1.2 リモート管理操作の理解

リモート管理を使用すると、管理者は実際にサイトを訪れずに、サイトにあるデバイスを制御できます。これによって、人材と組織が費やす時間や費用を節約できます。たとえば、管理者または組織のヘルプデスクは、ユーザのワークステーションまで実際に出向かなくても管理対象デバイスの問題を分析してリモートから解決できます。このため、問題解決に要する時間が短縮され、生産性が向上します。

図 1-1 リモート管理操作

リモート管理操作

以降の一連のセクションを読むと、リモート管理で行うさまざまな操作を理解できます。

1.2.1 リモートコントロール

リモート制御を使用すると、管理コンソールから管理対象デバイスをリモートで制御してユーザを支援したり、デバイスの問題を解決したりすることができます。

リモートコントロール機能は、管理コンソールと管理対象デバイスの間に接続を確立します。リモートコントロール接続を使用すると、ユーザがデバイスで実行できるすべての操作を実行できます。詳細については、セクション 3.1, リモートコントロールセッションの管理を参照してください。

1.2.2 リモートビュー

リモートビュー機能では、リモートで管理対象デバイスに接続して、管理対象デバイスを制御するのではなく、表示することができます。これは、ユーザのワークステーションで発生している問題を解決する際に役立ちます。たとえば、管理対象デバイスのユーザが特定の操作を実行している様子を監視し、その実行方法が間違っていないか確認できます。詳細については、セクション 3.2, リモートビューセッションの管理を参照してください。

1.2.3 リモート実行

リモート実行機能により、管理コンソールから管理対象デバイス上のプログラムをシステム権限で実行できます。アプリケーションをリモートで実行するには、[リモート実行]ウィンドウに実行可能ファイルの名前を指定します。たとえば、regeditコマンドを実行して、管理対象デバイスで登録エディタを開くことができます。詳細については、セクション 3.3, リモート実行セッションの管理を参照してください。

1.2.4 リモート診断

リモート診断では、管理対象デバイスの問題をリモートで診断して分析できます。デスクトップを稼動させたまま診断を実行できるため、ユーザ側の生産性も向上します。詳細については、セクション 3.4, リモート診断セッションの管理を参照してください。

診断機能では、管理対象デバイス上の問題の診断と解決に役立つ、リアルタイムの情報が提供されます。管理対象デバイス上のデフォルト診断アプリケーションには次のものが含まれます。

  • システム情報

  • コンピュータ管理

  • サービス

  • レジストリエディタ

1.2.5 ファイル転送

ファイル転送では、管理コンソールおよび管理対象デバイス上で次のようなさまざまなファイル操作を実行できます。

  • 管理コンソールと管理対象デバイス間でのファイルのコピー

  • ファイルまたはフォルダの名前変更

  • ファイルまたはフォルダの削除

  • フォルダの作成

  • ファイルおよびフォルダのプロパティの表示

  • 管理コンソール上で関連付けられているアプリケーションを持つファイルを開く

詳細については、セクション 3.5, ファイル転送セッションの管理を参照してください。

重要:ファイル転送プログラムを使用すると、管理対象デバイス上のネットワークドライブにアクセスできます。

1.2.6 リモートウェイクアップ

リモートウェイクアップを使用すると、ネットワーク内の電源が切断されている単一のまたは複数のノードの電源をリモートから入れることができます(ただし、ノード上のネットワークカードのリモートウェイクアップが有効にされている必要があります)。詳細については、セクション 3.6, リモートデバイスのウェイクアップを参照してください。