プレブートサービス機能について理解するには、次のセクションを参照してください。
Configuration Managementは、イメージングバンドルを使用して、プレブートサービス作業をデバイスに適用します。たとえば、イメージングバンドルには、イメージを復元するなどデバイスがブートする際に実行されるタスクを含めることができます。
デバイスがイメージングバンドルを使用するためには、バンドルがデバイス、そのグループ、またはそのフォルダに割り当てられている必要があります。
使用できるイメージングバンドルは次のとおりです。
このバンドルには最初のタスクは含まれていません。このバンドルは、新規バンドルの作成ウィザードのタスクをすべて実行することなく、素早く作成できます。後で詳細を編集して、割り当てやアクションなどを追加できます。たとえば、空のバンドルを作成してから、そのバンドルのプロパティに、アクションを唯一のアクションとして追加できます。
PXE対応のデバイスで実行されているカスタムLinuxスクリプトを書き込むことができます。これによって、ZENworksイメージング操作およびほとんどのLinuxベースのプレブートタスクを詳細に管理できます。
詳細については、セクション 3.3, ZENworksイメージングのイメージングスクリプトバンドルの作成を参照してください。
マルチキャストプロトコルを使用して送信できるイメージを指定します。このバンドルにより、一度の操作で既存のイメージを多数のデバイスに送信できます。これは、研究所、教室、およびステージングエリアには理想的です。
詳細については、セクション 1.5.6, マルチキャストデバイスイメージおよびセクション 3.2, ZENworksイメージングのマルチキャストイメージを参照してください。
複数のデバイスを最小のオーバーヘッドでイメージングできます。イメージングするデバイスは、さまざまなオペレーティングシステムがインストールされている状態であっても、オペレーティングシステムがまったくインストールされていない状態であってもかまいません。
ネットワークのマルチキャスト機能を使用すると、イメージファイルをデバイスごとに個別に送信する代わりに、イメージファイルをネットワーク全体にすべてのデバイスに対して一度送信することによって、ネットワークトラフィックを最小限に抑えることができます。
複数のデバイスで同じイメージを使用するということは、それらのデバイスが同じネットワークIDを持っていることを意味します。ただし、マルチキャストの実行前に、これらのデバイスにZENworks Configuration Managementイメージングエージェント(novell-ziswn)をインストールすることはできます。これは、このエージェントが各デバイスのネットワーク識別設定を保存しておき、マルチキャストイメージの適用後にそれらを復元するからです。
デバイスに復元するサードパーティのイメージを指定できます。ZENworksでは、次をサポートします。
WIMイメージファイル形式および配布にWinPEを使用するMicrosoft* ImageX
WIMイメージファイル形式および配布にWinPEを使用するMicrosoft* ImageXこの配布パッケージは、MicrosoftのダウンロードセンターWebサイトまたはMicrosoftのBDD (Business Desktop Deployment)からWAIK (Windows Automated Installation Kit)の形式でダウンロードできます。
GHOイメージファイルフォーマットおよび配布にWinPEを使用するSymantec* Ghost*
ZENworksのサードパーティのイメージングでは、ブート方式にPXEのみをサポートします。さらに、ZENworksのサードパーティのイメージング操作は単一のハードディスクを持つデバイス上でのみ実行できます。
詳細については、セクション 3.1.1, イメージングでのZENworksコントロールセンターの使用を参照してください。
コンピュータに復元できる1つまたは複数のZENworksイメージを一覧表示します。このバンドルを使用すると、簡単なイメージ復元操作を素早く定義できます。
詳細については、セクション 3.1.1, イメージングでのZENworksコントロールセンターの使用を参照してください。
イメージをすべてのデバイスのハードディスク、固有のアドオンイメージ、およびファイルセットに復元できます。
System Commanderなど、イメージするデバイスにサポートされていないブートマネージャが実行されている場合、それらのデバイスをイメージする前に、無効にするか、削除する必要があります。これは、ブートマネージャがMBRに独自の情報を作成して、ZENworksブートシステムを上書きするためです。これにより、ZENworksイメージングは実行されません。
