アプリケーションを配布するための準備

配布するアプリケーションは、次の4つのタイプに分類できます。

次の節で説明するように、アプリケーションの配布準備に必要なタスクは、アプリケーションのタイプによって異なります。


簡単なアプリケーションの準備

簡単なアプリケーションの場合には、ワークステーションにコピーする必要のあるファイルはまったく(またはほとんど)なく、変更する必要のあるワークステーションのレジストリ、INIファイル、環境変数もまったく(またはほとんど)ありません。

次の表に、簡単なアプリケーションの配布の例を示します。

配布に関する要件

新規アプリケーションをユーザのワークステーションから実行する

3つのファイルで構成されたアプリケーションをユーザのワークステーションにコピーします。ワークステーションの環境設定を変更する必要はありません。

既存のアプリケーションをユーザのワークステーションから実行する

既存のアプリケーション(たとえば、Windowsのメモ帳)をApplication Launcherからアクセスできるようにします。

ソフトウェアパッチ

ソフトウェアパッチをユーザのワークステーションにコピーして、自動的に適用します。

データベースアプリケーションをネットワークから実行する

ネットワークデータベースアプリケーションをユーザのワークステーション上で使用できるようにします。ファイルをワークステーションにコピーする必要はありません。データベースアプリケーションの実行可能ファイルを指すショートカットのみが必要になります。

通常、簡単なアプリケーションの配布を準備する場合、次の規則が適用されます。

簡単なアプリケーション用のeDirectoryオブジェクトを作成した後(eDirectoryでのアプリケーションの設定を参照)、Application Launcherがファイルをワークステーションにコピーしたり、アプリケーションの実行可能ファイルへのショートカットを作成したり、アプリケーションを正しく配布するのに必要なその他のタスクを実行するように、アプリケーションオブジェクトを設定することができます。必要に応じて、アプリケーションオブジェクトを設定して、アプリケーションが必要なワークステーション設定(レジストリ設定、INI設定など)を変更することもできます。


複雑なアプリケーションの準備

Novell GroupWiseやMicrosoft Officeなどの複雑なアプリケーションでは、多くのファイルをワークステーションにインストールし、ワークステーションの多くの環境設定を変更する必要があります。

アプリケーションのファイルをネットワークディレクトリにコピーするのは、(簡単なアプリケーションの場合と同じように)簡単にできるかもしれませんが、アプリケーションオブジェクトを設定して、アプリケーションファイルをインストールするワークステーション上のターゲットディレクトリを指定するには多くの時間がかかります。正しい情報を使用してアプリケーションオブジェクトを設定するために変更する必要のあるワークステーション設定(レジストリ設定、INI設定など)を見つけるには、さらに多くの時間がかかります。

Microsoft Officeなどの一部のアプリケーションでは、アプリケーションをワークステーションにインストールするためにWindows Installerが必要とするファイルと環境設定を含むMicrosoft Windows Installer (MSI)パッケージが用意されています。Application Launcherは、MSIパッケージの使用による、これらのアプリケーションの配布をサポートしています。MSIパッケージは、Application Launcherがアクセスできるネットワークサーバ(NetWareまたはWindows)上に置く必要があります。

Windows Installer (MSI)パッケージが用意されていない、Novell GroupWiseなどのアプリケーションの場合には、ZfD snAppShotTMユーティリティを使用して、配布するファイルと環境設定を含むsnAppShotパッケージを作成することができます。Windows Installerパッケージと同じように、snAppShotパッケージは、Application Launcherがアクセス可能なNetWareまたはWindowsサーバ上に置く必要があります。

次の節では、Windows InstallerパッケージおよびsnAppShotパッケージを理解し、作成するのに役立つ情報について説明します。


Microsoft Windows Installer (.MSI)パッケージ

Microsoft Windows Installerは、Windows 2000、Windows XP、およびWindows Meオペレーティングシステムの一部として同梱されているインストールおよび設定サービスで、Windows 95、Windows 98、およびWindows NT 4.0にはサービスパックとして提供されています。Microsoft Office 2000などの多くのアプリケーションは、Windows Installerによってインストールされるように設計されています。

Microsoft Windows Installerは.msi fileと各種のサポートファイルで構成されたファイルパッケージから、アプリケーションをワークステーションにインストールします。MSIアプリケーションを配布する場合、Application LauncherはWindows Installerを呼び出して、ワークステーションへのインストールを実行します。

Application Launcherによって.MSIアプリケーションを配布すると、Windows Installerによるインストールの利点(オンデマンドインストール、変換、ソースの復元など)を利用しながら、アプリケーションにアクセスするユーザを制御できます。

Windows Installerパッケージを使用する:

  1. 管理オプションを使用してアプリケーションのセットアッププログラムを実行し、NetWareまたはWindowsサーバ上にパッケージを作成します。詳細については、アプリケーションのインストールマニュアルを参照してください。

    または、

    アプリケーションが設定済みのパッケージを含んでいる場合は、パッケージ(.msiファイルとサポートファイル)をNetWareまたはWindowsサーバにコピーします。

