スケジュール設定を円滑に行うには、スケジュール設定の基本的な原則を理解する必要があります。次の節のガイドラインに従って、Distributionの効果的なスケジュールを設定してください。
DistributorサーバからSubscriberサーバにDistributionを送信する場合、この配布プロセスにはいくつかのTiered Electronic Distributionオブジェクトが関与します。そのため、配布プロセスを効率化して配布の目的を達成するには、一部の関与するオブジェクトにスケジュールを設定する必要があります。
次の節では、それぞれのスケジュールについて説明します。
次のTiered Electronic Distributionオブジェクトにスケジュールを設定できます。
これらのTiered Electronic Distributionオブジェクトにスケジュールを設定する必要があります。スケジュールを設定しない場合、そのオブジェクトは、Distributionの検出、構築、配布、抽出などのDistributionに関連するアクションを実行できません。
次のTiered Electronic Distributionオブジェクトにはスケジュールを設定しません。
1 Container PackageとService Location Packageのみ。Distributed Policy Packageには、Distributionオブジェクトで[Schedule]タブを使用してスケジュールを設定できます。
スケジュールは、Distributionで使用されるリソース全体(CPUサイクル、帯域幅、ディスク領域など)には直接影響せず、リソースの使用時期に影響します。つまり、Tiered Electronic Distributionのスケジュールは、Distributionの構築、送信、および抽出の時期を制御します。
ただし、CPU使用率は、スケジュールのアクションを実行するために使用するサーバの影響を受けます。サーバのCPU時間は、そのサーバで実行しているTiered Electronic Distributionの機能によって異なります。
| サーバのCPU時間 | スケジュール |
|---|---|
Distributor |
更新、構築、送信 |
Subscriber |
Extract |
parent Subscriber (親Subscriber) |
送信、抽出 |
Distributorのスケジュールは、DistributorがNovell eDirectoryTMを読み込んで設定の変更を検出する時期を決定します。これにより、DistributorはDistributionの構築に対する要求に応じることができます。Distributionオブジェクトのスケジュールに従って構築が要求されると、DistributorはDistributionを再構築します。
Channelの送信スケジュールが開始されると、Distributorは直接の配布先のSubscriberに最新のDistributionバージョンがあるかどうかを確認します。ただし、
SubscriberにDistributionの全体が揃っていない場合は、その下位のSubscriberがチェックされ、さらにルーティング階層の下方に向かってチェックが継続されます。
ChannelのすべてのDistributionがすべての配布先に受信されているかどうかは、短時間で確認されます。
重要: Distributionの構築または送信に要する時間よりも更新スケジュールが短いと、Distributionの送信が完了しない場合があります。更新スケジュールが短すぎると、Distributorを更新したときに、構築中または送信中のDistributionは構築または送信が完了する前にキャンセルされます。したがって、Distributorの更新スケジュールは日単位で設定し、Distributionの変更頻度がより高い場合にのみ時間単位で設定することをお勧めします。Distributorの更新間隔は最低5分とし、それ以下には設定しないでください。
ConsoleOneで、Distributorオブジェクトを右クリックし、[Properties]をクリックします。
[Schedule]タブ>ドロップダウンボックスの矢印>[Interval]の順にクリックし、[Daily]などの間隔を選択します。
必要に応じて、開始時刻と終了時刻を設定します。
[Start Time]と[End Time]は、スケジュールのアクションを実行する時間帯を指定します。
指定した時間帯の中で、設定した間隔ごとに更新を繰り返すことができます。
指定した時間帯の中で更新をランダムに実行することもできます。詳細については、Distributorの更新スケジュールにおける[Randomly Dispatch]オプションの使用を参照してください。
[OK]をクリックします。
Distributionのスケジュールは、Distributionオブジェクト内の定義に基づいてDistributionを作成する時期をDistributorに指示します。
大半のDistributionを構成するファイルセットは時間の経過とともに変更されるため、定期的に再配布する必要があります。Distribution別に独自の構築スケジュールがあり、それに従ってDistributorによるDistributionの再構築の頻度が決まります。Distributorでは、Distributionを構築するときに前のバージョンと自動的に比較して変更の有無を確認します。