ベースイメージにはハードドライブのすべてのパーティションおよびファイルの説明が含まれています。復元されると、すべての既存のパーティションは削除され、新しいパーティションがベースイメージの説明から作成され、すべてのファイルがイメージから復元されます。
ベースイメージはデバイスのイメージを取得することによって作成されます。ZENworksコントロールセンターのオプションまたはイメージング保守モードプロンプトのイメージングコマンドを使用して、ベースイメージを作成します。
ZENworks Configuration Managementでは、イメージファイルは次の場所に自動的に保存され、変更することはできません。
Windows: %ZENWORKS_HOME\work\content-repo\images
ここで、%ZENWORKS_HOME% は、ZENworksインストールディレクトリの完全なパスを指定します。
Linux: /var/opt/novell/zenworks/content-repo/images
大容量のイメージングファイルを保存するために、現在のコンテンツリポジトリの場所の空き容量よりも大きなディスク容量が必要な場合は、この場所を別のパーティションに変更できます。詳細については、『ZENworks 10 Configuration Managementシステム管理リファレンス』の「コンテンツリポジトリ」を参照してください。
これらのイメージは、既存のパーティションに破壊されずに追加されたファイルのコレクションです。アドオンイメージが更新するファイルを除き、既存のパーティションとファイルは何も変更されません。
アドオンイメージを使用すると、ベースイメージが復元された後でデバイスをカスタマイズできます。これにより、複数の目的でベースイメージを使用できます。
Image Explorerユーティリティを使用して、アドオンイメージを作成できます。
デバイスでPXEが有効になっている場合は、ブート処理中にNovellプレブートサービスメニューを表示できます。このメニューには次の選択肢が表示されます。
ZENworksイメージングの開始: 有効なプレブートサービスのイメージングバンドルを実行します。
WinPE保守モード: WinPEをロードし、ZENworksのサードパーティのイメージングユーティリティを開始します。このユーティリティを使用して、サードパーティのイメージング操作を実行できます。
ZENworksイメージング保守の開始: イメージングコマンドを実行できるイメージング保守モードプロンプトを表示します。
ZENworksパーティションを無効にする: 割り当てられたイメージングバンドルを実行するためにブートする際に、既存のZENworksのパーティションを使用できないようにします。
ZENworksパーティションを有効にする: 効果的なイメージングバンドルを実行するために、ブートする際に既存のZENworksのパーティションを使用できるようにします。
終了: デバイスの標準ブートを再開します。
ZENworksコントロールセンターを使用すると、次のオプションのいずれかを選択することによって、このメニューをPXE対応のデバイスに表示する必要があるかどうかを設定できます。
メニューの表示の設定手順については、セクション 2.5.1, Novellプレブートサービスメニューオプションの設定を参照してください。
管理ゾーンにとって新しいデバイスであり、最初のイメージを受け取ったデバイスは、ネットワークおよびネットワークサービスに正常にアクセスするために、特定のIP設定情報が必要です。プレブートサービスを使用すると、プレフィックス、BIOS情報(アセットタグまたはシリアル番号など)、DNSサフィックスなどの条件に基づいて、登録されていないデバイスに自動的に名前を付けるように設定できます。また、DHCPまたはIPアドレスを設定することもできます。
たとえば、デバイスは、固有のIPアドレスおよびDNSネームサーバのアドレスが少なくとも1つ必要です。多くのネットワークでは、この情報はDHCPサービスを介して配布されますが、ZENworksコントロールセンターのデフォルトのプレブートサービス環境設定を介して設定することもできます。
デバイスがZENworksに登録されると、設定が行われ、ZENworksサーバがデバイスIDを認識するので、管理ゾーンの登録していないデバイスの設定は適用されなくなります。デバイスがゾーンのメンバーになるか、登録されていないデバイスのままかは、デバイスに適用されるイメージにZENworks Configuration Managementイメージングエージェント(novell-ziswin)が含まれているかどうかに依存します。
管理ゾーンで調整できる設定を次に示します。
DNSサフィックス: すべてのデバイス名に対してサフィックスを提供します。例: provo.novell.com
ワークグループ: デバイスをメンバーにするWindowsワークグループ。
