次の節では、Distributorオブジェクトの概念と使用方法について説明します。
Distributorオブジェクト(TED Distributor)は、Distributorのプロパティを定義するeDirectoryオブジェクトです。
次の図は、Distributorが1つのDistributionを複数のChannelのリストに追加できることと、複数のDistributionを1つのChannelに追加できることを示しています。

次の図は、SubscriberサーバにDistributionを送信するDistributorを示しています。

Distributorサーバの主なTiered Electronic Distribution機能は、Distributionの作成と送信です。Distributorにデータベースファイルを割り当てた場合は、情報がデータベースファイルに記録されます。
Distributor Agentは、Distributionオブジェクトの作成および設定時に指定された情報に基づいて、DistributorサーバにDistributionファイルを構築します。Distributorは複数のDistributionを所有できます。
Distributorは、Distributionを構築するときに、Subscriberが照合に使用するMD5チェックサムを提供するダイジェストをオプションで作成できます。ダイジェストは、送信中にDistributionが改ざんされていないことを確認するために、Subscriberによって使用されます。ダイジェストの作成はDistributorごとのオプション機能であるため、このオプションが有効になっているSubscriberでのチェックサムの照合に、ダイジェストを常に使用できるとは限りません。
ダイジェストは、Distributionのパッケージの破損も検出します。破損が検出された場合、Subscriberはdistfile.ted Distributionファイルの名前をdistfile.corruptに変更して、次回にChannelのスケジュールが開始されたときに、Distributionを再構築して送信します。
Distributorは、ChannelにDistributionのリストを作成します。DistributorはChannelを所有しません。ただし、Distributionを所有するのはDistributorだけです。
Distributorは、DistributionをSubscriberに送信します(通常は親SubscriberがDistributionを転送します)。エンドノードSubscriberが、Distributionを送信するDistributor(または親Subscriber)に応答しない場合、Distributorは2分ごとの再送信を30分間継続した後、送信を中止します。Channelの送信スケジュールが再度開始されるまで、Distributionは再送信されません。
Distributorの更新スケジュールは、DistributorがeDirectoryを読み取って、Distributionとその他のTiered Electronic Distributionオブジェクトの変更を認識するタイミングを決定します。Distributorは、すべての新しいDistributionを構築し、変更されたDistributionを再構築します。新しいDistributionと再構築されたDistributionは、Channelの送信スケジュールが開始されると送信されます。
重要: Distributorの更新スケジュールは、Distributionを頻繁に変更して更新が必要になる場合を除き、毎日実行することをお勧めします。ただし、Distributorの更新頻度を5分に1回よりも多くしないでください。Distributionの構築、eDirectoryの複製、およびツリーの検索(検索ポリシーが定義されていない場合)には、最大で5分を要する場合があります。
Distributorは、更新スケジュールが開始されるたびにDistributionを構築します。ただし、Distributionの構築は、サーバのコマンドラインから強制的に実行することもできます。
Distributionを削除した場合はDistributorをすぐに更新して、Distributorが削除を識別し、削除されたDistributionを再構築しないようにする必要があります。Distributionの削除については、Distributionの削除を参照してください。
スケジュール設定については、スケジュール設定を参照してください。
Distributorに含まれる配布ルートは、DistributorがSubscriberサーバにDistributionを送信するときのルートを示すSubscriberの階層リストです。ルーティング階層については、配布ルートの理解を参照してください。
ツリーには複数のDistributorオブジェクトを配置できます。ただし、各サーバには1つのDistributorしかインストールできません。いくつかの要因によって、複数のDistributorが必要になる場合があります。詳細については、追加のDistributorの必要性を参照してください。