File Distributionである場合は、現在の構築内容に変更がないと、新しいバージョンは作成されません。変更があると、変更のみで構成されたデルタが構築されて配布されます。
DistributionタイプがFTP、HTTP、およびSoftware Packageである場合は、前回のバージョン以降に変更があるときに限り、新しいバージョンが作成されます。Distributorは、すべての配布先のSubscriberに新しいバージョン全体を送信します。
ランダムな実行イベントの終了時刻を指定するには、Distributionの[End Time]を使用します。つまり、DistributorはDistributionの構築が完了するまで構築を停止しません。
削除したファイルとディレクトリの同期化は構築スケジュールで処理します。
ConsoleOneで、Distributionオブジェクトを右クリックし、[Properties]をクリックします。
[Schedule]タブ>ドロップダウンボックスの矢印の順にクリックし、[Run Immediately]などのスケジュールタイプを選択します。
指定した間隔でアクションを繰り返すことができます。
[Start Time]と[End Time]は、スケジュールのアクションを実行する時間帯を指定します。
指定した時間帯の中で構築をランダムに実行することもできます([Daily]スケジュールタイプを選択した場合)。詳細については、Distributionの構築スケジュールにおける[Randomly Dispatch]オプションの使用を参照してください。
[OK]をクリックします。
Channelの送信スケジュールを使用すると、そのChannelに関連するSubscriberにDistributionの送信を開始する時間帯を設定できます。
Channelのスケジュールは、Distributorおよびその直接の配布先(最初の階層のSubscriber)にのみ適用されます。送信スケジュールが終了すると、Distributorから最初の階層のSubscriberに対する配布が終了します。
2番目の階層の配布先およびそれより下位の配布先は、Channelのスケジュールに拘束されません。親Subscriberから他のSubscriberへのDistributionの送信は、送信スケジュールの終了後も続行されます。下位のSubscriberでも、送信スケジュールは無視されます。
送信スケジュールの[End Time]は、送信スケジュールの終了時にDistributionの送信を中断することをDistributorに強制します。送信スケジュールが再開されると、Distributorは送信を中断した箇所から送信を再開します。Distributionは全体が再送信されるのではありません。たとえば、60MBのDistributionのうち、50MBが中断前に送信済みであった場合、Channelの送信スケジュールが再開されると、Distributorは残りの10MBの送信を再開します。
Channelのスケジュールに対する時間帯の影響については、タイムゾーンが異なるTiered Electronic Distributionオブジェクトのスケジュール設定を参照してください。
[Cache and Forward]は、Channelの送信スケジュールの終了時に親SubscriberがDistributionの送信を続行するかどうかには影響しません。送信スケジュールの終了前にDistributionを完全に受信した親Subscriberは、そのDistributionを下位のSubscriberに対して引き続いて送信します。送信スケジュールの終了時に親Subscriberによる送信の続行を制御する手段はありません。
重要: Distributionの送信に要する時間よりも送信スケジュールが短い場合は、Distributionは送信されません。したがって、Channelの送信スケジュールは日単位または時間単位で設定することをお勧めします。送信スケジュールは、ChannelのすべてのDistributionを送信するのに必要な時間よりも長く設定してください。
ConsoleOneで、Channelオブジェクトを右クリックし、[Properties]をクリックします。
[Schedule]タブ>ドロップダウンボックスの矢印>[Interval]の順にクリックし、[Repeat the Action Every]フィールドで間隔(1時間など)を選択して、[OK]をクリックします。
[Start Time]と[End Time]は、スケジュールのアクションを実行する時間帯を指定します。
送信スケジュールをランダムに開始する方法([Daily]スケジュールタイプを選択した場合)については、Channelの送信スケジュールにおける[Randomly Dispatch]オプションの使用を参照してください。
Subscriberのスケジュールは、Subscriberが受信したDistributionを抽出できる時期を決定します。
ランダムな実行イベントの終了時刻を設定するには、Subscriberの[End Time]を使用します。Subscriberは、Distributionの抽出プロセスを完了するまで、抽出を中断しません。
