBUTEID=
    [COMPUTERTYPE]DMI1_CLASSNAME=DMI1_ATTRIBUTEID=
    [MODELNUMBER]DMI1_CLASSNAME=DMI1_ATTRIBUTEID=
  3. 値を指定します。

    [Asset Information]には、次のセクションが含まれます。

    各セクションには、特定のDMIクラス名およびDMIクラス属性IDが含まれます。

    [Asset Information]の書式は次のとおりです。

    [ASSETTAG] 
    DMI1_CLASSNAME=DMI_class_pathname_for_asset_tag
    DMI1_ATTRIBUTEID=DMI_attribute_ID_for_asset_tag
    [SERIALNUMBER]
    DMI1_CLASSNAME=DMI_class_pathname_for_serial_number
    DMI1_ATTRIBUTEID=DMI_attribute_ID_for_serial_number
    [MODEL] 
    DMI1_CLASSNAME=DMI_class_pathname_for_computer_model
    DMI1_ATTRIBUTEID=DMI_attribute_ID_for_computer_model

    [Asset Information]の各セクションの値には、最大64文字長の文字列を設定できます。

    DMIクラス名には、DMTF|COMPONENTID|00x以外の任意のDMIクラスを設定できます。

    異なるカスタムDMIクラスを実装しているDMIベンダが複数存在する場合、複数のDMIクラスを指定できます。前に示したセクションでは、最大5つのクラスを指定できます。たとえば、5つのクラスを指定した場合の資産情報は次のようになります。

    [ASSETTAG] 
    DMI1_CLASSNAME=DMI_class_pathname_for_asset_tag
    DMI1_ATTRIBUTEID=DMI_attribute_ID_for_asset_tag
    DMI2_CLASSNAME=DMI_class_pathname_for_asset_tag
    DMI2_ATTRIBUTEID=DMI_attribute_ID_for_asset_tag
    DMI3_CLASSNAME=DMI_class_pathname_for_asset_tag
    DMI3_ATTRIBUTEID=DMI_attribute_ID_for_asset_tag
    DMI4_CLASSNAME=DMI_class_pathname_for_asset_tag
    DMI4_ATTRIBUTEID=DMI_attribute_ID_for_asset_tag
    DMI5_CLASSNAME=DMI_class_pathname_for_asset_tag
    DMI5_ATTRIBUTEID=DMI_attribute_ID_for_asset_tag

    ScannerはDMI1を処理し、DMI1の値が有効な場合は、残りのDMIクラスを処理しません。

  4. [OK]をクリックします。

  5. インベントリ対象ワークステーションでスキャンを実行します。

    eDirectoryの[Minimal Information]および[Workstation Summary]ウィンドウにインベントリ情報が表示されることを確認します。


ベンダおよび製品のソフトウェアスキャン情報のカスタマイズ

同じベンダのソフトウェア情報に、異なるベンダ名や製品名が含まれることがあります。たとえばソフトウェアスキャンデータに、同じベンダの複数の製品に関する情報が含まれているが、そのベンダ名が異なる場合、インベントリ表示ウィンドウには、異なるベンダ名でソフトウェア情報が表示されます。

デフォルトでは、[Inventory Query]ウィンドウ、[Inventory Summary]ウィンドウ、およびインベントリレポートに、一意のベンダ名それぞれについてのソフトウェア情報が表示されます。ベンダ名または製品名が異なる場合、ソフトウェア情報を統合することができます。特定のベンダおよび製品がインベントリウィンドウに表示されないようにすることもできます。これらの設定のカスタマイズはSoftware Rulesで実行します。

表示されるベンダ名および製品名をカスタマイズする:

  1. [Workstation Inventory Policy]で、[Configuration Editor]タブをクリックします。

    詳細については、Workstation Inventoryポリシーの設定を参照してください。

  2. [SWRules]サブオプションをクリックし、[Set Defaults]をクリックします。

    デフォルト値が表示されます。

    [vendor]
    Novell=Novell Incorporated
    Novell Inc=Novell Incorporated
    Novell Corporation=Novell Incorporated
    Novell Corp=Novell Incorporated
    Microsoft=Microsoft Corporation
    ..
    [PRODUCT]
    Microsoft(R) Windows Operating System=NULL
    Microsoft (R) Windows(TM) Operating System=NULL
    Microsoft(R) Windows NT(R) Operating System=NULL
    Microsoft(R) Windows (R) 2000 Operating System=NULL
    ..
  3. エントリを追加または変更します。

    SWRulesの書式は次のとおりです。

    [vendor]

    scanned_vendor_name_reported_by_scanner= vendor_display_name_you_specify

    scanned_vendor_name_reported_by_scanner= vendor_display_name_you_specify

    [product]

    scanned_product_name_reported_by_scanner= product_display_name_you_specify

    scanned_product_name_reported_by_scanner= product_display_name_you_specify

    SWRulesを編集する場合、次のガイドラインに従う必要があります。

    誤ったエントリを指定した場合、そのエントリの前にあるエントリが使用され、他のエントリは無視されます。

  4. [OK]をクリックします。