Distributorは、それぞれ独自のデータベースファイルに情報を記録できます。すべてのDistributorが1つの共通データベースファイルに情報を記録することもできます。データベースの詳細については、ZENworks Databaseを参照してください。
配布ルートは、WANのセグメントに対する最も効率の良い経路を表します。配布ルートは、Distributionを親SubscriberまたはエンドノードSubscriberに転送する親Subscriberのリストです。親Subscriberを使用すると、親SubscriberがDistributionを他のSubscriberに渡すため、Distributorの負荷を最小限に抑えることができます。
次の節では、DistributorがネットワークのサーバにDistributionを移動する方法について説明します。
親Subscriberは、Distributionを保存および転送するDistributorのプロキシとして機能するため、DistributorがすべてのSubscriberに直接Distributionを送信する必要はありません。親Subscriberサーバは、Distributionを一時的に保存して他のSubscriberサーバに渡すので、それ自体がDistributionの受信先である必要はありません。
DistributionファイルはDistributorサーバのファイルシステムに保存されているため、Distributorは各Distributionを実際に送信する必要があります。
Distributorがネットワーク上の各SubscriberサーバにDistributionを個別に送信すると、Distributorの負荷が大きくなる場合があります。そのため、Distributionを効率的に送信するには親Subscriberが使用されます。
適切な配布ルートを設定して、親Subscriberを選択するには、ネットワークのトポロジをよく理解することが重要です。必要に応じてすべてのWANリンクを示すネットワークの図を作成し、親Subscriberの使用方法を決定してください。
Subscriberは、Distributorのルーティング階層内にある場合は、そのDistributorのDistributionを含むChannelに登録する必要はありません。親Subscriber自体は、転送するDistributionの受信先である必要はありません。
親SubscriberがChannelのDistributionを転送できるようにするために、親Subscriberを下位のSubscriberと同じChannelに登録する必要はありません。
ルーティング階層の図では、各Subscriberが同じLAN上の他のSubscriberに対する親である可能性があります。たとえば、図中のすべてのSubscriberが20のエンドノードSubscriberの親である場合、Distributorは、物理的に3つのSubscriber(第1層の親Subscriber 01、04、および09)にDistributionを送信するたけで、合計210のSubscriberに配布できます。
親Subscriber 04は、2つの親Subscriber (05と06)と直下にある20のエンドノードSubscriberに直接送信するだけで、104のSubscriberに配布しています。
Distributorは、ルーティング階層で親Subscriberを使用することにより、Distributionのルートを明確に決定できます。これにより、Subscriberへの配布に関する負荷を軽減できます。
親Subscriberは、Distributorのプロキシとして機能し、他のSubscriberにDistributionを渡すことによって、Distributorの負荷も軽減できます。LAN上に複数の親Subscriberを配置すると、LAN上での配布負荷が共有されます。
1つのDistributorまたは親Subscriberが送信するSubscriberまたは親Subscriberの数は、およそ40と推定されます。この値は、ネットワーク速度、Distributionのサイズなどの要素によって変化します。
親Subscriberは、Distributorやその他の親Subscriberの負荷分散に効果的な場所に配置する必要があります。
次の図は、親Subscriberを含むWAN環境を示しています。

この図から次のことがわかります。
Distributorには、Distributionの変更に関するeDirectoryの読み取り、Distributionの構築、Distributionの送信、およびServer Managementデータベースへの書き込み時に負荷がかかります。DistributorがDistributionを直接送信するSubscriberの数を最小限に抑えることにより、Distributorのさまざまな機能に、より多くのリソースを使用できるようになります。
Tiered Electronic Distributionには、DistributorサーバからSubscriberサーバにDistributionを自動送信するルーティング階層が用意されています。
Distribution送信時のDistributorの負荷を軽減するため、各Distributorでは独自のルーティング階層が使用されます。これは、DistributionをSubscriberに送信するときのDistributionのルートを示すSubscriberの階層リストです。ルーティング階層のSubscriberは親Subscriberです。親Subscriberは多数の階層にわたってネストできます。