ConsoleOneで、Subscriberオブジェクトを右クリックし、[Properties]をクリックします。
[Channels]タブ>[Add]の順にクリックし、Channelを参照して選択します。次に、[Select]>[OK]の順にクリックします。
Channelが[Active in the Channels]リストに表示されていることを確認します。
[Schedule]タブ>ドロップダウンボックスの矢印の順にクリックし、[Run Immediately]などのスケジュールタイプを選択して、[OK]をクリックします。
[Run Immediately]スケジュールタイプを選択した場合は、Distributionの受信と同時に抽出が開始されます。
[Start Time]と[End Time]は、スケジュールのアクションを実行する時間帯を指定します。
抽出スケジュールをランダムに開始する方法([Daily]スケジュールタイプを選択した場合)については、Subscriberの抽出スケジュールにおける[Randomly Dispatch]オプションの使用を参照してください。
この手順をSubscriberごとに繰り返します。
Tiered Electronic Distributionオブジェクトの各スケジュールは、他のすべてのスケジュールと直接関係するわけではありません。次の例に示すように、スケジュール間は一定の順序に従って関係付けられます。
最も重要な点は、指定した時間帯内でDistributionを正常に検出、構築、送信、および抽出できるように、Refresh、Build、Send、およびExtractの順に各スケジュールを設定する必要があることです。
いずれかのスケジュールが他の3つのスケジュールと同期しない場合は、Distributionを作成して最終的に使用するまでに大幅に遅れる場合があります。
スケジュールの設定例と結果を次に示します。
更新スケジュールの間隔を1時間に設定した場合: Distributorは、新規のDistributionまたは変更されたDistributionを検出するために、1時間ごとにeDirectoryを読み込みます。この間隔は、Distributorが各更新後に構築するDistributionの大きさに基づいて決定する必要があります。通常は、更新間の時間が短いほど理想的です。
構築スケジュールをすぐに実行するように設定した場合: Distributorは、更新スケジュールに従ってeDirectoryを読み込み、新しいDistributionまたは変更されたDistributionを検出すると同時にその構築を開始します。ただし、特に大きなDistributionについては、ピーク外の時間に構築する必要があります。
送信スケジュールを深夜0時に設定した場合: Distributorは、ネットワークの帯域幅が比較的空いているピーク外の時間にDistributionを送信します。
送信スケジュールをすぐに実行するように設定した場合: Distributorは、Distributionの構築を完了すると同時に送信します。
抽出スケジュールを午前3時に設定した場合: 受信されたDistributionは、サーバが最も空いているピーク外の時間に抽出されます。この設定は、抽出とインストールを急がない大きなDistributionを受信するサーバに最適です。
抽出スケジュールをすぐに実行するように設定した場合: Subscriberは、Distributionを受信すると同時に抽出します。ウィルスパターンなどの重要なDistributionを受信するサーバに便利な設定です。
次のような設定をした場合は、配布プロセスの流れが混乱します。
スケジュール設定に影響する3つの時間に関連する要因があります。
スケジュールを設定する場合、特定のDistributionを構築、送信、および抽出する頻度を決定します。
Distributionの処理頻度を決定するには、次のスケジュールタイプを使用できます。
| スケジュールタイプ | 機能 |
|---|---|
曜日 |
毎日同じ時間に当該機能を実行します。 |
月 |
毎月同じ日に当該機能を実行します。 |
年 |
毎年同じ日に当該機能を実行します。 |
間隔(Interval) |
指定した間隔で当該機能を実行します。 |
Time |
指定した日時にのみ当該機能を実行します。 |
すぐに実行(Run Immediately) |
スケジュールの標準設定を無視して、当該機能を直ちに開始します。 |
配布プロセスのスケジュールを設定するときに選択する頻度は、Distributionの目的に応じて決定します。たとえば、次のように入力します。
スケジュールタイプによっては、時間帯を設定する必要があります。時間帯を定義するには、開始時刻と終了時刻を使用して、スケジュール設定したアクションを実行できる時間を指定します。
一部のスケジュールは、スケジュールの時間帯の終了時に機能が全面的に停止します。したがって、スケジュールの時間帯は、Distributionのサイズに応じて構築、送信、および抽出に要する時間を判断し、それよりも長く設定する必要があります。
時間帯に関する問題は、次に説明するように、スケジュールごとに異なります。
更新スケジュールが開始すると、次の動作が発生します。