ネームサーバ: デバイスが使用するDNSサーバを制御します。複数のDNSネームサーバを指定できます。
デバイス名: 設定されたデバイス名には、プレフィックス、BIOSアセットタグ、BIOSシリアル番号を含めることも、いずれも含めないこともできます。
IP設定: IP設定の場合、DHCPを使用するか、特定のIPアドレスを使用するかを指定できます。IPアドレスを使用するよう選択した場合は、リストでアドレスの範囲を指定するか、または特定のIPアドレスを指定できます。デバイスは登録されているため、デバイスは使用できるアドレスの1つを受け入れます。IPアドレスの場合、サブネットマスクとデフォルトのゲートウェイを指定することもできます。
登録されていないデバイスにデフォルトを設定する手順については、セクション 2.5.2, 登録していないデバイス設定の指定を参照してください。
デバイスがブートする際に、何のイメージング作業が実行されるかをハードウェアルールセットに基づいて決定できます。この設定セクションにより、ハードウェアルールセットごとに特定のバンドルが指定できます。[カスタムハードウェアタイプ]セクションでは、[
]のハードウェアルールオプション向けに特定のデータを提供できます。ここで設定したルールとカスタムタイプは、非管理対象デバイスすべてにグローバルに適用されます。また、ルールに対して選択したバンドルにデバイスを割り当てることによって、管理ゾーン内の管理対象デバイスにこれらのルールやカスタムタイプを割り当てることもできます。ブート時に割り当て済みのバンドルを適用することができるのは、ルールおよびそのカスタムタイプに完全に一致するデバイスに対してだけです。
作業割り当てルールを設定する手順については、セクション 2.5.3, デバイスイメージングワーク割り当ての設定を参照してください。
イメージングバンドルにハードウェアベースのルールを設定できます。作業割り当てルールは、特定のハードウェアを使用してバンドルをデバイスに適用したり、広範なハードウェア要件に一致させる場合に使用されます。
たとえば、特定のMACアドレスまたはBIOSシリアル番号を持つデバイスにバンドルを適用するルールを作成できます。このようなルールは単一デバイスにのみ一致させることができます。その一方で、少なくとも 512MBのRAMと150GBハードドライブ領域を持つデバイスに適用するルールを作成できます。
作業ルールは、デバイスがルールに適合しているかを判断するために使用されるフィルタから構成されています。ルールは、イメージングバンドルを適用するのにデバイスが要件を満たしているかを判断するロジックを使用します。ルール用の複雑なフィルタを作成するのに、ANDおよびORの論理演算子が使用されます。
実行が必要な作業をデバイスが検出する際、ルールのフィルタすべてがデバイスに一致するルールを検出するまでスキャンが行われ、その後、ルールに割り当てられたバンドルが実行されます。
提供できるフィルタ情報:
デバイスコンポーネント: 次のいずれかを指定します。
関係: [
]フィールドとそれに指定する値の間にあるフィルタの関係を定義します。と フィールドの可能な値:
その他すべてのデバイスコンポーネントの可能な値:
コンポーネントの値: これは、コンポーネントに一致させる値に対応しています。たとえば、フィルタに
を選択してその値として「512」と入力します。次に、選択する関係によって512MBより小さいか、それ以下であるか、等しいか、等しくないか、それ以上であるか、またはそれより大きいかが判断されます。AND演算子およびOR演算子を使用して、単一ルールに複数のフィルタおよび一連のフィルタを設定できます。また、複数のルールを同じイメージングバンドルに関連付けることもできます。これにより、特定のイメージングバンドルを受け取ることができるコンポーネントを正確に指定できます。
カスタムハードウェアタイプを使用すると、カスタムタイプに一致するデバイスを含むことで、ブート時にデバイスに適用されるハードウェアルールをバンドルに割り当てることができます。たとえば、 [ルール構築]ダイアログボックス内)を選択し、カスタムタイプを選択して、カスタムハードウェアタイプとして適切な文字列を入力することにより、デバイスがラップトップの場合にバンドルを適用するルールを作成できます。
]([[
]オプションは、少なくともカスタムタイプが1つ設定されるまでは[ルール構築]ダイアログボックスには表示されません。イメージを取得したときに既存の[.zmg]ファイルを新しいバージョンで上書きする場合は、[ ]チェックボックスをオンにします。
PXEデバイスが起動される場合、PXEサービスに対してネットワーク上でブロードキャスト要求が実行されます。ZENworksプロキシDHCPサーバ(novell-proxydhcp)がこの要求に応答し、デバイスが割り当て済みのイメージングワークに対する要求を送信できるイメージングサーバのIPアドレスを返します。