親Subscriberは、Distributionを受信して抽出することも、受信後に他のSubscriberに送信することもできます。
Distributorオブジェクトのプロパティを編集することにより、いつでも配布ルートを変更できます。
次の図は、Distributorのルーティング階層を示しています。

Distributorのルーティング階層に含める必要のあるSubscriberは、他のSubscriberにDistributionを渡すものだけです。Distributionを他のSubscriberに渡さないSubscriberは、エンドノードSubscriberと呼ばれます。
Subscriber 07は、Subscriber 11(ルーティング階層に含まれない)の親であるとします。DistributorからSubscriber 11への配布ルートは次の図のようになります。

Distributorは、4つの親Subscriber (04、05、06、および07)を使用して、Subscriber 11にDistributionを送信しました。
Subscriber 11に親Subscriber (Subscriber 07など)がない場合、DistributionはDistributorから直接送信されます。

ルーティング階層に含める必要のあるSubscriberは、他のSubscriberにDistributionを渡すものだけです。エンドノードSubscriber (Distributionを受信するだけで送信しないSubscriber)は、階層に含める必要はありません。エンドノードSubscriberは、eDirectoryで親にリンクされています。
ルーティング階層に存在するSubscriberは、通常は親Subscriberですが、これは必須ではありません。
重要: 親Subscriberを利用しないSubscriberによって、Distributorの負荷と、WANリンクを介したネットワークトラフィックが増加する場合があります。DistributorからDistributionを直接受信する第1層のSubscriberを除き、すべてのSubscriberは親Subscriberに属している必要があります。
親Subscriberが変更されるか、またはルーティングリスト(Distributorオブジェクトのプロパティの[Routing Hierarchy]タブ)が変更されると、変更はChannelスケジュールの開始時に毎回解釈されるため、この変更はルーティングスリップ(配布プロセスで使用されるデータファイル)に反映されます。eDirectoryを読み取って、新しいルーティング階層を取得するには、Distributorの更新が必要です。
Subscriberサーバがネットワークから排除されていても、Distributorのルーティング階層で使用されている場合は、Distributorオブジェクトのプロパティを編集して、Subscriberの排除についてルーティング階層を適合させる必要があります。次にDistributorを更新すると、Distributorは新しいルーティング階層を認識します。
複数のDistributorを使用する場合は、Distributor間で配布ルートの一部を共有できます。つまり、Subscriberを複数のDistributorの配布ルーティング階層に配置できます。これは、SubscriberへのルートがDistributorに依存し、DistributorからSubscriberへの経路がDistributorごとに異なるためです。
次の図は、Distributionを送信する複数のDistributorと親Subscriberを示しています。

矢印と線は、Channelへの登録とDistributionの接続(点線)を示し、DistributorからSubscriberへの配布経路(実線)を示しています。
この図は、配布ルート階層ではありません。この図は次の要点を示すことを目的としています。
Distributionを送信する複数のDistributorと親Subscriberを示す図から、次のことがわかります。
Distributionの所有権: Distributorは、Distributionを所有し、各Distributionを構築および送信します。
複数のDistributor: 複数のDistributorは、同じChannelのリストにDistributionを追加できます。つまり、Subscriberは複数のDistributorからDistributionを受信できます。
DistributorによるChannelの使用: DistributorはどのChannelのリストにもDistributionを追加できます。複数のChannelに1つのDistributionを追加することもできます。
Channelごとの複数のDistribution: Channelは、1つまたは複数のDistributorによる複数のDistributionを保持できます。
Channelの登録: 各Subscriberは、必要なDistributionを含むあらゆるChannelに登録されます。1つのSubscriberを複数のChannelに登録したり、複数のSubscriberを1つのChannelに登録したりできます。