Distributionの構築が中断する: Distributorは、構築中のDistributionの構築を中断します。一時的な構築ファイルは削除されず、未完了のDistributionの構築は中断した箇所から再開されません。未完了のDistributionの構築は、次回の構築スケジュールが開始されたときに最初からやり直されます。
Distributionの送信が中断される: Distributorは、送信中のDistributionの送信を中断します。ただし、送信スケジュールが再開されると、Distributorは中断した箇所から送信を再開してDistributionの送信を完了します。
したがって、更新スケジュールは構築スケジュールまたは送信スケジュールと重複することはできません。更新スケジュールは、他のスケジュールが終了した後で開始し、他のスケジュールが開始する前に終了する必要があります。
更新スケジュールによってDistributorによるDistributionの構築が妨げられる可能性があるので、必要に応じてシステムに複数のDistributorを確保し、作成するDistributionの種類別に処理を分担します。詳細については、Distributorの追加に関する判断を参照してください。
更新スケジュールの終了時刻に達すると、Distributorは中断した箇所からDistributionの送信を開始します。ただし、更新スケジュールの開始によって中断された構築中のDistributionについては、中断箇所から再開されずに最初から構築がやり直されます。
構築スケジュールが開始すると、その時点でDistributorによって認識されているDistributionのみが構築スケジュールの時間中に構築が開始されます。Distributorは、Distributorの更新スケジュールに従ってeDirectoryを読み込むことにより、変更された既存のDistributionおよび新しく作成されたDistributionを検出します。
構築スケジュールの終了時刻に達しても、構築が開始されていたすべてのDistributionの構築は完了または失敗するまで続行されます。
送信スケジュールが開始されると、Channelに表示されているDistributionの中で、送信スケジュールの開始時にDistributorに認識されているものに限り、その送信が開始されます。
送信スケジュールの終了時刻に達すると、Distributionの送信が完了していない場合でも、Distributorは送信を中断します。ただし、次回に送信スケジュールが開始されると、送信を中断したDistributionの送信を中断箇所から再開して完了します。さらに、Distributorが更新スケジュールの時間内に検出した新しいDistributionまたは変更されたDistributionの送信を開始します。
間隔は、スケジュールの時間帯でスケジュールの機能を繰り返す頻度を表します。
間隔は、スケジュール全体をより小さいスケジュールに分割して連続的に実行することと同じです。スケジュールの時間帯で、間隔は開始/終了位置を指定し、スケジュール内で開始/終了位置の数に応じた回数だけ同じアクションを繰り返します。
間隔に関する問題は、次に説明するように、スケジュールごとに異なる場合があります。
間隔を使用して、Distributorの更新頻度と、Distribution、Channel、Subscriber、またはポリシーの設定情報の変更を検出する頻度を同期化します。
間隔として設定する時間は、DistributorがeDirectoryを読み込んで検出した新しいDistributionまたは変更されたDistributionを構築する時間よりも長くなければなりません。
内容が頻繁に変更されるDistributionを適時に配布するには、各変更を構築スケジュールによって効率よく検出し、再構築したDistributionを適時に送信できるように間隔を設定します。
送信スケジュールの時間帯に間隔を設定すると、間隔が開始されるたびに現在送信中のDistributionは中断され、前に送信が中断されていたDistributionは中断箇所から送信が再開されます。さらに、キューに追加された新しいDistributionの送信も開始されます。
間隔を使用しない場合は、送信スケジュールの開始後に送信スケジュールのキューに追加されたDistributionは、次回に送信スケジュールが開始されるまで送信されません。したがって、送信スケジュールに間隔を設定すると、新しくキューに追加されたDistributionを送信スケジュールの時間帯に含めることができます。
間隔を設定したスケジュールタイプでは、DistributorによってeDirectoryが再読み込みされるまでイベントが開始されません。たとえば、次のように入力します。
[Daily]: 当日の時間帯が経過する前にDistributionが更新されると、イベントは当日に実行され、以後毎日実行されます。それ以外の場合は、翌日の時間帯中に1回実行され、以後毎日実行されます。
[Interval]: 間隔を3日に設定すると、DistributorによってeDirectoryが再読み込みされた日から3日後にイベントが実行され、以後3日ごとに実行されます。
