Tiered Electronic Distributionを理解するには、次の節を参照してください。
Tiered Electronic Distributionには、サーバ間での電子データの配布を通じてサーバを管理する機能が用意されています。配布可能な電子データには、アプリケーションプログラム、複数のデータファイル、ソフトウェアパッチ、サーバポリシーなどがあります。
Policy and Distribution Servicesをインストールすると、Tiered Electronic DistributionとサーバポリシーオブジェクトがeDirectoryツリーに作成され、ソフトウェアが複数のサーバにコピーされ、インストール時の設定に従ってTiered Electronic DistributionとServer Policiesコンポーネントの基本設定がセットアップされます。
Tiered Electronic Distributionソフトウェアは、NetWare(R)、Windows NT、Windows 2000、Windows 2003 Server、Linux、およびSolarisの各サーバで使用できます。
Tiered Electronic Distributionの階層配布モデルを使用すると、1つのサーバから間接的に数百または数千のサーバに配布できるようになります。Tiered Electronic Distributionでは、ファイルおよびポリシーパッケージを圧縮データファイルに組み込み、適切なサーバへの配布に必要な配布チャネルで圧縮データファイルをホストすることにより、ファイルおよびポリシーパッケージを簡単に配布できます。
Tiered Electronic Distributionを使用すると、オフピーク時を利用した配布プロセスの実行をスケジュールできます。電子メールメッセージの送信、イベントの記録、リアルタイムメッセージの表示、データベースのレポート機能、およびSNMPトラップの送信によって、配布ステータスの通知を送信することもできます。
Server Managementは、50,000以上のファイルエントリを含む総容量4GBのボリュームなど、多数のファイルを含む大容量のDistributionを効率的に処理(送信/受信/抽出)できます。
Tiered Electronic Distributionの配布プロセスの基礎は、ファイルとポリシーをネットワークサーバに移動するときに使用するDistribution(圧縮されたファイルの集まり)の作成にあります。詳細については、配布プロセスの理解を参照してください。
次に配布プロセスを簡単に説明します。このプロセスは、Distributionファイルに含まれるTiered Electronic Distributionオブジェクトごとに設定されたスケジュールによって制御されます。
Distributionの送信に必要なスケジュールは、Distributorの更新スケジュール、Distributionの構築スケジュール、およびChannelの送信スケジュールです。
Distributionの受信および抽出に必要なスケジュールは、Channelの送信スケジュールとSubscriberの抽出スケジュールです。
Tiered Electronic Distributionは、eDirectoryオブジェクトと関連ソフトウェアを使用して、配布機能を実行します。すべてのTiered Electronic Distributionオブジェクトの識別名(DN)には、ホストサーバのサーバ名とコンポーネント関数が含まれます。
Tiered Electronic DistributionのeDirectoryスキーマの拡張は、eDirectoryツリーに作成されるeDirectoryオブジェクトのクラスを定義します。これには、オブジェクトの作成時に必要な情報、または任意の情報が含まれます。eDirectoryツリーでTiered Electronic Distributionと関連するすべてのオブジェクトでは、そのツリーのスキーマでクラスが定義されています。
ZENworks 6.5 Server Managementをインストールすると、次のeDirectoryオブジェクトについてツリーのスキーマが拡張されます。
次の図は、主なTiered Electronic Distributionオブジェクトの関係を示しています。
この図から次のことがわかります。
DistributorサーバとSubscriberサーバは、たとえばWANリンク経由で複数のサーバを接続するというように、さまざまな構成でネットワークに物理的に接続できます。DistributorサーバとSubscriberサーバ間で実現可能な物理接続を次に示します。
次の図は、Tiered Electronic DistributionのDistributionの物理的な流れを示しています。

この図から次のことがわかります。
重要: FileまたはDesktop Application Distributionのバージョンが複数ある場合、Subscriberは、Distributionオブジェクトのプロパティ設定に従って、その各バージョンのコピーを維持します。デフォルトでは、Distributionのタイプごとに10バージョンまで保持されます。
次のプロセスを使用して、Tiered Electronic Distributionの機能を実行されます。
Distributor Agentは、インストール時に[Distributor]オプションを選択した各サーバにインストールされます。
このエージェントには、次の機能があります。
Policy/Package Agentは、インストール時に[Policy and Distribution Server]オプションを選択した各サーバにインストールされます。
このエージェントには、次のTiered Electronic Distribution機能があります。
ポリシーの詳細については、Server Policies (サーバポリシー)を参照してください。
Software Packageの詳細については、Server Software Packageに関する問題を参照してください。
Tiered Electronic Distributionソフトウェアは、インストール時に[Policy and Distribution Server]オプションを選択した各サーバにインストールされます。
このソフトウェアには、次の機能があります。
1 Desktop Application Distributionは、ZENworks Desktop Managementがインストールされている場合にのみ利用できます。
階層配布モデルの利点は、Distribution送信時の負荷を分散できることです。これは、Distributorサーバでは特に重要です。配布処理を親Subscriberと共有することにより、Distributorは、eDirectoryの読み取り、各Distributionの構築、およびデータベースへの情報の記録に、より多くのリソースを使用できます。
多数のSubscriberを使用する場合は、1つのDistributorがこれらのSubscriberに直接配布しないようにすることで、階層配布レベルが深くなります。
次の図は、Distributor、複数の親Subscriber、および多数のエンドノードSubscriberを含む配布ルーティング階層を示しています。
Distributorは、多数の親Subscriberに直接配布できます。または、第1層にある少数の親Subscriberに配布して、その親Subscriberに残りの配布作業を実行させることもできます。この図では、Distributorは2つの親SubscriberにDistributionを送信するだけですが、9のエンドノードSubscriberがこのDistributionを受信します。
この図の親SubscriberがDistributionのChannelにも登録されている場合は、Distributionの受信後に抽出もできます。この図のすべての親Subscriberが、エンドノードSubscriberに送信されるDistributionを受信するよう登録されている場合、DistributorはDistributionを2回送信するだけで合計14のSubscriberサーバに配布します。
それぞれの親Subscriberは、この他にも多数の親SubscriberやエンドノードSubscriber (Distributionの受信先)に配布できます。親SubscriberがDistributionを渡すときの負荷は、DistributorがDistributionを構築するときの負荷よりも小さくなります。
図からわかるように、階層配布モデルを使用すると、Distributorサーバの配布負荷を最小限に抑えることができます。
Tiered Electronic Distributionの重要なコンポーネントを次に示します。