親Subscriber: 親SubscriberはDistributorのプロキシとして使用され、他のSubscriberにDistributionを渡します。
孤立したSubscriber: SubscriberがDistributorの配布ルート外にある場合、または階層内の親Subscriberの子でない場合、DistributorはSubscriberに直接Distributionを送信します。この場合は、WANリンクおよびその他のトポロジに問題が発生することがあります。
ルーティング階層で親Subscriberを使用すると、DistributorがWANリンクを介してDistributionを渡す回数が制限されるため、ネットワークトラフィックを最小限に抑えることができます。
DistributorがDistributionを親Subscriberに送信し、その親SubscriberがDistributionを他のSubscriberに送信するため、WANリンクを経由するDistributionの送信は1回で済み、WANリンク先のすべてのSubscriberにDistributionが配布されるまで何度も送信する必要はありません。
通常は、すべてのLANに少なくとも1つの親Subscriberを配置して、DistributionがWANリンク経由で送信される回数を最小限に抑える必要があります。LAN上に2つのSubscriberしかない場合でも、一方を他方の親Subscriberとして使用することで、ネットワークトラフィックを軽減できます。
親Subscriberの使用は、低速のWANリンクでは特に有効です。
WANリンクを介した配布方法を決定する際には、次の点を考慮してください。
DistributorのLANセグメント上の親Subscriber: DistributorのLANセグメントでは、少なくとも1つのSubscriberをその他すべてのSubscriberの親Subscriberとして指定する必要があります。これにより、Distributorでは、WANリンクを介したDistributionの送信時に、より多くのリソースを使用できます。
WANリンクをブリッジするための親Subscriber: 他のすべてのLANセグメントに少なくとも1つの親Subscriberを指定し、これらの親SubscriberをDistributorのルーティング階層に含めることにより、DistributorがWANリンクを介して直接サービスを提供するSubscriberの数を最小限に抑えることができます。
たとえば、WANに4つのLANが属しているとします。あるLANセグメントのDistributorは、3つのWANリンクを介して、その他3つのLANセグメントのSubscriberにDistributionを送信する必要があります。その他のLANではそれぞれ160のSubscriberがDistributorからのDistributionを必要としていると仮定します。Distributorのルーティング階層で親Subscriberを使用しない場合、DistributorはWANリンクを介してDistributionを480回送信する必要があります。親Subscriber (LANのDistribution負荷を共有する目的でLANセグメントごとに4つ配置)を使用すると、DistributorはDistributionを9回送信するだけで済みます。
LANの主要な親Subscriber: DistributorからのWANリンク先で親Subscriberを階層状に配置することで、WANトラフィックを軽減できます。つまり、ルーティング階層に親Subscriberを1つだけ配置し、LANセグメント上ではその親Subscriberを他の多数の親Subscriberに対する親として構成できます。
先に挙げた例を使用すると、各LANセグメントのSubscriber 1は、Subscriber 2、3、および4の親Subscriberであるとします。親Subscriber 1、2、3、および4は、それぞれに属するSubscriberに配布します。これにより、DistributorはWANリンクを介してDistributionをSubscriber 1に1回渡すだけで済み、Subscriber 1がその他3つの親SubscriberにDistributionを渡すため、Distributorは3回分のWANリンク転送を省くことができます。そのため、以前の例と比較すると9回の転送が3回に減少されます。
複数のツリーでPolicy and Distribution Servicesを使用するには、ツリーごとに個別にソフトウェアをインストールする必要があります。ただし、Server Managementオブジェクトは、いずれかのツリーにインストールするだけです。
たとえば、次のようなネットワークトポロジの場合を考えます。

Distributorのルーティング階層には、次のようなTiered Electronic Distributionが設定されているとします。

この例では、SubscriberとサーバオブジェクトはすべてTree_Aに存在します。これにより、ネットワークトポロジに関係なくTiered Electronic Distributionオブジェクトを一元管理できます。