[Weekly]、[Monthly]、または[Yearly]: イベントは、DistributorによるeDirectoryの再読み込み後から最初の曜日、月、または特定の日付([Yearly]オプション)に実行されます。たとえば、日曜日ごとに実行する[Weekly]イベントを水曜日に設定したとします。この場合、DistributorによるeDirectoryの再読み込みは木曜日に、イベントの実行日は次の日曜日になります。イベントは、以後日曜日ごとに実行されます。
[Run Immediately]: Distributorが更新されると同時にイベントが実行されます。以後、イベントは設定した間隔に従って実行されます。
[Run Immediately]とは別に、間隔を設定したスケジュールタイプで予定外の時間にイベントを実行するには、iManagerのZENworks Server Managementロールを使用できます。詳細については、Novell iManagerを参照してください。
スケジュールの設定方法を決める際に、次の指針を参考にしてください。
Distributorの必要数は、Distributorサーバの負荷およびDistributionの構築作業を完了できるかどうかによって決まります。
たとえば、ピーク外の時間中に構築し、すぐには送信する必要がない大きなDistributionと、すぐに送信する必要があるウィルスパターンDistributionがある場合は、2つの異なるDistributorを使用します。最初のDistributionについては、Distributionを毎日1回のみ構築するので、更新スケジュールとして毎日を設定します。2番目のDistributionについては、新しいウィルスパターンの変更を検出するために頻繁な更新スケジュールを設定し、Distributionを適時に構築および送信できるようにします。
Tiered Electronic Distributionを使用する目的は、SubscriberがDistributionを使用する時期を制御することにあります。その方法として、SubscriberがDistributionを使用するときにDistributionを構築することができます。この場合、必要なDistributionが適時にSubscriberに到着するように他のスケジュールを調整することが重要です。
このスケジュールの調整に最も役立つのがChannelの送信スケジュールです。次の例を参考にしてください。
Subscriberのすべての抽出スケジュールを[Run Immediately]に設定した場合、大きなDistributionを受信してもピーク時のSubscriberサーバへの影響を心配する必要はありません。Channelの送信スケジュールを使用すると、Subscriberによる特定のDistributionの受信と抽出の時期を制御できます。
簡単にまとめると、Distributionが必要になったときに構築し、SubscriberがDistributionを受信すると同時に抽出して使用できるように準備を完了します。次に、ChannelからSubscriberに対してDistributionを最適な時間に送信するように設定します。
Distributorサーバの配布作業に伴う負荷を分散するには、次の操作を行います。
[Randomly Dispatch]オプションの詳細については、[Randomly Dispatch During Time Period]オプションの使用を参照してください。
これにより、多数のDistributionの送信に伴うネットワークトラフィックは、スケジュールの時間帯全体に分散されます。
Distributionを[Active]または[Inactive]に設定することができます。
[Active]: [Active]チェックボックスは、Distributionオブジェクトの[General]タブにあります。
[Inactive]: DistributionをSubscriberに送信できる準備が完了するまでDistributionを停止状態にするには、Distributionを構築するときに[Inactive]を使用します。
Distributionオブジェクトを作成または変更する場合は、Distributionパッケージの配布を開始する準備が整うまで、関連するChannelを[Inactive]に設定することをお勧めします。これにより、設定が未完了のDistributionが間違えて送信されるのを防止できます。
以下の節では、スケジュール設定に関する問題について説明します。
4つのスケジュール(更新、構築、送信、および抽出)の相互関係は、配布プロセスの成功または適時性を左右します。
配布プロセスは、4つのスケジュール間の適時の相互関係に依存します。Distributionの目的に応じて、配布プロセスに関与する各スケジュールの役割を決定できます。
たとえば、ウィルスパターンDistributionは、その設定または変更が終了すると同時に送信し、ターゲットサーバで受信してすぐに使用できるように、Tiered Electronic Distributionの4つの各オブジェクトに関連するスケジュールを設定します。
一方、特に大きなDistributionで、送信に要する帯域幅と構築および抽出に要するサーバ時間が余分に必要な場合は、ピーク時を避けた時間帯に構築、送信、および抽出するように各スケジュールで調整します。
