ネットワークの通常のアクティビティを基準として定義できます。セグメントのアクティビティの基準ドキュメントを用意しておくと、アクティビティの異常を見つけることができます。異常なアクティビティは、障害またはネットワークトラフィックの増加によって引き起こされます。基準となるアクティビティを作成するには、ネットワークが通常どおり機能しているときに統計情報を収集する必要があります。
次の節では、基準の作成および使用について説明します。
帯域幅の使用率などのセグメントに関する統計を取得するには、一定期間の情報をプロットしたトレンドグラフを作成してください。統計サンプルのデータ収集期間が短い場合は、正確な統計値が得られないことがあります。1つまたは複数のネットワークコンポーネントを追加した場合は、将来のアクティビティを比較する他の基準を作成すると便利です。
Novell ZENworks Server Managementで収集したデータは、スプレッドシートなどのプログラムにエクスポートし、詳細に分析したり、長期間保持したりできます。
基準ドキュメントは次の目的に使用できます。
Novell ZENworks Server Managementでは、ネットワーク監視エージェントソフトウェアによって監視されているセグメントに関する統計に対してアラームしきい値を設定できます。アラームしきい値を超えると、Novell ConsoleOneに通知されます。セグメントに関する統計に対してアラームしきい値を設定すると、問題が発生していないかどうかセグメントを頻繁に監視する必要がなくなります。
Novell ZENworks Server Managementには、Ethernet、FDDI、およびトークンリングセグメントに対するさまざまなアラームしきい値のデフォルト値が用意されています。Novell ZENworks Server Managementで追跡できるアラーム統計のリストについては、[Set Alarm]ダイアログボックスでのアラームオプションの設定 の表を参照してください。セグメントのアクティビティの基準を作成することによって、デフォルト値がネットワークのセグメントに対して適切かどうかを判断できます。たとえば、セグメントの使用率を追跡した後で、通常よりも5%〜10%高い帯域幅使用率のアラームしきい値を設定します。このセグメントの使用率が通常よりも大きくなると、ユーザに通知されます。
重要: このアラーム通知機能を使用する場合は、セグメントアラームを有効にする必要があります。
現在のネットワークパフォーマンスを、基準ドキュメントに記録されたパフォーマンスと比較することにより、ネットワークの変化によってパフォーマンスがどのように影響を受けているのかを調べることができます。この比較によって、ネットワークトラフィックの増加を予測し、ネットワークのアップグレードや拡張を計画することもできます。また、Ethernet、FDDI、およびトークンリングのさまざまな統計に関するリアルタイムのトレンドグラフを表示できます。RMON2エージェントがセグメントにインストールされている場合は、これらの統計の過去のトレンドを時間、日、週、月、および年単位で表示することもできます。セグメントパフォーマンスのトレンドの表示方法については、セグメントに関するトレンドデータの分析を参照してください。表示できるセグメントパフォーマンスのトレンドに関する統計のリストについては、セグメント上のステーションを表示するオプションの選択を参照してください。
各ネットワーク基準ドキュメントには、次の重要な情報を記載する必要があります。
帯域幅使用率の統計は、使用されているネットワーク帯域幅の割合を示します。帯域幅使用率は、特定の時間(たとえば、ユーザがネットワークにログインする朝など)、特定の週、または特定の月に高くなることがよくあります。帯域幅使用率を追跡すると、ネットワークセグメント、サーバ、およびルータの間でトラフィックの負荷を分散し、ネットワークをより効率的に運用できます。また、ネットワークトラフィックの増加がパフォーマンスに与える影響を調べることもできます。通常、新しいワークステーションやアプリケーションがネットワークに追加されると、帯域幅使用率は増加します。
ネットワーク回線上のパケットの数を監視すると、セグメントのトラフィックに関する情報を取得できます。ユーザが新しいアプリケーションを起動した後に、1秒あたりのパケットの数の変化を確認することにより、アプリケーションを使用すると考えられるすべてのユーザがアプリケーションを使用したときの1秒あたりのパケット数の増加量を計算できます。1秒あたりのパケット数は、帯域幅使用率とは異なります。帯域幅使用率はセグメント上の1秒あたりのキロバイト数に基づきますが、パケットのサイズはさまざまです。したがって、パケットのサイズまたは数が増加すると、帯域幅使用率も増加します。パケットの数が増加しても帯域幅使用率が増加しない場合は、パケットのサイズが小さいため、パケットの数が増加しても帯域幅使用率に影響を与えないことが考えられます。
基準にエラーレートを含めることにより、いつネットワークのエラーレートが異常になったのかを調べることができます。ネットワークエラーレートを調べることは、ネットワークエラーによってネットワークがダウンすることがあるため重要です。エラーレートが高いと、ハードウェア障害が発生したり、ネットワークトラフィックが増加したりすることがあります。エラーが増加し帯域幅使用率が増加しない場合は、ネットワークボードやトランシーバの故障など、コンポーネントに問題がある場合があります。
1秒あたりのキロバイト数を追跡すると、ネットワークのスループットを測定できます。この情報から、使用中の有効な帯域幅合計の割合を調べることができます。Ethernetネットワークの最大有効帯域幅は10Mbpsです。トークンリングネットワークの最大有効帯域幅は、4Mbpsまたは16Mbps (ハードウェアに依存)です。
ネットワークの上位3つのサーバを追跡することにより、新しいユーザやアプリケーションを追加したときに、サーバ間で負荷を分散できます。監視対象のセグメントにある上位ノードのリストの表示方法については、上位20のノード統計の表示を参照してください。また、Request Being Processedパケットの数も監視します。これらのパケットの数が連続して増加する場合は、サーバの負荷が大きすぎることを示します。これらのパケットは、キャプチャおよびデコードすることによって監視できます。パケットのキャプチャ方法およびデコードされたパケットの表示方法については、パケットのキャプチャおよびキャプチャされたパケットの表示を参照してください。
[Segment Trends]ビューでは、さまざまなセグメントの統計を表示し、他のアプリケーション(スプレッドシートなど)にそのデータをエクスポートして後で分析することができます。データは、表示するトレンドの統計値を保管するテキストファイルとして保存されます。トレンドデータをファイルにエクスポートするには、[Segment Trends]ビューのツールバーにある[Export]ボタンをクリックします。詳細については、セグメントに関するトレンドデータの分析を参照してください。
セグメントの現在の使用率は、[Segment Dashboard]ビューに表示されます。このビューにアクセスするには、[View]>[Segment Dashboard]の順にクリックします。詳細については、個々のセグメントのアプリケーションの決定を参照してください。