PXEデバイスは新旧両方のZENworksシステムを同時に実行している環境に存在できるため、イメージングサーバで独自のZENworksバージョンを見つけることができない場合、デバイスは割り当てられたイメージングワークを特定できません。
ZENworks Configuration Managementでは、デバイスは複数の管理ゾーンに存在できます。PXEデバイスがホームゾーンに割り当てられているPXEサービスに接続し、そのデバイスに割り当てられたイメージング作業があるかどうかを特定することが重要です。1つの管理ゾーンしか存在しない場合、すべてのプロキシDHCPサーバが同じゾーンに属するサービスにアドレスを提供するため、特定は容易です。すべてのデバイスは同じゾーンにあるどのイメージングサーバからもイメージングワークを要求し、同じ応答を取得できます。
PXEサービスに対するPXEデバイスの初期要求は、ブロードキャストとしてネットワークに送信され、すべてのプロキシDHCPサーバは、それぞれのゾーン(ZENworks Configuration ManagementとZENworks Linux Management)またはツリー内のプロキシDHCPサーバ(WindowsまたはNetWare®イメージングサーバを使用する従来のZENworksバージョン)に関連する情報とともに応答します。(複数のDHCPサーバが応答する場合)どのプロキシDHCPサーバが最初に応答するか、またはどのサーバの応答がデバイスに使用されるかを判別するのは不可能なので、各PXEデバイスがそのホームゾーンまたはツリーとコンタクトすることは保証できません。
PXEサービスを持つZENworks環境サービスの場合、[サーバ参照リスト]設定セクションで、PXEデバイスを適切なイメージングサーバに接続する方法を指定します。サーバ参照リストはPXEデバイスのみが使用し、ZENworks Configuration Managementでは、1つの管理ゾーンのみでアクティブなプロキシDHCPサーバおよびサーバ参照リストが必要になります。ネットワークセグメントにおいては、1つの参照リストのみをアクティブにできるので、参照リストを設定した状態でZENworks Linux Managementを実行する場合、Linux管理に対するプロキシDHCPを無効にする必要があります。これにより、すべてのPXEデバイスがConfiguration Managementの参照リストを使用できます。
サーバ参照リストを使用することで、すべてのデバイスがデバイスイメージング作業割り当てについてホームゾーンまたはツリーに接続できるようになります。リストには、既知の管理ゾーンまたは以前のZENworksシステムのツリーごとの、イメージングサーバのIPアドレスが含まれている必要があります。デバイスがサーバに対してデバイスイメージング作業を要求すると、デバイスが自身と同じゾーンまたはツリーに属しているかをサーバがまず判別します。属していない場合は、デバイスのホームゾーンまたはツリーを見つけるまで、サーバは、サーバ参照リスト内の各サーバへの要求を参照します。デバイスは、以後のすべてのリクエストを適切なnovell-proxydhcpに送信するように指示されます。
参照リストを設定する手順については、セクション 2.5.4, サーバ参照リストの設定を参照してください。
Intel AMTの機能を使用すると、デバイスで物理ドライブの交換が行われたとしても、正確にデバイスを識別できます。この機能は、一意的なデバイスIDを保存する不揮発性メモリをZENworksに提供することで、プレブートサービスに永続的なデバイス識別をセットアップします。
AMTおよびプレブートサービスを使用すると、デバイスに新しい未フォーマットのハードドライブがある場合に、ZENworksは瞬時にかつ正確にデバイスを識別し、適切なイメージングバンドルを適用できます。デバイスのハードドライブが無効だったり、交換されたりした場合、 Zenworksはプレブート環境にあるデバイスを自動認識し、ZENworksにより作成された適切なイメージをシステムの再構築の際に提供します。
ZENworksでAMTを使用すると、より簡単にハードウェアをアップグレードする機能も提供されます。たとえば、アプリケーションをアップグレードする際に、デバイスハードウェアの中に最低要件を満たさないものがある可能性があります。AMTおよびプレブートサービスを使用すると、ハードドライブが置換されるとすぐに、また、エージェントまたはオペレーティングシステムがインストールされる前に、デバイスを再登録することなくZENworksデバイスのIDを使用して引き続きイメージングバンドルを割り当てることができます。
Intel AMTを使用している場合、このサポートがnovell-zmgprebootpolicy.confで有効になっている必要があります。
Intel AMTの詳細については、IntelのWebサイトを参照してください。