Desktop Application Distributionの作成


Desktop Application Distributionウィザードの理解

ZENworksでは、Tiered Electronic Distributionを使用して、アプリケーションオブジェクトを同じツリーの別の場所または別のツリーに配布できます。Desktop Application Distributionでは、アプリケーションに関連付けられたオリジナルのファイルをサーバの適切な場所にコピーします。この場所から、配布されたアプリケーションオブジェクトに関連付けられたユーザグループとワークステーショングループにローカルにサービスを提供できます。

アプリケーションを配布するには、Server Management Desktop Application Distributionウィザードを使用してDistributionを設定します。これには次のような作業が含まれます。

ウィザードを使用してDesktop Application Distributionを作成するには、Distributionの作成に進みます。


Distributionの作成

重要:  このウィザードをConsoleOneで実行する代わりに、この手順をiManagerで実行することもできます。詳細については、iManagerのコンテキストに応じたヘルプを参照してください。

  1. 要件に記載されているすべての要件を満たします。必要に応じて、コードページ変数も作成します。

  2. ConsoleOneで、Distributionオブジェクトを保存するコンテナを右クリックし、[New]、[Object]の順にクリックし、[TED Distribution]を選択して、[OK]をクリックします。

  3. Distributionの名前を指定します。

    重要:  Distribution名にピリオド(.)は使用できません。代わりに、単語の区切り文字としてはダッシュ(-)またはアンダースコア(_)を使用します。Distribution名にピリオドを使用した場合、Distributionは送信されず、Distributorは終了後も再ロードされません。

  4. DistributorにDistributionの所有権を与えるには、Distributorオブジェクトを参照して選択し、[Define Additional Properties]をクリックし、[OK]をクリックします。

    Distributionオブジェクトのプロパティが表示されます。

  5. [General]タブを選択し、[Settings]フィールドに入力します。

    [Active]: 必須。DistributionをSubscriberで利用できるようにするには、アクティブにする必要があります。

    [Use Digests]: ダイジェストは、送信中にDistributionが改ざんされていないことを確認するために、DistributorとSubscriberによって使用されます。このダイジェストは、Subscriberが照合するMD5チェックサムを提供します。

    ダイジェストは、Distributionのパッケージの破損も検出します。破損があると、SubscriberはDistributionのdistfile.tedファイルの名前をdistfile.corruptに変更し、次回にChannelのスケジュールが開始されたときにDistributionを再構築して送信します。

    [Encrypt]: セキュリティで保護されていない接続を介して送信する場合に、Distributionを暗号化できます。暗号化によって、同一ファイアウォール内にないDistributorとSubscriberの間で送信されるDistributionのセキュリティが向上します。[Strong]または[Weak]のいずれかの暗号化を選択します。

    暗号化を実行する各サーバにNICI 2.6.4以降をインストールしている必要があります(NICI 2.6.4のインストールを参照)。旧バージョンのNICIとバージョン2.6.4以降は互換性がありません。

    [Maximum Revisions]: この数値は、DistributorとSubscriberの作業ディレクトリに特定のDistributionのバージョンをいくつまで保存できるかを指定することによって、ディスク容量の使用状況を制御するのに役立ちます。デフォルトは10です。データが頻繁に変更され、変更が最小限である(デルタファイルが小さい)場合は、この数値を大きくします。データが頻繁に変更されない場合や、大部分のデータが変更される(デルタファイルが大きい)場合は、この数値を小さくします。[1]を選択すると、[Delete Previous Revision]フィールドが選択されます。

    リビジョンの最大数に近づくと、SMTP通知が設定されている場合、SMTP電子メール通知が送信されます。SMTP電子メール通知の設定については、SMTP Hostを参照してください。

    [Delete Previous Revision Before Receiving Next]: このオプションは、[Maximum Revisions]フィールドで[1]を選択した場合に、利用できます。Distributionのサイズが大きく、Subscriberサーバ上の利用可能なディスク容量が犠牲になる場合は、このオプションをオンにして、以前のバージョンを削除してから次のバージョンを受信することによって、ディスク容量を節約できます。このチェックボックスをオフにした場合、以前のバージョンが削除される前に、新しいバージョン全体が受信されます。いずれの場合も、Distributionを受信した後、Subscriberの作業ディレクトリに保存できるDistributionのバージョンは1つだけです。

    [Priority]: Distributionに優先度を指定して、他のDistributionとの関係でDistributionをどのように送信するかを指定できます。優先度が[High]の場合、そのDistributionは、優先度が[Medium]や[Low]のDistributionよりも先に送信されます。

    Distributor: このDistributionを構築および送信するDistributorオブジェクトのDNを表示します。Distributorは、Distributionオブジェクトの作成時に選択しています。