目的とサイズが異なるDistributionを同じDistributorサーバで構築する場合が少なくありません。したがって、このような状況にも対応できるスケジュールを設定する必要があります。たとえば、Distributorの更新スケジュールを5分ごとに実行するように設定すると、Distributionをすぐに送信するとともに、ピーク時を避けた時間に送信することもできます。これは、Distributionの構築スケジュールは、特定のDistributionが構築されたとき(即時またはピーク時を避けた時間)に実行されることによります。
Subscriberの抽出スケジュールでは、Distributionの即時抽出とピーク時を避けた時間帯の抽出が競合する場合があります。しかし、Distributionをすぐに抽出してインストールするようにSubscriberのスケジュールを設定する場合に、構築スケジュールと送信スケジュールを使用して特定のDistributionを受信する時期を制御できます。このようにして、ウィルスパターンDistributionは(小さくてサーバに負担を与えないので)すぐに抽出し、大きなDistributionはピーク時を避けた時間に受信して抽出することができます。
Distributionごとに構築時間を制御できること、および通常はDistribution別にChannelを作成することから、Distributorの更新スケジュールとSubscriberの抽出スケジュールはきめ細かく設定できます。つまり、大半のスケジュールの食い違いは構築スケジュールと送信スケジュールで制御できます。
Distributorは、Distributionオブジェクトの構築スケジュールに従ってDistributionを構築します。ただし、この構築が行われるのは、Distributorが更新スケジュールに従ってeDirectoryを読み込み、新しいDistributionや既存のDistributionの変更など、再構築が必要となるような変更を検出した後です。つまり、構築スケジュールは更新スケジュールに依存します。
したがって、新しいDistributionオブジェクトを作成して設定した直後にDistributionを構築するには、そのような直後の構築を可能にするためにDistributorの更新スケジュールの実行間隔を短くする必要があります。たとえば、Distributorの更新スケジュールを5分間隔に設定します。
ただし、Distributorサーバでピーク時を避けた時間にのみDistributionを構築する場合は、更新スケジュールの開始時刻と終了時刻をピーク時を避けた時間帯に設定します。したがって、そのような時間帯を指定できる更新スケジュールタイプを選択する必要があります。たとえば、[Daily]、[Monthly]、および[Yearly]を選択すると、時間帯を設定できます。さらに、[Daily]を使用すると、eDirectoryを読み込んで変更を検出する曜日を指定することもできます。
Distributionは、最初の構築が終了済みのものだけがChannelに表示されます。したがって、Channelの送信スケジュールは、新しく構築された場合でも変更のために再構築された場合でも、既存のDistributionに適用されます。Distributorは、Channelオブジェクトの送信スケジュールに従ってDistributionを送信します。つまり、送信スケジュールは更新スケジュールまたは構築スケジュールには依存しません。
ただし、Subscriberサーバは送信スケジュールが開始されるまでDistributionを受信しないので、更新スケジュールおよび構築スケジュールは送信スケジュールに依存します。
Channelには、送信可能なDistributionのみが表示されます。Channelは、既存のDistributionが再構築を要するかどうかには関知しません。送信スケジュールは、Channelに登録しているSubscriberサーバにDistributionを送信できる時期をDistributorに指示するだけです。
したがって、Channelの送信スケジュールの開始時に送信できるようにDistributionの最初の構築または再構築が完了している必要があるという点で、構築スケジュールは送信スケジュールに依存します。また、構築後のDistributionを送信するには、送信スケジュールの開始を待つ必要があります。
送信スケジュールが開始されると、DistributorからChannelに登録しているSubscriberサーバに対して、Channelに表示されているDistributionが送信されます。ただし、受信されたDistributionは、Subscriberの抽出スケジュールが開始されるまで抽出されません。
したがって、Distributionの抽出は抽出スケジュールにのみ依存します。ただし、Distributionを抽出できる時期は送信スケジュールによって決定されます。つまり、抽出スケジュールは送信スケジュールに依存します。
送信されたDistributionは抽出スケジュールが開始されるまで抽出およびインストールされないという点に限り、送信スケジュールは抽出スケジュールに依存します。これは、送信スケジュールだけではDistributionを完全に処理できないことを意味します。
複数のタイムゾーンによってスケジュール設定作業が混乱する場合があります。次の節では、この種の問題について説明します。