DistributorオブジェクトとSubscriberオブジェクトは1つのツリー内にのみ作成できますが、Policy and Distribution Servicesソフトウェアはネットワークのどのサーバにもインストールできます。これは、サーバのeDirectoryオブジェクトが、Tiered Electronic Distributionオブジェクトが作成されるのと同じツリーにある場合でも、eDirectoryサーバオブジェクトがサーバのツリーにない場合(ドメイン内のWindowsサーバなど)でも同様です。これにより、複数のツリーを使用し、サーバのオペレーティングシステムが混在する環境(NetWareサーバとWindowsサーバなど)で、Tiered Electronic Distributionを一元管理できます。
ツリー間でDistributionを送信する場合のExternal Subscriberの使用方法については、ツリー間のDistributionの送信を参照してください。
ルーティング階層に親Subscriberを配置するには、次のガイドラインに従う必要があります。
親Subscriberは、WANリンクに必ずしも必要なものではありません。たとえば、高速のWANリンクで接続されたLAN上にSubscriberが2つしか存在しない場合、Distributionを1回送信するときと2回送信するときのトラフィックの差はごくわずかです。ただし、低速のWANリンクでの結果は異なります。
SubscriberがDistributorから直接Distributionを受信するか、親Subscriberを経由して受信するかは、次の要素によって判断します。
たとえば配布時の状況を考慮します。
ネットワークトポロジ、Distribution (数、サイズ、再構築の頻度など)、およびさまざまなDistributionを受信するSubscriberの数を理解することにより、必要なDistributorの数を判断できます。
Distributorは、ZENworks 6.5 Server Management Program CDを使用して、ソフトウェアとeDirectoryオブジェクトをインストールすると作成されます。詳細については、『Novell ZENworks 6.5 Server Managementインストールガイド』の「Policy-Enabled Server Managementのインストール」を参照してください。
複数のDistributorが必要かどうかを判断するには、追加のDistributorの必要性を参照してください。
Distributorオブジェクトは、Distributorのソフトウェアをサーバにインストールすると自動的に作成されます。Distributorオブジェクトのプロパティはいつでも編集できます。
Distributorオブジェクトに関連付けられているプロパティは、すべてが必要になるとは限りません。必要なプロパティを次の手順で示します。それ以外のプロパティはすべてオプションです。
ConsoleOneで、Distributorオブジェクトを右クリックし、[Properties]をクリックします。
[General]>[Settings]の順にクリックし、次のフィールドに入力します。
[Use Policy]: Tiered Electronic Distributionポリシーで設定した値を使用する場合は、このフィールドを選択して有効なポリシーを使用します。このフィールドは、Tiered Electronic Distributionポリシーの作成後に、Distributorサーバへの配布、Policy/Package Agentによる抽出を経て、サーバで実行されている場合に表示されます。このオプションを選択すると、残りのフィールドが淡色表示され、このポリシー設定が使用されます。
[Input Rate]: Subscriberに対するDistributionの受信レートです。デフォルト値は、その接続で処理可能な最大値です。このレートは、狭い帯域幅のリンクを使用するDistributorサーバを制御するために使用します。
[Output Rates Based Upon Distribution's Priority]: デフォルトの出力レートを設定して、Tiered Electronic Distributionオブジェクトのネットワークトラフィックを最小限に抑えます。これは、Distributorの送信レートを決定します。デフォルト値は接続で処理できる最大値です。何も指定しない場合、帯域幅はサードパーティのソフトウェアから取得されます。
出力には3つの優先度があり、速度を指定できます。
[High Priority]: このDistributionは、[Medium Priority]または[Low Priority]のDistributionよりも前に送信されます。
[Medium Priority]: このDistributionは、[High Priority]のDistributionがすべて送信された後、[Low Priority]のDistributionよりも前に送信されます。
[Low Priority]: このDistributionは、[High Priority]と[Medium Priority]のすべてのDistributionが送信された後で送信されます。