    説明: Distributionに関する役に立つ詳細情報を入力します。たとえば、デスクトップアプリケーションの名前、含まれているファイルやディレクトリ、対象になるユーザグループなどです。

  6. [General]>[Restrictions]の順にクリックします。

    Distribution自体のプラットフォームを制限するかどうかを選択できます。これは配布されたアプリケーションオブジェクトの制限ではありません。

    [No Restrictions]: デフォルトではこのオプションが選択されています。プラットフォームの制限を指定するには、このオプションをクリックして無効にした後、このDistributionを受信するプラットフォームに対応するチェックボックスをオンにします。

    チェックボックスがオンになっていないプラットフォームでは、Distributionを受信できません。つまり、[No Restrictions]オプションを無効にし、プラットフォームを選択しないことによって、そのプラットフォームへの送信を制限します。

    使用できるオプションは次のとおりです。

       [No Restrictions]
       [NetWare All]
       [NetWare 4.x](以前のバージョンのZfSでサポートされていたプラットフォーム)
       [NetWare 5.0](以前のバージョンのZfSでサポートされていたプラットフォーム)
       [NetWare 5.1]
       [NetWare 5.x](以前のバージョンのZfSでサポートされていたプラットフォーム)
       [NetWare 6.x
       [Windows Server]

    [No Restrictions]は、Distributionをすべてのプラットフォームに送信できるという意味です。

    [NetWare All]を選択した場合、個々のNetWareプラットフォームを選択する必要はありません。

  7. [Type]タブを選択し、[Select Type]ドロップダウンボックスで[Desktop Application]を選択して、[Setup]をクリックします。

    Desktop Application Distributionウィザードが起動されます。iManagerでは、このウィザードの代わりに独自のインタフェースが使用されます。

    [Modify]をクリックして[Desktop Application Agent]プロパティページからこのウィザードを起動することもできます。

    1. 導入情報を読んだ後、[Next]をクリックします。

    2. フィールドに入力し、[Next]をクリックします。

      [Maintain Source Tree Structure]: 配布されたアプリケーションオブジェクトを配置するために、ソースツリーの構造を配布先(ターゲットSubscriberの作業コンテキスト)に複製します。チェーンアプリケーションを選択している場合は、このオプションを選択する必要があります。

      詳細については、ソースパスの保持を参照してください。

      [Source Root Context]: 配布する配布準備のできたアプリケーションオブジェクトのルートコンテナとして使用されるコンテナを選択します。このルートコンテナとその従属コンテナからのみ配布準備のできたアプリケーションオブジェクトを選択してください。

      [Maintain Associations]: ターゲットの場所に存在しない場合に、関連付けられたグループやコンテナを配布します。ただし、複製元のグループやコンテナに含まれるユーザやワークステーションは配布されません。

      詳細については、オブジェクト配布時の関連付けの保持を参照してください。

      Distributionにチェーンアプリケーションがある場合は、このオプションを有効にする必要があります。詳細については、Distributionのチェーンアプリケーションを参照してください。

      重要:  以前に保持される関連ユーザ/ワークステーショングループまたはコンテナに設定した権限は配布されませんが、配布されたグループまたはコンテナでユーザがアプリケーションを使用するのに必要な最小限度に設定されます。

      [Always Replicate Association Flags]: 配布準備のできたアプリケーションオブジェクトに関連付けられた各グループやコンテナに対して、起動設定フラグを各配布されたアプリケーションに複製します。

      [Load Balance and Fault Tolerance Support]: 自動化された負荷分散または障害対策を使用するか、またはどちらも使用しないかを選択します。

      • [Load Balance]: サーバの負荷をDesktop Application Distribution用に使用されるサーバに自動的に分散させます。障害対策の機能(冗長)は負荷分散によって自動的に実行されます。

      • [Fault Tolerance]: Desktop Application Distribution用に使用されるサーバが、停止した別のサーバの配布処理を引き受けることができます。[Fault Tolerance]は負荷分散機能を提供しません。

      • [None]: いずれのオプションも適用されません。個別にサポートする場合は、各配布されたアプリケーションオブジェクトの負荷分散や障害対策を個別に設定する必要があります。

      これら2つを機能をさせるには

      • Distributionを受信する複数のSubscriberが同じ作業コンテキストを使用している必要があります。
      • アプリケーションオブジェクトの[Fault Tolerance]>[Fault Tolerance]のプロパティページまたは[Fault Tolerance]>[Load Balancing]のプロパティページで[User Source List]ボタンを選択している必要があります。

      選択したオプションに応じて、この作業コンテキストを共有するすべてのサーバ上のファイルの場所に[Load Balancing]または[Fault Tolerance]のページが入力されます。

      詳細については、Server Managementの配布されたアプリケーションを参照してください。

      [Rebuild Only If Any Application Version Number Changes]: 構築スケジュールに基づいてDistributionの再構築を制御できます。配布できるようになるまで、配布準備の整ったアプリケーションオブジェクトの変更を保持するには、このチェックボックスを選択します。