タイムゾーンのオフセットに関する次の情報はChannelオブジェクトを基準にしています。ただし、この情報はスケジュールを設定できるすべてのTiered Electronic Distributionオブジェクトに該当します。
Channelは特定のサーバに関連付けられていないツリー内のオブジェクトであるため、Channelの時間は、ConsoleOne(R)を実行し、Channelのスケジュールを設定するワークステーションのローカルタイムゾーンに常に設定されます。
たとえば、管理者がニューヨーク市に居住している場合、この管理者が同市からスケジュールを設定するChannelのローカル時間はニューヨーク時間になります。
このChannelとは異なるタイムゾーンのDistributorがこのChannelにDistributionを持っている場合、そのDistributorはこのChannelのローカル時間のスケジュールに従ってDistributionを送信する必要があります。たとえば、次のように入力します。
DistributorがDistributionを送信できる正しいローカル時間を決定するには、タイムゾーンのオフセットを使用する必要があります。また、ChannelのスケジュールによってDistributionを送信できる時期が決まるため、Distributionに設定した構築スケジュールがChannelのスケジュールよりも前に実行されることを確認する必要があります。
World Time Serverは、世界の2地点間の時差を確認できるWebサイトです。
このサイトを参照する場合は、次の点に留意してください。
このサイトを利用して2つのTiered Electronic Distributionの場所間の時差を計算するには、次の手順に従ってください。
一方のTiered Electronic Distributionサイトの場所を選択します。
表示される時間、曜日/日付、GMTオフセット、および夏時間であるかどうかを(後の参考のために)書き留めます。
別のTiered Electronic Distributionサイトの場所を選択します。
表示される時間、曜日/日付、GMTオフセット、および夏時間であるかどうかを書き留めます。
スケジュールを調整するすべてのTiered Electronic Distributionの場所について、このプロセスを繰り返します。
収集した情報を使用して、Tiered Electronic Distributionの場所間の時差を計算します。
Tiered Electronic Distributionの異なる各場所でイベントがローカルに発生する時間を考慮し、時差を使用して適切なスケジュールを設定します。
例として、
ハワイの夜遅くにDistributionを送信する場合は、Channelの時間帯をニューヨークの午前1時よりも後に開始する必要があります。たとえば、次のように入力します。
Channelのスケジュールを設定する場合は、どのオブジェクトの時間帯がより重要であるかを判断する必要があります。たとえば、Distributorにとってピーク時を避けた時間帯にDistributionを送信することがより重要である場合があります。したがって、ニューヨークとハワイの例で言うと、Distributionの送信をハワイ時間の深夜0時以降に開始するには、ニューヨークのChannelの開始時刻を午前6時以降に設定する必要があります。
タイムゾーンが異なるSubscriberがあるときに、同じローカル時間(午前3時など)にDistributionを受信するように設定する必要がある場合は、地域をベースにしたChannelを使用します。
Distributionに単一のChannelを使用した場合は、このDistributionを送信と同時に受信することしかできません。つまり、Subscriberがすべて同じタイムゾーンにあるわけではない場合、Distributionは別々のローカル時間に到着することになります。たとえば、次のように入力します。
ただし、本来の意図は、これら両方のSubscriberそれぞれのローカル時間の午前3時にDistribution_Aが受信されるようにすることです。
Subscriber002もローカル時間の午前1時ではなく午前3時にDistribution_Aを受信するようにするには、次の手順に従ってください。
次のように動作します。
地域をベースにしたChannelを使用することにより、Distributorは、同じ日の異なる時間に同じDistributionを送信することができます。
[Randomly Dispatch During Time Period]オプションは、各スケジュール(Distributor、Subscriber、Channel、およびDistribution)で使用できます。このオプションは、[Daily]、[Monthly]、または[Yearly]の各スケジュールタイプに設定できる時間帯(開始時刻と終了時刻)と組み合わせて使用します。
ランダムな実行では、スケジュール設定されたアクションが指定した時間帯の任意な時間に実行されます。これにより、サーバに対する負荷を分散できます。ただし、アクションをすぐに実行したい場合は、ランダムに実行されるスケジュールを設定していると混乱することがあります。
次の節では、[Randomly Dispatch]オプションに関する問題について説明します。