詳細については、Distributionの優先度を参照してください。
[Maximum Concurrent Distributions to Build]: Distributionを構築するために同時に実行できる配布スレッドの最大数を指定します。デフォルト値は5です。有効な値は1から10までです。
この数値によって、Distributorの構築アクティビティの負荷を分散させることができます。
[Maximum Concurrent Distributions to Send]: Distributionを送信するために同時に実行できる配布スレッドの最大数を指定します。デフォルト値は指定されていません(空フィールド)。
この数値によって、Distributorの送信アクティビティの負荷を分散させ、ネットワークトラフィックをスケジュール設定期間全体に分散させることができます。
[Connection Time-out]: Distributorが他のノードに接続する際にタイムアウトになるまでの時間を指定します。デフォルト値は300秒(5分)です。その後、接続は終了し、送信スケジュールが再度開始されるまで接続されません。有効な値は1〜60,000(秒)です。
この設定を増加または減少することにより、配布プロセス中にエージェント間でメッセージを相互に送信できます。あるノードが他のノードからメッセージを受信しようとする場合、送信元が使用できなくなっていると判断されるまで、適当な時間をおく必要があります。
重要: 遅延が大きくなることが多い低速またはビジー状態のリンクでは、この値を大きくする必要があります。
[Working Directory]: Distributionによって使用されるディレクトリを指定します。このディレクトリには、Distribution、永続ステータス、および一時作業ファイルが格納されます。デフォルトパスは次のとおりです。
[NetWare]: sys:\zenworks\pds\ted\dist
重要: デフォルトボリュームは、NetWareサーバのsys:です。ログファイルは非常に大きくなる可能性があるため、sys:ボリュームを使用しないことをお勧めします。
Distributorの作業ディレクトリは、Distributionの作成時にも使用されます。DistributionオブジェクトのDNを使用して、作業ディレクトリの下位にサブディレクトリが作成されます。
作業ディレクトリの詳細については、作業ディレクトリを参照してください。
[General]>[Messaging]の順にクリックし、次のフィールドに入力します。
[Use Policy]: Tiered Electronic Distributionポリシーで設定した値を使用する場合は、このフィールドを選択して有効なポリシーを使用します。このフィールドは、Tiered Electronic Distributionポリシーの作成後に、Distributorサーバへの配布、Policy/Package Agentによる抽出を経て、サーバで実行されている場合に表示されます。このオプションを選択すると、残りのフィールドが淡色表示され、メッセージングのポリシー設定が使用されます。
[Server Console]: サーバコンソールでDistributorコンソールに送信する出力メッセージのレベルを指定します。
[SNMP Trap]: SNMPを経由して送信するメッセージのレベルを指定します。
[Log File]: ログファイルに送信するメッセージのレベルを指定します。
[Path and Filename]:このDistributorオブジェクトのカスタムログファイルの名前および場所を指定できます。デフォルトは次のとおりです。
[NetWare]: sys:\zenworks\pds\ted\dist\ted.log
重要: デフォルトボリュームは、NetWareサーバのsys:です。ログファイルは非常に大きくなる可能性があるため、sys:ボリュームを使用しないことをお勧めします。
Tiered Electronic Distributionポリシーを使用して、すべてのDistributorオブジェクトのカスタムログファイルを作成する方法については、ポリシーを使用したカスタムログファイルの作成を参照してください。
[Delete Log Entries Older Than __ Days]: Distributorのログファイルエントリは、指定した日数が経過すると削除されます。デフォルト値は6日です。
[E-Mail]: 電子メールで送信されるメッセージのレベルを指定します。
[Address Attribute]: 通知する電子メールアドレスを指定します。
eDirectoryに保存されているユーザまたはグループを追加できます。eDirectoryに含まれないユーザの電子メールアドレスを指定することもできます。デフォルトの属性は、eDirectoryユーザに関連付けられている電子メールアドレス属性です。
重要: 通知を受信する方法に電子メールを選択した場合は、ネットワークトラフィックが増加する可能性があることに注意してください。
[Schedules]タブを選択します。