      このチェックボックスのステータスに関係なく、アプリケーションがDistributionに追加されるかDistributionから削除されると、Distributionがその構築スケジュールに基づいて再構築されます。

      詳細については、再構築のトリガを参照してください。

    3. [Add]をクリックし、配布準備のできたアプリケーションオブジェクトを参照して選択します。

      ウィザードの前のページで設定したルートディレクトリよりも上の階層を参照しないでください。特に[Maintain Source Tree Structure]オプションを選択している場合には注意してください。

      重要:  Desktop ApplicationのソースファイルはDistributorサーバのファイルシステムに存在している必要があります。Distributionは、別のサーバのファイルシステムから収集することはできません。

    4. マップされたドライブの機能を配布されたアプリケーションで使用するときに、配布準備のできたアプリケーションオブジェクトのソースパスを保持する場合、[Keep the Same Source Paths for the Replicated Objects]オプションを選択します。

      詳細については、ソースパスの保持を参照してください。

    5. 配布先ボリュームまたは共有フォルダを指定します。

      配布されるアプリケーションファイルは、ウィザードの前のページで選択した配布準備のできたアプリケーションオブジェクトに関連付けられているファイルです。

      代わりに変数を指定することもできます。変数を使用する場合、その変数は、配布先Subscriberサーバのプロパティで、ターゲットサーバのボリュームまたは共有フォルダを指すように定義されている必要があります。

      このボリューム(NetWare)または共有フォルダ(WindowsおよびLinux)は、アプリケーションファイルがコピーされる従属ディレクトリを配置するためのルートになります。

    6. アプリケーションのデフォルトパスだけを使用するには、Applicationの[Default Directory Path]をクリックします。デフォルトパスは、ステップ 7.eで指定したルートから始まるように配置されます。

      または

      ユーザ定義のディレクトリパスをアプリケーションのファイルに提供する場合は、[User-Defined Directory Path]をクリックし、パス情報を指定します。

      指定するパスは次のように使用されます。

      • ボリュームまたは共有フォルダ名は変更されません(ステップ 7.eで指定したとおりです)。
      • パス情報は、ボリュームまたは共有フォルダ名の後に挿入されます。
      • アプリケーションのデフォルトパスの一部がユーザのパス情報に追加されます。追加されるのは、デフォルトパスの、アプリケーションのファイルのすぐ上の親ディレクトリから始まる部分です。親ディレクトリよりも上の階層にあったデフォルトパス情報は、ユーザのパスエントリに置き換えられます。

      最終的にカスタマイズされたディレクトリパスは、ボリュームまたは共有フォルダで始まり、次にユーザ定義のパス情報が続き、最後はアプリケーションのすぐ上の親ディレクトリで終わります。たとえば、アプリケーションの実行可能ファイル(application.exe)のデフォルトパスが次のようになっているとします。

      \application_root_directory\application_subdirectory

      ここで、ユーザ定義のパスとして「mypath」と入力すると、実行可能ファイルの新しいフルパスは次のようになります。

      c:\mypath\application_subdirectory\application.exe

      共有フォルダとして「C:」、ユーザ定義パスとして「\mypath」と入力しました。\application_root_directoryは\mypathに置き換えられています。\application_subdirectoryはapplication.exeのすぐ上の親ディレクトリです。

    7. [Next]をクリックして続行します。

      [Summary]ページが表示されます。

    8. 変更する場合は、[Back]をクリックします。

    9. Distributionオブジェクトの設定が終了したら、[Finish]をクリックしてウィザードを終了します。

      Distributionオブジェクトの[Type]タブで[Modify]をクリックすることによって、いつでもDistributionを編集できます。

  8. [Channels]タブを選択し、[Add]をクリックした後、このDistributionのChannelを参照して選択します。

    Channelを使用してSubscriberにデータをプッシュする場合は、各Distributionに最低1つのChannelを関連付ける必要があります。Distributionは、選択したChannelを購読しているすべてのSubscriberに送信されます。

  9. [Schedule]タブを選択し、[Build schedule]を選択します。

    曜日
    間隔(Interval)
    Never
    すぐに実行(Run Immediately)
    Time
  10. [Apply]をクリックして[Distribution]を作成します。

    追加のセキュリティ証明書をコピーするよう求めるメッセージが表示されます。

  11. [Yes]を選択して証明書を解決します。

    これによって、セキュリティ証明書が、Distributorから、Channelを購読しているSubscriberにコピーされます。

    詳細については、証明書の解決を参照してください。

  12. [OK]をクリックしてDistributionオブジェクトを閉じます。

    Distributorは、次回eDirectoryを読み込むとき(このスケジュールはDistributorオブジェクトのプロパティで設定される)、新しいDesktop Application Distributionに関するすべての情報(配布の詳細や構築スケジュールなど)を取得します。