    正しく配布するためには、ファイルパッケージの置かれたNetWareまたはWindowsサーバがApplication Launcherで使用可能である必要があります。Application Launcherがネットワークリソースにアクセスするために何が必要とされるかについて詳細は、Novell Application Launcherの認証とファイルシステムへのアクセス権の管理を参照してください。


ZfD snAppShotパッケージ

ZfD snAppShotユーティリティは、Microsoft Windows Installerではインストールできない複雑なアプリケーションのファイルパッケージとアプリケーションオブジェクトを作成するプロセスを自動化します。

snAppShotは、アプリケーションがインストールされていないワークステーションで実行します。snAppShotは、アプリケーションのインストール前と後にワークステーションの状態(ファイルおよび環境設定)を記録します。この情報を使用して、アプリケーションのファイルパッケージ(.filファイル)とアプリケーションオブジェクトのテンプレートファイル(.aotファイルまたは.axtファイル)を作成します。

AOTには、ファイルのコピー先になるワークステーション上の場所と変更が必要なワークステーションの設定に関する情報が含まれています。eDirectoryでアプリケーションオブジェクトを作成すると、AOTの情報は自動的にアプリケーションオブジェクトに転送されるので、手動でこの情報を定義する必要はありません。Application Launcherはアプリケーションをワークステーションに配布する場合、アクセスできるNetWareまたはWindowsサーバにある.filファイルと、アプリケーションオブジェクトに保存されている環境設定情報(レジストリの変更、INIファイルの変更など)を使用します。

snAppShotを使用してファイルパッケージとアプリケーションオブジェクトのテンプレートファイルを作成する:

  1. 「クリーンな」ワークステーションをセットアップします。

    アプリケーションがインストールされていないワークステーションを使用する必要があります。

  2. ZfD Serverのsys:\public\snapshotディレクトリからsnAppShot (snapshot.exe)を実行します。

  3. 画面の指示に従って、パッケージを作成します。snAppShotの詳細については、snAppShotを参照してください。

    snAppShotパッケージ(.filファイルおよび.aot/.axtファイル)を作成するNetWareまたはWindowsサーバがApplication Launcherで使用可能であることを確認します。Application Launcherがネットワークリソースにアクセスするために何が必要とされるかについて詳細は、Novell Application Launcherの認証とファイルシステムへのアクセス権の管理を参照してください。


Webアプリケーションの準備

Webアプリケーションは、WebブラウザでURLを介して起動できるアプリケーション(またはWebコンテンツ)です。基本的に、Application Launcherが表示するショートカットによって、WebアプリケーションのURLをユーザが使用できるようにするだけです。ユーザがショートカットを選択すると、Application LauncherはユーザのWebブラウザを起動して、Webアプリケーションが表示されます。

ユーザに配布するためにWebアプリケーションを準備する:

  1. Webアプリケーションを該当するWebサーバにインストールします。

  2. Novell iChain(R)などのセキュリティ製品を使用して、Webコンテンツに対して安全な認証とアクセスを提供する場合は、Webアプリケーションを配布するユーザに対してアクセス権を定義していることを確認します。


ターミナルサーバアプリケーションの準備

ターミナルサーバアプリケーションは、Microsoft WindowsターミナルサーバまたはCitrix MetaFrame*サーバ上にホストされているアプリケーションです。ユーザは、自分のワークステーション上のターミナルサーバクライアントセッションを介してアプリケーションを実行します。

重要:  ZfD 4.0.1には、DeFrameと呼ばれる新しいApplication Management機能が含まれています。DeFrameは、ターミナルサーバアプリケーションの配布および管理だけでなく、負荷分散やその他の有用なターミナルサーバアプリケーション管理機能を提供しています。DeFrameターミナルサーバアプリケーションの環境設定は、ここで説明した従来のZfDターミナルサーバアプリケーションの環境設定とは異なります。どの方法を使用するか判断するために、ZENworks for Desktopsの『ZENworks for Desktops 4.0.1 DeFrameインストールおよび管理ガイド』を参照することを強くお勧めします。DeFrameを使用することを選択する場合は、そのインストール手順について、『Preparing for the ZfD DeFrame Software Installation』(ZfD 4.0.1のみ)および『DeFrame Softwareのインストール』(ZfD 4.0.1のみ)を参照してください。

ユーザに配布するためにターミナルサーバアプリケーションを準備する:

  1. アプリケーションをターミナルサーバにインストールします。ZfDのApplication Managementを使用して、アプリケーションをターミナルサーバに配布する方法については、ターミナルサーバへのアプリケーションの配布を参照してください。

  2. アプリケーションを実行するのに必要なファイルシステムに対する権利を与えるターミナルサーバアカウントをユーザが持っていることを確認します。必要に応じて、すべてのユーザに対して1つのアカウントを設定することができます。詳細については、ターミナルサーバユーザアカウントの管理を参照してください。