Distributorのスケジュールは、eDirectoryのTiered Electronic Distributionオブジェクトに含まれる情報をDistributorが読み取る頻度を決定します。このスケジュールに基づいて、Channel、Distribution、およびDistributorオブジェクトが読み取られます。これらのオブジェクトの情報を変更する頻度や、新しいオブジェクトが作成される頻度を考慮してスケジュールを決める必要があります。
Distributorオブジェクトを右クリックし、[Refresh]メニューオプションを選択することによって、DistributorによるeDirectoryの読み取りを強制的に実行できます。
スケジュールを選択して、次のフィールドに入力します。
[Use Policy]: Tiered Electronic Distributionポリシーで設定した値を使用する場合は、このフィールドを選択して有効なポリシーを使用します。このフィールドは、Tiered Electronic Distributionポリシーの作成後に、Distributorサーバへの配布、Policy/Package Agentによる抽出を経て、サーバで実行されている場合に表示されます。このオプションを選択すると、残りのフィールドが淡色表示され、このポリシー設定が使用されます。
[Schedule Type]: 選択される更新スケジュールは、Distributorが次にeDirectoryを読み取るタイミングを決定します。
重要: Distributorに対する変更が多く、より頻繁な更新が必要である場合以外は、Distributorの更新スケジュールを1日に1回に設定することをお勧めします。ただし、Distributorの更新頻度を5分に1回よりも多くしないでください。Distributionの構築、eDirectoryの複製、およびツリーの検索(検索ポリシーが定義されていない場合)には、最大で5分を要する場合があります。
利用可能なスケジュールについては、スケジュール設定を参照してください。
[Routing]タブを選択し、Distributorのルーティング階層を作成します。
[Subscriber Routing Hierarchy]: DistributorがDistributionをSubscriberに送信するときに使用するルートを設定します。この階層はあらかじめ計画しておく必要があります。
次の方法で階層を作成します。
[Distributions]タブを選択して、このDistributorが配布するDistributionを表示します。
Distributionを編集するには、Distributionを選択し、[Details]をクリックして、プロパティを編集します。次に、[OK]をクリックして、Distributionオブジェクトのプロパティを終了します。
DistributorとDistributionの設定が終了したら、[OK]をクリックしてDistributorオブジェクトのプロパティを終了します。
重要: Tiered Electronic Distributionオブジェクト(Distribution以外)への変更は、DistributorによるeDirectoryの読み取り後に有効になります。
Distributorに影響を与える変更をeDirectoryに加えた場合は、すぐに手動でDistributorを更新して、Distributorがその変更を認識するようにする必要があります。構築スケジュールは、Distributorがすでに認識している既存Distributionの変更についてのみDistributorに情報を提供します。
たとえば、Distributionを新規作成した場合、構築スケジュールはその新しいDistributionについてDistributorに通知しません。Distributorを手動で更新して、eDirectoryでの変更がDistributorに検出されるようにする必要があります。
Distributorを更新するには
ConsoleOneで、Distributorオブジェクトを右クリックします。
[Refresh Distributor]をクリックします。
これにより、DistributorはeDirectoryを読み取って、eDirectoryに加えられた変更をすべて取得します。次に、Distributor AgentがDistributorに適用された変更に基づいて処理を実行します。
iManagerでこのタスクを実行するには、Policy and Distribution Servicesエージェントの強制実行を参照してください。
Distributionの構築は、現在の構築スケジュールに従って開始されます。Distributionは、送信スケジュールに従って送信されます。
Subscriberは、Distributionを受信するとすぐに、Subscriberオブジェクトのプロパティで指定された作業ディレクトリに内容を抽出します。
DistributorオブジェクトはeDirectoryから削除できます。ただし、そのDistributorの再配置時に再利用できる次の重要な情報が失われます。
これは、Distributionオブジェクトのプロパティの一部で、Distributionを次に渡すSubscriberサーバが示されます。
Distributorに属するDistributionは分離され、使用できなくなります。
孤立したDistributionの処理方法については、孤立したDistributionの処理を参照してください。