Distributorの更新スケジュールで[Randomly Dispatch]オプションを使用し、eDirectoryからのDistributionの更新に伴う負荷を分散することができます。これにより、多数のDistributorが同時にeDirectoryを読み込むことを避けてネットワークトラフィックを最小限に抑えることができます。
Distributorの更新スケジュールは、そのDistributorに関連するDistributionの構築スケジュールおよびChannelの送信スケジュールと調整する必要があります。
Distributorの更新スケジュールは、Tiered Electronic Distributionの情報がeDirectoryで更新される頻度を考慮して決定します。たとえば、新しいDistributionが作成される頻度、既存のDistributionオブジェクトのプロパティが変更される頻度、新しいChannelが追加される頻度などを考慮します。Distributorは、Tiered Electronic Distributionオブジェクトへの変更を検出するために、eDirectoryを再読み込みする必要があります。eDirectoryの更新は、構築スケジュールおよび送信スケジュールが開始される前に終了する必要があります。
重要: Distributorの更新間隔は最低5分とし、それより短くしないでください。Distributionの構築、eDirectoryの複製、およびツリーの検索(検索ポリシーが定義されていない場合)には、最大で5分を要する場合があります。
[Randomly Dispatch]オプションを使用する場合は、構築スケジュールと送信スケジュールの開始時刻を設定する際に更新スケジュールの終了時刻を考慮する必要があります。
Distributionの構築スケジュールで[Randomly Dispatch]オプションを使用し、DistributorによるDistributionの構築作業に伴う負荷を分散することができます。DistributorのDistribution数が増大するほど、負荷を分散することが必要になります。
Distributionの構築スケジュールは、そのDistributorの更新スケジュールおよび関連するChannelの送信スケジュールと調整する必要があります。Distributionの構築は、更新スケジュールの終了後に開始し、送信スケジュールの開始前に終了します。
重要: Distributorの更新間隔は最低5分とし、それより短くしないでください。Distributionの構築、eDirectoryの複製、およびツリーの検索(検索ポリシーが定義されていない場合)には、最大で5分を要する場合があります。
[Randomly Dispatch]オプションを使用する場合は、構築スケジュールの開始時刻を設定する際にDistributorの更新スケジュールの終了時刻を考慮し、送信スケジュールの開始時刻を設定する際に構築スケジュールの終了時刻を考慮する必要があります。
Channelの送信スケジュールで[Randomly Dispatch]オプションを使用し、Subscriberに対するDistributionの送信をスケジュールの時間帯内でランダムに開始することができます。ChannelにDistributionを持つ各Distributorは、指定された開始時刻と終了時刻の間のランダムな時間を計算して、Distributionの送信を開始します。これにより、ネットワークの配布負荷を一定時間内で分散することができます。
たとえば、Distributor AおよびDistributor BのDistributionがChannelにあるとします。各Distributorは、各自のランダムな時間を計算してDistributionの送信を開始します。
多数のChannelがあり、すべてのChannelにあるすべてのDistributionを午後10時から午前4時までの6時間中に送信する場合なども、送信スケジュールで[Randomly Dispatch]オプションを使用できます。各Channelで[Randomly Dispatch]オプションを使用すると、すべてのChannelにあるDistributionの送信時間をその6時間内で分散することができます。
[Randomly Dispatch]オプションを使用する場合は、送信スケジュールの開始時刻を設定する際に関連する各Distributionの構築スケジュールの終了時刻を考慮し、すべての関連するSubscriberの抽出スケジュールの開始時刻を設定する際に送信スケジュールの終了時刻を考慮する必要があります。
[Repeat the Action Every]フィールドがあるスケジュールタイプの場合、このオプションの動作は他のスケジュールやDistributorによるeDirectoryの読み込み頻度などの他の要因に依存します。
例:
アクション(Distributionの送信)は、次のように繰り返されます。
Distributionの前のバージョンが送信されずにキュー内に残っていた場合は、このバージョンの次に新しいバージョンがキューに挿入されます。つまり、送信中のバージョンのDistributionがある場合は、別のバージョン(最新のビルド)のDistributionが1つだけキューに挿入されます。
最新のDistributionがSubscriberにすでに存在する場合でも、Distributorは常に最新のバージョンを送信します。