    Distributionは構築スケジュールに従って構築され、Channelオブジェクトで設定されているスケジュールに従って送信され、Subscriberオブジェクトで設定されているスケジュールに従って抽出されます。

    ファイル収集プロセス時にDistributorが例外処理を実行した場合は、そのDistributionは構築されません。Distributorはエラーをレポーティングデータベースに記録します。

    抽出中にSubscriberが例外処理を実行した場合は、プロセスが完了しません。Distributorはこの情報をSubscriberから受信し、エラーをレポーティングデータベースに記録します。

    抽出後、Desktop Managementユーザのオブジェクトが関連付けられたコンテナにあるか、配布されたグループのメンバーである場合は、そのユーザは配布されたデスクトップアプリケーションへのアクセス権を持ちます。

    重要:  Desktop Application Distributionの場合、同時に複数のアプリケーション(1つずつまたは複数のDistribution)を配布しているときのディレクトリの同期に対処するために、遅延が組み込まれています。

    SubscribersはすべてのDesktop Application Distributionを同時に受信できますが、抽出は一度に1つずつ行います。1つのDistributionに複数のアプリケーションがある場合、Subscriberは配布されたアプリケーションオブジェクトを作成し、アプリケーションのファイルを一度に1つずつコピーします。組み込まれた遅延は、新規作成されたアプリケーションオブジェクトを円滑にディレクトリの同期化に役立ちます。

    組み込まれた遅延によって配布プロセスの時間がどれほど余計にかかるか確認するには、Desktop Application Distributionのアプリケーション個数に30秒をかけてください。

    一般的に、配布されるアプリケーションに、基本バージョンが1つと、デルタバージョンが2つなど、複数のバージョンが含まれている場合、それぞれのバージョンについて30秒間の遅延が発生します。たとえば、10個のデスクトップアプリケーションを送信するときに、それぞれ3つのバージョンがある場合は、Distributionの抽出が完了するまでに最低でも15分かかります。

  13. 任意の地理的な場所からアプリケーションに自動的にアクセスするDesktop Managementユーザおよびワークステーションの場合は、次のサイトリストをリンクする必要があります。

    1. Desktop Application Distributionが配布され、受信するSubscriberサーバによって抽出されるのを待ちます。サイトリストをリンクするには、配布されたアプリケーションオブジェクトが作成され、アプリケーションのファイルがインストールされている必要があるからです。

    2. ConsoleOneで、Distributionを構築するために使用した、配布準備のできたアプリケーションオブジェクトを右クリックし、[Properties]をクリックします。

    3. [Distributions]をクリックし、[Link Up Site Lists]ボタンをクリックします。

      この配布準備のできたアプリケーションオブジェクトから作成されたすべての配布されたアプリケーションオブジェクトは、[Replicated Applications]リストボックスに表示されます。また、配布されたアプリケーションオブジェクトを含むすべてのDistributionは、[Distributions Currently In]リストボックスに表示されます。

      [Link Up Site List]ボタンの動作は、次のとおりです。

      1.配布準備のできたアプリケーションオブジェクトに対しては、Distributionから作成された各配布されたアプリケーションオブジェクトを検索し、配布準備のできたアプリケーションオブジェクトのプロパティ([Replicated Applications]リストボックス)にオブジェクトの完全DNをリストします。
      2.配布された各アプリケーションオブジェクトに対しては、Distributionから作成された他の配布アプリケーションオブジェクトを検索します。配布準備のできたアプリケーションオブジェクトに対しては、配布されたアプリケーションオブジェクトのプロパティ([Replicated Applications]リストボックス)にオブジェクトの完全DNをすべてリストします。
      3.配布された各アプリケーションオブジェクトに対して手順1と手順2を繰り返します。
      4.[Replicated Applications]リストボックスに表示される各アプリケーションオブジェクトに対しては、そのオブジェクトに関連付けられているDistributionが各アプリケーションオブジェクトの[Distributions Currently In]リストボックスに表示されます。

      したがって、配布準備のできたアプリケーションオブジェクトとすべての配布されたアプリケーションオブジェクトは、その[Replicated Applications]リストボックスに相互に表示され、ユーザは接続しているネットワークの場所に関係なく、同じアプリケーションに対してローカルアクセス権を持つことができます。

    4. [OK]をクリックして、配布準備のできたアプリケーションオブジェクトのプロパティを閉じます。

    5. Desktop Application Distributionの構築に使用された配布準備のできたアプリケーションオブジェクトごとにステップ 13.bからステップ 13.dまでを繰り返します。

      サイトリストのリンクを実行する必要があるのは、配布準備のできたアプリケーションオブジェクトに対してのみです。